【2025年12月更新】生命保険 30代管理職の必要保障額|不足額の出し方と目安
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険
必要保障額
30代管理職
不足額
収入保障保険
遺族厚生年金
児童手当
目次
課題提起:30代管理職は“保障ギャップ”が生じやすい
昇進で手取りは増えても、住宅ローン・保育〜教育費・共働きの調整費用が重なるのが30代前半〜後半。実際、最新の全国調査では「世帯主が万一の場合の家族の必要生活資金」は平均6,283万円(年間354万円×17.3年)と把握される一方、加入している死亡保険の平均は充足率20%前後に留まります(令和6年度・生命保険文化センター調査)。つまり、必要保障額に対し「埋め切れていない分(不足)」が残りやすいのが実態です。
このギャップを埋める最短の方法が、支出と公的給付の「差」を期間分だけ計算すること。以下で“差額×期間”の出し方と、30代管理職の家計で起こりがちな盲点を、一次情報リンクと具体例で整理します。
最短で不足額を出す3ステップ
- 1現在の生活費から本人の支出分を除いた「遺族生活費」を決めて、子の独立までの年数で積み上げる(高校・大学の教育費は別枠で上乗せする)
- 2遺族基礎年金・遺族厚生年金、児童手当、死亡退職金・弔慰金、既契約の保険金・貯蓄など「入ってくるお金」を合算する
- 3支出合計−収入合計=不足額(保険で埋めるべき目安)を出し、差額×期間に強い収入保障保険で月額の穴を埋め、定期保険で一時金を補完する
必要保障額の基本:差額×期間で考える
必要保障額の考え方はシンプルです。残された家族に必要な「支出見込額」から、公的年金や既契約・資産などの「収入見込額」を差し引き、その不足分を保険で備えます。文化センターが「必要保障額積み上げ方式」として示す型は、家計の現実に即して再現性が高い方法です。(万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例)
30代管理職は、賃貸/持ち家・団信の有無、配偶者の就労、子の人数・年齢で不足額が大きく変わります。差額×期間の「式」を自分の数字で回すことが第一歩です。
よくある疑問:団信と生活費の扱いは?
持ち家で団信ありです。住宅ローンは“ゼロ扱い”にしていい?生活費はいくらを目安に計算しますか?
団信で死亡時の残債は消えるので、ローン返済分は支出から外してOKです。住居の維持費(管理費・固定資産税・光熱費)は残ります。生活費は「遺族が実際に使う分」を基準にします。文化センターのモデルでは、子の独立までは現在生活費の約70%、その後は約50%が目安。自宅の維持費や保育・教育の実費を上乗せして計算しましょう。
2025最新トレンド:制度と数字の“効き”を正しく前提化
遺族年金と子育て支援は設計の核心です。2028年4月からの遺族厚生年金見直しでは、子のいない配偶者(女性は40歳未満、男性は60歳未満)が原則5年の有期給付に。期間中は約1.3倍の「有期給付加算」が上乗せされ、終了後も障害・低所得等では増額年金の継続給付があります(就労収入の目安は概ね月10万円以下で全額、20〜30万円超で停止方向)。子がいる期間中の給付は従来どおり継続です。(遺族厚生年金の見直しについて)
児童手当は2024年10月分から「高校生まで」「所得制限撤廃」「第3子以降は月3万円」に拡充。支給は偶数月・年6回で、教育費の基礎原資として長期設計に組み込めます。(子ども・子育て支援金制度について)
教育費は最新の統計レンジを必ず反映。令和5年度「子供の学習費調査」では年間学習費の平均が、公立高校約59.8万円/私立高校約103.0万円。小中・高校の合計レンジも公開されています。(令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します)
葬祭費は平均総額約119万円(一般葬平均約161万円、家族葬約106万円、一日葬約88万円などの内訳)。一時金の目安に最新相場を使いましょう。(葬儀にかかる費用はどれくらい?)
制度は毎年のように動きます。保険は“固定化”ではなく“更新する設計図”。数字と前提を最新化することが安心への近道です。
モデル試算の考え方:30代管理職(片働き・子あり・団信あり)
具体例で式を回します。35歳・年収750万円、配偶者は就労不定期、子2人(3歳・1歳)、持ち家・団信加入。
支出側:遺族生活費は現行生活費から本人分を除いて基準化。仮に現行35万円/月、本人分10万円を除く25万円とします。団信でローン返済8万円が消えるなら、住居の維持費のみ(例3万円)を残し、遺族生活費目安=約20万円/月。子の独立まで18年なら生活費総額は約4,320万円。教育費は進路によりますが、公立ベース+一部私立で1,200〜1,500万円、葬祭費は約120万円を一時金目安に。
収入側:遺族基礎年金+遺族厚生年金(子がいる期間)の合計、児童手当、高校生延長分、勤務先の死亡退職金・弔慰金、既契約の保険金・貯蓄を合算。2028年改正の「5年有期」は子の独立後に影響が出るため、その期間の生活費は保険でカバーする前提で不足に含めるのが保守的です。
不足額:支出合計(生活費+教育費+葬祭費)から収入合計(公的年金・児童手当・退職金・既契約など)を差し引いた不足分。ここを収入保障保険の「月額×期間」で埋め、教育のピーク・葬祭などは定期保険の一時金で補完する、が基本設計です。
家計タイプ別の設計目安(月額レンジ)
- 1片働き子あり・団信あり:収入保障で月10〜18万円×子の独立まで、定期保険で300〜500万円の一時金を補完(退職金の規程と学費レンジで調整)
- 2共働き子あり:配偶者の就労前提で月5〜12万円、最低保証期間(2年/5年)を長めに。育休・時短の家計変動も織り込む
- 3DINKs(子なし):遺族厚生年金“5年有期”の影響を考慮し、月5〜10万円×5〜10年程度の短め設計+終身の小口を相続・葬祭用に
- 4賃貸世帯:家賃を「期間×相場」で別立て。収入保障の月額に家賃分を含めるか、定期の一時金で数年分を先取りするかで設計を分ける
商品選びの軸:収入保障×定期×特約の使い分け
- 収入保障保険(掛け捨て):毎月の不足を「満了まで年金形式」で補う。前倒し一括受取は総額が減る前提を理解して選択。
- 定期保険(一時金):教育の山・葬祭費・リフォームなど「単発の大きな支出」に充てる。
- 特約の確認:払込免除特約の対象疾病・要件、最低支払保証期間(2年/5年)、通算条件(保険金・給付金の合算上限)を約款でチェック。 文化センターの必要額の型に沿うと、役割分担が明確になり、過不足のない設計に近づけます。(万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例)
短期入院や医療費の見積もりは?
医療費の自己負担や短期入院の費用は、死亡保障の試算にどう織り込めばいいですか?
死亡保障は生活費・教育費・葬祭費が中心ですが、医療の前提を知っておくと安心です。文化センター調査では“健康保険外の費用”を月約28.0万円と見積もる世帯が多く、入院が長期化すると家計への影響が増えます。医療・就業不能は別途、入院一時金や就業不能保険で“短期は実費・長期は月額”の二段構えに。死亡保障と重複しない配分がポイントです。(令和6年度調査PDF「生活保障に対する考え方」参照)
見直し3ステップと落とし穴
- ライフイベントで再計算:結婚・出産・住宅・昇進で「遺族生活費・教育費・住居費・福利厚生」を更新。
- 団信と死亡保障の重複削減:持ち家は団信の効きを必ず差し引き。賃貸は家賃の期間見積もりを忘れない。
- 更新型の保険料上昇:60歳・65歳満了の更新時は保険料が跳ねやすい。満了年齢と最低保証期間の設計で“空白ゼロ”に。
必要額は家庭ごとに違います。しかし、必要保障額の出し方(差額×期間)はみんな同じ。数字を自分の家計に置き換えるだけです。
一次情報で前提をアップデート
- 遺族年金:2028年の「5年有期」「有期給付加算」「継続給付の所得基準」は厚労省の一次資料で確認。(遺族厚生年金の見直しについて)
- 児童手当:高校生まで延長・第3子以降3万円・所得制限撤廃の正式方針はこども家庭庁。(子ども・子育て支援金制度について)
- 教育費:高校の年間学習費(公立約59.8万円/私立約103.0万円)ほか最新値は文科省PDF。(令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します)
- 生活保障の実態:必要額の総額・充足率・医療自己負担の見積もりは令和6年度の全国調査PDFで俯瞰。(生活保障に対する考え方(令和6年度調査))
- 葬祭費:平均総額約119万円は文化センターの解説ページで確認。(葬儀にかかる費用はどれくらい?)
無料相談の活用と次の一歩
ご自身の数字を入れて計算すれば、必要保障額は「見える化」できます。ただし、公的制度は改正が続き、保険商品の条件も年々アップデートされます。弊社の収入保障保険や定期保険の比較・設計は、中立FPが一次情報をもとに伴走。LINEから24時間、AI相談→FP相談へつなげられます。
まとめ:重要ポイント
- 1不足額は“差額×期間”で最短算出。団信や児童手当、遺族年金の最新ルールを前提に入れる
- 2月額の不足は収入保障保険、一時金は定期保険で補完。払込免除や保証期間など約款を必ず確認
- 3家計タイプ別に月額レンジを設定し、教育費・葬祭費の最新統計を根拠に上振れを吸収する
- 4ライフイベントごとに数字を更新。更新型の保険は満了年齢と保証期間で“空白ゼロ”に
- 5リンクの一次資料で制度・金額を定期的にアップデートする
ぜひ無料オンライン相談を
記事の式にご自身の数字を当てはめれば不足額は見えます。とはいえ制度改正・商品条件の更新で前提は揺れます。ほけんのAIなら、AIが初期棚卸しを行い、中立FPがオンラインで収入保障×定期の配分を家計に合わせて最適化。時間や場所の制約なく無料で相談でき、複数商品の比較も公平に。まずはLINEで数字の棚卸しを進め、必要なら面談へ—次の一歩を今日、軽くしてみませんか。
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