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【2025年9月更新】医療費控除の計算|保険給付の差し引きとe-Tax順序(個別相談可)

更新:
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
【2025年9月更新】医療費控除の計算|保険給付の差し引きとe-Tax順序(個別相談可)
医療費控除
生命保険給付金
高額療養費
医療費通知
e-Tax
セルフメディケーション税制

はじめに:2025年の“差し引き”全体像

「どこまで差し引けばいいのか」「入力はどの順番か」で毎年つまずきますよね。まずは 医療費控除 の基本式「支払医療費−補填金額−10万円(または総所得200万円未満は5%)」を正しく押さえ、次に“補填金額”に何が入って何が入らないかを線引きしましょう。制度の根拠は国税庁の解説にまとまっています((No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)))。 なお、2025年8月からは 高額療養費 の自己負担上限が段階的に見直されます。上限引き上げにより自己負担はやや増え、高額療養費の支給額(=補填金額)は相対的に減る方向です((高額療養費制度の見直しについて))。この変化は、結果として医療費控除の対象額が増えやすくなる可能性がある、という意味でも要チェックです。この記事では、生命保険の入院・手術・通院給付金や高額療養費、出産育児一時金の差し引き方、e-Taxの入力順、年またぎ・世帯合算の注意まで、今年の実務に使える形で整理します。

申告前にまず確認する3〜5点

  • 1
    年間で実際に支払った医療費だけを集計し、未払は含めない(領収書や明細ベース)
  • 2
    補填金額は“その医療費に対応する分だけ”差し引くのが原則で、他の費用へは回さない
  • 3
    高額療養費・出産育児一時金などの公的給付は差し引き、傷病手当金などは差し引かない
  • 4
    医療費通知を取り込み、漏れた分だけ領収書で補完すると時短になる
  • 5
    セルフメディケーション税制は通常の医療費控除と選択で、同年は併用不可

計算式・上限と“補填”の線引き

医療費控除額は「(支払医療費の合計− 保険金などで補てんされる金額 )−10万円(または総所得200万円未満は5%)」で、控除の上限は200万円です。補填金額には、生命保険の入院・手術・通院給付金や健康保険の高額療養費、家族療養費、出産育児一時金などが含まれます。ここで重要なのは「給付の目的となった医療費」にだけ対応させて差し引くという原則です。引き切れない分が出ても他の医療費からは差し引きません((No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)))。 また、医療費の集計は“支払った年”基準で行い、未払分は対象外です。家族の医療費をまとめて申告する場合も同様に、各費用ごとに該当する補填金を突き合わせて処理します。

給付金は全部差し引くの?

生命保険の入院給付金を受け取りました。医療費全体から丸ごと差し引いて良いですか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
いいえ。原則は“同一の医療費に対応する分だけ”です。入院給付金は入院に係る費用の範囲で差し引き、差し引き切れない残りがあっても外来や歯科など他の医療費には回しません。公的の高額療養費や出産育児一時金も同じ考え方です((No.1120)(No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例))。

生命保険給付金の扱いと“年またぎ”の考え方

入院給付金・手術給付金・通院給付金などは、給付目的に対応する医療費にだけ突き合わせて差し引きます。支払医療費は“支払年”基準ですが、補填金は申告時点で支給額が確定していれば当年の控除計算に反映します。まだ未確定の場合は見込額を差し引き、後日確定額と差が出たら修正申告または更正の請求で訂正します((No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例)の注意書き)。「確定しているか」が実務の判断軸です。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
差し引きは“ひも付け”が命です。給付金と医療費の対応関係を領収書・給付決定通知で揃えておくと、後日の訂正もスムーズです。

当たる/当たらないの代表例を整理

当たる代表例は、生命保険の給付金(入院・手術・通院)、高額療養費、家族療養費、出産育児一時金です。一方、当たらない代表例は、見舞金、傷病手当金(休業補償が目的)、弔慰金など。出産関係では、出産育児一時金は差し引き対象ですが、出産手当金は差し引き不要です((No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例))。健康保険組合の付加給付や自治体の医療費助成は給付の目的に応じて差し引き対象となるため、支給決定通知で対象期間・内容を確認しましょう。

ケース別ミニ試算(引き算の順番がわかる)

  • 1
    入院30万円+手術20万円、高額療養費10万円、入院給付金20万円のとき:入院・手術で支払50万円−高額療養費10万円=40万円。さらに入院給付金20万円を入院費に対応させて差し引き、控除対象の医療費は20万円。
  • 2
    出産費用60万円、出産育児一時金50万円、民間の出産給付10万円のとき:支払60万円−一時金50万円=10万円。民間給付10万円は出産費用に対応し差し引くと0円(この費用では控除余地なし)。出産手当金は差し引かない。
  • 3
    先進医療特約を使った場合:技術料40万円を自己負担で支払、先進医療給付40万円を受領。技術料は医療費に該当するが、同額の給付で全額補填されるため、この費用分の控除余地は原則生じない。
  • 4
    通院治療(薬局含む)で支払10万円、通院給付金が12万円のとき:通院に対応する支払10万円を差し引いても2万円余るが、余りは他の医療費に充当できない。

e-Tax入力の正しい順番と時短ワザ

入力の段取りはシンプルに。「医療費控除」画面で、まず 医療費通知 を取り込み(または転記)→漏れた分だけ領収書集計を追加、の順で重複を避けます。医療費が多い家庭は「医療費集計フォーム」を使うと一括読み込みができて早いです(フォームへの案内は(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))内のリンクから)。 補填金額の入力は、行(医療費の明細)単位で“対応する給付だけ”を記載します。支給決定前でも見込額があるなら明細に反映し、後日確定差は修正申告・更正の請求で調整できます。なお、領収書は提出不要ですが、明細の記載確認があるため、原則5年間の保存が求められます(同ページの手続欄参照)。

補填金の按分はどう入力する?

入院と手術を同一入院中に行い、給付は『入院一時金+手術給付金』としてまとめて支払われました。e-Taxではどう割り付けますか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
給付金の内訳や約款・給付決定通知に沿って、入院費の明細には入院給付相当額、手術費の明細には手術給付相当額を入力します。合算で支払われても、医療費の“行”に対応させて割付けるのが原則です。どちらかの行で給付が医療費を上回っても、余りを他の明細に移すことはしません((No.1126)の取扱い)。

よくある落とし穴の要点(Qの先回り)

給付が未入金でも支給が確定していれば見込額を差し引いて申告し、後日確定差で訂正します。家族の医療費を合算する場合は、各人の費用に対し、その費用に対応する保険金・助成だけを差し引くのがルールです。通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は同年に併用できず、どちらか一方を選びます。特例の適用期間は令和8年12月31日までと示されています((No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)))。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
迷ったときは“対応関係”と“支給確定か否か”。この2軸に戻れば、引き算も入力順もブレません。

申告前の最終チェックと期限・修正の実務

二重計上は「医療費通知と領収書の重複」「補填金の行き過ぎ控除」で起きやすいです。通知の年月・医療機関名で重複を除き、補填金は必ず明細行に対応させましょう。高額療養費の見直し(2025年8月以降)で支給額が例年と変わる点も要注意です。還付申告は翌年1月1日から5年間可能で、申告済みでも少なく申告していた場合は“更正の請求”で増額の還付を受けられます((No.2030 還付申告))。e-Taxのエラーで「補填金額が医療費を上回っています」と表示されたら、その行の医療費額までに補填入力を抑え、余りを他行へは移さないのが正解です。

迷ったらプロに相談:ほけんのAIでスッキリ

給付金と医療費の“突き合わせ”は、慣れていないと迷いやすい作業です。ほけんのAIなら、チャットで状況を共有しながら、家計と保険の全体像を踏まえた控除最大化の手順まで並走できます。オンラインで全国対応、予約はLINEで完結。必要なら有資格FPが個別に同席し、e-Taxの入力チェックや保険の見直し相談まで一緒に進められます。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    補填は“同一の医療費に対応する分だけ”差し引き、余りは他の費用に充当しない
  • 2
    入院・手術・通院・出産・高額療養費は性格を理解し、行単位で給付を割り付ける
  • 3
    支給未入金でも確定していれば見込額で処理し、差は修正申告・更正の請求で調整
  • 4
    2025年8月以降は高額療養費の上限見直しで支給額が変動、控除額にも影響し得る
  • 5
    e-Taxは医療費通知→領収書→補填の順で入力し、領収書は原則5年保管する

ぜひ無料オンライン相談を

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