【2025年8月更新】がん団信と全疾病団信の違い|選び方と金利上乗せ早見表
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

がん団信
全疾病団信
団信
住宅ローン
金利上乗せ
ワイド団信
フラット35
目次
いま選ぶべき?2025年夏の団信トレンド概観
2025年8月の住宅ローン市場は、全期間固定の最頻金利が年1.87%(21–35年、融資率9割以下・新機構団信付)と、足元の金利上昇を映しています[参考: (新規借入れをご検討の方)]。こうした環境では、金利負担を抑えつつ「万一に残債がゼロになる条件」をどう設計するかが鍵です。
- ネット銀行では 全疾病団信 や がん50% の無料付帯が広がり、一方でメガバンクは特約の内容差で勝負という構図が続きます[比較記事: (「団体信用生命保険」徹底比較!【2025年8月版】)]。
- 物価・金利の変動リスクがある中、特約で金利を 上乗せ する判断は、費用対効果(家計へのインパクト)を必ず数値で確認してから。この記事では数分で把握できる早見表と、タイプ別の最適解を用意しました。
金利上乗せ早見表(概算・35年返済の目安)
- 1+0.0%(無料付帯のみ):追加負担なし。まずは無料でどこまでカバーできるかを確認。
- 2+0.1%:月の返済増は約1,500円(3,000万円借入)/約2,500円(5,000万円)。総額増は約63万円/約105万円。
- 3+0.2%:月の返済増は約3,000円(3,000万円)/約5,000円(5,000万円)。総額増は約126万円/約210万円。
- 4+0.3%:月の返済増は約4,500円(3,000万円)/約7,500円(5,000万円)。総額増は約189万円/約315万円。
- 5注:変動・固定の別、基準金利により実際は前後します。目安としての概算。追加上乗せ幅は銀行・年齢要件で異なります[相場感: (団信比較 2025年8月版)]
基礎から整理:がん団信と全疾病団信の仕組み
まず用語を正確に。住宅ローンに原則付くのは 一般団信(死亡・高度障害で残債ゼロ)。ここに任意で上乗せするのが特約系の がん団信 と 全疾病団信 です。
- がん団信:がんと診断確定(上皮内がん等の扱いは商品で異なる)で、住宅ローン残高を50%または100%保障するタイプ。診断一時金型ではなく「残債を消す力」が強みです[比較: (団信比較 2025年8月版)]。
- 全疾病団信:精神疾患を除く病気・ケガが対象のことが多く、所定の就業不能が一定期間継続で毎月返済の免除や、長期で残債ゼロ(条件は銀行で差)[参考: (全疾病保障の解説記事)]。 いずれも「いつ、どの状態で、どれだけ残債が減る(ゼロになる)のか」という発動条件が核心です。がん団信 は診断時点での即時性、全疾病団信 は幅広いリスクカバーと就業不能条件の厳格さがポイントになります。
結局どちらが手堅い?
医療の進歩でがんは治療できる時代とも聞きます。がん団信と全疾病団信、どちらが現実的ですか?

治療可能性が上がっても、治療中の家計圧迫は現実です。診断で一気に残債を消せるのががん団信の強み。一方でがん以外の脳・心血管や外傷、長期の働けない状態に備える広さは全疾病団信。扶養家族の有無や職業(自営か給与か)、勤務先の休業補償の厚みで選び分けるのが実践的です。
一般団信(死亡・高度障害)との関係と“空白域”
一般団信 の高度障害はハードルが高く、例えば「半身まひ」や「透析中」などは高度障害に該当せず支払われないケースがあり得ます。そこで、重篤でも高度障害に届かない状態や長期の就業不能を埋めるのが がん団信・三大/八大/全疾病 系特約です[基礎と注意点: (団信比較 2025年8月版)]。

特約選びは『どんな状態になったら残債がいつ消えるか』の条件比較がすべてです。保障名の大きさより、発動条件の具体性を優先しましょう。
徹底比較:メリット・留意点と向いている人
- がん団信の強み:診断確定で即残債が軽くなる(50%/100%)。精神面・家計面の安心が大きい。留意点は上皮内がんの扱い、加入年齢制限、金利上乗せ(無料付帯の銀行もあり)。
- 全疾病団信の強み:幅広い病気・ケガをカバー。所定の就業不能が一定月数続けば返済免除・長期で残債ゼロ。留意点は「精神疾患は対象外」が一般的、就業不能の定義と認定期間が厳格[事例解説: (全疾病保障の解説記事)]。
- 向いている人:
- がん団信…扶養家族あり・がん家系・精神的安心を重視。無料で50%が付く銀行や+0.1〜0.2%で100%にできる場合は有力候補[相場感: (団信比較 2025年8月版)]。
- 全疾病団信…自営業・フリーランス(傷病手当金がない)、勤務先の休業補償が薄い、広く網をかけたい人。就業不能の定義と待機期間を必ず確認。
審査と通し方:告知のコツと落ちやすい要因
特約を重ねるほど審査はシビアになります。告知は「過去3~5年の医師診療・投薬・手術歴」等を正確に。うっかりの記載漏れは避け、疑問は引受保険会社へ直接確認を[実務ポイント: (団信の告知はどこまで行う?)]。
- 2年経過で“時効”は誤解:詐欺的な重大な告知義務違反は経過年数にかかわらず取消の対象になり得ます。万一のときに保険金が出ず、最悪は自宅を失うリスクも。正直な告知が大前提です[同上]。
- 年齢要件:がん・三大/八大疾病・全疾病など一部特約は「申込時50歳未満」などの上限が一般的。メガバンクの一部には56歳未満まで選べる型もあります[比較: (団信比較 2025年8月版)]。
もし審査NGでも諦めない
特約を付けたら団信に落ちました。もう家を買うのは難しいですか?

代替策は複数あります。引受基準を緩めた「ワイド団信」(相場は+0.3%前後)や、団信が任意のフラット35を選ぶ方法。あるいは連帯債務・ペアローンに設計変更し、世帯としての保障を補う手も。まずは一般団信での可否、特約の取捨選択、代替案の費用対効果を順に当てていきましょう。
代替策とセーフティネットの正しい理解
- ワイド団信:持病等で一般団信が難しい方向け。多くは上乗せ年+0.3%程度で、内容は死亡・高度障害が中心。提供有無・上乗せ幅は銀行差があるため事前確認を[相場: (団信比較 2025年8月版)]。
- フラット35:団信は「任意」。機構の団信は「新機構団信」または「新3大疾病付機構団信」の二択で、がん・急性心筋梗塞・脳卒中や要介護2~5等の所定要件で残債が0円になるタイプです。いわゆる機構団信としての“がん50%給付”型はありません(モーゲージバンク等が自社商品として用意する例はあり)[制度: (新機構団体信用生命保険制度)]。金利水準は月次で確認を(2025年8月最頻1.87%)[金利: (新規借入れをご検討の方)]。
- 連帯債務・ペアローン:ペア連生団信(どちらかに万一で残債0円)等を選べば、世帯としての“残債ゼロ化”の確率を高められます。上乗せ相場は+0.15~0.40%程度の事例が多いです[比較: (団信比較 2025年8月版)]。
他保険との役割分担でムダなく最適化
公的・会社の保障を棚卸ししてから、団信特約と民間保険を役割分担するとムダが出にくくなります。
- 会社員・公務員は健康保険から 傷病手当金(通算1年6か月、標準報酬の概ね3分の2) が支給されます[制度改正の根拠: (傷病手当金の通算化)]。この土台があるなら、全疾病の就業不能パートを薄めに、がん100%など“残債即ゼロ”に効く特約を厚めにする選択も理にかないます。
- 自営業・フリーランスには傷病手当金がないため、全疾病団信や民間の就業不能(所得補償)保険で“現金フロー”を守る設計が重要。団信はあくまで住宅ローン分、生活費は就業不能保険で補完、という二層化が実務的です。
後悔しない選び方3ステップ
- 1公的・会社の保障(傷病手当金・団体保険・休業補償)と家計貯蓄を棚卸しする。
- 2無料付帯(がん50%・全疾病・月次返済)の範囲を起点に、+0.1/0.2/0.3%の費用対効果を比較表に落とす。
- 3団信の仮審査と同時に、ワイド団信・フラット35・ペア連生の代替案も“保険”として並走させ、最終決定は審査結果と家計試算で。
ケース別ベストプラン(目安)
- 20代DINKs(共働き・子どもなし)…無料付帯を最大活用+必要なら がん50% を上乗せ。余力は繰上返済・資産形成へ。
- 30代子育て…治療と生活の両立を重視。がん100% か 全疾病+月次返済(就業不能時の返済免除)を軸に。家計余力と保育・教育期の重なりで厚めに。
- 40代自営業…全疾病団信 を土台に、所得補償保険で生活費を二重化。待機期間・就業不能定義は厳密に確認。
- 50代・持病あり…まずは一般団信の可否→難しければ ワイド団信(+0.3%目安)、次点で フラット35(団信任意) と民間保険の併用を検討。
よくある質問FAQ
- 無料付帯の落とし穴は?…良い意味で“落とし穴は少ない”ですが、全疾病団信 は精神疾患が対象外、就業不能の継続期間が長めなど条件が厳しめです。細則の確認を[解説: (全疾病保障の解説記事)]。
- がん50%と100%どちらが良い?…家計に余力があり“精神的安心”を重視なら100%。費用を抑え、無料の50%+全疾病で幅広く、という設計も現実的。上乗せ相場は+0.05〜0.20%前後と幅あり[比較: (団信比較 2025年8月版)]。
- 精神疾患は対象?…全疾病団信 は多くの銀行で精神疾患は対象外。必要なら民間の就業不能保険(精神疾患対応タイプ)を検討。
- 途中で特約を変更できる?…原則は“借入時に確定”。ただし一部銀行に保険料支払型など途中解約可能なタイプも。逆に途中追加は不可が一般的です[比較: (団信比較 2025年8月版)]。
まとめ:重要ポイント
- 12025年8月の金利環境では、無料付帯の範囲と+0.1/0.2/0.3%の上乗せ効果を家計数字で比較するのが出発点。
- 2がん団信は診断即時の“残債ゼロ力”、全疾病団信は“幅広さと就業不能条件”が肝。発動条件を商品ごとに必ず確認。
- 3審査は特約ほど厳格。告知は正確に。2年経過でも重大な虚偽は取消され得る点を理解しておく。
- 4代替策(ワイド団信、フラット35、ペア連生)を並走させ、審査結果と費用対効果で最適解に着地。
- 5公的・会社の保障と民間保険を棚卸しし、“団信=住宅ローン分、民保=生活費”の役割分担でムダを削る。
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