【2025年11月更新】生命保険の据置|税区分・受取手順・非課税枠・利息の扱い
更新:
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

生命保険 据置
死亡保険金 非課税枠
相続税 贈与税 一時所得
据置利息 雑所得
受取手順 必要書類
課税タイミング
20万円ルール
目次
据置の基本と“今年の最新ポイント”
据置(すえおき)は、支払い事由が発生した保険金や給付金をすぐ受け取らず、保険会社に預けておく受取方法です。満期金・死亡保険金・生存給付金などが対象で、据置中は会社所定の利率で利息が付きます(利率は相場状況に応じて見直し)。制度の基本は各社の公式ページでも確認できます(例: (据置保険金の基本(公式))、(用語集:保険金据置支払金(公式)))。
2025年の注目は、税制面のアップデートです。生前贈与の加算期間が「3年→7年」へ拡大し、経過措置で最大100万円の除外が設けられました。据置そのものの税区分ルールは従来通りですが、相続・贈与の設計では最新改正の影響を受けます(改正の要点は (贈与・相続の改正の手引き(PDF)) 参照)。
据置を使う場面と進め方(簡易チェック)
- 1保険金の使途が固まるまで一時的に預け、計画を整えてから部分引出しで使う
- 2高額一括受取による浪費を避けたいとき、必要な分だけ段階的に引き出す
- 3外貨建てや年金形式と迷う場合、為替・税・手間の違いを比較した上で短期的に据置
- 4相続税の申告・納付(10か月以内)を先にクリアし、資金は据置で安全に保管する
税区分の判定:死亡保険金と満期金の“契約関係”で決まる
保険金の税目は「契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人」の関係で判定されます。死亡保険金が相続税か、所得税(一時所得)か、贈与税かは国税庁のQ&Aが明快です。
- 死亡保険金が相続税になる典型は「契約者=被保険者(亡くなった本人)、受取人=相続人」。非課税枠の適用も可(詳細は (No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金))。
- 契約者=受取人で被保険者が別人なら、受け取った人の一時所得課税(所得税・住民税)。
- 契約者・被保険者・受取人が三者別(いわゆる三角形契約)だと贈与税の対象(判定は (No.4417 贈与税の対象になる生命保険金))。
満期保険金や生存給付金は、通常「契約者=受取人」で一時所得、契約者≠受取人なら贈与税の対象になります。
据置したら“受け取ってない年”に申告しなくて良い?
父の死亡保険金を据置にしました。受け取っていないので、相続税は来年でも良いですか?
いいえ。税法上は“取得時期”で判定します。死亡保険金は被保険者の死亡日が取得時期で、相続税はその翌日から10か月以内に申告・納付です(期限は (No.4205 相続税の申告と納税))。据置は課税の繰延べではありません。満期金も満期年が課税時期です。
据置でも課税は“元の年度”扱い:繰延べは不可
据置で受取を遅らせても、「税務上の取得時期」は変わりません。満期金は満期年、死亡保険金は死亡年の課税対象です。FAQでも同旨の案内があります(参考: (満期据置の税の扱いFAQ(公式)))。申告漏れは加算税・延滞税のリスクがあるため、年またぎ時期は特に注意しましょう。
“受け取っていない”感覚と、税法上の“取得済み”は別物です。据置=安全保管、課税=元の年度、という切り分けが失敗を減らします。
受取手順と必要書類:不備防止のコツ
据置金の引出しは、所定の用紙の記入・本人確認書類・受取口座の確認が基本です。流れの一例は公式の案内が参考になります(詳細: (預り金の引出し手続きの案内(公式)))。
- 事前準備:契約番号、本人確認書類、口座情報を揃える。改姓・住所変更は先に登録変更。
- 記入の注意:金額(全部/一部)、署名・押印、口座番号の誤記防止。
- 特例対応:未成年は法定代理人が手続き、受取人が据置中に死亡した場合はその人の遺産として相続手続き(この時点では“預り金”扱いで死亡保険金の非課税枠は使えません)。
税務・実務のチェックリスト(6項目)
- 1契約者・被保険者・受取人の関係を最新の家族構成に合わせて再確認する
- 2死亡保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人」。養子のカウント制限を理解する
- 3相続税の申告・納付は“死亡の翌日から10か月以内”。据置でも期限は同じ
- 4三者別契約のままになっていないか点検し、贈与税ルートを回避できるか検討する
- 5満期金・祝い金の据置は“一時所得/贈与税”の線引きを事前に確認する
- 6据置利息の雑所得を年間で見積もり、20万円の申告要否や住民税の扱いを確認する
死亡保険金の非課税枠の正しい使い方
死亡保険金の相続税非課税枠は「500万円×法定相続人」。適用は“受取人が相続人”であることが条件です。養子のカウント上限もルールがあります(一次情報は (No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金))。
据置の有無にかかわらず、適用判定と計算は死亡時点で行います。配偶者が受け取る場合は配偶者の税額軽減で相続税がゼロになる例が多いですが、据置のまま次の相続(配偶者死亡)へ持ち越すと、その残高は“通常の遺産”として課税されます。非課税枠・軽減のメリットを“世代をまたいで失う”設計になっていないか、事前に点検しましょう。
据置利息は20万円以下なら“申告不要”で安心?
据置利息が年間15万円くらいです。会社員なので確定申告は不要ですか?
原則、据置利息は雑所得で総合課税・源泉なし。会社員は給与など以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税は確定申告不要の特例があります(根拠は (No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人))。ただし住民税は自治体により申告を求められる場合があるので、迷えば地域の案内に従いましょう。
据置利息の扱い:源泉なし・自己申告の基本
据置利息は各年に発生した額がその年の雑所得になります。銀行利子のような源泉分離ではなく、支払時の源泉徴収もありません。年ごとの利息明細を保管し、必要に応じて確定申告に備えます。用語理解には公式の用語集も役立ちます(参考: (用語集:保険金据置支払金(公式)))。
税率は総合課税のため、他の所得次第で負担が増減します。高所得層では銀行利子(20.315%源泉)より重くなることも、低所得層では軽くなることもあります。家計インパクトまで見たうえで、利息メリットを評価しましょう。
据置利率は会社所定で変動し、相場環境により銀行預金と同程度となる場合もあります。数字は契約先の最新案内で確認し、無理のない範囲で選択しましょう。
落とし穴と回避策:申告漏れ・据置し過ぎ・三者契約
よくある失敗は、課税時期の誤認による申告漏れ、長期据置による二次相続での課税増、三者別契約による贈与税ルートです。2025年の生前贈与“7年ルール”・100万円除外の経過措置も踏まえて、相続・贈与の配分設計を見直しましょう(改正の一次情報: (贈与・相続の改正の手引き(PDF)))。
部分引出しの設計例として、教育費・葬祭費・納税資金など“目的別の小分け”にすると、家計管理がしやすくなります。他の手段(定期預金・NISAなど)とも比較し、税・手間・流動性のバランスで選びます。
外貨建て・年金受取との違い
外貨建て保険金を据置すると、引出時の円換算で受取額が変動することがあります(外貨のまま据置できる契約もあり)。為替リスクと手数料の確認が必須です。
年金形式で受け取る契約は、初めから分割払いの設計で、各回に利息相当が含まれる扱いになります。税は年金部分が雑所得、途中一括は一時所得など“年金商品ルール”に従います。据置は“一時金のまま預ける”受取方法なので、税のタイミングや源泉の有無が異なります。
まとめ:重要ポイント
- 1据置は“保管”であり、課税の繰延べではない。死亡年・満期年の課税に合わせて申告する
- 2死亡保険金の非課税枠は500万円×法定相続人。適用は“受取人が相続人”が条件
- 3据置利息は雑所得・源泉なし。会社員は20万円基準を活用しつつ住民税は地域案内で確認
- 4三者契約のまま放置しない。贈与税ルートや二次相続の課税増を事前に避ける
- 5手続きは不備ゼロで最短に。本人確認・口座情報・改姓・住所変更を先に整える
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