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【2025年11月更新】生命保険 免責期間の基礎|対象外と開始日の判断早見表

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2025年11月更新】生命保険 免責期間の基礎|対象外と開始日の判断早見表
生命保険 免責期間
自殺免責 3年
責任開始日
団信 免責
がん保険 待機期間
復活 免責
乗り換え 空白

課題提起:免責期間で“もらえない”を防ぐ

保険は加入後すぐに守ってくれるわけではありません。多くの契約には 免責期間(待機期間)があり、その間は一定の事由で給付されません。さらに、保障の起点となる 責任開始日 と「契約日」がズレると、数え方を誤りがちです。この記事では、生命・団信・医療・がんの免責の中身と起算の実務を、一次情報のリンク付きで最新整理し、「乗り換え時の空白ゼロ」の段取りまで具体化します。

免責期間で誤解が起こる典型場面

  • 1
    契約日を基準に数えてしまい、実際の責任開始日とズレていた
  • 2
    がん保険の「90日」と「3か月」を同じとみなし、暦のカウントを誤った
  • 3
    団信は自殺免責1年なのに、一般の生命保険の3年感覚で勘違いした
  • 4
    緩和型医療の“初年度削減”を見落とし、給付が半額になることに後から気づいた
  • 5
    復活(失効後の復活)で免責や起算がリセットされ得る点を見落とした

免責期間の目的と法律の枠組み

免責は相互扶助の公平性を守るための仕組みです。加入直後の高リスク事象やモラルリスクを抑えるため、一定期間は保険者の支払い責任を免除します。生命保険では、自殺について保険者免責を定めた保険法の規定があり(保険法第51条)、「期間の限定」を約款で設けるのが通例です。条文は公的サイトで確認できます。(保険法(第51条)) また、保障の起点となる責任開始期(日)の考え方は公的なQ&Aで整理されています。(生命保険の申込み後の保障開始)

契約日と責任開始日はどう違う?

申込が終わったら“その日”から数えればいいと思っていました。契約日と責任開始日の違いはありますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
あります。一般に保障は「告知・診査」と「第1回保険料充当金の払込」の遅い方にさかのぼって始まる=責任開始期(日)です。月払いの応当日調整で契約日が後ろになることもあるため、免責の起算は必ず「責任開始期(日)」を基準に確認しましょう(公的Q&Aの記載があります)。

種類別の免責:生命保険(自殺)と団信(住宅ローン)の違い

一般の生命保険では 自殺免責 を約款で期間限定(近年は3年が主流)とするのが通例です。これに対し、住宅ローンの団体信用生命保険(団信)は自殺免責が1年とされるのが一般的で、約款の免責事由に「保障開始日から1年以内の自殺」等が明示されます。団信の免責事由と起算は公式の契約概要で確認できます。(契約概要(団体信用生命)) なお、戦争・変乱、受取人等の故意による死亡などは多くの商品で“全期間免責”の対象に位置付けられます。

医療保険:通常型と緩和型の初期制限の違い

  • 1
    通常の医療保険は加入成立後、病気の入院・手術も原則“初日から”保障(商品により旧来型の入院◯日目から給付はあり)
  • 2
    引受基準緩和型は加入しやすい代わりに、初年度は“給付50%”などの削減期間が付くのが一般的
  • 3
    事故(ケガ)による入院・手術は、疾病の待機があっても免責なく支払う設計が多い
  • 4
    緩和型は保険料が割高・特約が限定的になりやすいので、目的・費用対効果を事前に点検する
  • 5
    緩和型の代表的な初期削減の仕組みは解説で確認できる

がん保険の免責“90日”と“3か月”:数え方の実務

がん保険は契約直後の 90日(または3か月) を待機期間とするのが一般的です。免責中に診断確定されると、給付対象外となり、契約無効や保険料返還の運用が約款で規定されます。注意は数え方で、「90日」は暦上の90日後まで、「3か月」は応当日の前日までなど、表記で終期がズレます。公式解説で“乗り換え時の空白”に触れられています。(がん保険の免責期間とは?) また、商品の解説でも待機の仕組みが説明されています。(がん保険の免責期間とは?(解説))
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
がん保険の免責が明ける“翌日0時”まで旧契約を残す。保険料は重複しても、保障の空白を作らないのが鉄則です。

開始日の判断:責任開始期の前倒しと復活の再起算

近年は、申込み・告知が済んだ時点に遡って保障が始まる「責任開始期に関する特則」が広く整備されています。初回保険料の口座引落しを待たずに前倒しされるケースがある一方、復活(失効後の復活)は“復活日が責任開始期(日)”となり、免責や自殺の起算がリセットされ得ます。実務の基礎は公的Q&Aを参照できます。(生命保険の申込み後の保障開始)

復活・転換時の免責はどう扱う?

保険料延滞で失効し、復活しました。自殺免責のカウントは引き継げますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
多くの約款で“復活日”を起点に責任が再開=免責のカウントも復活後に再起算され得ます。転換(乗り換え)でも新契約扱いの免責が生じることがあるため、必ず約款の「責任開始期」「免責事由」「転換時の取扱い」の条項を確認しましょう。

対象外と例外:精神疾患関与の自死・事故入院の扱い

自殺免責の枠組みは、判例でも枠組みが示されています。重度の精神障害で自由意思による自殺と評価しがたい事案では、免責の適用外となる可能性が議論されてきました。業界の判例集で整理されています。(生命保険判例集第18巻) 一方、医療保険では事故(ケガ)入院は契約直後でも免責なしで支払う設計が一般的です。約款の「免責事由(戦争・変乱等)」「事故と疾病の扱い」を事前に確認しておくと安心です。

上皮内新生物の扱い差と選び方の注意

がん保険では「上皮内新生物」を悪性新生物とは別枠で扱い、診断給付金の対象外や減額(例:悪性の◯%)とする商品があります。診断一時金の有無・回数、通院へのカバーと併せて、上皮内新生物の“対象・割合・定義(CISや高度異形成の線引き)”を約款の定義条項で比較して選びましょう。免責が明けるタイミングと診断確定の関係も、前述の数え方ルールで誤りなく管理します。

乗り換え段取り:空白ゼロの実践手順

  • 1
    新契約の責任開始期(日)と免責の満了“翌日0時”を先に確定する
  • 2
    旧契約は“翌日0時まで”並走。保険料重複はやむなしと割り切る
  • 3
    証券と約款で「責任開始期」「免責事由」「起算の定義」と“上皮内新生物”の取り扱いを照合する
  • 4
    緩和型→通常型へ移る際は、初年度削減や部位不担保の解除条件を確認
  • 5
    家族で共有するカレンダーに起算・満了・診断日(想定)を記録する

最新動向:免責期間なし/免責中の保険料不要という設計

近年、“免責期間なし”の治療給付型がん保険や、免責中の保険料を取らない設計など、免責の運用を見直した商品が登場しています。例えば「免責期間における保険料不要」を明示するニュースリリースが公表されています(傾向把握に有用)。(ニュースリリース) ただし、診断一時金の有無・通院保障の有無など、設計が限定的な場合もあります。待機ゼロのメリットだけでなく、総合保障の“範囲とコスト”まで比較して判断しましょう。

“早見表”として押さえるべき確認ポイント

生命(自殺免責は責任開始から3年が通例)/団信(1年)/医療(通常は待機なし・緩和型は初年度削減)/がん(90日 or 3か月)の各“免責と起算”をまず把握し、次に約款の「免責事由」「責任開始期」「診断確定の定義(がん)」の見出しを確認するのが早見の型です。起算は必ず責任開始期(日)ベース、がんは表記に応じた暦カウント(90日・3か月)で、満了翌日0時から保障開始と覚えておくと実務で迷いません。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
免責の満了日を家族のカレンダーに書く。90日の場合は日数計算、3か月は応当日で管理。生命の自殺免責は“年単位”でミスが減ります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    免責は“公平性を守る”ための仕組み。起算は責任開始期(日)で数える
  • 2
    生命の自殺免責は一般に3年、団信は1年が通例。戦争・変乱等は全期間免責が多い
  • 3
    がんの待機は90日/3か月の表記差に注意。満了“翌日0時”から保障開始
  • 4
    緩和型医療は初年度削減(50%など)が一般的。事故入院は免責なし設計が多い
  • 5
    乗り換えは“新旧並走”で空白ゼロ。約款の免責事由・定義を必ず照合する

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