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【2026年9月更新】医療保険の自己負担見直し|薬代と高額療養費3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年9月21日
  • 8月施行後の高額療養費の確認ポイント
  • 9月時点のセルフメディケーション税制情報
  • 入院食事代と保険外費用の家計目安
【2026年9月更新】医療保険の自己負担見直し|薬代と高額療養費3基準
医療保険の自己負担見直し
OTC類似薬
高額療養費制度
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医療保険 見直し

自己負担が変わった今、医療保険をどう見直すか

2026年9月時点で、医療費をめぐる家計環境は少し変わっています。2026年5月29日に医療保険制度改正法が成立し、2026年8月からは高額療養費制度の見直しが始まりました。制度全体の概要は厚生労働省の(医療保険制度改正法が成立しました)で確認できます。
ここでいう 医療保険の自己負担見直し とは、民間の医療保険を増やすかどうかだけを考える話ではありません。公的医療保険で守られる範囲を確認し、入院・手術・通院・薬代・食事代・差額ベッド代・休職中の収入減のうち、どこが家計の穴になりやすいかを整理することです。
この記事では、2026年9月時点で確認したい判断基準を「薬代」「高額治療時の上限額」「保険外費用と収入減」に分けて解説します。保険料を増やす前に、まず家計全体で備える場所を見極めましょう。

この記事で確認する3つの判断基準

  • 1
    日常的な薬代が増えた場合、毎月の家計にどの程度影響するかを確認します。
  • 2
    2026年8月から始まった高額療養費制度の見直しで、入院や高額治療時の上限を確認します。
  • 3
    民間医療保険で補いやすい費用と、食事代・差額ベッド代・収入減など補いにくい費用を切り分けます。
  • 4
    保険料を増やす場合、生活防衛資金やNISAの積立を削りすぎないか確認します。

まず公的医療保険の変更点を分けて考える

今回の見直しは、すべての医療費が一律に上がるという話ではありません。影響する場面を分けて考えることが大切です。
高額療養費制度の見直しは、主に入院や高額な薬剤治療などで1か月の保険診療費が大きくなったときの上限額に関係します。一方、OTC類似薬の見直しは、花粉症薬、痛み止め、湿布、胃薬、保湿剤など、比較的身近な薬を処方してもらう場面に関係しやすい論点です。
さらに、2026年6月からは入院時の食事療養標準負担額も見直され、一般的な患者の食事代は1食550円になっています。高額療養費の上限だけを見ていると、食事代や差額ベッド代、交通費、休職による収入減を見落としやすいので注意が必要です。

制度改正後は医療保険を増やすべきですか?

高額療養費も薬代も見直されるなら、医療保険を厚くしたほうが安心でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
すぐに増やすより、まずは増えそうな自己負担が入院費なのか、通院の薬代なのかを分けましょう。民間医療保険は入院や手術に備えやすい一方、日常的な薬代は対象外になりやすいからです。

OTC類似薬は、毎月の薬代に影響しやすい

OTC類似薬 とは、市販薬と同じ成分・投与経路で、1日最大用量も同じ医療用医薬品などを指す考え方です。厚生労働省資料では、鼻炎、腰痛・肩こり、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、皮膚のかゆみ・乾燥肌などに使われる薬が例示されています。
厚生労働省の(OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について)では、まず77成分、約1,100品目を対象に、対象薬剤の薬剤費の4分の1を「特別の料金」として求める案が示されています。実施は令和8年度中とされており、2026年9月時点では、対象範囲や配慮の運用を確認しておきたい段階です。
ただし、こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱える人、低所得者、入院患者、医師が長期使用等を医療上必要と考える人などには配慮を検討するとされています。自分の薬が対象かどうかは、商品名だけで判断せず、医師や薬剤師に成分名で確認するのが安全です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
毎月の薬代は、医療保険で丸ごと消える支出ではなく、家計の固定費として見積もる支出です。入院保障を増やす前に、薬代と入院費を分けて考えましょう。

対象になりそうな薬は、成分名で確認する

OTC類似薬の対象候補は、商品名ではなく成分名で整理されています。候補には、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ジクロフェナクナトリウム、酸化マグネシウム、ヘパリン類似物質、尿素、白色ワセリンなど、家庭でも名前を聞いたことがある成分が含まれます。
厚生労働省の(特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案))を見ると、抗アレルギー薬、解熱消炎鎮痛剤、胃腸薬、皮膚保湿剤、便秘薬など幅広い用途が並びます。
家計面で大切なのは、これが高額な入院費というより、慢性的に薬を使う人の毎月の支出に効いてくる可能性がある点です。花粉症、アトピー、慢性疼痛、胃腸症状などで定期的に処方を受けている人は、薬局での支払いが少しずつ増えるケースを想定しておきましょう。

自己負担を見直すときのチェック項目

  • 1
    健康保険証、資格情報のお知らせ、マイナポータルなどで、自分の所得区分を確認します。
  • 2
    通院中の薬がある場合は、処方薬の成分名がOTC類似薬の候補に含まれるか薬局で確認します。
  • 3
    加入中の医療保険について、入院日額、入院一時金、手術給付金、通院保障、先進医療特約を確認します。
  • 4
    差額ベッド代、入院中の食事代、交通費、付き添い費用、休職中の収入減を書き出します。
  • 5
    保険料を増やす場合は、生活防衛資金やNISAの積立を削りすぎないか確認します。

2026年8月から、高額治療時の上限が変わった

高額療養費制度 は、医療機関や薬局の窓口で支払う保険診療の自己負担が一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。2026年8月からの見直しでは、月額の自己負担限度額の見直しに加え、長期療養者への配慮として年間上限が導入されました。
厚生労働省の(高額療養費制度の見直しについて)では、70歳未満の年収約370万〜約770万円の層について、2026年8月以降の年間上限は53万円、年収約770万〜約1,160万円の層は111万円、年収約1,160万円以上の層は168万円と示されています。多数回該当の金額は据え置きとされ、長期療養者への配慮も盛り込まれています。
一方で、2027年8月以降は所得区分の細分化も予定されています。年収だけで自己判断せず、勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険、後期高齢者医療制度から届く案内で、自分の区分と申請方法を確認してください。年間上限は、当初は患者本人からの申出を前提とした運用も示されているため、長期治療中の人ほど保険者への確認が重要です。

高額療養費があれば民間保険はいりませんか?

年間上限があるなら、民間の医療保険はなくても大丈夫でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保険診療の自己負担には強い制度ですが、食事代、差額ベッド代、交通費、家族の付き添い費用、休職中の収入減までは同じように守られません。貯蓄で払える部分と、保険で補う部分を分けて考えるのがおすすめです。

高額療養費でカバーされない費用もある

高額療養費制度でカバーされるのは、原則として保険診療の自己負担部分です。差額ベッド代、入院中の食事代の一部、先進医療の技術料、病院までの交通費、家族の付き添い費用、仕事を休んだことによる収入減は、制度の対象外になることがあります。
入院時の食事代については、2026年6月1日から一般的な患者の食事療養標準負担額が1食550円へ引き上げられました。厚生労働省の通知でも、食材費や光熱・水道費の上昇を踏まえた改正として示されています。通知内容は(「健康保険及び国民健康保険の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の一部を改正する告示」について)で確認できます。
たとえば10日入院して1日3食なら、食事代だけで1万6,500円です。30日なら4万9,500円になります。個室を希望して差額ベッド代がかかる場合や、家族が何度も面会に通う場合は、医療費の上限とは別に支出が増える点を見落とさないようにしましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
薬代、入院費、収入減は似ているようで備え方が違います。だからこそ、保険だけでなく家計全体で見直す価値があります。

民間医療保険で補いやすい費用、補いにくい費用

民間医療保険 は、公的医療保険の自己負担をそのまま全額補う商品ではありません。多くの商品は、入院日数に応じた給付金、入院一時金、手術給付金、放射線治療給付金、先進医療特約など、契約で決められた条件に該当したときに給付されます。
2026年8月から高額療養費の上限が変わったことで、短期入院や高額治療時に「自己負担の一部をどう埋めるか」を考える価値はあります。入院一時金は、入院日数が短くてもまとまった給付を受けられる場合があり、食事代や交通費、日用品代などにも使いやすい設計です。
一方、OTC類似薬の負担増のような日常的な薬代は、民間医療保険の給付対象にならないことが一般的です。「薬代が増えそうだから医療保険を増やす」と短絡的に考えるより、薬代は家計管理や税制、入院・手術リスクは保険、休職リスクは傷病手当金や就業不能保障という形で役割を分けるほうが現実的です。

税制、貯蓄、NISAとのバランスも崩さない

市販薬を使う機会が増える人は、 セルフメディケーション税制 も確認しておきたいところです。これは、健康診断や予防接種など一定の取組をしている人が、対象となるOTC医薬品を年間1万2,000円超購入した場合、超えた部分を所得控除できる制度です。控除上限は8万8,000円です。
厚生労働省の(セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について)では、2026年9月1日時点の対象品目一覧や、2026年8月7日時点のQ&Aが公表されています。通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制で、同じ年に重ねて使えないため、年末に領収書を見て判断しましょう。
また、医療制度の見直しで不安になっても、保険料を上げすぎると生活防衛資金やNISAなどの資産形成に回すお金が減ります。日常的な薬代は毎月の家計、急な入院費は貯蓄と医療保険、老後や教育費はNISAやiDeCoなど長期の資産形成というように、目的ごとにお金の置き場所を分けることが大切です。相談前には、保険証券、直近1年の医療費、薬局での支払い、通院頻度、毎月の貯蓄額を手元にそろえておくと判断が早くなります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    OTC類似薬の見直しは、入院費よりも日常的な薬代に影響しやすい論点です。対象候補は77成分、約1,100品目です。
  • 2
    2026年8月から高額療養費制度の見直しが始まり、月額限度額だけでなく年間上限と多数回該当の確認が重要になっています。
  • 3
    民間医療保険は入院や手術に備えやすい一方、薬代、入院中の食事代、差額ベッド代、収入減は対象外になりやすい点に注意が必要です。
  • 4
    保険料を増やす前に、貯蓄、NISA、傷病手当金、就業不能保障を含めて家計全体で優先順位を決めましょう。

まずはAI相談から、必要なら無料オンラインFP相談へ

医療保険の自己負担見直しは、制度改正、持病、薬代、貯蓄額、NISAの積立状況まで含めると判断しやすくなります。ほけんのAIはLINEでAI相談から始められ、必要に応じて有資格者のFPにオンラインで無料相談できます。時間や場所を選ばず、保険や家計を中立的に比較したい人は、まず証券や医療費の記録を手元に置いて相談内容を整理してみてください。

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