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【2026年9月更新】不妊治療費の節目|年齢・回数・助成と家計設計

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年9月2日
  • 東京都助成の10月申請前準備の明確化
  • 2025年出生数とART統計による規模感の更新
  • 高額療養費見直しと年間上限情報の追記
【2026年9月更新】不妊治療費の節目|年齢・回数・助成と家計設計
不妊治療費
保険適用
東京都助成
先進医療
高額療養費制度
医療費控除
ART

治療費は“いつ負担が増えるか”を先に知ると判断しやすくなります

不妊治療費 は、2022年4月から体外受精・顕微授精などの基本治療が公的医療保険の対象になり、窓口負担は原則3割になりました。ただし、保険適用には女性の年齢と胚移植回数の上限があり、上限を超えると同じような治療内容でも自由診療へ切り替わる場面があります。
2026年9月時点では、東京都が2026年4月1日以降に開始した保険診療の体外受精・顕微授精について、保険診療の自己負担分と併用した先進医療費を、1回の治療につき上限15万円まで助成する制度へ拡充しています。申請受付開始は2026年10月1日です。受付開始前の申請は無効と案内されているため、治療を終えた人も「すぐ申請」ではなく、必要書類をそろえて10月以降に動く準備が大切です。
この記事では、年齢・回数、先進医療、高額療養費、医療費控除、医療保険、戻ってきたお金の置き場所まで、治療中に迷いやすいお金の節目を整理します。

見落としやすい費用の節目

  • 1
    保険適用の体外受精・顕微授精は、治療開始時の女性の年齢が43歳未満であることが前提になります。
  • 2
    胚移植の保険適用回数は、40歳未満で1子ごとに通算6回、40歳以上43歳未満で通算3回が目安になります。
  • 3
    保険適用の上限を超えると、採卵、培養、胚移植などの基本治療費が自由診療となり、自己負担が大きく増えやすくなります。
  • 4
    先進医療は保険診療と併用できますが、先進医療の技術料そのものは全額自己負担で、高額療養費制度の対象外です。
  • 5
    助成金や医療費控除で戻るお金は後払いが多いため、治療前に一時的な現金余力を確認しておく必要があります。

年齢・回数の上限を正しく押さえる

体外受精・顕微授精などの生殖補助医療は、治療開始時点で女性が43歳未満であることが保険適用の前提です。胚移植の回数は、初めての治療開始時点で40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満なら1子ごとに通算3回までとされています。こども家庭庁の資料でも、年齢・回数の考え方が整理されています。(不妊治療が保険適用されています。)
ここで大切なのは、回数上限が「採卵回数」ではなく、主に胚移植回数で見られる点です。採卵を複数回行うか、凍結胚をいつ移植するかで、治療計画と家計の負担時期は変わります。医師の治療方針とあわせて、家計側では「あと何回まで保険で進められるか」を毎回確認しましょう。
過去に保険適用前の助成金を利用していても、保険診療で行った胚移植回数だけをカウントする扱いが示されています。一方で、医療機関ごとの治療計画や中断・再開の扱いは個別に確認が必要です。診察時に「次の周期は保険回数に入りますか」と聞いておくと、後から家計計画を立て直しやすくなります。

上限を超えて治療を続けるといくらかかりますか?

保険適用の回数を使い切っても、治療を続けたい場合はどのくらい見ておけばよいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
自由診療になると、採卵、培養、胚移植などの基本部分が全額自己負担になります。施設や刺激方法、培養方針、凍結胚の有無で大きく変わりますが、1回あたり数十万円規模になることがあります。治療前に見積書をもらい、助成対象になる費用とならない費用を分けて確認しましょう。

東京都の助成は2026年10月1日から申請受付開始

東京都は、2026年4月1日以降に開始した治療から、保険診療の体外受精・顕微授精と、併用して実施した先進医療にかかる費用を、1回の治療につき上限15万円まで助成する制度へ拡充しています。申請受付開始は2026年10月1日です。2026年9月1日更新の公式ページでは、受付開始前に申請しても無効になるため、必ず受付開始後に申請するよう案内されています。(東京都不妊治療費助成事業の概要)
助成額の考え方も押さえておきたいところです。公式ページでは、保険診療の自己負担9万円と先進医療3万円なら助成額12万円、保険診療12万円と先進医療9万円なら上限の15万円という例が示されています。高額療養費や健康保険組合の付加給付がある場合は、その金額を控除して助成額が計算されます。なお、2026年4月1日以降に開始した治療に関する申請では、個人で加入している民間医療保険からの給付金を控除する必要はないと案内されています。
注意したいのは、全額自己負担で行った体外受精・顕微授精や、人工授精などの一般不妊治療はこの東京都制度の対象外である点です。治療開始日、治療終了日、住民登録、法律婚・事実婚の要件も関わります。申請前提の人は、領収書だけでなく、受診等証明書、住民票、戸籍全部事項証明書、健康保険の資格情報、限度額適用認定証区分が分かる書類などの準備時期を確認しておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
助成金は家計を助けてくれますが、治療当日の支払いを消してくれるとは限りません。先に払うお金と、後から戻るお金を分けて考えると安心です。

先進医療は保険と併用できるが技術料は自己負担

先進医療 は、保険診療と自由診療の中間のように誤解されがちですが、仕組みは明確です。診察、検査、投薬、入院料など通常の治療と共通する部分は保険診療として扱われ、先進医療の技術料は全額自己負担になります。厚生労働省は、2026年8月現在の先進医療は74種類で、先進医療に係る費用は全額自己負担と説明しています。(先進医療の概要について)
東京都の公式ページでは、SEET法、タイムラプス、子宮内膜スクラッチ、PICSI、ERA/ERPeak、子宮内細菌叢検査、IMSI、二段階胚移植法、マイクロ流体技術を用いた精子選別、PGT-Aなどが先進医療として例示されています。ただし、実施できる医療機関や対象技術は変わることがあります。治療を受ける医療機関が、実施時点でその先進医療の届出医療機関かどうかを確認することが重要です。
特に東京都助成では、厚生労働省から先進医療実施医療機関として指定を受けている医療機関で、登録日以降に実施された技術であることが重要です。たとえば、ある医療機関のタイムラプス登録日が治療実施日より後なら、助成対象外になり得ます。治療前に「この先進医療は、実施日ベースで助成対象になりますか」と医療機関へ確認しておきましょう。

FP相談前にそろえると話が早いもの

  • 1
    直近2年分の医療費領収書と診療明細を、保険診療、先進医療、自由診療に分けて保管しておきます。
  • 2
    治療計画書や見積書を用意し、採卵、培養、凍結、移植、薬剤、先進医療の費用が分かる状態にします。
  • 3
    加入中の医療保険の証券を確認し、先進医療特約、手術給付金、女性疾病特約、給付対象外の条件を確認します。
  • 4
    マイナ保険証や資格確認書、限度額適用認定証区分、勤務先の健康保険組合の付加給付の有無を確認しておきます。
  • 5
    家計簿、預金残高、証券口座残高を一覧にし、治療費を払っても生活防衛資金が残るかを確認します。

先進医療特約は“入っているか”だけで判断しない

先進医療特約 は、厚生労働大臣が定める先進医療の技術料を、商品ごとの上限内で補償する仕組みです。通算上限は1,000万円から2,000万円程度の商品が多く、保険料は月数百円程度に収まることもあります。
ただし、すでに治療中の場合、新たな加入や見直しでは告知内容によって加入できない、または一定期間・特定部位が対象外になる可能性があります。また、先進医療特約があっても、自由診療の基本治療費、サプリ、交通費、文書料などは通常対象外です。確認すべきなのは「特約があるか」だけでなく、保障開始日、対象技術、給付上限、重複契約、満了年齢です。
不妊治療の見積書を見ると、保険診療、先進医療、自由診療、文書料が1枚の説明書に並んでいることがあります。保険会社へ問い合わせる際は、「この技術料は先進医療として給付対象ですか」「治療開始日と実施日のどちらで判定しますか」と聞くと、家計で現金準備すべき範囲が見えやすくなります。

先進医療特約は今から入れば間に合いますか?

体外受精を検討中です。先進医療特約に今から入れば安心でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
まずは既契約の有無を確認しましょう。これから加入する場合は、治療歴や通院状況の告知が必要になり、希望どおり加入できないこともあります。見積書、治療計画、保険証券を並べて、特約で備える部分と現金で備える部分を分けるのがおすすめです。

高額療養費制度は保険診療分だけに効く

高額療養費制度 は、1か月の保険診療の自己負担が所得区分ごとの上限を超えたとき、超えた分が支給される制度です。69歳以下で年収約370万〜約770万円の区分なら、従来の上限額は「80,100円+医療費が267,000円を超えた分の1%」が目安です。高額療養費の支給対象は保険診療分で、先進医療の技術料、差額ベッド代、食事代、自由診療分は対象外です。(高額療養費制度を利用される皆さまへ)
たとえば同じ月に保険診療の医療費総額が60万円、窓口負担が18万円かかった場合、上記区分なら自己負担上限は83,430円が目安になります。一方で、同じ日に先進医療の技術料を10万円払っていても、その10万円は高額療養費の計算に入りません。69歳以下の世帯合算では、同じ医療保険に加入する家族の自己負担を合算できる場合がありますが、原則として1件21,000円以上の自己負担が対象です。
なお、2026年5月に医療保険制度改正法が成立し、高額療養費について年間上限の新設などの見直しが示されています。(医療保険制度改正法が成立しました) 不妊治療の支払いでは、同じ月に保険診療分が集中するかどうかで負担が変わります。実際の上限額、付加給付、年間上限の扱いは加入している健康保険で確認しましょう。マイナ保険証の限度額情報の利用や、限度額適用認定証の要否も事前確認が安心です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
治療が進むほど領収書は増えます。あとで助成や税金の申請に使えるよう、費目ごとに分けて残しておくことが家計防衛になります。

医療費控除は助成金を差し引いて考える

医療費控除 は、医師による診療等の対価として支払った不妊症の治療費や人工授精の費用が対象になる制度です。国税庁も、不妊症の治療費や人工授精の費用は医療費控除の対象になると示しています。なお、同ページは令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されています。(不妊症の治療費・人工授精の費用)
体外受精・顕微授精の自己負担、医師の診療に基づく検査や薬代、通院のための公共交通機関の交通費などは対象になり得ます。一方で、自己判断で購入したサプリ、予防や美容目的の費用、医学的必要性が説明しにくい付加サービスは対象外になりやすい費用です。また、助成金、保険金、高額療養費、健康保険組合の付加給付を受けた場合は、その分を支払った医療費から差し引いて計算します。
戻った資金の置き場所も大切です。生活防衛資金が不足しているなら預金を優先し、余裕がある場合に新NISAのつみたて投資枠などで長期分散投資を検討します。金融庁のNISA解説では、2024年開始の新制度で年間投資枠360万円、非課税保有限度額1,800万円、非課税保有期間無期限などが示されています。(NISAを知る)

最新統計で見るARTの規模と家計への影響

日本産科婦人科学会は2025年8月29日に2023年ARTデータブックを掲載しており、2023年の総治療周期数は561,664周期、ARTによる出生児数は85,048人とされています。(登録・調査小委員会) 厚生労働省の2025年人口動態統計月報年計の概況では、2025年の出生数は671,236人、合計特殊出生率は1.14とされています。(令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況)
ARTの出生児数85,048人を、同じ2023年の出生数約72.7万人規模と単純に比べると、ARTで生まれた子どもは全出生の約11.7%、およそ8.6人に1人という規模になります。治療が特別な少数派の話ではなくなっている一方で、保険適用の回数上限、先進医療、自治体助成、税金、保険給付をどう組み合わせるかで、家計負担は大きく変わります。
家計試算では、保険適用内で胚移植3回、先進医療を2回併用し、その後に自由診療を2回続けるようなケースでは、施設や薬剤、採卵回数によって総負担が100万円台半ばから200万円前後まで広がることがあります。東京都在住で2026年4月1日以降に開始した保険診療の治療なら、1回上限15万円の助成が使える可能性がありますが、2026年9月時点では申請受付前です。現実的には、手元資金、助成見込み、高額療養費、医療費控除、保険給付を一覧にし、治療の区切りごとに家計を更新するのが安全です。迷ったら、医療機関の見積書と保険証券を持って、オンライン相談で一度棚卸ししてみましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    体外受精・顕微授精の保険適用は、治療開始時43歳未満が前提で、胚移植回数は40歳未満6回、40歳以上43歳未満3回が目安です。
  • 2
    東京都は2026年4月1日以降に開始した保険診療の体外受精・顕微授精について、自己負担分と先進医療費を1回上限15万円まで助成し、申請受付は2026年10月1日開始です。
  • 3
    先進医療の技術料と自由診療分は高額療養費制度の対象外なので、領収書と明細を分けて管理することが大切です。
  • 4
    医療費控除では、助成金や保険金、高額療養費を差し引いた実質負担を整理し、確定申告で取りこぼしを防ぎましょう。
  • 5
    治療費は後払いで戻るお金も多いため、現金余力、保険、助成、税金、資産形成をまとめて設計することが重要です。

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不妊治療の費用は、年齢、回数、治療計画、自治体助成、加入中の保険によって大きく変わります。ほけんのAIの無料オンラインFP相談なら、見積書、領収書、保険証券を見ながら、助成金・高額療養費・医療費控除・先進医療特約をまとめて整理できます。LINEで予約でき、全国どこからでもオンライン相談が可能です。中立的な立場で複数社を比較し、当面の支払い計画から家計回復まで一緒に確認できます。

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