【2025年8月更新】死亡保険金は一時金か年金か|税と手取りの判断(個別相談可)
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

死亡保険金
一時金
年金受取
相続税 非課税枠
一時所得
年金受給権
2割加算
目次
結論と前提:2025年の基本ルールと判断軸
生命保険の 死亡保険金 は、一括の「一時金」と分割の「年金」で課税の種類も手取りも変わります。契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の組み合わせ次第で、相続税/所得税/贈与税のいずれかが適用されます。2025年8月時点でも、相続税の非課税枠は「500万円×法定相続人」で変更ありません。まずは税区分を確定し、当座の資金需要(住宅ローン・学費など)と長期の収入設計の両面から、どちらの受取方法が家計に合うかを決めましょう。法令の根拠と具体的計算は国税庁の案内が基準です。(死亡保険金を受け取ったとき)
本記事でできること(3分チェック)
- 1契約者・被保険者・受取人の組合せから税区分(相続/所得/贈与)を判定する
- 2相続税の非課税枠「500万円×法定相続人」の活かし方を理解する
- 3一時金と年金の手取り・社会保険料への影響を比較する
- 4年金受給権の相続税評価と年金課税(雑所得)の仕組みを把握する
- 5あなたの家計状況に合う受取方法をチェックリストで仮決定する
税制の基礎:組合せで税目が決まる
一番多いのは「契約者=被保険者、受取人=相続人」で相続税の対象(みなし相続財産)になる形です。受取方法が 一時金 でも年金でも、相続税パターンであれば相続税の非課税枠や配偶者の税額軽減が使えます。これ以外に、契約者=受取人の場合は所得税(死亡時に一括なら一時所得、年金なら雑所得)、三者すべて別人だと贈与税です。詳細は国税庁の表がわかりやすいです。(死亡保険金を受け取ったとき)
よくある疑問:私のケースはどの税?
夫が契約・被保険者で、私(妻)が受取人です。税金はどうなりますか?

相続税の対象です。妻は法定相続人なので、死亡保険金には「500万円×法定相続人」の非課税枠が使えます。遺産総額や配偶者の税額軽減の適用により、相続税がかからないことも多いです。(相続税の課税対象になる死亡保険金)
相続税の非課税枠500万円×法定相続人
相続税パターンでは、死亡保険金合計から「 相続税 非課税枠 =500万円×法定相続人の数」を控除できます。配偶者や子など相続人が受け取ることが前提で、相続人以外には適用されません。按分方法や養子の数え方など、細部のルールは国税庁の同ページで確認しましょう。(相続税の課税対象になる死亡保険金)

受取方法は“税金”だけでなく“家計の使い方”で選ぶのが順番です。手取りの差が数十万円でも、使い方次第で家計の満足度は大きく変わります。
年金で受け取るときの要点:年金受給権の評価と年次課税
年金形式を選ぶと、まず死亡時点で「 年金受給権 の現在価値」に相続税(または贈与税)がかかります。評価は相続税法24条に基づき、解約返戻金相当額や一時金相当額などで算定します。その後の各年の年金は、相続等で取得した年金として「非課税部分」と「課税部分」に振り分け、課税部分のみ雑所得として計算します。初年度は全額非課税、2年目以降は“課税割合×支給額”が雑所得の収入となる階段方式です。源泉徴収は原則、(年金額−対応保険料)×10.21%(一定の要件で不要)で、確定申告で精算します。(相続税等の課税対象になる年金受給権)/(相続等により取得した年金の課税関係)/(遺族の方が支払を受ける個人年金)
一時所得・雑所得の違いと“保険外”の影響
契約者=受取人で一括受取する場合は一時所得です。計算は「総収入−払込保険料−特別控除50万円=一時所得金額」をさらに1/2にして総合課税へ。年金形式なら雑所得(年ごと)になります。(一時所得)
また、税額だけでなく社会保険料にも影響します。国民健康保険料の算定では、一時所得や総合課税の長期譲渡所得は“1/2相当額”が基礎に入ります(自治体要綱)。例えば墨田区の公式案内に明記があります。(国民健康保険料の計算(墨田区))
受取を 年金受取 にすると、各年の雑所得が他所得や各種給付の所得判定に影響する点も踏まえ、世帯全体で設計しましょう。
社会保険料・各種給付への影響の違い
- 1一時所得はその年だけ総合課税へ合算、国民健康保険料の算定基礎には1/2が反映され得る
- 2年金受取の雑所得は毎年の住民税・国保料・介護保険料の判定に影響しやすい
- 3児童手当・就学援助など所得制限がある制度では、年金受取で基準を超えるリスクがある
- 4高齢の配偶者が年金受取にすると、寡婦(夫)控除や基礎控除で課税ゼロに収まることもある
- 5相続人以外が受け取ると非課税枠は使えず、相続税額の2割加算対象(受取人次第)となり不利になりやすい
方式別の強みと弱み(実務感覚)
一時金は、住宅ローン残債の返済や進学費用などの当座資金をすぐ確保でき、課税は基本的に“死亡時の1回”で完結します。一方、年金は総受取額が大きくなりやすく、家計管理が平準化される反面、毎年の課税・所得判定に継続的に向き合う必要があります。年金支給途中での一括換算(可能な商品あり)は現在価値での清算となる点も把握しておきましょう。
簡易シミュレーション:どちらが有利?
相続人が妻と子2人(計3人)、死亡保険金2,400万円の場合、どちらが得ですか?

相続税パターンでは非課税枠は1,500万円です。超過900万円が他の遺産と合算されて相続税の計算に入ります。年金を選ぶと、まず年金受給権(例:一時金相当2,200万円など評価額)へ相続税、その後の各年は課税割合に応じて雑所得化。妻に他所得が少ないなら、年金課税は控除内でゼロになる年もあり、総手取りが増える可能性があります。逆に妻が高所得なら一時金の方が有利なことも。実額は家族の所得・控除・評価額で変わるため、個別に計算しましょう。根拠の考え方は国税庁の年金課税のページが参考になります。(相続等により取得した年金の課税関係)
モデル別の分岐点:専業配偶者世帯/共働き高所得世帯
専業配偶者世帯では、年金の課税部分が基礎控除や寡婦(夫)控除で相殺され、年金受取の方が手取り有利になる場面が目立ちます。共働き高所得世帯では、雑所得が累進税率や住民税・各種保険料を押し上げるため、一時金で完結させる選択が現実的なこともあります。なお、受取人が相続人以外(例:内縁、孫など)の場合は非課税枠が使えず、相続税額が2割加算される点に注意が必要です。(相続税額の2割加算)

“税区分を正しく固定”してから、“受取方法の比較”。この順番を守ると迷いが減ります。受取人の設定ミスは後戻りが効きにくいです。
手続きと落とし穴:請求時の選択と注意点
多くの収入保障型などでは、死亡保険金請求時に一括か年金かを選べます(商品による)。年金は初年度非課税・2年目以降の課税配分・原則10.21%源泉(要件で不要)といった実務の流れを把握し、必要に応じて年途中の確定申告で精算しましょう。受取人が相続人以外だと、非課税枠が使えず2割加算の対象になり得ます。逆に、契約者と受取人を同一にしておけば相続税は避けられるものの、一時金は一時所得、年金は雑所得で毎年課税されます。制度の根拠は国税庁の各ページにまとまっています。(死亡保険金を受け取ったとき)
チェックリスト:選び方を3分で固める
当座の大口支出の予定(住宅ローン、学費、相続発生後6〜12か月の生活費)を洗い出しましたか。受取人の他所得・適用できる控除(基礎・寡婦(夫)・社会保険料)を把握しましたか。保険会社の年金換算率と予定利率、インフレ前提を確認し、運用を自分で担う自信があるかを整理しましたか。加えて、受取人が相続人以外になる指定をしていないか(非課税枠・2割加算)を点検し、修正が必要なら速やかに変更を。迷う場合はオンラインで仮試算し、家計全体の設計と併せて専門家に相談しましょう。
個別相談の使い方(LINEで最短)
本記事の判断を“わが家”に落とし込むには、遺産総額や所得控除、自治体ごとの社会保険料の計算まで踏み込む必要があります。ほけんのAIなら、まずチャットで状況を共有→オンラインFPが無料で中立助言→必要に応じてシミュレーションまで伴走します。いまはLINEから相談開始でギフトが選べるキャンペーンも実施中。強引な勧誘を遮断できるイエローカード制度もあり、安心して活用いただけます。
まとめ:重要ポイント
- 1契約者・被保険者・受取人の組合せで税目が確定。相続税パターンなら非課税枠(500万円×法定相続人)が使える
- 2年金は“年金受給権”を相続税評価→各年は課税割合で雑所得。初年度非課税・原則10.21%源泉で精算
- 3一時金は一時所得(1/2課税+50万円控除)。国民健康保険料の算定では“一時所得の1/2”が基礎に入る自治体が一般的
- 4相続人以外の受取は非課税枠なし+相続税2割加算リスク。受取人設定は早めに点検しミスを防ぐ
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