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【2025年11月更新】生命保険 パーキンソン病の加入判断|審査と備えの要点

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2025年11月更新】生命保険 パーキンソン病の加入判断|審査と備えの要点
パーキンソン病 生命保険 加入
指定難病 保険 審査
緩和型生命保険
無選択型 生命保険
介護保険 特定疾病
DBS 手術 給付金

課題提起:診断後に何が変わるのか

パーキンソン病 と診断されると、民間の死亡・医療の審査は一段と厳密になります。とはいえ、全ての扉が閉じるわけではありません。症状の安定性や就労状況、服薬内容などの“見せ方”で一般型に挑戦できるケースもあります。本稿は、審査で見られる要点、公的制度の活用、一般型/緩和型/無選択型の賢い順番、家計と資産形成の優先順位を、2025年11月の最新一次情報と実務目線で整理します。

最初の3アクション

  • 1
    主治医の診療情報提供書とお薬手帳を整理し、診断日・病名・Hoehn&Yahr(H&Y)分類・ADLの記載を確認する
  • 2
    家計の不足額(遺族の生活費・住宅・教育)を“差額×期間”で簡易に可視化し、死亡と就業不能の優先順位を付ける
  • 3
    申込みは一般型→緩和型→無選択型の順で、同時申込は避けて段取りする(待期・削減期間で空白を作らない)

症状進行と審査難易度の関係

審査では「直近6〜12か月の症状・日常生活(ADL)・転倒歴・入院歴」に重心が置かれます。H&Y 1〜2、服薬で症状が安定、就業継続、転倒なし—このような“安定像”は一般型に挑戦できる余地です。一方、H&Yが上がる、嚥下・歩行の介助増、転倒や入院歴が重なると、一般型は厳しく緩和型・無選択型の検討域になります。

診断前後で変わる加入可能性

診断確定前(検査中)と確定後では可否が変わります。確定前でも「症状精査中」の告知は必要で、検査予定・受診勧奨の有無が焦点になります。確定後は診断日と治療開始時期、服薬の内容・副作用、日中の動作(通勤・家事)までが評価材料です。早期に家計の不足額を把握し、一般型に挑戦できる“今”を逃さない段取りが重要です。

審査で見られるポイント①:診断日・主治医所見・治療薬

審査では、診断日、主治医の所見、服薬(レボドパ/ドパミンアゴニスト等)の効果・副作用、入院・手術予定(DBS:脳深部刺激)まで確認されます。公的な疾患整理では、DBSを含む手術療法は症状緩和の対症療法であり、病勢進行を止める治療ではありません。詳細は厚労省の (パーキンソン病 概要・診断基準・臨床調査個人票) を確認できます。

審査で見られるポイント②:H&Y・ADL・転倒歴・就労

H&Yの段階、生活機能(ADL)、転倒や嚥下障害の有無、就労状況、通院頻度や副作用による日常制限が焦点です。主治医からの所見は「良い時」「悪い時」の幅(オン/オフ)も含めて具体に。DBSの予定がある場合は、手術前後の勤務計画・リハビリ計画を併せて記すと評価が安定します。

一般型に挑戦できるのはどんな状態?

服薬中でも一般型の生命保険に通る余地はありますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
H&Yが1〜2で就業継続、転倒歴なし、服薬で症状が安定している—この条件だと一般型に挑戦できる可能性があります。申込は一般→緩和→無選択の順で、結果を見ながら次へ進む段取りにしましょう。待期・削減期間のある商品は、空白が出ないよう開始日を調整するのがコツです。

公的制度①:指定難病の医療費助成

指定難病 としてのパーキンソン病(告示6)は、H&Y 3度以上かつ生活機能障害度2度以上が基本の対象(高額な医療の継続が必要な場合の例外あり)です。受給者証の規模は約13万人(令和元年度推計)。一次情報は厚労省の (令和7年4月1日施行の指定難病(告示番号1〜348)) と、上記の (パーキンソン病の診断基準PDF) で確認できます。

公的制度②:介護保険の特定疾病(40〜64歳)

40〜64歳の方は、 介護保険の特定疾病 としてパーキンソン病が対象に列記されています(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症等も含む)。要介護認定の前提や範囲は、厚労省の (特定疾病の選定基準の考え方) が参考になります。就労と介護の両立を見据え、支給限度額内で福祉用具・通所リハ等を早めに検討しましょう。

公的制度③:障害年金と民間保険の役割分担

症状や日常生活の制限が広く及ぶ場合、障害年金の対象になり得ます(初診日・納付要件・認定基準の確認が必要)。公的給付は“最低限の下支え”と捉え、民間の死亡・就業不能・介護の保障で家計の不足分を埋めるのが基本方針です。受給の可否や等級見込みは、医師の意見書の内容で左右されるため、診察時に働けない具体場面(移動・階段・嚥下など)を記録し共有しましょう。

加入戦略の型:選び分けと初期制限

  • 1
    一般型はH&Y1〜2で安定・就労継続・転倒なし等が目安で、まずはここから順番に挑戦する
  • 2
    緩和型生命保険 は持病告知に配慮がある代わりに保険料が高めで、責任開始から1〜2年は疾病死亡が“削減支払い”となる商品が多い(事故死は例外で全額支払いの設計もある)
  • 3
    無選択型 は告知不要だが、保険料は最も高く、初期の支払削減や上限金額など制約が大きい
  • 4
    待期・免責・削減期間の有無と期間は商品差が大きい。約款で開始日・例外(災害死亡)・転換時の取扱いまで必ず確認する
  • 5
    医療・就業不能・介護の重複を避け、役割を分担させる(短期は医療の一時金、長期は就業不能/介護で生活費を補う)

医療・がん・介護保険の役割分担

パーキンソン病は入退院を繰り返すというより、外来・在宅の長期対応が中心になりやすい点が特徴です。医療保険は入院日額よりも入院・手術一時金や通院保障を厚めに、就業不能は就労制限時の“月額固定”で生活費を補う設計が現実的。介護保険は重症度上がりに備え、要介護2〜3相当からの給付条件を確認しておくと安心です。DBSは対症療法で、手術給付金の対象可否やKコードの扱いは商品ごとに異なるため、約款で確認します。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
診断直後の不安は“段取り”で小さくできます。一般型を先に当てに行き、だめなら緩和型、最後に無選択型。それでも空白ゼロで通す——この順番が家計を守ります。

家計と資産形成①:葬祭費ミニマム終身の使い方

死亡保障は「いざという時の当座資金」と「遺族の生活費」で役割が違います。独身や子の独立後など当座資金中心なら、葬祭費200万円前後を目安にミニマムの終身保険で固定費を抑えるのが定石です。遺族の生活費が必要な時期は、収入保障や10〜20年の定期保険で“期間限定”に厚くするほうが合理的です。

家計と資産形成②:新NISA・iDeCoの優先順位と取り崩し

保障で“守る”と同時に、新NISAやiDeCoで“増やす”を進めます。原則は、生活防衛資金(6〜12か月分)→低コストの分散投資→税優遇枠の活用。将来の取り崩しは「年金化(定率/定額)+必要時一時金」の二段構えにし、就業不能や介護の局面でも家計を崩さない設計を意識します。

家計と資産形成③:保険料の適量と防衛資金の厚み

固定費は“可処分所得の範囲内”に収めるのが第一原則。保険は合計で手取りの5〜7%を上限目安にし、更新で跳ね上がる商品は避けます。防衛資金(無リスク資産)は、パーキンソン病の長期性を踏まえ厚め(9〜12か月)に設定し、緊急の家電・住宅修繕や介護の初期費用に対応できるよう現預金比率を管理します。

手続き3ステップ:書類・順番・空白ゼロ

準備は、診療情報提供書・お薬手帳・検査結果のコピー・就労証明(勤務実態)を一式に。申込順は一般→緩和→無選択で、各社の責任開始日と待期・削減期間を“日付”で並べ、空白ゼロに調整。告知は事実を簡潔に、直近の転倒・入院・手術予定(DBS含む)は必ず記載します。乗り換え時は旧契約の失効と新契約の開始が重なるよう開始日を管理します。

段取りチェックリスト(保存版)

  • 1
    主治医にH&YとADLの最新評価を依頼し、診療情報提供書に反映してもらう
  • 2
    一般型の審査結果が出るまで緩和型の申込は待機し、結果に応じて次へ進む
  • 3
    待期・免責・削減期間の対象(疾病死亡・災害死亡)と開始日をカレンダーに記入する
  • 4
    手術給付金の対象にDBSが含まれるか、Kコードや術式の記載方法を確認する
  • 5
    加入後は通院・転倒など経過の変化を保険会社に自己判断で通知せず、必要時は相談窓口で確認する

事例とQ&A:軽症・中等度の設計例

軽症(H&Y1〜2、就業継続)例:死亡は遺族の不足額に合わせて収入保障(月10〜15万円×15年など)を中心に、当座資金200万円の終身を添える。医療は入院一時金と通院保障を厚めにし、就業不能は免責90〜180日で“手取りの不足額”に合わせる。 中等度(H&Y3、要支援・要介護認定あり)例:一般型が難しい場合は、緩和型の死亡(当座資金の確保)と就業不能・介護の一時金で“固定費の谷”を埋める。無選択型は最後の保険として、削減期間と上限金額を確認のうえ最小限にとどめる。 Q&Aメモ:服薬中の一般型挑戦は“安定の証拠(出勤・家事・転倒なし)”が鍵。DBS予定は術後の勤務計画とリハの予定を添付。受取人は家計の負担者・相続の非課税枠を踏まえ、配偶者・子の順で整理します。

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