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【2025年12月更新】終身保険は要る?30代共働きの判断基準|買い時と必要額

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2025年12月更新】終身保険は要る?30代共働きの判断基準|買い時と必要額
終身保険
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必要保障額
収入保障保険
団信
遺族厚生年金
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2025年の前提整理と結論の要点

まず押さえたいのは、2025年末の金利・物価・公的保障の前提です。終身保険は“一生の死亡保障”ですが、保険料や返戻率は金利と物価、そして遺族年金の制度変更に左右されます。30代共働きは「差額×期間」で不足額を見える化し、必要な時期は定期・収入保障で厚く、永続的な最低限は終身で薄く――が現実解です。予定利率の引上げが進む今は“入り直し”を検討しやすい環境ですが、買い時は商品単体ではなく家計全体の収支・資産配分で判断するのが安全です。

いま押さえるべき3つの前提

  • 1
    予定利率引上げの新商品が増え、新規の保険料や返戻率が一部で改善傾向にある
  • 2
    全国CPI(生鮮除く総合)は前年比+3.0%の物価環境で、保障の“実質価値”に配慮が必要
  • 3
    2028年4月から遺族厚生年金は子なし現役配偶者に原則5年の有期給付となるため、自助の重要度が上昇

金利上昇と予定利率引上げ:保険料はどう動いたか

長期金利の上昇を受け、複数社が予定利率を引き上げています。大手保険会社の公表資料の一例では、2025年1月に予定利率改定を行い、終身や年金などの新契約の保険料が見直されています。詳しくは公表文書の数値例が参考になります。(保険料率等の改定について) この環境では“新規加入・乗り換え”で保険料が下がる(または返戻率が上がる)ことがあります。ただし既契約は自動で安くならないため、現契約の返戻金・払済の可否・健康条件(非喫煙割引など)を比較し、総合利回りで判断しましょう。

保険料は本当に下がっていますか?

ニュースで予定利率が上がると聞きました。終身保険の保険料は下がるんでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
“新規販売の商品”では下がる、または返戻率が改善する事例があります。一方で既契約は自動では変わりません。現契約の返戻金・払済変更の可否、新商品での健康体割引の適用可否まで並べて比較すると、乗り換えの是非が見えます。

物価3%時代の“実質保障価値”:インフレ前提で考える

全国CPI(生鮮除く総合)は2025年10月に前年同月比+3.0%。名目の保険金額だけでは、数年で“実質価値”が目減りします。(2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)10月分) 30代共働きでは、必要保障額の算定後に10〜20%のインフレ・予備費バッファを重ね、2〜3年ごとに見直す運用が安心です。固定額の終身は“最小限の永続保障”に留め、家計の谷が大きい子育て期は定期・収入保障を多めに配分するのが合理的です。

遺族厚生年金“5年有期化”の影響:共働きの備えが変わる

2028年4月から、子どものいない現役配偶者への遺族厚生年金は男女とも原則5年間の有期給付に改められる予定です。有期期間は「有期給付加算」で増額されますが、5年経過後は終了、収入や障害の状態次第で継続給付の仕組みが用意されます。(遺族厚生年金の見直しについて) 共働きの“子なし”でも、これまでより公的保障に頼れる期間が短くなる可能性があるため、生活費・住居費の不足分を民間保険で設計する重要性が増します。初めて触れる人が多い用語なので、遺族厚生年金の改正ポイントは一度リンク先で確認しておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保険は“買い時のニュース”より、自分の家計の谷に合わせて厚さと期間を調整することが最優先です。制度改正はトリガー、答えは各家庭の数字の中にあります。

必要保障額は「差額×期間」で最短算出

設計の出発点は必要保障額の見える化です。手順はシンプルで、今後かかる支出(遺族の生活費・教育費・住居維持費・葬祭費など)から、見込める収入(遺族年金・死亡退職金・企業の弔慰金・預貯金・投資の取崩し・継続就労収入など)を差し引き、その差額を必要年数分積み上げます。期間の目安は“末子の独立まで”や“住宅ローン完済まで”。差額が毎月の不足なら収入保障型、まとまった一時費用なら定期一時金で埋めるのが基本形です。

住居別の計算ポイント:団信・ペアローン・賃貸

持ち家は団体信用生命保険(団信)で亡くなった側の債務が完済されるのが一般的です。ペアローンでは一方の債務だけが消えるため、残る側の返済を“毎月の不足”に含めて設計します。賃貸なら“総家賃+更新料+引越し予備費”を見積もり、必要期間に応じて一時金と毎月給付の配分を決めましょう。住居維持費(固定資産税・修繕)は忘れがちなので、固定費として年額で積み上げると漏れを防げます。

棚卸しチェック:見落としやすい支出

  • 1
    育児・家事の外注費(家事代行・延長保育など)を“増える支出”として織り込む
  • 2
    住居維持費は年額で可視化し、固定資産税・修繕・管理費の合計を置く
  • 3
    自家用車は車検・保険・タイヤ等の年次コストを合算し、撤退も選択肢として検討
  • 4
    教育費は在学ピーク(受験・下宿初年度)を高めに見積もり、時期別に山谷を作る

葬祭費の目安:“一時金”の設定に最新データを使う

葬儀費用は地域・形式で差が大きいものの、最新調査では「支払い額の平均」が約105万円(104.7万円)という結果があります。直葬・家族葬ではさらに低く、一般葬では高くなります。(第1回 葬儀費用の実態と納得度調査(2025年)) この“一時金ゾーン”は定期保険で確保しやすく、終身保険の最低額(数百万円)と重ねると相続の非課税枠活用にもつながります。過不足を避けるため、家族の希望する形式と持ち出し上限を事前にすり合わせておくと安心です。

終身保険が“要る”ケース/“要らない”ケースの見分け方

要る:未就学〜学生の子がいる・貯蓄が薄い・親の扶養がある・ペアローンで残債が重い。要らない:子なしで双方自立・金融資産が十分・企業保障が厚い。共働きは“二人前提の生活設計”で赤字化しやすいため、子育て期は死亡保障を手厚く。そのうえで終身は“葬祭費+相続非課税枠の核”として薄く持つ設計がバランス良く、将来の見直し余地も残せます。

二本立て設計:最低限の終身+収入保障で谷を埋める

家計の谷が大きい期間は、毎月給付で生活費を埋める収入保障保険を主役に、一時費用は定期一時金、永続の最低限は終身で薄く。例えば「終身300〜500万円+収入保障月15〜20万円(末子独立まで)+定期一時金300万円(葬祭・住居維持)」のような組み合わせです。子どもが独立後は収入保障を解約・減額し、終身は払済に切り替えて保険料ゼロ化する選択肢も検討に値します。

買い時と見直しのタイミング:ライフイベントと健康体割引

結婚・出産・住宅購入・転職や時短など収入変動は“見直しの好機”。健康体割引(非喫煙・BMI・血圧など)がある商品は、若く健康なうちほど有利です。予定利率の上昇局面では“新プランの条件”が良くなることもあるため、現契約の返戻率・解約控除・告知の通過確度を横並びで比較してから乗り換えを判断しましょう。商品優位を断定せず、家計・健康・制度の三点セットで総合判断するのが鉄則です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
厚くするのは“今必要な期間”、薄く長く持つのは“いつか必ず来る費用”。役割分担ができると、保険は軽く・安心は重く、に近づきます。

商品タイプと選び方の勘所

低解約返戻金型は保険料が抑えやすく返戻率の効率が良好、配当付は長期の運用益を一部シェア、物価対応型はインフレ耐性を付与しやすいものの保険料は相対的に高め。ネット生保はコストが軽く比較検討がしやすい反面、対面の丁寧なヒアリングや付帯サービスが薄い場合も。共済は非営利で掛金が手頃。比較軸は「保険料・返戻率・健康体割引・付帯サービス・払済や貸付の柔軟性」。一社の見積もりではなく、複数社の同条件試算で“総合利回り”を見ましょう。

新NISA・iDeCoとの役割分担は?

保険と投資の配分が迷います。新NISAやiDeCoはどう使い分けるべきですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
守り(葬祭・相続・最低限の一時金)は保険、増やす(教育・老後の成長原資)は新NISA・iDeCoで。30代なら“保険は家計の谷の最小限、運用は継続積立で最大化”が基本。保険料控除や相続の非課税枠は保険の強みなので、役割を分けると迷いにくいですよ。

ケース別ミニプラン(目安の組み方)

子1人・持ち家(ペアローン):終身400万円/収入保障月18万円(子が独立まで)/定期一時金300万円(葬祭+修繕)。 子なし・賃貸・双方正社員:終身300万円(葬祭最小)/定期一時金なし〜100万円/就業不能・医療を優先。 産休・時短で収入減:期間限定で収入保障月10〜15万円を追加、出産費用と医療の自己負担は実費の見積りから。必要額は家計の差額×期間で都度更新。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    必要保障額は“差額×期間”。毎月不足は収入保障、一時費用は定期、永続の核は終身で役割分担する
  • 2
    予定利率の引上げで新商品が有利になる場面あり。現契約の返戻率・払済・健康体割引の通過可否まで比較する
  • 3
    物価3%時代は10〜20%のバッファを重ね、2〜3年ごとに見直す運用で“実質価値”を守る
  • 4
    遺族厚生年金の5年有期化で自助の必要度が上昇。子なし共働きも“期間限定の不足”を保険で埋める
  • 5
    “厚くする期間”と“薄く長く持つ額”を分けると、保険料は軽く・安心は重くに近づく

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