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【2026年9月更新】学資保険と新NISA|教育費850万円の配分術

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年9月30日
  • 2026年8月CPIと850万円試算の更新
  • NISA・こどもNISA最新動向の反映
  • 多子世帯支援と控除確認ポイントの整理
【2026年9月更新】学資保険と新NISA|教育費850万円の配分術
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教育費づくりは、物価と制度の変化を前提に考える

子どもの進学資金を準備するとき、昔ながらの「大学までに500万円」という目安だけでは不安が残りやすくなっています。食費や日用品、通信費、塾代の負担感が続く一方で、NISAや修学支援制度、生命保険料控除など、子育て世帯が確認しておきたい制度も変わっています。
この記事では、2026年9月時点で確認できる統計と制度をもとに、現在価値で500万円の 教育費 を18年後に用意する場合の名目目標、毎月の積立額、学資保険と新NISAの使い分け、大学進学前の取り崩し方まで整理します。結論から言うと、年3%のインフレを安全側に置くなら目標は名目約850万円、年3.5%で運用できる前提なら月約2.8万円が一つの目安です。

この記事で押さえるポイント

  • 1
    現在価値500万円を18年後にも保つには、年3%インフレ前提で名目約850万円が目安になります。
  • 2
    年3.5%で積み立て運用できるなら月約2.8万円、現金だけなら月約3.9万円が単純試算の目安です。
  • 3
    学資保険は払込免除と受取時期、新NISAは価格変動と取り崩し時期を分けて確認します。
  • 4
    大学進学の3年前から現金や短期債券へ移すルールを決めると、入学直前の相場下落に備えやすくなります。
  • 5
    2027年1月以降に予定される未成年向けつみたて投資枠は、制度開始後の金融機関対応を確認します。

2026年8月CPIから見る、850万円目標の考え方

総務省が2026年9月18日に公表した2026年8月の全国 消費者物価指数 は、総合が前年同月比+1.9%、生鮮食品を除く総合が+1.7%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が+1.9%でした。2025年の年平均は総合+3.2%です。詳しい数値は(2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年8月分)で確認できます。
足元の物価上昇率は2022〜2025年の高い伸びから落ち着きつつありますが、教育費の準備は18年前後の長期戦です。仮に現在価値500万円を18年後にも同じ購買力で持ちたい場合、年3%の物価上昇を置くと、500万円×1.03^18で約851万円になります。年2%なら約714万円ですが、進学先や下宿の有無で大きく変わるため、計画段階では少し余裕を持たせるほうが安心です。

毎月いくら積み立てればよい?

子どもが生まれたばかりです。18年後に850万円を目指すなら、毎月いくら必要ですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
年3.5%で毎月積み立て運用できると仮定すると、月約2.8万円が目安です。運用しない場合は850万円を216カ月で割るため月約3.9万円です。ただし利回りは保証ではありません。生活費6〜12カ月分の預貯金を先に確保し、児童手当やボーナスで途中増額できる設計にしておくと続けやすくなります。

教育費統計で見る、大学前にもお金はかかる

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」では、幼稚園3歳から高等学校第3学年まで15年間の学習費総額について、すべて公立の場合は約614万円、すべて私立の場合は約1,969万円と整理されています。2026年1月16日の訂正版を含む資料は(結果の概要-令和5年度子供の学習費調査)で確認できます。
この金額には大学費用が含まれていません。つまり、大学入学金、授業料、受験料、通学費、下宿費、パソコン購入費などは別枠で考える必要があります。公立中心でも、小学校高学年から塾や習い事が増える家庭は少なくありません。子どもが小さいうちは「大学費用だけ」ではなく、中学受験や高校受験の可能性も含めて、支出が前倒しで発生するケースを見ておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費は、増やす力と守る力の両方が必要です。どちらか一方に寄せすぎず、使う時期から逆算することが家計を助けます。

学資保険と新NISAは、役割を分けると考えやすい

学資保険 は、契約者に万一のことがあった場合の保険料払込免除や、満期金・祝金の受け取り時期を決めやすい点が特徴です。一方で、途中解約では元本割れする期間がある商品も多く、インフレに強いとは限りません。
新NISA は、長期・分散・積立による資産形成に向いた非課税制度です。ただし教育費のように使う時期が決まっているお金をすべて株式投資に置くと、進学直前の相場下落で困る可能性があります。学資保険は「確実に使う時期の一部を固める役」、新NISAは「インフレに負けにくい上乗せを狙う役」と分けると、家計の中で位置づけやすくなります。

NISA利用拡大と2027年予定のこどもNISA

金融庁が2026年7月3日に公表した調査では、2025年12月末時点のNISA口座数は2,821万口座、累計買付額は71兆円でした。調査一覧は(利用状況調査)で確認できます。さらに日本証券業協会の2026年9月公表資料では、証券会社全社のNISA口座数が2026年6月末で約2,227万口座、2026年1〜6月の買付額が約11.5兆円とされています。詳しくは(NISA口座の開設・利用状況)にまとまっています。
2027年1月以降は、0〜17歳向けに こどもNISA と呼ばれる未成年向けつみたて投資枠の創設が予定されています。金融庁の解説では、0〜17歳である間の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円、12歳以降は子どものための使途であることや子どもの同意など一定要件のもとで払出し可能とされています。制度概要は(「令和8年度税制改正の大綱」の概要)で確認できます。実際に使う場合は、開始時期、対象商品、金融機関の口座開設手続き、払出し書類を必ず最新情報で確認しましょう。

学資保険だけで足りる?

学資保険に入れば、教育費はそれで十分でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
満期金の金額によります。たとえば大学入学時に200万円受け取れる契約でも、850万円の目標には650万円の差があります。学資保険で確実に使う一部を固め、残りを預貯金、新NISA、将来のこどもNISAで補うなど、役割分担で考えるのがおすすめです。

学資保険を比較するときの注意点

学資保険は、契約者の年齢・性別、子どもの年齢、保険金額、払込期間、払込方法、特約の有無で保険料や返戻率が変わります。広告で見た返戻率だけで判断せず、同じ条件にそろえて比較することが大切です。
特に確認したいのは、保険料払込免除の条件、満期金や祝金の受取時期、途中解約時の返戻金、医療特約など保障を付けた場合の保険料です。保障を厚くすると貯蓄性は下がりやすくなります。教育費づくりが目的なら、死亡保障は別の生命保険で備え、学資保険はシンプルにするほうが合う家庭もあります。最終判断は、各社の約款、重要事項説明書、最新の募集資料で確認してください。

今からできる具体アクション

  • 1
    家計簿アプリや通帳を見て、教育費に回せる毎月額とボーナス額を先に決めます。
  • 2
    児童手当や親族からの祝い金は教育費専用口座に移し、生活費と混ざらないようにします。
  • 3
    学資保険は返戻率だけでなく、払込免除、受取時期、途中解約時の返戻金を確認します。
  • 4
    新NISAは積立商品、毎月額、進学3年前の安全資産シフトをセットで決めます。
  • 5
    年1回、物価、進路希望、家計収支、支援制度の変化を反映して積立額を見直します。

価格変動に備える取り崩しの段取り

株式インデックス投資は長期では期待リターンを見込みやすい一方、進学直前に大きく下がる可能性もあります。教育費では「18年運用できるか」だけでなく、「必要な年に取り崩せるか」が重要です。
実務では、進学3年前から毎年一定割合を現金や短期債券、個人向け国債などへ移す方法が使いやすいです。たとえば大学入学の3年前に必要額の3分の1、2年前にさらに3分の1、1年前に残りを安全資産へ移すと、入学直前の急落で入学金や前期授業料が不足するリスクを抑えられます。取り崩し順は、現金、債券、株式の順に決めておくと、相場を見て迷う時間を減らせます。

安全資産の置き場所も年1回は見直す

日本銀行が2026年9月17日に公表した資金循環統計では、2026年6月末の家計の金融資産は2,519兆円、うち現金・預金は1,132兆円で全体の44.9%でした。投資信託は193兆円、株式等は486兆円、保険・年金・定型保証は586兆円です。詳しくは(参考図表 2026年第2四半期の資金循環)に掲載されています。
預貯金は教育費の安全資産として欠かせませんが、物価上昇率より金利が低い期間が続くと、実質的な購買力は下がります。1〜2年以内に使う入学金や授業料は預貯金で守り、3年以上先のお金は個人向け国債、短期債型ファンド、リスクを抑えたバランス型ファンドなども候補になります。個人向け国債は発行回ごとに条件が変わるため、購入前に(発行条件「変動10年」)で利率や中途換金ルールを確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
商品選びで迷うときほど、先に目標額と使う時期を書き出してみてください。数字をそろえると、必要な選択肢が見えやすくなります。

多子世帯支援と生命保険料控除も計画に入れる

2025年度から、大学等の修学支援新制度では多子世帯支援が拡充され、一定の要件を満たす多子世帯の学生は所得制限なく授業料等減免を受けられるようになりました。JASSOの案内では、大学の場合の上限額は国公立で入学金28万円・授業料54万円、私立で入学金26万円・授業料70万円です。対象となる「子ども」の数の判定や資産要件もあるため、詳しくは(多子世帯支援について)を確認してください。
また、国税庁の令和8年分年末調整資料では、23歳未満の扶養親族がいる場合、令和8・9年分の新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が6万円とされています。ただし、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除を合わせた限度額は従来どおり12万円です。詳細は(昨年と比べて変わった点)で確認できます。控除のために不要な保険へ入るのではなく、必要保障と教育費計画の結果として控除も確認する順番が大切です。

保険と投資のハイブリッド戦略

教育費づくりで現実的なのは、保険、預貯金、投資を一つに決め打ちしないことです。たとえば、大学入学時に必ず使う200万〜300万円を学資保険や預貯金で確保し、残りを新NISAや将来の未成年向けつみたて投資枠で長期積立する方法があります。
積立開始が遅れるほど毎月負担は増えます。年3.5%で18年積み立てる計画では、開始が1年遅れると必要月額はおおむね7〜8%増えるイメージです。最初から満額を積めなくても、児童手当、昇給、ボーナス、保険の見直しで浮いたお金を段階的に上乗せするほうが続きやすいでしょう。大切なのは、家計が苦しい月でも完全に止めず、少額でも積立の習慣を残すことです。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    年3%インフレを置くと、現在価値500万円の18年後目標は名目約850万円になります。
  • 2
    学資保険は確実性と払込免除、新NISAは非課税運用とインフレ対応を担うなど役割分担が大切です。
  • 3
    大学進学3年前から安全資産へ移すルールを決めると、入学直前の相場下落に備えやすくなります。
  • 4
    2027年予定のこどもNISA、多子世帯支援、生命保険料控除の動きは年1回確認しましょう。
  • 5
    教育費計画は進路、家計、制度、物価で変わるため、固定せず定期的に見直すことが重要です。

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