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【2026年7月更新】学資保険と新NISA|教育費850万円の配分術

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年7月15日
  • 2026年5月CPIと家計資産2386兆円の反映
  • こどもNISAの2027年開始予定と払出条件の整理
  • 多子世帯支援と生命保険料控除延長の追記
【2026年7月更新】学資保険と新NISA|教育費850万円の配分術
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教育費づくりは、物価と制度の変化を前提に考える

子どもの進学資金を準備するとき、昔ながらの「大学までに500万円」という目安だけでは足りるか不安になりやすい時代です。物価は2022年以降の上昇局面を経て、足元では伸びが落ち着きつつありますが、家計にとっては食費、通信費、塾代などの負担感が残っています。
この記事では、2026年7月時点の統計と制度をもとに、現在価値で500万円の 教育費 を18年後に用意する場合の名目目標、毎月の積立額、学資保険と新NISAの使い分け、大学進学前の取り崩し方まで整理します。結論から言うと、年3%のインフレを安全側に置くなら目標は名目約850万円、年3.5%で運用できる前提なら月約2.8万円が一つの目安です。

この記事で押さえるポイント

  • 1
    18年後に現在価値500万円を保つには、年3%インフレ前提で名目約850万円が目安になります。
  • 2
    運用を使う場合は月約2.8万円、現金だけなら月約3.9万円が単純試算の目安になります。
  • 3
    学資保険は払込免除や解約返戻金、新NISAは価格変動と取り崩し時期を確認する必要があります。
  • 4
    進学3年前から現金や債券の比率を高めると、入学直前の相場下落に備えやすくなります。
  • 5
    2027年開始予定の未成年向けつみたて投資枠は、制度詳細を確認しながら教育費口座と役割分担します。

直近CPIから見る、850万円目標の考え方

総務省の最新公表では、2026年5月の全国消費者物価指数は総合が前年同月比+1.5%、生鮮食品を除く総合が+1.4%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が+1.8%でした。2025年の年平均は総合+3.2%です。(2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年5月分)で確認できます。
教育費は授業料だけでなく、通学費、受験料、塾・習い事、パソコン購入、ひとり暮らし費用なども含めて考える必要があります。仮に現在価値500万円を18年後にも同じ購買力で持ちたい場合、年3%の物価上昇を置くと、500万円×1.03^18で約850万円です。インフレが1%台に落ち着く年があっても、長期計画では少し余裕を持った目標を置くほうが、後から慌てにくくなります。

毎月いくら積み立てればよい?

子どもが生まれたばかりです。18年後に850万円を目指すなら、毎月いくら必要ですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
年3.5%で運用できると仮定すると、月約2.8万円が目安です。運用しない場合は850万円を216カ月で割るので月約3.9万円です。ただし利回りは保証ではないため、生活防衛資金を先に確保し、途中で増額できる設計にしておくと安心です。

学資保険と新NISAは、役割を分けると考えやすい

学資保険 は、契約者に万一のことがあった場合の保険料払込免除や、満期・祝金の受け取り時期を決めやすい点が特徴です。一方で、途中解約では元本割れする期間がある商品も多く、インフレに強いとは限りません。
新NISA は、長期・分散・積立による資産形成に向いた非課税制度です。教育費のように使う時期が決まっているお金に使う場合は、株式インデックス一辺倒にせず、大学入学が近づくほど安全資産へ移すルールが欠かせません。つまり、学資保険は「確実に使う時期の一部を固める役」、新NISAは「インフレに負けにくい上乗せを狙う役」と考えると整理しやすくなります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費は、増やす力と守る力の両方が必要です。どちらか一方に寄せすぎない設計が、家計を長く助けます。

価格変動に備える取り崩しの段取り

株式インデックス投資は長期では期待リターンを見込みやすい一方、進学直前に大きく下がる可能性もあります。教育費では「18年運用できるか」だけでなく、「必要な年に取り崩せるか」が重要です。
実務では、進学3年前から毎年一定割合を現金や短期債券、個人向け国債などへ移す方法が使いやすいです。例えば大学入学の3年前に必要額の3分の1、2年前にさらに3分の1、1年前に残りを安全資産へ移すと、入学直前の急落で入学金や前期授業料が不足するリスクを抑えられます。取り崩し順は、現金、債券、株式の順に決めておくと、相場を見て迷う時間を減らせます。

今からできる具体アクション

  • 1
    生活費6〜12カ月分の預貯金を確保してから、教育費の積立を始めます。
  • 2
    児童手当やボーナスの一部を教育費専用口座に移し、使い道を分けます。
  • 3
    学資保険は返戻率だけでなく、払込免除、祝金時期、途中解約時の返戻金を確認します。
  • 4
    新NISAは積立商品、毎月額、進学3年前の安全資産シフトをセットで決めます。
  • 5
    年1回、物価、進路希望、家計収支、支援制度の変化を反映して積立額を見直します。

最新統計で見る教育費の実情

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」では、幼稚園3歳から高等学校第3学年まで15年間の学習費総額について、すべて公立の場合は約614万円、すべて私立の場合は約1,969万円と整理されています。差替版を含む資料は(結果の概要-令和5年度子供の学習費調査)で確認できます。
この金額には大学費用が含まれていません。つまり、高校までの学習費に加えて、大学の入学金、授業料、受験費用、下宿費用などを別に準備する必要があります。公立中心でも塾や習い事が増えれば支出は膨らみますし、私立中学・高校を選ぶ場合は早い段階で資金需要が来ます。子どもが小さいうちは「大学費用だけ」ではなく、小学校高学年から高校までの塾代も含めて計画するのが現実的です。

学資保険だけで足りる?

学資保険に入れば、教育費はそれで十分でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
満期金の金額によります。たとえば大学入学時に200万円受け取れる契約でも、目標850万円には650万円の差があります。学資保険で確実に使う一部を固め、残りを預貯金や新NISAで補うなど、役割を分けて考えるのがおすすめです。

学資保険を比較するときの注意点

学資保険は、契約者の年齢・性別、子どもの年齢、保険金額、払込期間、払込方法、特約の有無で保険料や返戻率が変わります。広告で見た返戻率だけで判断せず、同じ条件にそろえて比較することが大切です。
特に確認したいのは、保険料払込免除の条件、満期金や祝金の受取時期、途中解約時の返戻金、医療特約など保障を付けた場合の保険料です。保障を厚くすると貯蓄性は下がりやすくなります。教育費づくりが目的なら、保障と貯蓄を一つの商品にまとめるべきか、死亡保障は別の生命保険で備えるべきかも比較しましょう。加入や支払いには所定の条件があるため、最終判断は各社の約款、重要事項説明書、最新の募集資料で確認してください。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費の準備は、商品選びより先に目標額と使う時期を決めることが近道です。数字をそろえると、必要な選択肢が見えやすくなります。

NISAの利用拡大と2027年予定のこどもNISA

金融庁は2026年7月3日、2025年12月末時点のNISA口座の利用状況調査を公表しました。新NISA開始後、若い世代を含めた利用拡大が続いており、教育費づくりでも非課税枠をどう使うかが家計相談の重要テーマになっています。最新の調査一覧は(利用状況調査)で確認できます。
さらに、2026年度税制改正大綱では、2027年から0〜17歳向けのつみたて投資枠、いわゆる こどもNISA の創設方針が示されています。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円、投資対象は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託とされ、12歳以降は子どもの同意など一定の要件のもとで払出し可能とされています。制度の詳細は今後の法令・金融機関対応を確認する必要がありますが、教育費専用の長期口座として検討する価値はあります。(令和8年度税制改正について)に概要がまとまっています。

安全資産の置き場所も年1回は見直す

日本銀行の資金循環統計では、2026年3月末の家計の金融資産は2,386兆円、うち現金・預金は1,126兆円で全体の47.2%でした。一方、投資信託は165兆円、株式等は398兆円、保険・年金・定型保証は584兆円です。(参考図表 2026年第1四半期の資金循環)に掲載されています。
預貯金は教育費の安全資産として欠かせませんが、物価上昇率より金利が低い期間が続くと、実質的な購買力は下がります。入学金や1〜2年以内に使う授業料は預貯金で守り、3年以上先のお金は個人向け国債、短期債型ファンド、リスクを抑えたバランス型ファンドなども候補になります。個人向け国債は発行回ごとに条件が変わるため、購入前に(発行条件「変動10年」)で利率や中途換金ルールを確認しましょう。

多子世帯支援と生命保険料控除も計画に入れる

2025年度から、大学等の修学支援新制度では 多子世帯支援 が拡充され、一定の要件を満たす多子世帯の学生は所得制限なく授業料等減免を受けられるようになりました。JASSOの案内では、大学の場合の上限額は国公立で入学金28万円・授業料54万円、私立で入学金26万円・授業料70万円です。詳細は(多子世帯支援について)で確認できます。
また、2026年度税制改正大綱では、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除の上乗せ措置について、令和9年までの延長が示されています。教育費を準備する家庭では、学資保険や死亡保障の保険料が控除に関係する場合があります。ただし、控除額のために不要な保険へ入るのは本末転倒です。支援制度や税制優遇は「もらえるかもしれないお金」として別枠で確認し、基本計画は自力で無理なく積み立てられる金額から作るのが安全です。

保険と投資のハイブリッド戦略

教育費づくりで現実的なのは、保険、預貯金、投資を一つに決め打ちしないことです。例えば、大学入学時に必ず使う200万〜300万円を学資保険や預貯金で確保し、残りを新NISAや将来の未成年向けつみたて投資枠で長期積立する方法があります。
積立開始が遅れるほど毎月負担は増えます。年3.5%で18年積み立てる計画では、開始が1年遅れると必要月額はおおむね7〜8%増えるイメージです。最初から満額を積めなくても、児童手当、昇給、ボーナス、保険の見直しで浮いたお金を段階的に上乗せするほうが続きやすいでしょう。大切なのは、家計が苦しい月でも完全に止めず、少額でも積立の習慣を残すことです。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    年3%インフレを置くと、現在価値500万円の18年後目標は名目約850万円になります。
  • 2
    学資保険は確実性と払込免除、新NISAは非課税運用とインフレ対応を担うなど役割分担が大切です。
  • 3
    大学進学3年前から安全資産へ移すルールを決めると、入学直前の相場下落に備えやすくなります。
  • 4
    2027年予定のこどもNISA、多子世帯支援、生命保険料控除の動きは年1回確認しましょう。
  • 5
    教育費計画は進路、家計、制度、物価で変わるため、固定せず定期的に見直すことが重要です。

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