【2025年11月更新】収入保障保険 親子リレーローン不足額3ステップ|手順
更新:
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

収入保障保険
親子リレーローン
団信
フラット35
遺族厚生年金
住宅ローン控除
贈与非課税
目次
課題の輪郭をまず正しく描く
親子で住宅ローンを継ぐ親子リレー返済は、親の死亡時にローンが消えない設計が少なくありません。そこで、残された家計を守る柱になるのが 収入保障保険 です。月々の生活費不足を3ステップで数値化し、保険の月額・期間・最低保証を設計するのが近道です。背景には、固定金利の代表である フラット35 の金利上昇や、2028年施行予定の 遺族厚生年金 の“原則5年有期化”など制度の変化があります。まずは「わが家の不足」を可視化するところから始めましょう。
見えない不足の主因を押さえる
- 1親に団体信用が付かない商品では、親の死亡時も住宅ローン残高が子に残るため、返済原資を別途用意する必要がある
- 2長期固定金利でも返済期間が長いほど総利息負担が増え、家計の変動に耐える設計が重要になる
- 3遺族厚生年金の“5年有期化”により、子のいない配偶者などは長期の生活費を自助で賄う期間が生じうる
最新の数値前提を共有
金利は必ず最新で確認します。住宅金融支援機構の公表では、2025年11月のフラット35(機構団信付)の最も多い金利は「21〜35年 1.900%、〜20年 1.510%」です(範囲・最頻ともに記載あり)[(長期固定住宅ローンの金利情報)]。親子リレー返済の要件や連帯債務者の扱いは公式ページの解説がわかりやすいので、仕様の確認に役立ててください[(親子リレー返済)]。また、 団体信用生命保険 は新機構団信で「加入者の満80歳到達月末で保障終了」。親の保障終了後は、満70歳未満の子が新規に団信へ加入できます(親子リレー返済の想定)[(新機構団信の80歳満了時の扱い)/(親子で団信に加入できるか)]。
ステップ1:支出の洗い出し(生活費+一時金)
日々の生活費は、世帯主不在後に圧縮される前提で見積もるのが実務的です。生命保険文化センターの考え方では、末子独立までの生活費は「現在の生活費の約7割」、独立後は「約5割」を目安にするのが一般的です[(必要保障額の算出方法)]。これに教育費、葬儀費用、住宅の維持修繕費などの一時金を重ね、期間別に合算します。持ち家の方は団信の有無で支出前提が変わります(団信ありならローン返済は消え、維持費中心/団信なしなら返済原資も必要)。
ステップ2:収入の見積もり(公的・私的・就労)
公的遺族年金、会社の死亡退職金・弔慰金、預貯金・投資資産、既存の死亡保険を合算します。2028年施行予定の遺族厚生年金の見直しでは、子のいない配偶者への給付が原則5年の有期になり、有期終了後も「障害状態」や「収入が十分でない」場合は継続給付が可能です。単身の場合の継続給付は、就労収入が概ね月10万円以下なら全額支給、月20〜30万円超で全額停止の目安が示されています(年金額により調整あり)[(遺族厚生年金の見直しについて)]。この枠組みを踏まえ、残された配偶者の就労収入の現実的な水準も織り込みます。
ステップ3:不足額の算出と配分(定期×収入保障)
A(支出総額)−B(収入総額)=必要保障額(不足額)。不足の性質に応じて、教育費や初期費用などの“一時金”は定期保険、毎月の生活費や返済原資は 収入保障保険 の“年金”で埋めるのが基本です。収入保障の月額は「家賃/ローン返済分の扱い(団信の有無)」「食費・光熱費など固定費」「子の人数と年齢のピーク」を軸に決め、最低支払保証(2年・5年)を付けて“後半の受け取り不足”を緩和します。受取方法(一括への変更可否、年金と一括の併用可否)や税区分(契約者=被保険者=本人/受取人=配偶者で相続税扱い)も、事前に確認しておくと設計がブレません。
親の団信なし…月額はいくらに?
親子リレーローンで、親に団信が付かない前提です。収入保障の月額はどう決めるのが現実的でしょうか?
まず、親死亡時に残る返済の“月額”を把握します。例えば3,500万円・35年・金利1.900%なら返済は概算で月11万〜12万円台。これに生活費の不足分(食費・光熱費・通信・教育費)を重ね、団信の有無で住居費の扱いを調整。月15万円が3〜5年、末子独立まで月8万円など“二段階設計”が現実的です。
設計の核心:期間・満了年齢・受取方法
期間は「末子独立」または「ローン完済」までのどちらを優先するかで決めます。満了年齢は、返済・教育費のピークを過ぎても最低保証(2年・5年)で受け取りが続くように設計すると安心です。受取は基本“年金形式”ですが、葬儀や引越しなど初期費用を“一部一括+残り年金”にできる商品もあります。税の契約形態は、原則「契約者=被保険者=世帯主/受取人=配偶者」で相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)を活用するのが王道です。年金受取の2年目以降は所得税・住民税がかかる点も合わせて設計します。
団信は“債務を消す”、収入保障は“生活費を埋める”。この役割分担を崩さないと、保険料は最小で安心は最大化できます。
ケーススタディ:親団信なしの親子リレー返済
仮例)物件4,500万円、親子リレー返済、借入4,000万円、フラット35(35年・1.900%)。親が返済中に死亡(契約上、親の団信なし)。返済は月約13万円前後の概算。ステップ1・2で算出した生活費不足が月6万円、教育費ピーク年は+3万円。設計)収入保障保険:月9万円(最低保証5年)を“最初の5年”、その後“末子独立まで月6万円”の二段階。定期保険:一時金300万円(葬儀・引越し・予備費)。受取形)定期は一括、収入保障は年金。税)契約者=被保険者=親、受取人=配偶者(相続税)。家計の耐久性)遺族厚生年金の継続給付条件(収入10万円目安)も踏まえ、就労計画を上書き。
今日から進める段取り
- 1住宅ローン・団信・不動産登記の持分・保険証券を1か所に集め、現状の要点を棚卸しする
- 2不足額を3ステップで試算し、二段階の月額(序盤と末子独立まで)を仮置きする
- 3受取方法(年金と一括の併用可否)・最低保証・健康体割引の有無を“商品比較チェックリスト”で確認する
- 4税の契約形態(相続税の非課税枠・年金課税)と住宅ローン控除の併用可否を確認する
- 5LINEで無料のオンラインFP相談を予約し、家計・制度・商品を横断で最適化する
制度・税の最新アップデートを反映
住宅ローン減税の枠組みは、年末残高の0.7%を最長13年控除(対象・上限の要件あり)。令和7年入居分までの取扱いが整理されています[(住宅借入金等特別控除(令和4年以降))]。また、直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税措置は、令和6〜8年まで延長。省エネ等住宅は最大1,000万円、それ以外は500万円の非課税限度額です[(住宅取得等資金の贈与非課税の概要)]。親子リレーローンでも、子が贈与を受け、要件を満たして実際に子の住宅取得資金に充当されるなら適用可能です。持分と資金負担の整合(返済負担の按分)を崩すと贈与認定のリスクが生じるため、登記・資金の流れを適正に設計しましょう。
持分と返済負担がズレたら課税?
親子リレーローンで、登記は子50%・親50%ですが、返済は子が7割負担予定。税務上は大丈夫でしょうか?
原則は“持分=資金負担割合”が安全です。返済負担が大きい方の持分を厚くするか、贈与非課税の枠組みを使って資金移動を正しく申告するのが定石。住宅取得資金贈与の非課税は、要件を満たせば子への資金援助に適用できますので、登記と返済の整合をFP・税理士と一緒に詰めましょう。
親子リレー返済×団信の“80歳満了”に注意
新機構団信は“満80歳”到達月末で保障が終了します。親の保障が終わるタイミングで、満70歳未満の子が団信に新規加入できる仕組みが整っています[(新機構団信の80歳満了時の扱い)/(親子で団信に加入できるか)]。親の健康状態や年齢、後継者(子)の年齢・収入を合わせて、保険とローンの“空白”が生じないように設計するのが肝心です。
金利・物価・制度が動いたら、保険と住宅ローンの前提も動かす。年に一度の“棚卸し”で、わが家の不足額を必ず最新化しましょう。
相談の使い方(LINEで完結)
設計を自分たちだけで進めるのは負担が大きいもの。弊社の無料オンラインFP相談なら、家計・保険・住宅ローン・税制を横断して“いまの最適解”を一緒に作れます。LINEから24時間予約でき、証券や返済予定表の画像送付もOK。キャンペーンにより相談参加でギフトのプレゼントも実施中です。まずは不足額の試算表をお送りください。
まとめ:重要ポイント
- 1不足額は「生活費+一時金」から「公的・私的・就労の収入」を差し引いて出す
- 2団信の有無で住居費の扱いが変わるため、収入保障の月額は“二段階設計”が現実的
- 3遺族厚生年金の5年有期は継続給付の条件もセットで理解し、就労収入の見積もりに反映させる
- 4住宅ローン控除・住宅取得資金贈与の非課税は公式要件を確認し、持分と資金負担の整合を徹底する
- 5金利・制度の更新に合わせ、保険・ローン・税制を年1回は総点検する
ぜひ無料オンライン相談を
親子リレーローンの不足額は家庭ごとに違い、制度改正や金利で前提が変わります。無料オンラインFP相談なら、証券・返済予定表・家計簿をもとに、団信の空白や遺族年金の“5年有期”を織り込んだ収入保障の月額・期間を具体化。場所と時間の制約なくLINEで予約でき、中立的に商品比較が可能です。まずは不足額試算の結果を共有いただければ、最短で実行プランを作成します。
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