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【2026年8月更新】106万円の壁撤廃:手取りと保険の見直し

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年8月15日
  • 2026年8月時点の加入要件と施行時期の整理
  • 保険料調整の時限措置と給与明細確認の追加
  • 所得税・iDeCo・生命保険料控除の最新反映
【2026年8月更新】106万円の壁撤廃:手取りと保険の見直し
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子ども・子育て支援金
生命保険料控除
iDeCo

2026年8月時点でまず押さえたいこと

2026年秋に向けて、パート・アルバイトの働き方で特に気になるのが 106万円の壁 の見直しです。厚生労働省は、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、いわゆる「年収106万円の壁」として意識されてきた月額8.8万円以上の賃金要件について、2026年10月に撤廃予定と案内しています。
ただし、これは「106万円を気にしなくてよくなる」という単純な話ではありません。今後は、年収額そのものよりも「週20時間以上働くか」「勤務先が適用対象か」「学生に該当しないか」「2か月を超えて働く見込みがあるか」が判断の中心になります。制度の全体像は厚生労働省の(社会保険の加入対象の拡大について)で確認できます。
この記事では、2026年10月前に確認したい手取りの変化、社会保険料、所得税、生命保険、新NISA・iDeCoの整え方を、家計目線で整理します。

これからのスケジュール早見

  • 1
    賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。週20時間以上で働く人は、年収106万円そのものより雇用契約上の所定労働時間を確認しましょう。
  • 2
    企業規模要件は段階的に縮小されます。2027年9月までは従業員数51人以上、2027年10月以降は36人以上が対象になります。
  • 3
    その後は、21人以上が2029年10月、11人以上が2032年10月、10人以下が2035年10月から対象になる予定です。
  • 4
    常時5人以上の個人事業所は、2029年10月から全業種へ適用対象が広がります。ただし施行時点で既に存在する事業所は当分の間、対象外です。
  • 5
    2026年4月分から子ども・子育て支援金の負担が始まっています。被用者保険では令和8年度の支援金率が0.23%です。

撤廃後も残る加入ラインは週20時間

2026年10月に賃金要件が撤廃されると、短時間労働者にとって実務上の大きな境目は 週20時間 になります。厚生労働省の(社会保険加入の要件)でも、週の所定労働時間20時間以上、学生ではないこと、2か月を超えて雇用される見込みがあることなどが示されています。
ここで注意したいのは、残業で一時的に週20時間を超えただけなら、すぐ加入対象になるとは限らない点です。一方で、週20時間以上の状態が2か月を超えて続く見込みになれば、加入対象になることがあります。シフトを増やす前に、雇用契約書の所定労働時間と実際の勤務実態がずれていないかを見ておきましょう。
また、従業員数50人以下の企業などで新たに社会保険の加入対象になる短時間労働者には、標準報酬月額12.6万円以下などの条件を満たす場合、3年間の保険料負担を軽くする時限的な仕組みも用意されています。対象になるかは勤務先の対応が関わるため、早めに人事・給与担当へ確認するのがおすすめです。

106万円を少し超えると本当に損ですか?

年収106万円を少し超えるだけなら、やっぱり働き損になりますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
2026年10月以降は、106万円を超えたかどうかより、週20時間以上で働くかが焦点になります。社会保険に入ると保険料は発生しますが、厚生年金や傷病手当金などの保障も増えます。少しだけ増やすより、世帯手取りが戻るラインまで働けるかを試算した方が判断しやすいです。

東京都・協会けんぽで見る2026年度の負担感

社会保険に入ると、健康保険料、厚生年金保険料、40〜64歳は介護保険料が給与から差し引かれます。東京都の協会けんぽでは、令和8年3月分から健康保険料率9.85%、介護保険料率1.62%、令和8年4月分から子ども・子育て支援金率0.23%です。厚生年金保険料率は18.3%で、原則として会社と本人が半分ずつ負担します。料率は協会けんぽの(令和8年3月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表)で確認できます。
たとえば標準報酬月額9.8万円で加入する場合、本人負担は40歳未満なら月約13,906円、年約16.7万円です。内訳は、厚生年金が月8,967円、健康保険が月4,826.5円、子ども・子育て支援金が月112.7円です。40〜64歳は介護保険分が加わり、月14,700円、年約17.6万円になります。
年収110万円前後で新たに加入すると、この差し引きが大きく見えやすいです。働く時間を増やすなら、年収125万〜130万円前後を一つの確認ラインにしつつ、配偶者の扶養手当や保育料まで含めた世帯手取りで比べましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
社会保険料は単なる出費ではありません。老後の厚生年金や、病気・けが・出産で休むときの給付につながるお金として、手取り減少と保障の増加をセットで見てください。

所得税は178万円ラインへ。ただし月々の手取りに注意

2026年分の所得税では、基礎控除と給与所得控除の見直しにより、給与収入だけの人は年収178万円まで所得税がかからないケースが広がります。国税庁は、これらの改正を原則として2026年12月1日に施行し、2026年12月の年末調整などで反映すると案内しています。詳しくは国税庁の(令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について)を確認してください。
大事なのは、2026年11月までの源泉徴収事務に変更は生じないとされていることです。つまり、毎月の給与明細だけを見ると「思ったほど手取りが増えていない」と感じる可能性があります。2026年は、月々の手取りではなく、12月の年末調整後の年間手取りで考えるのが現実的です。
なお、住民税の非課税ラインは所得税とは別物です。自治体や扶養人数で変わりますが、給与収入100万〜110万円前後が確認の目安になります。社会保険、所得税、住民税はそれぞれ判定が違うため、ひとつの「壁」だけで判断しないようにしましょう。

10月前に家庭で確認したい5つのこと

  • 1
    勤務先に、2026年10月以降の社会保険加入ルールと自分の対象見込みを確認しましょう。
  • 2
    雇用契約書の所定労働時間と、実際のシフトが週20時間以上になっていないかを照合しましょう。
  • 3
    給与明細の標準報酬月額、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金の欄を確認しましょう。
  • 4
    配偶者の勤務先の扶養手当や家族手当が、社会保険加入や年収増でどう変わるか確認しましょう。
  • 5
    保険証券、家計簿、NISA・iDeCoの積立額を並べ、手取り減少に耐えられる固定費か見直しましょう。

130万円の壁は別物として残る

106万円の壁が見直されても、配偶者の扶養に関わる 130万円の壁 は別の論点として残ります。週20時間未満で働き、勤務先で社会保険に加入しない場合でも、年収130万円以上になると、配偶者の扶養から外れて国民年金・国民健康保険の保険料が発生することがあります。
一時的な収入増については、事業主証明により扶養継続が認められる特例もあります。ただし、恒常的に収入が増えるなら前提は変わります。週20時間以上で会社の社会保険に入るのか、週20時間未満で130万円未満に抑えるのか、あるいはしっかり働いて手取りと将来年金を増やすのか。家族手当、保育料、住民税まで含めて、世帯単位で比べることが大切です。

投資と保険はどちらを優先すべきですか?

手取りが増えるなら、新NISAを優先して保険は後回しでもいいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
まずは生活防衛費と必要最低限の保障を整え、そのうえで投資額を決める順番がおすすめです。保障が薄いまま投資を増やすと、病気や休業時に積立を取り崩すことになりやすいからです。

新NISA・iDeCoは働き方変更後に配分を見直す

手取りが増える見込みなら、新NISAのつみたて投資枠を少しずつ増やす選択肢があります。一方で、社会保険加入直後は給与からの控除が増えるため、家計としては一時的に手取りが減ったように感じやすい時期です。いきなり積立額を大きく上げるより、3〜6か月ほど給与明細を見てから増額すると続けやすくなります。
iDeCoは2026年12月から制度改正が予定されています。厚生労働省の資料では、企業年金のない会社員の拠出限度額は月2.3万円から月6.2万円へ、自営業者などは国民年金基金等と合わせて月7.5万円へ引き上げられる予定です。70歳になるまで掛金を拠出できる仕組みにも広がります。詳細は厚生労働省の(iDeCoがパワーアップします)で確認できます。
iDeCoは掛金が所得控除になるため税負担を軽くしやすい一方、原則60歳まで引き出せません。教育費、住宅ローン、車の買い替え、出産予定など大きな支出が近い家庭は、新NISAの流動性とiDeCoの税制メリットを分けて考えましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
投資は続けてこそ効果が出ます。社会保険料、保険料、教育費を払っても無理なく続けられる金額から始めることが、いちばん現実的です。

生命保険料控除と子育て世帯の見直しポイント

社会保険料が増える時期は、民間保険の固定費も見直しどきです。生命保険料控除は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3区分があり、所得税の合計控除上限は12万円です。控除の仕組みは国税庁の(No.1140 生命保険料控除)で確認できます。
さらに2026年分・2027年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の上限が通常の4万円から6万円になる特例が設けられています。ただし、3区分合計の上限12万円は変わりません。
子育て世帯は、死亡保障を必要額に絞り、医療保険、就業不能保険、個人年金保険の保険料と控除枠の使い方を確認しましょう。控除を増やすためだけに保険へ入りすぎるのではなく、万一の保障、毎月の固定費、将来の資産形成を同じ表に並べると判断しやすくなります。

子ども・子育て支援金も給与明細で確認を

2026年4月分から始まった 子ども・子育て支援金 は、医療保険の仕組みを通じて負担する新しい項目です。こども家庭庁の(子ども・子育て支援金制度について)では、被用者保険の令和8年度の一律支援金率は0.23%、実際の月額負担は標準報酬月額に0.0023を掛けた金額の半分と説明されています。令和8年4月保険料、つまり5月に給与天引きされる分から拠出が始まっています。
金額だけ見れば大きくないように見えても、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料と合わせると毎月の手取りに影響します。2026年は「所得税は軽くなる可能性がある一方、社会保険料の確認項目は増える」年です。給与明細の控除欄を見て、何が増えたのかを家計簿に反映しましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    106万円の壁の賃金要件は2026年10月に撤廃予定で、今後は週20時間以上かどうかが大きな判断軸になります。
  • 2
    東京都・協会けんぽの例では、標準報酬月額9.8万円の本人負担は40歳未満で年約16.7万円、40〜64歳で年約17.6万円です。
  • 3
    2026年分の所得税は給与収入178万円まで非課税となるケースが広がりますが、反映は主に12月の年末調整です。
  • 4
    130万円の壁、配偶者の勤務先の家族手当、保育料、住民税は別々に確認し、世帯手取りで比べる必要があります。
  • 5
    社会保険加入後は、保険の固定費、生命保険料控除、新NISA・iDeCoの積立額をまとめて見直すと判断しやすくなります。

ぜひ無料オンライン相談を

106万円の壁の見直しは、働き方だけでなく、社会保険料、税金、家族手当、保険、NISA・iDeCoまでつながるテーマです。ほけんのAIなら、AIチャットで気軽に疑問を整理し、必要に応じて有資格者のFPへオンラインで相談できます。家計簿や保険証券があると、手取り変化と必要保障を一緒に棚卸ししやすくなります。無料で何度でも相談でき、LINEから日時を選べるので、10月前の準備に活用しやすいです。

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