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【2025年9月更新】解約返戻金の税金|一時・雑の判定と計算早見表(個別相談可)

更新:
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
この記事の最新の更新
最終改良: 2025年9月19日
  • 2024年調査の解約・失効データの反映強化
  • 2025年扶養要件58万円への最新リンク明記
  • 住民税申告と実務書類の注意点の補足充実
【2025年9月更新】解約返戻金の税金|一時・雑の判定と計算早見表(個別相談可)
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一時所得
雑所得
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贈与税
金融類似商品
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まず押さえる:課税の基本と“早見の勘どころ”

生命保険の 解約返戻金 に税金がかかるかは、「誰が保険料を負担し、誰が受け取るか」と「受取方法」で決まります。保険料負担者と受取人が同じで一括受取なら 一時所得、分割(年金)受取なら 雑所得 が基本。保険料負担者と受取人が違えば贈与税の対象です。国税庁の早見表はシンプルで実務的にも有用です。(No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき) をブックマークしておきましょう。元本割れ(受取額が払込総額以下)なら所得税は原則かかりません。 なお、2025年分から扶養関連の所得要件が引き上げられ(原則58万円以下)、年末調整の書類様式も更新されます。詳しくは国税庁の特設解説「(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について)」で確認できます。

一目でわかる実務ポイント(早見)

  • 1
    保険料負担者=受取人で一括受取は一時所得、分割受取は雑所得として扱われます(国税庁No.1755に準拠)。
  • 2
    保険料負担者≠受取人は贈与税ルートになるため、受取人設計で税目が大きく変わります。
  • 3
    元本割れ(解約返戻金≦払込総額)の場合は課税なしで、確定申告も不要となるのが通常です。
  • 4
    一時所得は50万円特別控除の後、さらに1/2だけが課税対象になる独特の計算です(国税庁No.1490)。
  • 5
    給与の人は“20万円ルール”の判定があり、1/2後の金額で20万円を超えると申告が必要です(国税庁No.1903)。
  • 6
    一時払で5年以内の解約・満期は“金融類似商品”として20.315%の源泉分離課税で完結する場合があります(国税庁No.1520)。

計算の核心:一時所得の式と“剰余金”の扱い

一時所得の基本式は「(受取額 − 払込保険料総額 − 特別控除50万円)×1/2」です。複数の一時所得は年内で合算(内部通算)したうえでこの式を当てます。注意したいのは、配当や割戻金などの“剰余金”の扱い。国税庁は算式として「満期・解約金 −(支払保険料総額 − 剰余金) − 50万円」と明示しています(給与所得者向けのページに算式が整理されています)。計算は(No.1903 給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合)(No.1490 一時所得)の方式に従い、過去の配当や据置利息で“実質の払込額”が減っていないか明細で確認しましょう。

「50万円控除や20万円ルール、結局どう判定?」

差益が100万円出た場合、私は会社員ですが確定申告は必要ですか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
差益100万円なら一時所得は(100万円−50万円)×1/2=25万円。会社員の“20万円ルール”はこの1/2後の25万円で判定するので超過です。医療費控除など別途の理由がなくても、原則として確定申告が必要になります((No.1903))。一方、差益が80万円なら(80−50)×1/2=15万円で20万円以下、所得税の確定申告は不要の特例に当てはまる可能性があります。なお住民税の申告は自治体ルールに沿って別途必要な場合があります。

受取方法で変わる:一括=一時所得/分割=雑所得

同じ契約でも受取方法で所得区分が変わります。満期・解約金を一括で受け取れば一時所得、年金形式で受け取れば雑所得です。一時所得は50万円控除→1/2課税の恩典がある一方、雑所得は毎年「年金額 − その年に対応する払込相当額」で課税され、特別控除はありません。年金には原則として源泉徴収(10.21%の比例)がかかります(一定の例外あり)。詳細は(No.1610 保険契約者(保険料負担者)である本人が支払を受ける個人年金)を参照。

申告要否の判断フローと準備物

  • 1
    まず差益(受取額−払込総額)を算出し、元本割れなら終わり。差益が出ていれば一括か分割かを確認します。
  • 2
    一括受取なら一時所得の式で「特別控除50万円→1/2」を適用し、1/2後が20万円を超える会社員は申告対象です。
  • 3
    同年内の他の一時所得(保険の他、懸賞等)も合算して50万円控除を一本化して計算します。
  • 4
    必要書類は、支払明細(支払調書の写し等)、払込保険料の内訳、配当・剰余金の記録、給与の源泉徴収票など。
  • 5
    年金受取は源泉徴収有りでも、雑所得として確定申告が必要になるケース(控除適用や他所得合算)を忘れずに。
  • 6
    住民税の申告や扶養判定への影響は所得税の判定と別に確認し、自治体サイトの案内に従って提出します。

モデル試算:差益100万円なら税額はいくら?

差益100万円のケース。一時所得は(100万円−50万円)×1/2=25万円。この25万円が総合課税の他の所得と合算されます。たとえば課税所得の限界税率が10%の帯域なら、概算の所得税は約2.5万円、復興特別所得税を含め約2.55万円、住民税10%で約2.5万円、合計で約5万円強の負担が目安です(医療費控除等により変動)。「思ったより少ない」と感じる方も多いですが、これは一時所得の特別控除と1/2課税の恩典によるものです。算式は(No.1490 一時所得)に準拠します。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
迷ったら“誰が払って、誰が受け取るか”と“受取方法”の二軸で整理します。ここが合えば、税目も計算も怖くありません。

贈与税・相続税になる契約形態を完全理解

保険料負担者と受取人が異なる場合は、解約返戻金や満期金は贈与税の対象です。年金形式の場合は“年金受給権”に対して贈与税が課され、その後の各年の年金は雑所得課税という二段構えが基本です((No.1755))。一方、死亡保険金で被保険者(亡くなった方)が保険料を負担していた場合は“みなし相続財産”となり、相続人が受け取る分に「500万円×法定相続人」の非課税枠が使えます(相続人以外は対象外)。詳細は(No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金) を確認してください。設計段階から「負担者=受取人」を基本にすると贈与税リスクを避けやすくなります。

短期一時払などの例外:金融類似商品の源泉分離課税

契約期間5年以下の一時払養老保険等、または5年超でも“5年以内に解約”した場合などは、差益に一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉分離課税が適用され、源泉徴収で課税関係が完結します(確定申告不可)。この収益は他の所得と合算せず、扶養判定の合計所得にも含めない位置づけです。詳細は(No.1520 金融類似商品と税金) を参照し、受取明細で“源泉徴収済み”か確認しましょう。

「扶養から外れる基準、2025年はどう見る?」

妻が一時所得を得ました。配偶者控除の“48万円”って今も同じですか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
2025年分から基礎控除見直しに連動し、扶養親族や同一生計配偶者の“所得要件”は原則58万円以下に引き上げられました(年末調整は2025年12月から新様式)。したがって、配偶者の合計所得金額が58万円以下なら配偶者控除の対象になり得ます。全体像は国税庁の特設ページ「(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について)」がわかりやすいです。

“今”の動向メモ:解約・失効の実態と家計背景

ここ数年は金利・物価動向や家計の可処分所得の変化に伴い、保険の受取・解約の検討が増えています。2024年度の生活者調査では、民間生保の直近3年間の解約・失効経験率は10.0%、一方で必要資金認識(万一・医療・介護・老後)では不安層が6〜7割と高止まりという結果です(家計の見直しと保障維持のバランスが焦点)。詳しくは「(生命保険に関する 全国実態調査 <速報版>)」の世帯編をご覧ください。解約返戻金の税務は“結果論”になりがちですが、家計全体の目的(教育資金・老後資金・住宅ローン)とつなげて受取方法・時期を設計すると納得感が高まります。

典型的な誤解と“調書”のリアル:バレない神話を捨てる

「少額なら申告しなくてもバレない」は誤りです。保険会社は原則として、解約返戻金や満期金の支払があれば“生命保険契約等の一時金の支払調書”を翌年1月末までに税務署へ提出します(e-Tax様式あり)。手続は国税庁案内「(F1-16 生命保険契約等の一時金の支払調書(同合計表))」を参照。さらに2018年からは、契約者の死亡に伴う契約者変更などについて“保険契約者等の異動に関する調書”が導入され、解約返戻金相当額などの情報も把握されます(様式PDFあり:(保険契約者等の異動に関する調書(PDF)))。申告の有無は調書等から容易に照合される環境にあると考えて、正しく申告しましょう。

ケーススタディ:設計と受取方法の選び方

学資保険は親が負担者=受取人として満期を一括受取にすれば一時所得。たとえば差益80万円なら(80−50)×1/2=15万円で、会社員の多くは所得税の確定申告不要の特例に収まる可能性があります。一方、子を受取人にすると贈与税ルートとなり課税が急増し得ます。終身・養老でまとまった返戻金が見込める場合、税負担だけ見れば一括受取(一時所得)の方が有利な場面が多いですが、翌年の住民税・国保料への波及やライフプラン上の資金管理も考慮して年金受取(雑所得)を選ぶこともあります。名義変更を予定するなら、負担者と受取人の整合、変更から受取までの期間、相続の時期見通しを踏まえ、贈与税・相続税・所得税の按分リスクを事前にチェックしましょう。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
“税だけ最適”では失敗します。家計・ライフプラン・税・社会保険を一枚の地図で見渡して設計するのがいちばんの近道です。

まとめ前のワンポイント:よくあるチェック漏れ

・配当や割戻金(剰余金)を払込総額から控除し忘れない。 ・一時所得の50万円控除は“合算で年一回”である。 ・1/2課税の“1/2後”の金額で20万円判定をする(給与の特例)。 ・金融類似商品の20.315%源泉分離は“確定申告できない”。 ・扶養や住民税の扱いは所得税と別判定がある。最後に、複数契約の解約タイミングは通算や住民税の翌年波及を見て決めるのが賢明です。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    保険料負担者=受取人なら一括は一時所得、分割は雑所得。負担者≠受取人は贈与税ルートになる。
  • 2
    一時所得は「50万円控除→1/2課税」。配当・割戻金(剰余金)は払込総額から控除して差益を出す。
  • 3
    会社員の申告要否は“1/2後”で20万円判定。金融類似商品は20.315%源泉で完結。
  • 4
    2025年分から扶養等の所得要件は原則58万円以下へ。住民税・社会保険も別途確認。
  • 5
    支払調書・異動調書が提出されるため“申告漏れは発覚しやすい”。書類と記録を丁寧に保管。

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