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【2026年9月更新】企業型DCマッチング拠出|6.2万円枠の配分基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年9月2日
  • 9月時点の11月30日経過措置期限の明確化
  • 厚労省チラシに基づくiDeCo併用条件の補強
  • 6.2万円枠の家計別配分例と確認手順の追加
【2026年9月更新】企業型DCマッチング拠出|6.2万円枠の配分基準
企業型DC
マッチング拠出
iDeCo
拠出限度額
6.2万円枠
小規模企業共済等掛金控除
在職老齢年金

9月時点で急ぎたいのは、増額できる月の確認

2026年は、会社員の老後資金づくりに関わる制度改正が続いています。なかでも 企業型DCマッチング拠出 は、4月に「加入者掛金は事業主掛金を超えられない」という制限が撤廃され、12月には企業型DCの拠出限度額が原則月6.2万円へ引き上げられる予定です。
ただし、制度が変わったからといって、誰でもすぐに月6.2万円まで出せるわけではありません。会社の規約、事業主掛金、DBなどの他制度掛金相当額、iDeCoとの関係によって、実際に使える枠は変わります。2026年9月時点では、4月から11月30日までの経過措置を使える期間が残り少なくなっているため、まずは「自分の会社でいつ申し込めるか」を確認することが大切です。

2026年9月に押さえる制度の流れ

  • 1
    2026年4月から、マッチング拠出の加入者掛金が事業主掛金を超えられない制限は撤廃されています。
  • 2
    2026年4月1日から11月30日まで、初めて事業主掛金を超える増額をする場合に、変更回数の経過措置が設けられています。
  • 3
    2026年12月1日から、企業型DCの拠出限度額は原則として月5.5万円から月6.2万円へ引き上げられます。
  • 4
    会社員や公務員のiDeCoは、企業型DCやDBなどの事業主側の拠出額を差し引いた残り枠で考える形になります。
  • 5
    マッチング拠出を利用している人は、原則としてiDeCoに同時拠出できないため、どちらを使うかを先に確認します。

4月改正後も、会社の規約で動き出しは変わる

2026年4月1日から、企業型DCの加入者掛金について、拠出限度額の範囲内であれば事業主掛金を超える拠出が可能になりました。厚生労働省の事務連絡でも、加入者掛金額の制限撤廃と規約変更の取扱いが整理されています。(確定拠出年金の企業型年金加入者掛金額の制限撤廃に係る事務の取扱いに関する参考資料の送付について) では、2026年4月1日から11月30日までの間、初めて事業主掛金を超える増額をする場合の経過措置にも触れられています。
読者にとって重要なのは、「法改正済み」と「自分の給与天引きに反映済み」は別物だという点です。規約変更が済んでいても、会社の受付締切が年1回だけだったり、給与システムの反映が翌月以降だったりします。9月時点でまだ確認していない人は、人事・総務に申請締切と反映月を聞くところから始めましょう。

マッチング拠出とiDeCoは両方使えますか?

企業型DCでマッチング拠出をしています。12月からはiDeCoも足して6.2万円まで使えるのでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
原則として、マッチング拠出を利用している人はiDeCoに同時拠出できません。6.2万円枠が広がるのは事実ですが、実務ではマッチング拠出を続けるか、iDeCoを選ぶかを、会社規約、手数料、商品ラインナップで比べる必要があります。

12月からの月6.2万円枠は、全員が自由に使える枠ではない

2026年12月1日から、企業型DCの各月限度額は原則として 月6.2万円 に引き上げられます。厚生労働省の従業員向けチラシでも、月額6.2万円を上限とし、そこから確定給付企業年金、いわゆるDBなどの他制度掛金相当額を差し引いた範囲内になると説明されています。(企業型DCを実施する事業主・従業員の皆さまへ) では、iDeCoを併用する場合の考え方や、加入者サイトでiDeCoの拠出可能見込み額を確認できることも案内されています。
つまり、会社員にとっての6.2万円枠は「自分で好きに6.2万円を出せる枠」ではありません。企業型DCの事業主掛金、DBなどの他制度掛金相当額、マッチング拠出、iDeCoの可否を合わせて管理する上限です。最新の区分は、厚生労働省の (確定拠出年金制度の拠出限度額) でも確認できます。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
枠を最大まで使うより、家計が続けられる金額にすることが先です。長く積み立てる制度ほど、途中で無理が出ない設計が効いてきます。

第5号加入者は、60代後半までの継続拠出に関わる区分

2026年12月改正では、iDeCoの加入可能年齢の拡大に伴い、第5号加入者という区分も整備されます。厚生労働省の通知では、第5号加入者の各月限度額を第2号加入者と同じ6.2万円とすることが示されています。(国民年金基金令等の一部を改正する政令の公布について) では、iDeCoの加入可能年齢の引上げや、拠出限度額の見直しが整理されています。
第5号加入者は、ざっくり言えば60歳以上70歳未満で、国民年金被保険者ではないものの、一定の条件を満たしてiDeCoで老後資産形成を続けようとする人に関係する区分です。ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金をすでに受け取っている人、マッチング拠出を実施している人などは対象外となる場合があります。60歳以降も働く予定がある人は、退職金の受け取り時期、企業年金、iDeCoの受け取り開始年齢を一緒に確認しておきましょう。

見直し前に手元に用意したいもの

  • 1
    会社の企業型DC規約、または人事・総務から配布された制度変更のお知らせを確認します。
  • 2
    加入者サイトで、現在の事業主掛金、加入者掛金、商品配分、信託報酬を確認します。
  • 3
    DBなど他制度がある人は、他制度掛金相当額がいくらとして扱われるかを会社に確認します。
  • 4
    iDeCoに加入中の人は、掛金額、口座管理手数料、運用商品、控除証明書の保管状況を確認します。
  • 5
    生活費の6カ月分程度を目安に、すぐ使える預貯金が残るかを確認します。

6.2万円枠の配分は、差額より先に家計余力を見る

拠出額を決めるときは、まず会社の事業主掛金を確認します。次に、DBなどの他制度掛金相当額があるか、会社の規約でマッチング拠出やiDeCoがどう扱われているかを見ます。そのうえで、教育費、住宅ローン、車の買い替え、親の介護費用、生活防衛資金を差し引き、毎月続けられる金額を決める流れです。
たとえば、事業主掛金が月2万円、他制度掛金相当額がなく、会社規約上マッチング拠出が可能な場合、2026年12月以降は6.2万円との差額である月4.2万円が上乗せ検討の目安になります。ただし、これは「出せる上限」であって「出すべき金額」ではありません。住宅購入や出産を控える家庭なら、月1万円から段階的に増やし、賞与時期に預貯金を厚くするほうが安心なこともあります。

増額すると家計が苦しくならないか不安ですか?

節税になるなら増やしたいのですが、子どもの教育費もあり、いくらが適正かわかりません。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
まずは毎月の黒字額の半分以内を目安にすると、急な支出に対応しやすくなります。賞与で赤字を埋めている家庭は、月々の拠出を上げすぎず、預貯金やNISAなど、必要時に使いやすい資産も残しておきましょう。

税制優遇は大きいが、現金化しにくい点に注意

企業型DCの加入者掛金やiDeCo掛金は、 小規模企業共済等掛金控除 の対象になり、その年に支払った掛金の全額が所得控除の対象です。国税庁の (No.1135 小規模企業共済等掛金控除) でも、確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金または個人型年金加入者掛金が控除対象として示されています。
節税額の概算は「年間の加入者掛金またはiDeCo掛金 × 所得税・住民税の税率」で考えます。たとえば月2万円を追加すると年間24万円、所得税と住民税を合わせた税率が20%なら、税負担の軽減は年約4.8万円が目安です。一方で、DCやiDeCoは原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅修繕費のように近い将来使うお金まで拠出しないよう、現金の置き場所も一緒に決めておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
増やす入口だけでなく、受け取る出口まで見ておくと、老後資金の手取りを予想しやすくなります。

マッチング拠出とiDeCoは、費用と商品で選び分ける

マッチング拠出は、給与天引きで管理しやすく、企業型DCの口座管理手数料を会社が負担しているケースが多い点が利点です。一方で、運用商品は会社の制度で用意されたラインナップに限られます。
iDeCo は金融機関や商品を自分で選べる一方、加入時や毎月の口座管理手数料を自分で負担します。会社がマッチング拠出を導入していても、商品ラインナップや費用に納得できない場合は、iDeCoを選べる余地があるかを規約で確認する価値があります。厚生労働省の (確定拠出年金制度) では、確定拠出年金統計資料や制度改正資料も公開されており、制度の広がりを確認できます。

受け取り時は、退職金と年金の順番で手取りが変わる

DCやiDeCoは、拠出時と運用中に税制優遇がありますが、受け取り時には税金の確認が必要です。一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除の対象になります。退職金、企業年金、iDeCoを同じ時期にまとめて受け取ると、控除枠の使い方によって手取りが変わることがあります。
また、2026年4月から在職老齢年金の支給停止基準額は月65万円へ引き上げられました。日本年金機構の (在職老齢年金の計算方法) では、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら全額支給、超える場合は一定額が支給停止になると説明されています。60代で働き続ける予定がある人は、給与、賞与、年金、退職金、DC・iDeCoの受け取り時期を一枚の表にしておくと、相談時にも話が早く進みます。
会社へ確認するときは、「自分の事業主掛金」「マッチング拠出の上限」「DBなど他制度掛金相当額」「iDeCoとの関係」「次の申請締切」「給与反映月」の6点をメモしておきましょう。9月時点では、11月30日までの経過措置に間に合うか、12月の6.2万円枠に合わせた再申請が必要かを確認することが実践的です。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2026年4月にマッチング拠出の事業主掛金以下という制限は撤廃されましたが、実際の増額時期は会社規約と申請締切で変わります。
  • 2
    2026年9月時点では、11月30日までの経過措置に間に合うかを早めに確認することが大切です。
  • 3
    2026年12月から企業型DCの限度額は原則月6.2万円へ引き上げられますが、事業主掛金やDBなどを差し引いて考えます。
  • 4
    マッチング拠出をしている人は、原則としてiDeCoに同時拠出できないため、費用と商品ラインナップで選び分けます。
  • 5
    節税効果だけで増額せず、教育費、住宅資金、生活防衛資金、受け取り時の税金まで含めて判断しましょう。

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