【2025年12月更新】生命保険 30代共働き妻 必要保障額|不足額の出し方
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険 必要保障額
30代 共働き 妻
不足額 計算
遺族年金 改正 2028
児童手当 拡充
収入保障保険
定期保険
目次
課題提起:共働きでも“妻の不足額”は生じやすい
共働きなら片方が亡くなっても何とかなる、という楽観は禁物です。二人の収入を前提に組んだ家計は、片収入になると一気に赤字化しやすい構造です。特に未就学児〜小学生の子どもがいる30代夫婦は、育児・家事の外注費と教育費が長期で積み上がります。まずは 必要保障額(不足額)を「差額×期間」で見える化し、妻の万一に備える設計を“数字で”行いましょう。
なぜ不足が生じる? 要点整理
- 1二人前提の固定費(住居・保育・通信・車など)が片収入でも大きく残りやすい
- 2育児・家事の外注(家事代行・一時保育・病児保育など)が短期で膨らむ
- 3教育費は連続支出(習い事→学校→受験)で、途中停止が難しい
- 4公的保障の“効き方”が夫死亡時と妻死亡時で異なる
- 5ペアローン・収入合算だと団信の効き方に“片側だけ”の偏りが出る
公的保障の“効き方”と最新制度改正の概観
妻に万一の場合、夫は遺族基礎年金の対象になり得ますが、受給には生計維持要件(収入・所得ライン)などの条件があります。2025年度の遺族基礎年金の基準額は、基本年額831,700円、子の加算は第1・第2子が年239,300円、第3子以降が年79,800円です。詳しくは (遺族基礎年金 お手続きガイド) を確認してください。さらに、遺族厚生年金は「男女差の解消」を目的に、20~50代の子のない配偶者へ原則5年の有期給付とする改正が2028年施行予定で、継続給付の条件や有期給付加算の新設などが示されています。制度全体像は厚労省の (参考資料(年金部会資料)) が整理しています。
不足額はどう出す?
具体的な“必要保障額”は、どう計算すれば良いですか?
基本は「これからかかる費用(生活費・教育費・住居・葬祭)」から「入ってくるお金(遺族年金・退職金・預貯金・就労収入)」を差し引き、その差額を必要期間分積み上げます。つまり“差額×期間”です。家計の数字を今の実額で入れて、期間は末子が独立するまで+その後の生活の段階に分けましょう。
差額×期間の“素算式”:支出と収入の洗い出し
支出は、残された家族の生活費(現在の生活費から本人分を除いた額)、教育費(進路別のレンジ)、住居(家賃や持ち家の維持費)、葬祭費用の合計です。収入は、公的な 遺族年金(遺族基礎年金+条件により遺族厚生年金)、勤務先の死亡退職金・弔慰金、手元資産、残された配偶者の今後の就労収入です。遺族基礎年金の金額は2025年度で基本831,700円+子の加算(第1・第2子各239,300円、第3子以降79,800円)です。(遺族基礎年金 お手続きガイド)の数値を家計に当て込み、条件により遺族厚生年金(有期給付+加算)の可否も検討します。
住居形態別の扱い:賃貸/持ち家・団信/ペアローン
賃貸は“末子独立までの家賃総額”を期間で見積。持ち家は住宅ローンの団信で“亡くなった側の債務”がゼロになるのが原則ですが、ペアローンは片側のみの完済で、残債は配偶者側に継続します。収入合算で借りたケースも、妻死亡時に夫の返済は続きます。持ち家でも固定資産税や修繕費は残るため、「住居費の差額」を期間で入れておくのが安全です。
年収別試算“前提チェック”
- 1世帯の現在の生活費(手取りベース)と妻本人分の按分を決める
- 2子どもの人数・年齢と進路想定(公立/私立/下宿の有無)
- 3住居(家賃/ローン残高・返済条件/固定資産税・修繕)
- 4手元資産(普通預金・つみたて・学資)と勤務先の退職金・弔慰金の有無
- 5公的保障の見込み(遺族基礎年金・遺族厚生年金の適用/生計維持要件)
年収別目安:500万/700万/1,000万円の“妻の必要保障レンジ”
モデル前提(30代夫婦・未就学〜小学生の子・物価は当年水準・単純化した賃貸/持ち家ケース)での概算です。生活費は夫+子の世帯生活費として月20〜30万円、教育費は進路により幅があります。収入側は遺族基礎年金(2025年度)と就労収入の想定を入れます。
- 年収500万円(夫350万/妻150万・子1・賃貸):生活費月20万円×13年≒3,000万円、教育費公立中心≒800万円、遺族基礎年金(子1)年約107.1万円×13年≒1,390万円→不足額目安≒約1,500万円。
- 年収700万円(夫500万/妻200万・子2・賃貸):生活費月25万円×16年≒4,800万円、教育費ミックス≒2,000万円、遺族基礎年金(子2)年約131.0万円×16年≒2,100万円→不足額目安≒約2,500万〜3,000万円。
- 年収1,000万円(夫700万/妻300万・子2・持ち家:妻側ローン完済想定):生活費月30万円×15年≒5,400万円、教育費私立含む≒3,000万円、遺族基礎年金(子2)年約131.0万円×15年≒1,965万円→不足額目安≒約3,500万〜4,000万円。 金額は家族構成・進路・住居・就労継続などで増減します。自宅の維持費や祖父母の支援、将来の収入見込みも加味してご家庭の数字で“再計算”してください。
商品設計:定期×収入保障の二段構えが合理的
一時的な大きな支出(葬祭・引越し・家財の入れ替え)は定期保険の一時金で、毎月の不足分は 収入保障保険(期間に応じて減額する月次給付)でカバーすると、保険料効率が高くなります。物価上昇への備えとして物価連動型、保険料を抑える手段として非喫煙者・健康体割引の活用も検討を。見直しは「出産」「住宅購入」「転職・働き方変更」のタイミングが基本です。
保険は“足りない分”だけ。数字で出した不足額に、定期と収入保障を重ねるシンプルな二段構えが最短の解です。
最新制度の影響①:遺族厚生年金“5年有期”と加算・継続給付
2028年施行予定の遺族厚生年金の見直しでは、20〜50代の子のない配偶者に原則5年の有期給付を導入し、有期給付加算や継続給付の仕組みで生活再建を後押しします。収入に応じた支給調整(急停止ではなく滑らかな調整)、死亡分割による将来の老齢厚生年金の増額も示されています。改正の枠組みは厚労省の (参考資料(年金部会資料)) にまとめられています。
最新制度の影響②:児童手当の拡充を“資金”として組み込む
2024年10月分から児童手当は、支給期間が高校生年代までに延長、所得制限撤廃、第3子以降が月3万円に増額、支払月は偶数月の隔月に統一されました。設計の際は、偶数月の受取を“学習費・外注費の原資”として組み込み、保険の毎月給付(収入保障)と連携させます。制度概要は内閣官房資料 (こども未来戦略における主な施策等について) に整理されています。
よくある誤解の整理:遺族基礎年金の“収入ライン”
遺族基礎年金は、子のある配偶者や子が「亡くなった方に生計を維持されていた」ことが条件です。生計維持の認定では、収入年額850万円未満/所得年額655.5万円未満のラインが示されています(例外や事情考慮あり)。この“生計維持要件”を満たさないと、受給できない可能性がある点に注意しましょう。詳細は (遺族基礎年金 お手続きガイド) を参照。
ペアローンだとどのくらい備える?
夫婦でペアローンです。妻の万一時、どのくらい上乗せが必要ですか?
片側だけが団信で完済され、もう一方の残債は続きます。現在の返済額から“妻分の返済がなくなる差額”と“固定資産税・修繕の維持費”を期間で入れ、生活費と教育費の差額に上乗せして不足額を出してください。持ち家でも維持費の見落としが不足の原因になります。
見直しタイミングと“数値の記録”
見直しは、ライフイベント(出産・進学・住宅購入・転職・働き方変更・離婚・再婚)ごとに「不足額の再計算」が基本。その都度、前提(生活費・住居費・教育費)と公的保障の見込み(遺族年金・退職金等)を“メモに残す”ことで、次回の検討が速く正確になります。
今日からできるアクション
- 1家計の生活費と住居費(家賃/返済+維持費)を“手取りベース”で書き出す
- 2子どもの進路レンジ(公立/私立/下宿)ごとに教育費の幅をメモする
- 3遺族基礎年金の額(基本+子の加算)と遺族厚生年金の適用可否を確認する
- 4不足額(差額×期間)を出し、定期と収入保障の配分を仮決めする
- 5勤務先の退職金・弔慰金、公的・自治体の支援(児童手当等)を一覧化する
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まとめ:重要ポイント
- 1不足額は“差額×期間”。生活費・教育費・住居と公的給付を数字で差し引く
- 22025年度の遺族基礎年金は基本831,700円+子の加算(239,300円/79,800円)
- 3遺族厚生年金は2028年から原則5年有期へ。有期加算・継続給付の仕組みを前提に
- 4設計は定期(一時金)×収入保障(毎月給付)の二段構え。物価対応と割引も検討
- 5児童手当の拡充(偶数月支給・第3子3万円)を“原資”として家計設計に組み込む
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