【2025年11月更新】収入合算の落とし穴|団信と控除と連帯保証の基準とペアローンの違い
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

収入合算
ペアローン
連帯保証
団信
住宅ローン控除
フラット35
夫婦連生団信
目次
はじめに:2025最新トレンドと前提整理
住まいの価格上昇と共働き化で、収入合算やペアローンの利用が広がっています。住宅金融支援機構の最新調査でも、夫婦で協力する借り方(ペアローン+収入合算)が「おおむね約4割」に達し、金利タイプは変動が「約8割」と長期返済の比率が増加傾向です。一次情報は機構の「(住宅ローン利用者の実態調査|住宅金融支援機構)」を確認してください。
一方で、借入額を伸ばしやすい反面、控除や団信の対象が偏り、責任や持分の設計次第で思わぬ税リスクも生じます。本稿では、フラット35の収入合算要件、ペアローンの取り扱い、2025年の住宅ローン控除の最新ルール、夫婦連生団信の使い方まで、公的リンクに基づいて総整理します。
・フラット35の収入合算の要件・期間上限は「(収入合算|【フラット35】)」
・フラット35のペアローン概要・取り扱いは「(ペアローンの概要)」
・住宅ローン減税の2025年ルールは「(住宅ローン減税)」を参照してください。
最初に押さえる3つの前提
- 1住宅ローン控除は年末残高の0.7%(新築は原則13年)が基本で、省エネ基準適合が2024/25入居の必須条件です(公的リンクあり)。
- 2収入合算は“1本の契約”に年収を足して審査する方式、ペアローンは“2本の契約”を夫婦それぞれで組む方式と根本が異なります。
- 3持分と実際の資金負担の整合が税と控除の前提。ズレると贈与認定や控除不適用の火種になります。
収入合算の型別比較:連帯保証・連帯債務・ペアローン
収入を2人で活用する方法は主に3型です。
・連帯保証型(収入合算)…主債務者1名のローンに、配偶者等が保証人として関与。団信と控除は主債務者が中心になりがち。
・連帯債務型(収入合算)…1本のローンを夫婦で背負う形式。持分に応じて控除を按分できるが「枠が完全に倍増」するわけではありません。
・ペアローン…夫婦それぞれが別々の契約で借りる2本建て。控除枠は“2人分”使いやすく、返済条件も個別に設計できますが初期費用は増えます。
フラット35の制度面は、収入合算要件・期間上限を「(収入合算|【フラット35】)」、ペアローンの条件・抵当権・適用可否などは「(ペアローンの概要)」で確認できます。
よくある疑問:「どれが控除に有利?」
控除を最大にしたいなら、収入合算よりペアローンが良いのでしょうか?
世帯の控除額は、2人がそれぞれ債務者になるペアローンの方が“枠を2人分”活用しやすいのは確かです。ただし持分・所得要件・省エネ要件を満たすことが大前提。連帯債務型でも按分で各人が控除可能ですが、契約が1本なので対象残高の“物件単位の上限”を超えて2倍にはなりません。税・制度の最新ルールは「(住宅ローン減税)」を必ず参照してください。
団信の守り:主債務者偏重のリスクと夫婦連生団信
連帯保証型の収入合算では、合算者(保証人)側が団信の対象外となるため、合算者に不測の事態が起きても残高は減らず、主債務者へ返済が集中します。夫婦連生団信(デュエット)は、連帯債務で夫婦2人を同時に守る設計で、どちらかに万一が生じても残債をゼロにできる商品類型です(加入範囲の定義に同性パートナーや内縁を含む取り扱いあり)。制度の枠組みは機構のQ&A「(連帯債務で融資を受ける場合、どのような方が機構団信に加入できますか?)」を確認してください。
なおフラット35のペアローンでは「ペア連生(デュエット)での加入申込み不可」と明記されています(「(ペアローンの概要)」参照)。民間行の連生型は金利上乗せの設定が一般的で、相場感は“0.2%前後の上乗せ例”もありますが、社別・約款で異なります。取り扱い可否と上乗せの有無は必ず事前に確認しましょう。
二馬力前提で“目一杯”借りる計画ほど、人生の変化に弱くなります。片働きでも回る設計が、実務では最も強いです。
万一時の返済負担を具体化:簡易シミュレーション
例えば夫3,000万円・妻2,000万円のペアローン(各35年・変動)を想定。どちらかが亡くなればその人の団信で“自分のローン”は完済されますが、残された側の2,000万(または3,000万)はそのまま。月返済と教育費が重なる期間のキャッシュフローを、片働き前提で試算しておくことが極めて重要です。
収入合算(連帯保証型)では、合算者に万一があっても残高は1円も減らず、主債務者に全額が残ります。ライフイベント(出産・育休・介護・転職)・金利上昇の複合を想定した“最悪シナリオ”の家計表を作り、生命保険や貯蓄のセーフティネットを重ねておくのが現実解です。
控除と名義の落とし穴:持分一致と税の線引き
控除は「自分の債務・自分の居住・自分の所得」が基本。連帯債務型で各人の控除を正しく申告するには、国税庁の付表「((付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書)」に沿って、年末残高を持分に按分して計算します。
また、持分は原則“資金負担に一致”が基本。負担と名義に大きな乖離があると、税務上の贈与認定リスクが生じます。共有にするなら、頭金+ローン負担の合計比率で持分を設定し、帳尻を合わせるのが安全です。住宅ローン控除の対象は「自分が返済した借入金に対応する部分」に限定される点も忘れないでください。
フラット35と民間の収入合算要件・最新ルール
フラット35の収入合算は「申込本人+要件に当てはまる“ひとりのみ”」が原則で、合算額が年収の50%を超えると借入期間の上限が短縮される仕組みです。期間上限の基準は「80歳−年齢の高い方」(1年未満切上げ)で、例示や同居要件を含む詳細は公式の「(収入合算|【フラット35】)」に明記されています。
ペアローンは“それぞれが単独債務”で、抵当権は同順位設定、融資率の判定は2本合算など取り扱いの要点が複数あります。フラット35ではペアローンの申込要件に「収入合算できる方の要件に当てはまる必要」や「ペア連生(デュエット)不可」などの注意があり、詳細は「(ペアローンの概要)」で確認できます。
住宅ローン控除:2025年の制度更新ポイント
2025年は、2024年に続き新築での省エネ基準適合が原則必須。子育て世帯・若者夫婦世帯は新築の借入限度額(認定:5,000万円/ZEH水準:4,500万円/省エネ適合:4,000万円)を維持、床面積40㎡緩和の期限も延長されています。控除率は年末残高の0.7%、新築は原則13年(一定要件)。詳細は国土交通省の「(住宅ローン減税)」をご覧ください。
ペアローンの節税例(省エネ適合の新築を前提):夫3,000万円・妻2,000万円なら初年度控除は21万円+14万円=35万円。世帯合算で枠を使いやすい一方、育休・時短で片方の所得が下がる年は“控除未消化”も起こり得ます。あらかじめ借入配分を「無理なく使い切れる所得ライン」に合わせておくのが安全です。
よくある失敗と対策:離婚・転職・病気・金利上昇
・離婚時の清算困難…ペアローンは2本の債務整理が難航しがち。売却で残債が出るオーバーローンは自己資金補填が必要。残る側が一本化の借換えを望んでも、収入・信用を満たさないと実行できません。
・収入減・健康不安…二馬力前提の返済は、産休・育休・介護・病気・転職で崩れやすい。返済比率は「片働きでも回る」水準に抑えるのが鉄則。
・金利上昇…変動選好が強い環境下では、将来の返済増を“許容できる上限”まで数値化。固定・ミックス・繰上げ返済の余地を同時に設計しておきましょう。
一次情報は機構の「(住宅ローン利用者の実態調査|住宅金融支援機構)」にまとまっています。傾向は変動志向・返済期間長期化・夫婦協力型の増加で、家計設計はより慎重さが必要です。
実践チェックリスト(段取り)
- 1借入配分は「片働きでも返せる」前提で設計し、夫婦の手取り×固定費で耐性を数値化する。
- 2団信は“対象者”を必ず確認。連帯債務なら連生の可否、ペアローンなら各自の保障+生命保険の補完を検討する。
- 3持分は資金負担に一致させる。付表の按分に沿って年末残高を整備し、申告資料を準備する(国税庁PDF参照)。
- 4省エネ証明・床面積・所得要件など控除の書類・期限を事前に確認する(国交省ページの様式・Q&A)。
- 5離婚・転居・借換えなど“出口”の段取りを想定し、必要書類・評価・費用をリスト化しておく。
まとめと無料AI相談へのご案内
世帯や物件、雇用・子育て状況によって最適解は変わります。連帯保証中心で借入額を伸ばすのか、ペアローンで控除枠を広げるのか、夫婦連生団信で保障を厚くするのか。制度・税・家計の“線引き”を理解し、片働きでも回る計画に落とし込むことが失敗回避の近道です。
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まとめ:重要ポイント
- 1収入合算・ペアローンの根本差(1本と2本)を理解し、控除・団信・費用の影響まで見通す。
- 2フラット35の収入合算は“ひとりのみ合算”が原則、50%超の合算は期間上限に注意。
- 3住宅ローン控除は省エネ要件・所得・持分・按分の条件を満たすことが前提。
- 4持分は資金負担に一致させ、贈与認定や控除不適用の火種を回避する。
- 5連生団信はリスク低減に有効だが、取り扱い可否・上乗せの有無は社別に要確認。
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