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【2026年2月更新】中退共と法人保険の違い|退職金設計の実務対応と最新税制

更新:
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年2月14日
  • 最新CPI・DC拠出拡充・マッチング上限撤廃の反映
  • 付加退職金の上乗せ上限撤廃報道の動向整理
  • 中退共の掛金変更・未納停止の実務手続の明確化
【2026年2月更新】中退共と法人保険の違い|退職金設計の実務対応と最新税制
中退共
法人保険
退職金
企業型DC
iDeCo
付加退職金
CPI

課題提起:なぜ今“中退共だけ”では不十分か

物価の高止まりが続くなか、退職金は「基礎の安心」と「上積みの育成」を両立させる設計が欠かせません。全国コアCPI(生鮮食品除く)は2025年12月に前年比2.4%でした(最新は統計局の速報で確認できます)。(消費者物価指数(全国・最新の月)) 導入しやすい 中退共 は全額損金・事務負担が軽い一方、インフレに対する上積みは民間制度の活用が鍵になります。保障と原資づくりを両立できる 法人保険 や、企業型DC・iDeCoをどう組み合わせるか——この記事では制度・税制・会計を一次情報で確認し、実務で迷わない段取りを示します。

いまの前提(数字で押さえる)

  • 1
    2025年12月の全国コアCPIは前年比2.4%で、上積み設計の必要性が続いています(統計局の速報値)。
  • 2
    令和7年度(2025年度)の中退共「厚生労働大臣が定める率」は0で、分割支給の利率加算はありません(詳細は告示ページ)。
  • 3
    中退共の新規加入助成は、加入後4か月目から1年間、掛金月額の1/2(上限5,000円/人)が基本です。
  • 4
    2019年の税務通達改正で節税偏重商品は整理され、最高解約返戻率帯(50/70/85)や「年30万円」取り扱いが明確化されています。
  • 5
    確定拠出年金は2026年4月に企業型DCのマッチング上限規制が撤廃、同年12月にiDeCo・DCの拠出上限が引き上げ予定です。
  • 6
    役員は原則中退共に加入不可で、退職慰労金は社内規程と原資準備(保険等)の設計が必要です。

法人保険と中退共の仕組み比較(加入対象・拠出・税務・給付)

企業契約の法人保険は、死亡・高度障害・医療などの保障を持ちながら解約返戻金で退職金原資を計画的に積み上げられます。税務は商品性・最高返戻率により資産計上や損金算入の扱いが変わります。一方、中退共は掛金が全額損金で、退職時に機構から従業員本人へ直接支給されるため、会社の資金繰りと事務負担を軽くできるのが強みです。 給付は一時金が基本で、要件を満たせば分割(5年/10年)も選択可能です。分割額は「退職金額×{51/1000または26/1000+厚生労働大臣の定める率}」で算出され、2025年度は利率が0です(制度と数式は制度ページで確認できます)。(退職金)

中退共は併用できる?重複支給の調整は?

社内の退職金規程と中退共を両方導入すると、二重払いになりませんか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
併用は可能です。就業規則・退職金規程に「中退共からの給付を社内退職金に充当する」旨の条項を設け、支給調整のルールを明文化してください。また、分割支給を選ぶ場合は税区分(雑所得)や受取りスケジュールも事前に周知しておくと実務が円滑です。

中退共の助成と利回りの実態(一次情報で確認)

新規加入助成は、加入後4か月目から1年間、掛金月額の1/2(上限5,000円/人)。短時間労働者の特例掛金(月4,000円以下)には上乗せ助成もあります(対象外となる事業主に注意)。(制度の特色) 利回りは制度全体の予定運用利回り1.0%を前提とする「基本退職金」に、運用状況に応じた「 付加退職金 」が上乗せされる二本建てです。2025年度の分割利率は0で、付加退職金支給率も0です。(「厚生労働大臣が定める率」についてのお知らせ) 最近の動きとして、厚生労働省は付加退職金に関する上乗せ上限の撤廃方針を部会で示し、予定運用利回り(1.0%)も2027年度末までに見直す方針を明らかにしました(報道)。施行・詳細は今後の公式発表で確認しましょう。(中小企業の退職金共済、上乗せ上限を撤廃 株高で運用上振れ)
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
退職金は“節税”より“設計”。制度・税制・資金繰りを同じ地図に載せると、意思決定がぶれません。

最新税制対応:2019通達(50/70/85帯域と二つの30万円)

2019年の 2019通達(法人税基本通達9-3-5の2)は、保険期間3年以上かつ最高解約返戻率50%超の定期・第三分野保険について、帯域(50/70/85)ごとの資産計上・取崩しを定めました。(No.5364-2 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い) また、最高返戻率が70%以下かつ一被保険者の年換算保険料相当額が30万円以下の契約は、従来どおり期間経過損金の扱い(資産計上対象外)。返戻金のない(またはごく少額の)短期払契約で一被保険者30万円以下の支払は、支払年度の損金算入を認める運用も整理されています(注記の条件に留意)。(No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い)

設計のチェックリスト(就業規則・会計・税務)

  • 1
    退職金規程に中退共の充当条項と、役員退職金の算定根拠(同業類似・功績倍率)を明文化します。
  • 2
    解約返戻金の益金計上と退職金支給の損金計上は“同一事業年度”に並べ、資産計上・取崩しの期間管理を徹底します。
  • 3
    保険料水準は平時・有事のキャッシュフローで耐性検証し、ムリのない上積み幅にします。
  • 4
    名義変更は原則避け、やむを得ない場合は評価・決議・消費税(非課税売上割合)まで影響確認を行います。
  • 5
    短期勤続の退職金は1/2課税不適用(一定要件)に注意し、支給額・時期の根拠を事前に文書化します。

2021評価通達:名義変更“70%評価”で封じられたスキーム

2019通達後に広がった低解約返戻金型の「名義変更プラン」に対し、2021年に所得税基本通達36-37が改正されました。支給時(名義変更時)の解約返戻金が「支給時資産計上額の70%未満」の場合、評価額は「支給時資産計上額」で行う——というルールが明記されています(新旧対照は国税庁資料で確認可)。(保険契約等に関する権利の評価) 実務は「法人で返戻金を受け、同年度に退職金(役員退職慰労金)を支給して結果相殺」へ回帰。名義変更はガバナンス・税務の両面で慎重に。

最新動向:企業型DC・iDeCoの拡充と上積み設計

確定拠出年金の選択肢は拡大します。2026年4月に企業型DCのマッチング拠出で「加入者掛金が事業主掛金を超えられない」制限が撤廃され、各自が上限枠を使い切りやすくなります。2026年12月1日施行予定の見直しでは、第2号加入者のiDeCo拠出上限が企業年金の有無に関わらず月額6.2万円へ、第1号は月額7.5万円へ引き上げ予定。60〜70歳未満の新たな加入類型(第5号加入者)も整備されます。(2025年の制度改正) 具体の上限枠は一覧PDFで確認できます(2026年12月〜)。(DC拠出限度額(令和8年12月〜)) インフレ環境では、定期預金型だけでなく低コストのインデックス商品も組み合わせ、手数料と長期期待リターンのバランスを取りましょう。 企業型DC・iDeCo は制度改正の時期に合わせ、社内規程と投資ラインナップの見直しを。

掛金の増額・減額・納付停止は可能?

業績に合わせて掛金を増減できますか?休職が出た月は納付を止められますか。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
増額は事前届出で可能です。減額は「従業員の同意」または「厚生労働大臣の認める場合」に限られます(認定申請が必要)。手続と期限は公式Q&Aを参照してください。(掛金月額変更の手続/Q&A) 休職・欠勤等で所定労働日の1/2超の欠勤がある月は、申立書によりその月の納付停止が可能です(最長12か月、再申立で延長可)。(掛金未納正当理由(休職等で納付停止))

出口設計と会計・税務の段取り(“並べて平準化”)

法人保険の解約返戻金による益金計上と、退職金支給の損金計上は仕訳で直接相殺せず、同一事業年度に“並べる”ことで実効税率のブレを平準化します。2019通達の資産計上・取崩し期間を守りつつ、退任時期と解約時期をリンクさせるのが成功のポイント。短期勤続者の退職金は1/2課税の不適用など、源泉・住民税の取り扱いも事前確認を。(No.2740 勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等)

事例:中小製造業の“3年設計”での失敗回避

従業員20人の製造業A社の例です。 ・基礎:中退共に新規加入。助成期間(1年)に合わせ掛金を段階的に増やし、就業規則に充当条項を明記。 ・上積み:2026年4月のマッチング上限撤廃・同年12月の拠出上限引上げを見据えて企業型DC規程と商品構成をロードマップ化。 ・役員:法人保険で原資を準備し、退任年度に解約返戻金を受けて同年度に退職慰労金を支給する計画を取締役会で決議。 ・税務・会計:2019通達の資産計上・取崩し期間を年次カレンダーで管理。短期退職手当等の扱いを試算に反映。 ・動向対応:付加退職金の上乗せ上限撤廃・予定利回り見直しの動きは、正式決定を待ちつつ社内説明資料に盛込み、従業員への周知を先行。 結果、資金繰りの急激な悪化や過大退職金の指摘を回避し、従業員の納得感も向上しました。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
制度は“経営戦略の一部”。基礎は中退共で安定させ、保険とDCで育て、退職時の出口を整える。足並みが揃うほど税務リスクは小さくなります。

次の一歩(相談の使い方)

自社に合う「基礎×上積み×役員」の配分は、勤続傾向と財務体力で変わります。一次情報リンクで前提を押さえたら、既存契約・就業規則・退職金規程を棚卸しし、退任時期と保険の解約スケジュールを同年度に揃える計画表を作りましょう。迷ったら、オンラインでFPに横断比較を依頼すると、税務・制度・資金繰りを同じテーブルで整理できます。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    中退共は助成と全額損金が強み。令和7年度の分割利率0・付加支給率0を前提に上積みを設計する
  • 2
    法人保険は2019通達(50/70/85帯域・二つの30万円)に沿い、解約益と退職金の年度合わせで平準化する
  • 3
    名義変更“70%評価”で安価譲渡スキームは不可。評価・決議・消費税まで含め慎重に扱う
  • 4
    2026年のDC改正(マッチング上限撤廃・上限額引上げ)を織り込み、商品と規程を更新する
  • 5
    短期勤続の退職金課税(1/2不適用など)に注意し、支給額・時期の根拠を社内文書で残す

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中退共の基礎設計、法人保険の税務管理、企業型DC・iDeCoの上積み配分は相互に影響します。FPとオンラインで並べて検討すれば、退職金規程の文言、保険の資産計上・取崩し、拠出上限の使い切りまで一気通貫で整理可能。自宅から時間・場所の制約なく、無料で中立比較と数値試算をご提供します。次の一歩はLINEで予約でき、初回から実行計画を持ち帰れます。

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