【2025年9月更新】生命保険 破綻時の保障|補償90%の範囲と手続き早見(個別相談可)
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

生命保険 破綻
生命保険契約者保護機構
責任準備金 90%
高予定利率契約
早期解約控除
解約凍結
目次
結論と全体像:破綻しても契約は原則継続
万一、加入先の生命保険会社が破綻しても、日本には契約者を守る仕組みがあります。中心は 生命保険契約者保護機構 で、救済保険会社への契約移転や資金援助により、契約は原則として継続します。制度の公式解説は金融庁の「(保険契約者保護機構制度(保険会社のセーフティネット))」や、保護機構のQ&Aにまとまっています。焦って解約する必要はなく、まずは通知を確認し、保険料の払込も従来どおり続けるのが基本です。
速報を見た直後に“やること/やらないこと”
- 1契約者宛ての通知書(封書やメール)を落ち着いて読み、問い合わせ窓口や今後の予定を確認する
- 2保険料の口座振替やクレジット決済は止めずに継続し、保障の空白を作らない
- 3解約や減額、契約者貸付の一括返済など“解約につながる行為”は当面避ける(通常は一時凍結)
- 4請求が必要な保険事故は、通常どおり速やかに請求する(後述の仮払い・精算の仕組みあり)
- 5公式情報源(金融庁・保護機構・新旧の保険会社サイト)以外の噂やSNS情報で判断しない
補償の単位は“保険金額”ではなく責任準備金
補償の基本は、破綻時点の「責任準備金」を基準にした割合です。高予定利率契約を除き、原則は 責任準備金の90% が上限。責任準備金は、将来の保険金・年金・給付金支払いに備えた積立金で、払い込んだ保険料の合計とは一致しません。したがって「保険金額の90%が必ず出る」わけではなく、契約条件の見直し(予定利率引下げ等)を通じて、保険金や解約返戻金が減ることがあります。公式の用語説明と注意点は保護機構Q&A「(Q14 責任準備金の90%まで補償…とは)」で確認できます。対象は国内の生命保険会社の元受契約で、共済・少額短期保険・海外保険は制度対象外です(金融庁ページの注記に明記)。
破綻直後に請求や払込はどうすれば?
破綻のニュースを見ました。保険金の請求は止めた方がいいですか?保険料の引き落としも心配です。

請求は止めず、通常どおり行ってください。保護機構と破綻会社の契約により、従前額の所定割合(多くは90%)で仮払いし、後日、計画確定後に差額精算されます。払込は継続が原則です。制度の流れは金融庁の解説と、保護機構の「(Q4 破綻時の手続)」、生命保険文化センターの「(契約はどうなるの?)」が参考になります。
高予定利率契約は補償率が個別計算に
過去5年間、予定利率が基準利率(現在3%)を常に上回っている契約は 高予定利率契約 とされ、補償率は「90%-{(各年予定利率-基準利率)の総和÷2}」で契約ごとに算出されます。例:基準3%に対し毎年4.5%なら、超過1.5%×5年=7.5%、半分の3.75%を差し引き、補償率は86.25%。下限は“資金援助が無い場合の弁済率”です。数式や注記は保護機構Q&A「(Q13 高予定利率契約の補償内容)」で確認できます。設計時期が古く利率が高い貯蓄型(終身・養老・個人年金)は、減額幅が相対的に大きくなりやすい点に注意しましょう。
破綻発生から契約移転まで:手続き早見
- 1当局が業務停止命令→保険管理人/更生管財人を選任し、資産負債を精査(行政手続・更生手続のいずれか)
- 2保護機構が補償枠(責任準備金の90%等)を前提に、救済保険会社の選定や承継会社の設置を支援
- 3計画案の承認・認可後、責任準備金の所定割合の削減や予定利率引下げ等の契約条件変更を実施
- 4契約が救済(承継)会社へ移転。以後は新しい保険会社が支払・運用・顧客対応を引き継ぐ
- 5解約は通常、一時的に凍結。移転後も一定期間は“早期解約控除”が設定される場合がある
“仮払い→精算”で支払いを止めない仕組み
破綻直後に発生した保険事故は、保護機構と破綻会社の契約により、従前額の90%(高予定利率契約は所定率)で支払われ、後に計画で定まった変更後の金額と差額精算される運用がとられます。図解と注意点は生命保険文化センター「(契約はどうなるの?)」の下部解説がわかりやすいです。これにより、請求が長期間止まる事態を避けつつ、最終条件に合わせて過不足を調整します。
“解約一時凍結・早期解約控除”への実務対応
破綻直後は資産流出を防ぐため解約が一時凍結され、移転後も一定期間は 解約一時凍結・早期解約控除 が設けられることがあります。控除は“変更後の返戻金からさらに一定割合を差し引く”仕組みのため、早期解約は不利になりがちです。資金が必要なら、可能な範囲で契約者貸付や払込方法の見直しなど“解約に直結しない手段”でやり繰りし、控除期間の経過を待つ方が結果的に有利になるケースが多いです(制度の全体像は「(Q4 破綻時の手続)」「(契約はどうなるの?)」参照)。

破綻時は、通知・公式情報・計画案を確認しつつ、払込を継続して契約を保ちましょう。拙速な解約は控え、控除期間後の選択肢と比較検討してから判断するのが損を避ける近道です。
制度の足腰:財源と公的支援・監督強化の最新
保護機構の財源は会員生保の負担金で、これだけでは足りない大規模破綻時には、2027年3月末まで国の補助金交付が可能な特例が設けられています(保護機構Q&A「(Q3 財源はどこから)」)。加えて、監督面では 経済価値ベースのソルベンシー規制(ESR)が2026年3月末から本格適用予定となり、金利や市場変動を織り込んだ“将来を見据えた健全性”の監督が強化されます。概要と適用時期は金融庁資料「(経済価値ベースのソルベンシー規制の概要)」に公表されています。破綻の予防・早期是正の枠組みが拡充されている点も、契約者にとっての安心材料です。
乗り換えのタイミングは?新規加入は待つべき?
減額が避けられないなら、すぐに他社へ乗り換えた方が良いですか?

“早期解約控除”の有無と期間、移転後の条件(保険金・保険料・予定利率)を確認してから判断しましょう。控除期間内の解約は不利になりやすいので、期間経過後に比較するのが基本です。新規加入は、現契約を維持したまま並行で仮審査→比較→意思決定と進めるのが安全です。
健全性の見方とリスク分散の考え方
個人で破綻を“未然に防ぐ”ことはできませんが、加入先の健全性は参考にできます。公表される支払余力(ソルベンシー)指標やディスクロージャー誌、外部格付、商品別のリスク特性を総合的に確認しましょう。過度に一社・一商品に偏らず、必要保障は掛け捨て中心、貯蓄は流動性と分散を意識することが、万一のときの影響を小さくします。
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まとめ:重要ポイント
- 1補償は“保険金額”ではなく責任準備金が基準。高予定利率契約は個別の式で補償率が下がり得る
- 2破綻直後の解約は原則凍結。移転後もしばらくは早期解約控除の可能性があり、拙速な解約は不利
- 3請求は通常どおり。仮払い→計画確定後に差額精算の仕組みで、支払いの“止まり”を避ける
- 4制度の財源と国の特例支援(〜2027年)に加え、ESR導入で“予防・早期是正”の枠組みが強化
- 5迷ったら通知と公式リンクを確認しつつ、AI×FPのオンライン相談で個別最適に落とし込む
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