【2025年11月更新】生命保険は何歳まで要る?60代・70代の判断チェック
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険
60代
70代
必要保障額
終身保険
在職老齢年金
高額療養費
目次
結論は“差額×期間”で即断できる
60代・70代の生命保険は、家計の「支出」から「公的給付」を差し引いた不足の 差額×期間 で要否を最短判定できます。たとえば、月の生活費が22万円、遺族年金や貯蓄取り崩しで18万円を賄えるなら不足は月4万円。これを“いつまで埋めるか”で金額が決まります。賃貸なら「配偶者の想定余命」か「家賃が要らなくなる時期」まで、持ち家なら「ローン完済」や「固定資産税・修繕費の山」を基準に期間設定を行うのが現実的です。やみくもに“終身で大金”ではなく、根拠ある数字で軽くするのがコツです。
まず整える判断の基本式
- 1毎月の生活費と住居費・医療費・介護の予備費を家計簿で具体額にしておく
- 2公的給付の見積もり(遺族年金・退職手当・企業年金・高額療養費の枠)を重複なく差し引く
- 3賃貸は居住期間、持ち家はローン完済・修繕周期を起点に期間を決める
- 4葬送費と緊急予備資金(目安100〜200万円)を一時金で確保する
- 5生命保険の解約返戻金・貯蓄・新NISA枠など“手持ち資源”を積み上げて不足の差額を縮める
公的制度の“いま”を数字で押さえる
医療は 高額療養費 の上限で自己負担が一定に収れんしますが、対象外費用の負担は残ります。代表例が 入院時食事療養費(1食510円・1日1,530円)です。制度の基準改定は厚労省資料の「入院時の食費の基準の見直し」に明記されています。(入院時の食費の基準の見直し)
介護は2025年8月から老健・介護医療院の多床室で、居住費に“ 室料相当額 ”が加わり、日額260円(おおむね月8,000円)が新設されました。補足給付の対象者は負担限度額の枠内で抑制されます。(令和7年8月からの室料相当額控除の適用について)
遺族年金は2028年から、60歳未満での死別は男女共通で原則5年の有期給付に統一され、収入要件の廃止や加算の拡充など運用が変わります。詳しくは「年金制度改正の全体像」を参照ください。(年金制度改正の全体像)
持ち家なら期間はどう見積もる?
持ち家でローン残が1,200万円、配偶者は65歳。必要期間はどこまで見ればいいですか?
基本はローン完済まで“生活費の不足分”を埋める設計です。加えて、固定資産税や10〜15年の修繕サイクルを見込み、完済後は不足が縮むかを再試算。遺族年金の“原則5年”区間は定期・収入保障で、完済後は終身の小さな一時金で葬送費を確保、が流れです。
60代・70代の制度アップデートの影響
就労と年金は 在職老齢年金 の支給停止基準が2026年4月から「50万円→62万円」に上がり、年金が減額されにくくなります。働き控えの緩和が見込める一方、家計試算では“手取りベース”で余力を評価しましょう。(年金制度改正の全体像)
医療の高額療養費は2026年8月から外来特例の見直し予定が示されています(現行は継続運用中)。入院の食事負担は前段のとおり1食510円で固定費化。介護の室料相当額は月8,000円程度の上乗せ(補足給付で抑制あり)。この3点は60代・70代の保険設計に直接効く数字です。
年金・医療・介護の基準額を家計に落とし込むと、残す保険と減らす保険の境界が自然に見えてきます。商品選びはその後です。
残す保険・減らす保険の線引き
死亡保障は“終身×定期”の役割分担で軽く。定期・収入保障は“遺族年金の有期5年”と“ローン完済まで”に合わせ、終身は葬送費・相続の原資を小さく固定。予定利率は一時払いで1.50〜1.75%台の事例が出ていますが、利率だけで飛びつかず、流動性・税・家族の使い道まで一体で比較しましょう。医療・がんは短期入院の一時金+通院の最小限(外来中心化)を基本に、先進医療や自費の“穴”だけを補うのがコスパの良い設計です。相続は「500万円×法定相続人」の非課税枠を受取人設計で活かすと、手取りが安定します。
見直し3ステップで“迷い”を減らす
- 1現契約の保障額・期間・保険料・特約を棚卸しし、重複・空白を洗い出す
- 2家計の差額×期間を数字で試算し、遺族年金5年区間と住居・ローンを軸に必要額を絞る
- 3残す契約は役割を明文化、やめる契約は“代替手段”を決めてから解約に進む
- 4保険料ゼロ化(払済・延長・復活)を比較し、特約消滅や保障縮小の注意点をチェック
- 5新NISA・iDeCoの配分と受取の出口(年金/一括)を家計の税・社保と整合させる
保険料ゼロ化(払済・延長)で固定費を下げる
払済は「保険料を止めて死亡保障額を縮める」、延長は「保険料を止めて満期までの期間を延ばす」が基本の違いです。低解約返戻金型は特約が消える、復活期限を過ぎると元に戻せない等の“落とし穴”に注意。ゼロ化の前に、葬送費・相続の非課税枠・家族の当座資金の確保を優先して、残すべき最低限の終身枠を先に決めると安全です。
新NISA・iDeCoとの配分と出口設計
“守りは保険・増やすのは非課税枠”が基本。新NISAは取り崩し柔軟、iDeCoは税控除が強く、2026年以降は企業型DC/iDeCoの拠出上限拡大、70歳未満までの加入拡大が予定されています。60代・70代は、死亡保障を最小化した分をつみたて投資枠へ回し、取り崩しは年金方式(課税管理が容易)と一括方式(必要時の機動力)を併用。出口での税・社保(国保・介護保険料)への波及も含めて、受け取り順を整えましょう。
事例の駆け足確認
60代共働き、ローン残1,000万円。必要保障はどのくらい?
団信で債務は消えますから、生活費の不足分のみ。たとえば月5万円不足×5年(遺族年金の有期区間)=300万円+葬送費150万円程度。収入保障月5万円・期間5年と、終身一時金300万円の二段構えが現実的です。
事例で学ぶ再設計のポイント
70代単身は、介護の室料相当額(約8,000円/月)と在宅・施設の自己負担レンジを踏まえ、診断一時金型の医療・がんを小さく残しつつ、相続の非課税枠で“現金化しやすい終身”を用意。受取人は分散指定で“揉めない形”に。
夫婦は受取人と割合の見直しが効きます。配偶者単独に寄せつつ、二次相続まで見据えた子への少額分散で、相続税・納税資金・生活資金を両立。生前の家族会議と遺言、保険の受取設計をセットにすると安心です。
残す根拠を説明できない保険は、家計の固定費を圧迫します。数字で納得し、必要なぶんだけ持つのがいちばん強い。
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まとめ:重要ポイント
- 1不足は差額×期間で判定し、賃貸は居住期間・持ち家はローン完済を起点に設定する
- 2医療の食事1食510円・介護室料相当額260円/日・遺族厚生年金の“5年有期”を家計に反映する
- 3死亡保障は終身×定期の役割分担、医療・がんは外来中心化に合わせて最小限にする
- 4保険料ゼロ化(払済・延長)は特約消滅・復活期限に注意し、最低限の終身枠を先に確保する
- 5新NISA・iDeCoで“守りと増やす”を分担し、出口の税・社保まで含めて受け取り順を設計する
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