【2025年11月更新】リバースモーゲージと生命保険の違い|60代持ち家の使い分け早見表
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

リバースモーゲージ
リ・バース60
生命保険
60代持ち家
相続税非課税枠
耐震改修
固定金利
目次
60代持ち家の悩みを最短整理
老朽化した自宅の改修資金はまとまった現金が要る。一方、介護や生活費の不足は毎月の穴埋めが課題。ここで整理したいのが リバースモーゲージ と 生命保険 の役割の違いだ。前者は“家を資金化して住み続ける”ためのローン、後者は“死亡後の資金や毎月の不足に備える”ための保障。相続まで見据えるなら 相続税非課税枠 の活用も鍵になる。この記事は「何にどちらを使うか」を迷わず決めるための実務目線のガイドだ。
使い分け早見表:目的別の正解
- 1耐震改修・水回りなどの大きな改修費は、リバースモーゲージで一括資金化して“住み続ける”前提を守るのが合理的。
- 2介護や生活費の毎月不足は、年金+資産取り崩し+生命保険の収入保障や年金形式で埋めるのが現実的。
- 3葬儀費・納税・遺産分割の資金は、生命保険で受取人と金額を設計し、非課税枠の効果を最大化するのが安全。
- 4住み替え・借換えの資金は、リバースモーゲージの対象用途に沿って使う。生活資金への流用は不可なので注意。
- 5子に家を残したいなら、生命保険で現金を用意し、不動産は住み続け前提でメンテナンス資金をリバースで手当てする。
リ・バース60の最新ポイントと基礎
60歳以上が自宅を担保に資金を借り、毎月は利息のみを支払うのが「リ・バース60」。2025年1月から全期間 固定金利 タイプが新設され、ノンリコース(残債が売却代金に満たなくても相続人へ請求しない)に限定される。融資限度は担保評価額の50/60%(長期優良住宅は55/65%)、上限は8,000万円。生活資金への利用は不可で、改修・建替・住み替え・借換え等が対象だ。詳細は住宅金融支援機構の公式ページを確認しておくと安心だ。(【リ・バース60】|住宅金融支援機構)
なお、金利環境の参考として、2025年11月のフラット35では最頻金利が1.900%となっている。固定金利時代の資金計画の前提として頭に入れておきたい。(最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】)
耐震改修に強い“利子補給”の実務
耐震改修を行うなら、機構の「耐震改修利子補給制度」が有効。自治体の“利用対象証明”が必要で、利子補給の上限金利は最新年度で3.3%。耐震に併せた小規模リフォームを合計1,000万円以内で含められるケースもある。70歳以降は利子補給のパターンにより、月々の利息負担が減る、もしくはゼロになる設計が可能だ(詳細は取扱金融機関ごとに異なる)。注意点は、利子補給を使うと自治体の別の補助金が減額されることがある点、そして用途は耐震改修に限られ生活資金には使えない点。制度の要件と窓口を前もって確認しよう。(【リ・バース60】耐震改修利子補給制度のお知らせ)
生命保険の役割と税の基礎
死亡後の葬儀費や納税資金、相続の偏り調整には 生命保険 が本領を発揮する。死亡保険金には「500万円×法定相続人」の非課税枠があり、現金に弱い相続の備えを効率化できる。誰にいくら渡すか(受取人と割合)を生前に決めておくと、紛争リスクも小さくなる。非課税枠の正確な取り扱いは国税庁のQ&Aで確認できる。(No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金)
月9万円の不足をどう埋める?
母の介護費が月9万円ほど不足。リバースモーゲージで毎月の穴を埋めてもいいですか?
生活費の補填はリバースモーゲージの対象外。平均の介護費は“一時費用47.2万円、月9.0万円、在宅5.3万円/施設13.8万円、期間平均4年7か月”が目安なので、年金+資産取り崩し+生命保険(収入保障や年金形式)で毎月の不足を設計するのが安全だ。(介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?) 改修や住み替えなど“まとまった費用”はリバースで検討しよう。
どんな世帯に向くかの判断軸
判断は“資金の性格”で分ける。一時金が必要(耐震・住み替え・借換え)ならリバースモーゲージ、毎月不足(介護・生活費)なら保険・年金・取り崩し。家を残したいか、住み続けたいか、住宅の担保評価は十分か、相続人の数と希望はどうか。これらを家族で共有し、必要なら遺言や信託で“家と現金のバランス”を可視化しておくと、意思決定がぶれない。
60代の実務の段取り
- 1リ・バース60の取扱い金融機関に借入可否を相談し、担保評価額と融資限度(50/60%・最長8,000万円)を把握する。
- 2耐震改修は利子補給の対象と金利上限、自治体証明の入手手順、補助金との関係を事前確認する。
- 3生命保険は“不足額=毎月の赤字×期間”で必要保障額を再計算し、受取人・割合を見直す。
- 4相続・税の段取りは非課税枠の総額、納税資金、遺言・信託の要否を家族で共有する。
- 5住み続け条件(退去・売却時の扱い、非連帯配偶者の3年留保)や用途制限(生活資金不可)を約款で確認する。
落とし穴回避:金利・住み続け条件・用途制限
利息は毎月支払うため、改修後の家計に無理がないかが第一。退去や売却時には元金を一括返済するため、売却価格と残債の差をノンリコースでどう扱うかを理解しておく。連帯債務者でない配偶者は、契約者死亡後最長3年間の“物件処分留保”があるが、期日までの一括返済ができない場合は退去が必要になる。用途は生活資金不可、介護の毎月費用は保険や資産設計で補うのが原則だ。
“家を売らずに住み続ける”ための資金はリバース、“家族に現金を残す”ための資金は保険。その線引きがぶれなければ、意思決定は速くなる。
業界動向の具体例:SBIアルヒの取扱開始
民間の取り扱いが広がっている。SBIアルヒは2025年1月9日から、全期間固定金利タイプの「ARUHI リ・バース60」の取り扱いを開始した。窓口や金利・条件は金融機関ごとに異なるため、複数社に相見積もりを取り、用途と返済の出口まで比較したい。(2025年1月9日(木)より、SBIアルヒにて 「ARUHI リ・バース60」の取り扱いを開始)
耐震改修500万円の想定例
担保評価が2,000万円の戸建てで耐震改修500万円を想定。融資は評価額の50%=1,000万円まで可能な前提なら、500万円は十分射程に入る。金利は金融機関により異なるが、利子補給の対象であれば70歳以上は負担ゼロのパターンもあり得る(取扱により相違)。毎月の利息負担と将来の元金一括返済(売却または相続人の一括返済)まで、家族で数字を共有してから着工を決めたい。
相続・葬儀資金の受取人設計
葬儀費や納税資金は、生命保険の一時金で“すぐ使える現金”にしておくのが安全。受取人は配偶者と子に分け、割合を明記すると揉めにくい。相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)の範囲で配分を設計し、枠超過分は減税効果の高い人に寄せるなど、家族の手取りを最大化する視点が有効だ。
最後に:無料オンラインFP相談の使い方
判断に迷ったら最短でプロに聞く。弊社のオンライン相談は、まずAIに悩みを投げる→FPが具体的な数字と約款に沿って再設計、という2段階。LINEで予約から面談まで完結し、しつこい勧誘のない“イエローカード”仕組みも用意。耐震改修の利子補給、リ・バース60の金利タイプ、介護費の月次設計、相続の受取人まで、横断で比較検討できる。キャンペーンのギフトはLINEから最新情報を確認のうえ活用してほしい。
まとめ:重要ポイント
- 1まとまった改修・住み替え費はリバースモーゲージ、毎月の不足は生命保険・年金・取り崩しで埋める。
- 2リ・バース60は全期間固定金利タイプが登場。用途制限(生活資金不可)とノンリコースを正しく理解する。
- 3耐震改修は利子補給制度と自治体証明の要件を確認。補助金減額の注意と金利上限も押さえる。
- 4死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人)で葬儀・納税資金を効率化し、受取人設計で揉め事を予防。
- 5判断は“資金の性格”で分け、家族と数字を共有。困ったらオンラインでFPに早めに相談する。
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