ほけんのAI Logo保険相談の掟

【2026年9月更新】老後資金7000万円|60代夫婦の終身保険と相続3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年9月更新】老後資金7000万円|60代夫婦の終身保険と相続3基準
老後資金7000万円
60代夫婦
終身保険
相続対策
死亡保険金 非課税枠
NISA 老後資金
介護費用

老後資金7000万円は安心ラインではなく、配分の問題です

60代夫婦で預貯金、退職金、NISA、保険を合わせて 老後資金7000万円 があると聞くと、かなり余裕があるように感じるかもしれません。ただ、老後のお金は「総額」だけでは判断できません。生活費、医療・介護費、住宅修繕、子どもへの援助、相続税、葬儀費用まで考えると、「何にいくら使ってよいか」が見えにくくなるからです。
総務省の(家計調査報告 2025年平均結果の概要)では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月263,979円、実収入は月254,395円でした。平均だけで見ると毎月の不足は大きくありませんが、実際の家計では住居費、医療費、介護費、物価上昇、旅行や趣味の支出で差が出ます。
この記事では、60代夫婦が終身保険を検討する前に確認したい3つの基準を、老後資金と相続の両面から整理します。終身保険は貯蓄や投資の代わりではなく、死亡保障と相続の受け渡しに特徴がある商品です。NISAや預金と役割を分けて考えることが大切です。

この記事で確認する3つの基準

  • 1
    生活費と医療・介護費として、すぐ使える現金をどれだけ残すかを決めます。
  • 2
    終身保険に回す金額は、死亡保険金の非課税枠と葬儀費用の範囲から考えます。
  • 3
    相続税がかかる可能性を、基礎控除と自宅不動産の評価を含めて確認します。
  • 4
    NISAや預金との違いを理解し、増やすお金と遺すお金を分けます。
  • 5
    契約者、被保険者、受取人の組み合わせで税金が変わる点を確認します。

7000万円をひとつの財布で見ないことが第一歩

老後資金7000万円を考えるときは、金額の大きさよりも「使うお金」「守るお金」「遺すお金」に分けることが重要です。生活費として毎月取り崩す資金まで終身保険や長期運用に入れてしまうと、急な入院、介護、住宅修繕で現金が足りなくなるおそれがあります。
一方、10年以上使う予定がない資金がある場合は、NISAで運用する、個人向け国債や定期預金で守る、終身保険で受取人を指定して遺す、といった選択肢が出てきます。金融庁の( NISAを利用する皆さまへ)では、非課税保有限度額はつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1,800万円、成長投資枠のみでは1,200万円が上限とされています。
ただし、NISAは元本保証ではありません。60代からは「増やせる可能性」だけでなく、「必要な時期に値下がりしていても生活が困らないか」を合わせて考える必要があります。

老後資金が7000万円あれば終身保険はいらない?

夫婦で7000万円くらいあるなら、終身保険は不要でしょうか。相続税もそこまで心配していません。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
不要とは言い切れません。生活費として使うお金なら預金やNISAのほうが柔軟ですが、葬儀費用や特定の相続人へ渡す資金を決めたい場合、終身保険が合うことがあります。まずは相続税の有無より、手元資金と受取人指定の必要性を確認しましょう。

基準1:まずは夫婦の生活防衛資金を残す

60代の終身保険選びで最初に見るべきなのは、保険料ではなく 生活防衛資金 です。年金収入だけで毎月の生活費をまかなえる夫婦と、毎月10万円ずつ取り崩す夫婦では、終身保険に回せる余裕がまったく違います。
目安としては、数年分の生活費、医療・介護の自己負担、家の修繕費、車の買い替え費用などを現金や流動性の高い資産で確保します。生命保険文化センターの2025年度調査では、夫婦2人の老後の最低日常生活費は平均月23.9万円、ゆとりある老後生活費は平均月39.1万円とされています。詳しくは(生活保障に関する調査)で確認できます。
たとえば、年金などの手取り収入が月25万円、生活費が月35万円なら、不足は月10万円です。10年分だけでも1,200万円の取り崩し原資が必要になります。7000万円のうち、少なくともこのような「使う予定のあるお金」は、終身保険に入れすぎないほうが安心です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
老後のお金は、増やす順番よりも、困ったときに使える順番を先に決めると失敗しにくくなります。

介護費は平均だけでなく期間も見る

老後資金の配分で見落としやすいのが介護費です。生命保険文化センターの(介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?)によると、2024年度調査では介護に要した一時的な費用は平均47.2万円、月々の費用は平均9.0万円、介護期間は平均55.0カ月でした。
単純計算では、平均的な介護費だけでも約542万円です。夫婦のどちらか一方だけでなく、時期をずらして2人に介護費がかかるケースもあります。もちろん公的介護保険で自己負担は抑えられますが、施設入居費、差額の居住費、日用品、交通費、家族の付き添い費用などは家計から出ていきます。
そのため、終身保険を検討する前に、夫婦それぞれの介護予備費を別枠で置いておくことをおすすめします。相続対策は大切ですが、介護中に現金が足りなくなると、保険を途中解約せざるを得なくなることがあります。

基準2:終身保険は死亡保険金の非課税枠から考える

終身保険を相続対策として見る場合の代表的なポイントは、死亡保険金の非課税枠です。相続人が死亡保険金を受け取る場合、一定の条件のもとで 500万円×法定相続人の数 までが非課税枠になります。国税庁の(相続税の課税対象になる死亡保険金)でも、保険料を被相続人が負担していた死亡保険金の扱いが示されています。
たとえば法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人なら、非課税枠は1,500万円です。老後資金7000万円のうち、すぐ使わない資金の一部を終身保険にすることで、現金のまま遺すより相続税の対象額を抑えられる可能性があります。
ただし、非課税枠だけを目的に高額契約をすると、老後の自由度を下げることがあります。葬儀費用、納税資金、特定の相続人に渡したい金額を合計し、必要な範囲に絞る考え方が現実的です。

終身保険に回す前のチェックリスト

  • 1
    今後10年以内に使う予定のある資金は、終身保険に入れすぎないようにします。
  • 2
    死亡保険金の受取人を、配偶者や子どもの誰にするか事前に決めます。
  • 3
    一時払いの場合は、契約直後の解約返戻金が払込保険料を下回る可能性を確認します。
  • 4
    健康状態によって加入可否や保険料が変わるため、告知内容を正確に整理します。
  • 5
    相続税だけでなく、遺留分や家族間の公平感も含めて検討します。

契約者・被保険者・受取人で税金が変わる

終身保険は、誰が契約者で、誰が保険料を払い、誰が死亡保険金を受け取るかによって税金の扱いが変わります。一般的に、夫が契約者兼被保険者で保険料を負担し、妻や子が死亡保険金を受け取る場合は、相続税の対象として扱われます。
一方、契約者と被保険者と受取人の組み合わせによっては、所得税や贈与税の対象になることがあります。ここは金額が大きくなるほど影響も大きいため、「保険会社に任せておけば大丈夫」と考えず、契約前に税理士やFPへ確認したいポイントです。
特に注意したいのは、相続人以外を受取人にするケースです。死亡保険金の非課税枠は、受取人が相続人である場合に適用されます。孫や内縁のパートナーなどに遺したい場合は、税金だけでなく遺留分や家族間の納得感も含めて設計しましょう。

基準3:相続税がかかるかは基礎控除から確認する

相続税は、財産があるから必ずかかるわけではありません。相続税には 基礎控除3000万円+600万円×法定相続人の数 があります。法定相続人が3人なら基礎控除は4,800万円です。国税庁の(相続税の計算)でも基礎控除の計算方法が確認できます。
老後資金7000万円に自宅不動産が加わると、相続税の対象になる可能性は高まります。国税庁の(令和6年分 相続税の申告事績の概要)では、相続税の課税割合は10.4%となり、令和5年分の9.9%から上昇しました。都市部に自宅を持つ家庭では、金融資産だけでなく土地評価額も含めた確認が欠かせません。
ただし、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、生命保険金の非課税枠など、実際の税額は家族構成や財産内容で大きく変わります。まずは「相続税がかかるか」ではなく、「誰が、どの資産を、いつ受け取るか」を整理することが現実的です。

NISAと終身保険はどちらを優先するべき?

NISAで運用したほうが増える可能性があるなら、終身保険よりNISAを優先すべきですか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
目的が違います。NISAは運用益の非課税メリットを使って資産寿命を延ばす手段です。一方、終身保険は死亡保険金として受取人に渡す設計に向いています。生活費に使う可能性があるお金は預金や換金しやすい運用、遺す目的が明確なお金は終身保険、という分け方が基本です。

NISAは増やすお金、終身保険は遺すお金で分ける

60代からのNISAは、長期・分散・積立の考え方を守れば、老後資金の寿命を延ばす選択肢になります。非課税枠を使える点は大きな利点ですが、元本保証ではありません。また、NISA口座の資産は相続時に受取人を自由に指定できる保険とは性質が異なります。
終身保険は、運用効率だけで比較するとNISAに見劣りすることがあります。しかし、死亡保険金として比較的わかりやすく受取人へ渡せること、一定の非課税枠があること、葬儀費用や納税資金を準備しやすいことが強みです。
たとえば、7000万円を「生活費・医療介護費3000万円」「預金・国債など守る資金2000万円」「NISAなど長期運用1000万円」「終身保険など遺す資金1000万円」のように仮置きしてみると、保険に入れすぎていないか確認しやすくなります。実際の配分は、年金額、住まい、健康状態、子どもの人数で変わります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
終身保険を利回りだけで見ると迷いやすく、誰にいくら渡したいかで見ると判断しやすくなります。

相談前に準備するとよい資料

60代夫婦が終身保険と相続を相談するなら、現在の金融資産一覧、年金見込額、保険証券、自宅の固定資産税通知書、住宅ローン残高、家族構成メモを用意すると話が早く進みます。正確な相続税額の計算は税理士領域ですが、FP相談では生活費、医療・介護費、NISA、保険、相続の全体像を整理できます。
老後資金7000万円は、金額だけで見ると安心に見えます。しかし、片方が長生きした場合、介護費が重なった場合、子どもへ住宅資金援助をする場合など、家計の形は家庭ごとに違います。終身保険を契約する前に、まずは「使う・守る・遺す」の配分表を作ることをおすすめします。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    老後資金7000万円は、生活費、医療・介護費、相続資金に分けて考えることが大切です。
  • 2
    終身保険は生活費の置き場ではなく、死亡保険金として遺すお金に向いています。
  • 3
    死亡保険金には500万円×法定相続人の数の非課税枠があり、相続対策に役立つ場合があります。
  • 4
    NISAは増やすお金、終身保険は遺すお金として役割を分けると判断しやすくなります。
  • 5
    契約前には、手元資金、受取人、税金、解約返戻金、家族間の公平感を確認しましょう。

まずは無料オンラインFP相談で配分を整理しましょう

老後資金7000万円の配分、終身保険の必要額、NISAとの使い分けは家庭ごとに答えが変わります。ほけんのAIなら、まずAI相談で家計や保険の悩みを整理し、その後は有資格者のFPにオンラインで相談できます。相談は無料で、保険や資産形成を中立的に比較しながら確認できます。LINEから日時を選べるので、夫婦で話し合う前の棚卸しにも活用しやすいサービスです。

🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

カフェで相談する様子

関連記事一覧

【2026年9月更新】養老保険の税金|満期解約死亡の早見表

【2026年9月更新】養老保険の税金|満期解約死亡の早見表

養老保険の税金を満期保険金、解約返戻金、死亡保険金別に整理。所得税・住民税、相続税、贈与税の違いと申告要否を早見表で確認できます。

【2026年9月更新】生命保険の選び方|30代共働き4保障チェック

【2026年9月更新】生命保険の選び方|30代共働き4保障チェック

30代共働き向けに生命保険の選び方を4保障で整理。死亡、医療・がん、就業不能、貯蓄性保険を公的制度やNISA・iDeCo改正と合わせて判断できます。

【2026年9月更新】収入保障保険おすすめしない基準|30代子育て世帯

【2026年9月更新】収入保障保険おすすめしない基準|30代子育て世帯

収入保障保険をおすすめしないケースと必要な家庭の違いを30代子育て世帯向けに解説。遺族年金、団信、教育費、NISAを踏まえた不足額の見方を整理します。

【2026年9月更新】定期保険は掛け捨てで十分?|子育て保障3基準

【2026年9月更新】定期保険は掛け捨てで十分?|子育て保障3基準

定期保険は掛け捨てで十分かを子育て世帯向けに解説。生活費、教育費・住居費、2026年度の遺族年金や貯蓄を差し引く3基準で必要保障額を整理します。

【2026年9月更新】生命保険料控除|新旧契約6万円判定

【2026年9月更新】生命保険料控除|新旧契約6万円判定

2026年の生命保険料控除で迷いやすい新旧契約と6万円判定を解説。23歳未満の扶養親族、全体12万円上限、年末調整の記入ミスまで整理します。

【2026年9月更新】傷病手当金が遅い時|就業不能保険3手順

【2026年9月更新】傷病手当金が遅い時|就業不能保険3手順

傷病手当金が遅い時の確認先、初回入金までの生活費不足、就業不能保険や医療保険で補う範囲を3手順で整理。退職時の注意点も解説します。