【2025年11月更新】医療保険 70代見直し|自己負担の実額と設計3ステップ
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

医療保険 70代
高額療養費
入院食事療養費510円
多数回該当
先進医療特約
入院一時金
差額ベッド代
目次
はじめに:70代は“実額”で決めるのが最短
70代の医療保険は、感覚ではなく“自己負担の実額”から逆算するのが近道です。鍵は、公的制度で下がる治療費と、カバー外で残る費用の線引き。具体的には、高額療養費の正しい上限、入院時食事療養費510円 /食、差額ベッド代などを最新前提で押さえることです。本記事は2025年11月時点の制度・料金を反映し、「日額と一時金」の使い分けや先進医療の備えまで、ムダを削ぎ落とした3ステップの設計手順を提示します。数字と一次情報リンクで、今日から判断できます。
70代の課題整理:まず埋めるべき“ギャップ”
- 1窓口負担は70〜74歳が原則2割(一定以上は3割)、75歳以上は原則1割・一定以上は2割で、2025年9月に2割の外来配慮措置が終了したため上限の読み替えが必要です(一次情報リンクあり)。
- 270歳以上の高額療養費は、外来は月1.8万円・年14.4万円、入院を含む世帯合算は月5万7,600円で、多数回該当時は月4万4,400円まで下がります(一次情報リンクあり)。
- 3保険外費用は自己負担。入院の食事は1食510円(2025年4月改定)、差額ベッド代、付き添い・日用品、自由診療・先進医療などは制度の外です。
最新制度アップデート:今は“現行維持”が基本線
2025年は制度面で要チェックの年でした。後期高齢者の2割負担導入時にあった外来の配慮措置は2025年9月末で終了し、以後は高額療養費の外来上限18,000円(年144,000円)がそのまま効きます。(後期高齢者の窓口負担割合の変更等)
一方、2025年8月から段階的に自己負担上限を引き上げる案は、3月に首相が「秋までに方針再検討」として一旦見送りを表明。現時点(11月)では現行上限で設計するのが実務的です。(石破首相、高額療養費の引き上げ見送り表明)
また、入院の食費は物価上昇を受けて2025年4月から1食510円に改定されています。((参考)入院時の食費の基準の見直し)
外来は多いが入院は短い…上限の効き方は?
通院が多いタイプです。70代だと毎月の上限はいくらで、家族で合算するとどうなりますか?多数回該当って何ですか?
70歳以上の外来上限は個人で月18,000円(年144,000円)です。入院を含む世帯合算では月57,600円、直近12か月で3回以上上限に達していれば4回目以降は“多数回該当”で月44,400円に下がります。一次情報は厚労省の高額療養費資料が整理されています。(高額療養費制度について)
設計基準3ステップ:必要保障の見える化
ステップ1(家計の棚卸し):年金・貯蓄と毎月支出を見える化し、医療自己負担に回せる上限(例:月3〜6万円)を家族と共有。多数回該当44,400円の“月上限の底”も把握しておきます。
ステップ2(費用シナリオ):入院(大部屋前提/個室希望)、三大疾病、外来長期化、先進医療・自由診療の各ケースで自己負担を試算。入院の自己負担は総額平均19.8万円、1日あたり平均2.07万円というデータが参考になります。(入院費用(自己負担額)はどれくらい?)
ステップ3(不足分だけ保険で補完):公的×自己資金で賄えない“保険外費用”を中心に、日額と一時金を役割分担。短期入院は一時金、長期や差額ベッド・雑費は日額でカバーするのが現実的です。
公的で十分に守られている部分に二重で保険はかけません。残る自己負担の“実額”にだけ、最小限の民間保障をのせるのが70代の最適解です。
ケース別の具体案:金額と根拠
大部屋前提:入院給付金日額5,000円+先進医療を付帯。食事代は510円×3食×入院日数、日用品や交通を日額で吸収。外来は現行の高額療養費枠で上限管理。
個室希望:差額ベッド代(地域や病院で幅)を日額1万円前後で見積り、入院日額1万円+がん等の診断一時金を併用。月上限(世帯57,600円)に加え、保険外分を保険で上積みします。
持病あり:一般型が難しい場合は引受緩和型を検討。ただし保険料が1.5〜2倍になりやすいので、給付を絞り、払込方法(終身払/短期払)で負担を平準化します。
商品選びのコツと落とし穴回避
- 1終身型/定期型は“いつまで必要か”で選択。70代新規は終身が主流だが、80代以降の割り切りがあるなら定期も選択肢。
- 2入院日額は5,000〜1万円を軸に、限度日数は60日型中心で可。長期は三大疾病無制限等の特則有無を確認。
- 3通院特約は支払条件が厳しい商品もあるため“使えるか”を約款で確認。重複特約は外して固定費を圧縮。
- 4払込は終身払で細く長くか、10年払等の短期払で早期にゼロ化かを家計と相談。
- 5見直し時は新契約の承諾後に旧契約を解約し、“空白ゼロ”で切替。
実践手順:証券棚卸しから切替まで
現契約の入院日額・限度日数・手術給付・通院・先進医療・三大疾病などを一覧化。3社程度で見積り・告知を並走し、承諾後に不要特約の削減または乗り換え。請求時の遅れを避けるため、家族とLINEや共有フォルダで保険証券・診療明細・領収書の保管場所と連絡先を共有しておきましょう。
先進医療特約は要る?費用と“今”の実像
先進医療って本当に使うか不明で迷います。70代でも付けるべきでしょうか?
先進医療の技術料は高額療養費の対象外で実費です。たとえば陽子線治療は施設にもよりますが自己負担が約288〜350万円のレンジが公表されています。(先進医療 | 国立がん研究センター東病院)/(対象となるがん・治療費) 2024年改定で一部保険適用が拡大した領域もありますが、なお自己負担リスクは残ります。保険料は月数百円程度が一般的なので、先進医療特約は“付けて安心”の代表格です。
数字で把握:1回入院の自己負担の目安
生命保険文化センターの調査では、直近入院の自己負担総額は平均約19.8万円、1日あたり約2.07万円です。(入院費用(自己負担額)はどれくらい?) 例として、14日入院・大部屋・3食の場合、食事代は510円×3×14=2万1,420円。ここに日用品・交通等の雑費を仮に1日2,000円で積むと約2万8,000円。治療費は高額療養費で上限管理されるため、保険で重視すべきは“保険外”のこの部分です。日額5,000円なら14日で7万円、1万円なら14万円が目安。個室なら差額ベッドが別途日数×室料で上乗せされます。
保険は不安の全部をカバーするものではありません。制度で守られない実費の部分に的を絞ると、払う価値のある契約だけが残ります。
最後に:オンラインで最短設計(FPが中立助言)
当社サービス「ほけんのAI」は、まずAIで疑問を整理→必要に応じて有資格FPがオンライン面談という2ステップ。証券の写真送付で棚卸しもスムーズ、複数社比較で過不足ゼロの設計に近づけます。期間限定でLINE登録からギフトが選べるキャンペーンも実施中。家族と一緒に、今の保障と家計に合う“ちょうど良い”設計を整えましょう(オンライン相談対応)。
まとめ:重要ポイント
- 170歳以上の医療費は“外来1.8万円・世帯5万7,600円・多数回4万4,400円”の枠内で設計し、保険外費用に日額や一時金を当てる。
- 22025年は入院食事代が1食510円に改定。高額療養費の上限引き上げは見送り表明があり、現行上限での設計が実務的。
- 3先進医療は高額療養費の対象外。粒子線治療などの実費に備え、保険料の軽い特約でカバーを推奨。
- 4商品選びは終身/定期・日額/一時金の役割分担と“使える通院条件”の確認、重複削減で固定費を圧縮。
- 5切替は新契約の承諾後に旧契約を解約し、家族と請求動線(書類・連絡先)を共有して“空白ゼロ”で。
ぜひ無料オンライン相談を
本記事の数字と一次情報を起点に、わが家の前提(年金・貯蓄・持病・個室希望)へ落とし込むには、第三者の目が有効です。オンラインFP相談なら自宅から短時間で複数社を中立比較し、不要特約の削減や払込方法の見直しまで伴走可能。無料で納得いくまで相談でき、面談の前にAIで疑問を整理できるのも効率的です。次はLINEから日時を選んで、証券の写真を共有するだけでスタートできます。
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