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【2026年7月更新】医療保険の自己負担見直し|薬代と8月改正3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年7月更新】医療保険の自己負担見直し|薬代と8月改正3基準
医療保険の自己負担見直し
OTC類似薬
高額療養費制度
2026年8月改正
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入院費 食事代
医療保険 見直し

自己負担が増える前に、医療保険をどう見るか

2026年7月時点で、家計に影響しやすい医療制度の見直しが具体化しています。厚生労働省は2026年5月29日に医療保険制度改正法の成立を公表し、2026年8月からの高額療養費制度の見直し、令和8年度中のOTC類似薬の薬剤給付見直しなどを示しています。制度全体の概要は(医療保険制度改正法が成立しました)で確認できます。
ここでいう 医療保険の自己負担見直し とは、民間の医療保険に入り直す話だけではありません。公的医療保険でどこまで守られるか、入院・手術・通院・薬代・食事代・収入減のうち、どこが家計の穴になりやすいかを整理することです。
この記事では、医療保険を増やす前に見るべき3基準として、薬代、高額治療時の上限額、保険外費用と収入減を分けて解説します。

この記事で確認する3つの判断基準

  • 1
    OTC類似薬の見直しで、日常的な薬代が家計にどの程度影響するかを確認します。
  • 2
    2026年8月の高額療養費制度見直しで、入院や高額治療の自己負担上限がどう変わるかを確認します。
  • 3
    民間医療保険で補える費用と、薬代・食事代・差額ベッド代など補いにくい費用を切り分けます。
  • 4
    貯蓄、NISA、保険料のバランスを見て、固定費を増やしすぎない備え方を考えます。

まず公的医療保険の変更点を分けて考える

今回の見直しは、すべての医療費が一律に上がるという話ではありません。押さえたいのは、公的医療保険の中でも影響する場面が違うことです。
高額療養費制度の見直しは、主に入院や高額な治療で1か月の保険診療費が大きくなったときの上限額に関係します。一方、OTC類似薬の見直しは、花粉症薬、痛み止め、湿布、胃薬、保湿剤など、比較的身近な薬の処方時の負担に関係しやすい論点です。
さらに、2026年6月からは入院時の食事療養標準負担額も見直され、一般的な患者の食事代は1食550円になっています。入院が長引くほど、医療費の上限とは別に積み上がる支出がある点も見落とせません。

制度改正があるなら医療保険を増やすべきですか?

高額療養費も薬代も見直されるなら、医療保険を厚くしたほうが安心でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
すぐに増やすより、まずは増えそうな自己負担が「入院費」なのか「通院の薬代」なのかを分けましょう。民間医療保険は入院や手術に強い一方、日常的な薬代は対象外になりやすいからです。

OTC類似薬は、日常の薬代に影響しやすい

OTC類似薬 とは、市販薬と同じ成分・投与経路で、1日最大用量も同じ医療用医薬品などを指す考え方です。厚生労働省資料では、鼻炎、腰痛・肩こり、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、皮膚のかゆみ・乾燥肌などに使われる薬が例示されています。
2026年7月時点では、令和8年度中に新たな仕組みを実施する方向です。厚生労働省の(OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について)では、まず77成分、約1,100品目を対象に、対象薬剤の薬剤費の4分の1を「特別の料金」として求める案が示されています。
ただし、こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱える人、低所得者、入院患者、医師が長期使用等を医療上必要と考える人などには配慮を検討するとされています。自分の薬が対象かどうかは、薬剤名だけで判断せず、医師や薬剤師に確認するのが安全です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
毎月の薬代は、医療保険で丸ごと消える支出ではなく、家計の固定費として見積もる支出です。入院保障を増やす前に、薬代と入院費を分けて考えましょう。

対象になりそうな薬は、成分名で確認する

OTC類似薬の対象候補は、商品名ではなく成分名で整理されています。候補には、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ジクロフェナクナトリウム、酸化マグネシウム、ヘパリン類似物質、尿素、白色ワセリンなど、家庭でも名前を聞いたことがある成分が含まれます。
厚生労働省の(特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案))を見ると、抗アレルギー薬、解熱消炎鎮痛剤、胃腸薬、皮膚保湿剤、便秘薬など幅広い用途が並びます。
家計面で大切なのは、これが高額な入院費というより、慢性的に薬を使う人の毎月の支出に効いてくる可能性がある点です。花粉症、アトピー、慢性疼痛、胃腸症状などで定期的に処方を受けている人は、薬局での支払いが少しずつ増えるケースを想定しておきましょう。

2026年8月改正は、高額な治療費の上限に注目

2026年8月から予定される 高額療養費制度の見直し は、1か月の医療費が大きくなったときの自己負担上限に関わります。高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う保険診療の自己負担が一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。
厚生労働省の(高額療養費制度の見直しについて)では、月額の自己負担限度額の見直し、長期療養者への配慮としての年間上限の導入、多数回該当の金額据え置きなどが示されています。
たとえば70歳未満で年収約370万〜約770万円の層は、2026年8月以降、年間上限53万円が目安として示されています。年収約770万〜約1,160万円の層は年間上限111万円、年収約1,160万円以上の層は年間上限168万円が目安です。2027年8月以降は所得区分の細分化も予定されているため、最終的な自己負担は加入している健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険の案内で確認しましょう。

自己負担を見直すときのチェック項目

  • 1
    健康保険証、資格情報のお知らせ、マイナポータルなどで、自分の所得区分と高額療養費の上限を確認します。
  • 2
    持病や通院中の薬がある場合は、処方薬の成分名がOTC類似薬の候補に含まれるか薬局や医師に確認します。
  • 3
    加入中の医療保険が、入院日額、入院一時金、手術給付金、通院保障、先進医療特約のどれを持つか確認します。
  • 4
    差額ベッド代、入院中の食事代、交通費、付き添い費用、休職中の収入減など、保険外の支出を書き出します。
  • 5
    保険料を増やす場合は、生活防衛資金やNISAの積立を削りすぎないか確認します。

高額療養費でカバーされない費用もある

高額療養費制度でカバーされるのは、原則として保険診療の自己負担部分です。差額ベッド代、入院中の食事代の一部、先進医療の技術料、病院までの交通費、家族の付き添い費用、仕事を休んだことによる収入減は、制度の対象外になることがあります。
入院時の食事代については、2026年6月1日から一般的な患者の食事療養標準負担額が1食550円へ引き上げられました。厚生労働省の通知でも、食材費や光熱水費の上昇を踏まえた改正として示されています。通知内容は(「健康保険及び国民健康保険の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の一部を改正する告示」について)で確認できます。
たとえば10日入院して1日3食なら、食事代だけで1万6,500円です。30日なら4万9,500円になります。高額療養費の上限だけを見ていると、こうした周辺費用を見落としやすいので注意しましょう。

薬代の負担増は医療保険でカバーできますか?

OTC類似薬の負担が増えたら、医療保険の通院保障でカバーできませんか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
通院保障は、入院後の通院など条件が限定されることが多く、薬代そのものを幅広く補う設計ではない場合が一般的です。契約内容を確認し、薬代は家計支出として別枠で見積もるのがおすすめです。

民間医療保険で補いやすい費用、補いにくい費用

民間医療保険 は、公的医療保険の自己負担をそのまま全額補う商品ではありません。多くの商品は、入院日数に応じた給付金、入院一時金、手術給付金、放射線治療給付金、先進医療特約など、契約で決められた条件に該当したときに給付されます。
そのため、2026年8月改正で高額療養費の上限が変わることへの備えとしては、入院一時金や短期入院への保障が役立つ場合があります。一方、OTC類似薬の負担増のような日常的な薬代は、民間医療保険の給付対象にならないことが一般的です。
医療保険の見直しでは「薬代が増えそうだから医療保険を増やす」と短絡的に考えないことが重要です。薬代は家計管理、医療費控除、セルフメディケーション税制の対象可否を確認し、入院・手術リスクは保険で備える、という分担が現実的です。

セルフメディケーション税制も確認する

市販薬を使う機会が増える人は、セルフメディケーション税制も確認しておきたいところです。これは、健康診断や予防接種など一定の取組をしている人が、対象となるOTC医薬品を年間1万2,000円超購入した場合、超えた部分を所得控除できる制度です。控除上限は8万8,000円です。
厚生労働省の(セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について)では、令和8年7月1日時点の対象品目一覧も公表されています。
注意したいのは、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制で、同じ年に重ねて使えないことです。家族で医療費が多い年は通常の医療費控除、市販薬の購入が中心の年はセルフメディケーション税制というように、年末に領収書を見て判断しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
薬代、入院費、収入減は似ているようで備え方が違います。だからこそ、保険だけでなく家計全体で見直す価値があります。

3基準で見る、見直しの優先順位

医療保険の見直しは、3つの基準で考えると整理しやすくなります。
1つ目は、毎月の薬代です。OTC類似薬の影響を受けやすい人は、年間でどれくらい増えるかを見積もります。月1,000円の増加でも、年間では1万2,000円です。家族全員で慢性的な処方がある場合は、固定費として無視できません。
2つ目は、高額治療時の上限額です。入院や手術、がん治療などで自己負担が増えた場合、貯蓄で何か月耐えられるかを確認します。ここで不足が大きいなら、入院一時金やがん保険を含めて検討する余地があります。
3つ目は、収入減への備えです。医療費そのものより、休職で収入が下がることのほうが家計に響くこともあります。会社員なら傷病手当金、自営業なら就業不能保険や生活防衛資金も合わせて考えましょう。

NISAや貯蓄とのバランスも崩さない

医療制度が変わると、不安から保険を増やしたくなるかもしれません。ただ、保険料を上げすぎると、生活防衛資金や NISAなどの資産形成 に回すお金が減ります。
日常的な薬代は、毎月の家計に組み込む支出です。急な入院費は、生活防衛資金と医療保険で備える支出です。老後や教育費は、NISAやiDeCoなど長期の資産形成で備える支出です。この3つを混ぜてしまうと、保険に入りすぎたり、逆に必要な保障を削りすぎたりしやすくなります。
特に子育て世帯や住宅ローン返済中の家庭では、医療保険だけでなく、死亡保障、就業不能保障、教育費、老後資金を同時に見たほうが判断しやすくなります。

相談前に準備すると判断が早くなるもの

見直しをスムーズに進めるには、保険証券と医療費の記録を手元に置くのが近道です。保険証券があれば、入院日額、入院一時金、手術給付金、通院保障、先進医療特約の有無が確認できます。
あわせて、直近1年の医療費、薬局での支払い、通院頻度、家族の持病、毎月の貯蓄額も見ておきましょう。家計簿がなくても、銀行アプリやクレジットカード明細、医療費のお知らせでおおまかな支出は把握できます。
制度改正への備えは、完璧な資料がなくても始められます。まずは「入院時に困るのか」「薬代がじわじわ増えるのか」「休職時に収入が足りないのか」を分けるだけでも、必要な対策が見えてきます。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    OTC類似薬の見直しは、入院費よりも日常的な薬代に影響しやすい論点です。対象候補は77成分、約1,100品目です。
  • 2
    2026年8月の高額療養費制度見直しでは、月額限度額だけでなく年間上限と多数回該当を確認することが大切です。
  • 3
    民間医療保険は入院や手術に備えやすい一方、薬代、入院中の食事代、差額ベッド代、収入減は対象外になりやすい点に注意が必要です。
  • 4
    保険料を増やす前に、貯蓄、NISA、就業不能への備えを含めて家計全体で優先順位を決めましょう。

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医療保険の自己負担見直しは、制度改正、持病、薬代、貯蓄額、NISAの積立状況まで含めると判断しやすくなります。ほけんのAIはLINEでAI相談から始められ、必要に応じてオンラインでFPに無料相談できます。時間や場所を選ばず、保険や家計を中立的に比較したい人に向いています。相談前の整理にも活用してみてください。

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