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【2026年6月更新】iDeCo10年ルール:受取順と税負担の判断軸

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年6月15日
  • 在職老齢年金65万円基準への最新反映
  • iDeCo拡充時期の2026年12月明記
  • 10年ルール経過措置と書類管理の補強
【2026年6月更新】iDeCo10年ルール:受取順と税負担の判断軸
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10年ルール
退職所得控除
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企業型DC
在職老齢年金
老後資金

“5年空ければ大丈夫”ではなくなった出口設計

退職金とiDeCoをどう受け取るかで、老後資金の手取りが変わる時期に入りました。2026年1月から、iDeCoや企業型DCの老齢一時金を先に受け取り、その後に会社の退職金を受け取る場合の調整対象期間が見直されています。
ポイントは、退職した日ではなく「支払を受けるべき日」で判定されることです。60歳でiDeCoを一時金、65歳で会社の退職金という予定は、以前より税負担が増える可能性があります。この記事では、 iDeCo10年ルール の考え方、受取順、在職老齢年金や拠出上限の最新改正まで、読者が自分の予定を見直しやすい形で整理します。

2026年6月時点で押さえる要点

  • 1
    iDeCoや企業型DCの老齢一時金を先に受けた場合、退職金を受ける年の前年以前9年内に老齢一時金があると、退職所得控除の重複期間が調整されます。
  • 2
    会社の退職金を先に受け、その後にDC一時金を受ける場合は、従来どおり前年以前19年内の退職手当等が調整対象になる点に注意が必要です。
  • 3
    老齢一時金に係る退職所得の受給に関する申告書の保存期間は、2026年1月以後に支払を受けるものから10年に延長されています。
  • 4
    2026年1月以後に支払う退職手当等について、退職所得の源泉徴収票は役員だけでなく全ての居住者分が税務署提出の対象になりました。
  • 5
    在職老齢年金の支給停止基準額は、2026年4月から月51万円から月65万円へ引き上げられています。

10年ルールの正体は退職所得控除の重複調整

退職金やiDeCoの一時金は、原則として退職所得として扱われます。退職所得には勤続年数や加入期間に応じた退職所得控除があり、長く働いた人ほど控除が大きくなる仕組みです。
今回の見直しは、同じ期間について退職所得控除を二重に使うことを抑えるためのものです。財務省の(令和7年度税制改正の大綱)では、退職手当等の支払を受ける年の前年以前9年内に老齢一時金を受けている場合、勤続期間等の重複排除の特例対象とすることが示されています。つまり、一般的な目安としては「5年」ではなく「10年以上空ける」発想が必要になりました。

60歳でiDeCo、65歳で退職金は避けるべき?

60歳でiDeCoを一時金、65歳で退職金を受け取る予定です。やめた方がいいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
必ず不利とは限りませんが、2026年以後の老齢一時金なら調整対象になりやすい並びです。年金受取、併用、退職金の受取時期の変更が可能かを確認し、税額だけでなく生活費の不足も含めて比較しましょう。

経過措置で見るべき日付は2026年1月1日

国税庁の(令和7年税制改正等の内容)では、退職所得課税の見直しについて、老齢一時金は「2026年1月1日以後に支払を受けたもの」に限ると整理されています。一方、2026年1月1日前に受けた退職手当等については、受給年の前年以前4年内に支払を受けたものが対象です。
ここで大切なのは、制度名だけで判断しないことです。iDeCo、企業型DC、小規模企業共済、会社の退職一時金など、退職所得として扱われるお金が複数ある人は、いつ、どの制度から、いくら受け取るかを時系列で並べる必要があります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
同じ老後資金でも、受け取り方を少し変えるだけで、税金や年金の見え方が変わることがあります。焦らず、先に全体像を並べてみましょう。

受取順で変わる3つの選択肢

実務上は、次の3パターンを比較するのが出発点です。ひとつ目はiDeCoを一時金で先に受け取り、会社の退職金を後で受ける方法。ふたつ目は会社の退職金を先に受け、iDeCoを後で受ける方法。三つ目はiDeCoを年金形式、または一時金と年金の併用にする方法です。
一時金は退職所得控除を使える一方、今回の10年ルールや19年ルールの影響を受けます。年金形式は公的年金等控除を使えますが、公的年金や給与など他の所得と合算されます。どちらが有利かは、退職金額、iDeCo残高、加入期間、65歳以降の働き方で変わります。

自分で確認したい準備チェック

  • 1
    会社の人事部に、退職金の支払時期、分割受取、年金受取、定年後再雇用時の扱いを確認しましょう。
  • 2
    iDeCoの運営管理機関に、一時金、年金、併用の選択条件と請求から入金までの目安を確認しましょう。
  • 3
    退職金規程、企業年金の資料、iDeCoの加入者期間、過去の移換履歴を1つのフォルダにまとめましょう。
  • 4
    60歳から75歳までの収入予定を年表にし、給与、年金、退職金、iDeCoの受取予定を並べましょう。
  • 5
    退職所得の受給に関する申告書や源泉徴収票は、10年単位で保管する前提で整理しましょう。

2026年4月から在職老齢年金は65万円基準へ

65歳以降も働く予定がある人は、退職金とiDeCoだけでなく、在職老齢年金も確認が必要です。日本年金機構の(在職老齢年金制度が改正されました)では、2026年4月から、賃金と老齢厚生年金の合計による支給停止基準額が月51万円から月65万円に引き上げられたと案内されています。
たとえば老齢厚生年金の基本月額が10万円、総報酬月額相当額が46万円の場合、改正前は合計56万円となり2.5万円が支給停止でした。改正後は65万円以下のため、在職老齢年金による停止はありません。働き続ける選択肢が取りやすくなった一方で、給与、年金、iDeCo年金受取が所得として重なる年は、税金や社会保険料も合わせて見たいところです。

iDeCoを年金で受け取ると税金は下がる?

一時金ではなく年金で受け取れば、10年ルールを避けられて得ですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
10年ルールの影響を抑えられる場合はあります。ただし年金受取は公的年金等として他の年金と合算されます。65歳以上は公的年金等控除の枠を使えますが、給与や企業年金も含めた年単位の試算が欠かせません。

iDeCoの入口拡大は2026年12月からが本番

出口のルールが厳しくなる一方で、iDeCoの入口は広がります。厚生労働省の(私的年金制度、iDeCoの改正のポイント)では、2026年12月からiDeCoの加入可能年齢が70歳未満へ広がり、拠出限度額も引き上げられると整理されています。
第1号被保険者などは国民年金基金等と合わせて月7.5万円、企業年金のない会社員は月6.2万円、企業年金のある会社員は企業年金等と合わせて月6.2万円が上限の目安です。また、企業型DCのマッチング拠出については、2026年4月から事業主掛金を超えられない制限が撤廃されています。 拠出上限の拡大 は魅力的ですが、増やした掛金を将来どう受け取るかまでセットで考えることが大切です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
iDeCoは積み立てて終わりではありません。将来の手取りを守るには、始め方と同じくらい受け取り方の準備が大切です。

年金課税と家計の見直しも同時に進めたい

2025年から2026年にかけては、所得税の基礎控除、給与所得控除、扶養親族等の所得要件なども見直されています。2026年分には、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除の上限拡充もあります。退職前後の家計では、iDeCoだけでなく、給与、年金、生命保険料控除、住宅ローン控除、扶養の状況が同時に変わることがあります。
特に子どもの大学進学、住宅ローン完済前後、親の介護費用が重なる世帯は、税額だけを最小化するよりも「必要な年に現金を確保できるか」が重要です。税金を少し抑えても、生活費が不足して運用資産を不利なタイミングで取り崩すなら本末転倒です。

よくある落とし穴は“会社規程を知らないまま決める”こと

退職金の受け取りは、税制だけで自由に決められるわけではありません。会社によっては退職一時金、企業年金、再雇用時の退職金精算、役職定年時の扱いが異なります。受取時期の繰下げや分割ができない会社もあります。
また、iDeCoは受給開始の手続きから入金まで時間がかかることがあります。75歳到達時には自動的に裁定されるため、長く先送りすればよいとも限りません。受取方法を選ぶ前に、会社規程と運営管理機関の手続き期限を確認しましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2026年1月以後のiDeCo・企業型DC老齢一時金は、退職金との間隔が10年未満だと退職所得控除の調整対象になりやすくなります。
  • 2
    退職金を先に受ける場合は19年ルールが残るため、受取順を変えれば必ず有利とは言えません。複数案の比較が必要です。
  • 3
    在職老齢年金の基準額は2026年4月から月65万円です。65歳以降も働く人は、給与、年金、iDeCo受取を合算して見ましょう。
  • 4
    iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢は2026年12月に大きく広がります。増額前に出口設計も確認しましょう。
  • 5
    退職金規程、源泉徴収票、申告書、iDeCoの加入期間は10年単位で保管し、支払日ベースで年表にまとめましょう。

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退職金とiDeCoの受取順は、税金だけでなく年金、保険、住宅ローン、教育費まで含めて見ると判断しやすくなります。ほけんのAIでは、まずLINEで家計や老後資金の不安を相談し、その内容をもとにFPへオンライン相談できます。自宅から無料で何度でも相談でき、中立的な立場で保険や資産形成を比較しながら、あなたの受取時期と家計の段取りを一緒に整理できます。

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