【2025年11月更新】生命保険 50代男性の必要保障額|不足額の出し方と金額目安
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険 50代男性
必要保障額
不足額 計算
遺族厚生年金 5年有期
収入保障保険 目安
高額療養費
団信
目次
課題の整理|50代男性の“いま”と生命保険の役割
50代は、子の独立が近づき、住宅ローンの完済めどや定年準備が同時進行する家計の転換点です。生命保険は“万一”のとき家族の生活を守るための資金づくりですが、守るべき相手と期間は人それぞれ。まず把握したいのは、家計の固定費・教育費・ローン・実家支援などの全体像と、公的年金・退職金・貯蓄の受け皿です。なお、生命保険文化センターの最新調査では、死亡保障の平均加入金額は男性で1,373万円、また経済的準備の充足感は「不足あり」が過半です(2022年度)(生命保険の加入金額はいくらくらい?)。ここから先は、家計実態に合わせて 必要保障額 を“無駄なく・防御力は十分に”組み立てます。
まず決めるのは「誰の・何費用をどの期間」守るか
- 1遺された配偶者・子・親など、守る相手を具体的に列挙し、生活費と教育費を分けて期間を決めます。
- 2住宅ローンは団信で消えるかを確認し、残債やその他借入が残るなら額面をそのまま加算します。
- 3就労継続が見込める家族の収入(フル・短時間)と退職金見込・貯蓄を“使える順”に配置します。
- 4公的給付(遺族年金・高額療養費・埋葬料/葬祭費)で賄える範囲と対象外費用を線引きします。
- 5「見栄の金額」を外し、家族が続ける生活そのものに必要な“現実の数字”だけを残します。
不足額の出し方|“差額×期間”で最短算定
考え方はシンプルです。家族に今後かかる支出(生活費・教育費・一時費用)から、公的年金・退職金・貯蓄・配偶者収入などの見込収入を差し引き、その差を必要年数分だけ埋めます。すなわち 差額×期間 。ここで生じた“足りない分”こそ 不足額 であり、保険でだけ補うのが鉄則です。積み上げの型や具体例は、生命保険文化センターの解説も参考になります(万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例)。
数字はどこから?モデル計算の入口は?
生活費の“今の実額”は分かりますが、遺族年金や教育費、ローンはどう数字を集めれば?
まず家計簿や通帳で月の生活費を確定し、教育費は学校の学費ページや進学予定で見積ります。年金はねんきん定期便や公式解説で受給可否を確認し、子の有無や年齢に応じた加算も反映します。ローンは返済予定表で残債と団信の有無を確認。数字が揃ったら、生活費は“万一後は現状の7割→末子独立まで、独立後は5割→配偶者余命”という控えめな目安で積み上げ、退職金・貯蓄・配偶者収入を順に差し引けば、過不足が見えます。
制度前提の最新アップデート(2025年11月)
制度が変われば不足額も動きます。押さえるべきは次の3点です。第一に、子のいない配偶者の 遺族厚生年金5年有期 が2028年4月に導入予定(女性40歳未満・男性60歳未満が主対象、有期中は約1.3倍加算、所得等で継続給付)(遺族厚生年金の見直しについて)。第二に、入院時食事の自己負担は2025年4月から1食510円に引上げ(入院時の食費の基準の見直し(令和6年度))。第三に、高額療養費の上限引上げは2025年8月実施を見送り、現行の枠(例:70歳未満・年収約370万〜770万円で月8万0,100円+超過分1%)で“秋まで再検討”となっています(高額療養費制度の見直し資料(2025年))。
医療自己負担の“公的で賄える/賄えない”ライン
公的医療保険は自己負担3割でも、高額療養費で月あたりの上限が効く一方、差額ベッドや先進医療の技術料は対象外です。例えば先進的ながん治療の重粒子線治療は1件あたり約314万円(技術料)が目安で、ここは民間の医療保険や貯蓄で備える領域です(先進医療とは? どれくらい費用がかかる?)。また会社員世帯は健康保険から埋葬料(原則5万円)が支給されますが、葬儀全体費用の一部に過ぎません(ご本人・ご家族が亡くなったとき)。
過大見積もりを防ぐチェック(50代版)
- 1住宅ローンは団信で完済なら“0円”計上にし、二重計上を避けます。
- 2配偶者の就労継続や年金見込を保守的に計上し、同時に生活費は“世帯規模縮小後の7割→5割”で抑えます。
- 3子が18歳を過ぎると遺族基礎年金は終了する点を計算に反映します。
- 4医療費は高額療養費の現行上限で上ぶれを抑え、対象外費用(先進医療・差額ベッド・付き添い等)だけを別枠で見積ります。
ケース別の目安金額|50代代表4タイプ
同じ50代でも不足額は大きく変わります。あくまで“差額×期間”で個別試算が基本ですが、設計の起点になるレンジ感を示します。1) 子ども独立済み・共働き(持ち家・団信あり):不足は最小。葬祭費・手続き費の当座資金として0〜300万円程度の小口終身や貯蓄で十分。2) 未成年の子あり・教育費残あり:遺族年金(基礎+厚生)で一部カバーされる前提でも、教育費と生活費の重複期間は厚めに。1,000〜2,000万円超の不足も現実的。3) 親扶養・介護支出あり:仕送り月5〜8万円×想定年数に、介護・葬送の臨時費を上乗せ。800〜1,200万円相当を追加で見る。4) 団信非加入・残債あり:残債額を“そのまま”加算し、葬祭費を別枠で。まず債務ゼロ化を最優先し、生活費不足は収入保障で段階補填。数値はあくまで目安。あなたの家計と制度適用(遺族年金の受給資格や学齢)を前提に再計算してください。
保険は“安心の大盛り”ではなく、“不足のちょうど埋め”。金額の根拠が言えると、家計も家族も強くなります。
設計の型|定期×収入保障×小口終身の役割分担
期間限定で大きく必要な部分(子の独立まで・ローン残債の間)は、効率の良い定期保険や収入保障保険で。亡くなった直後の当座資金(葬儀・相続手続き・納税準備)は、100〜300万円の小口終身で固定化。長く必要な金額は小さく、短く必要な金額は大きく——この“逆張り”が保険設計の基本です。なお、男性の平均加入額(1,373万円)と“十分に足りていない”という自覚が半数超という調査結果は、見直しの優先順位づけに役立ちます(生命保険の加入金額はいくらくらい?)。
住宅ローンと団信、保険はどう分担?
持ち家で残債1,200万円、団信はがん特約なし。保険でどこまで見るべき?
死亡時にローンが完済される団信なら、残債の上乗せは不要です。逆に“団信なし・または対象外の借入”は額面通りを加算。生活費の不足は収入保障保険(月額×年数)で埋め、亡くなっても毎月の“給料”が続く形にします。がん・就業不能で返済が止まるリスクは、団信の特約の条件と民間の就業不能保険の両面で比較しましょう。
見直しの段取りと申込順
進め方は、手持ち保障の棚卸し→過不足の可視化→申込順の最適化、の3段階。棚卸しでは、保険証券・団信・共済・勤務先の死亡退職金(有無と基準)を一枚に。次に“差額×期間”で不足を数値化。申込順は、健康体割引の可能性がある商品(非喫煙割引など)から先に着手し、次に緩和型の選択肢を検討。新契約の成立確認後に旧契約の減額・解約に進むと空白リスクがありません。
保険料の適正レンジと家計配分
50代は医療・介護・老後資金の“重ね取り”期。死亡・医療・就業不能を合わせた保険料の総額は、手取りの5〜7%以内に収めるのが現実的です。直近の医療制度改定(入院食事1食510円の自己負担や 高額療養費 の現行上限維持)も踏まえ、保険で守る範囲と投資(NISA/iDeCo)で増やす範囲を分け、固定費の総量を整えましょう。(入院時の食費の基準の見直し(令和6年度)) と (高額療養費制度の見直し資料(2025年)) を家計前提に反映させるのがコツです。
“子が18歳を越えるタイミング”“ローン完済”“退職”。この3点で保障額を自動的に減らす設計が、50代の正解です。
まとめと次の一歩|家族会議→試算→相談
ここまでの要点は3つ。1) まず“誰の・何費用を・何年”守るかを言語化。2) 積み上げは支出から始め、遺族年金・退職金・貯蓄・配偶者収入で差し引き、 差額×期間 に限定。3) 団信・高額療養費・入院食事の自己負担・先進医療など、2025年の制度前提を反映して数字に落とす。迷ったら、当社の無料オンライン相談で家計の実データをもとに可視化しましょう。
まとめ:重要ポイント
- 1家族の生活費・教育費・一時費用から公的年金・退職金・貯蓄を差し引き、“差額×期間”だけを保険で埋めます。
- 22028年の遺族厚生年金5年有期、入院食事1食510円、高額療養費の見直し見送りなど最新制度を前提に試算します。
- 3団信で消える債務は“0円”計上にし、残る債務は額面どおり加算。収入保障で生活費の不足を段階補填します。
- 4保険料は手取りの5〜7%内に収め、死亡・医療・就業不能と新NISA/iDeCoの配分で家計を最適化します。
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