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【2026年3月更新】法人保険 賃上げ促進税制|損金と福利の設計3手順

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年3月29日
  • 弔慰金の原則非課税と死亡退職金非課税枠の明確化
  • 2026年春闘の最新集計による賃上げ動向の反映
  • 一次情報(国税庁・財務省)リンクと実務要点の補強
【2026年3月更新】法人保険 賃上げ促進税制|損金と福利の設計3手順
法人保険
賃上げ促進税制
税額控除
中小企業
総合福祉団体定期保険
GLTD
教育訓練費

まず前提の“痛点”を共有する

賃上げは待ったなし。その一方で、 賃上げ促進税制 の控除率や上限、書類要件を正しく踏む必要があります。福利厚生の法人保険をどう噛み合わせるかで、手取りの税額と従業員の安心が同時に変わります。本稿は、控除率10〜35%/15〜45%、 税額控除20%上限中小の5年繰越 、そして保険の損金判定(50/70/85%帯)を一つの設計図上に並べ、今日から動ける段取りに落とし込みます。

今日決めるべき初手

  • 1
    自社が「全企業」「中堅」「中小」のどれかを確認し、賃上げ率の判定方法を統一します
  • 2
    税額控除は法人税額の20%が上限である前提を置き、中小は必要に応じ最長5年の繰越設計を行います
  • 3
    福利厚生保険の損金処理ルール(50/70/85%帯と少額・短期払の例外)を社内で共有します
  • 4
    「受取人」「対象者範囲」「規程整備」を福利プランと一体で設計し、給与性の混入を避けます
  • 5
    2026年度以降の制度見直し(教育訓練の上乗せ廃止方針等)に備え、適用時期と経過措置を確認します

2026年時点の制度と見直しの最新要点

制度の骨子は国税庁のタックスアンサーで確認できます。中小企業者等(最大45%)は (No.5927-2 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制))、中堅向け(最大35%)は (No.5927-3 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中堅企業向け賃上げ促進税制)) を一次情報として参照してください。いずれも調整前法人税額の20%が控除上限です。 また、令和8年度税制改正の大綱では、次の方針が示されています。
  • 大企業向け措置は2026年3月31日で廃止、
  • 中堅企業向けは要件見直しの上2027年3月31日で廃止、
  • 教育訓練費に係る上乗せ措置は廃止方針(詳細・施行時期は法案成立後に確定)。 一次資料は (令和8年度税制改正の大綱の概要(PDF)) を確認ください。

控除率と上限・繰越、うちはどれに当たる?

控除10〜35%とか15〜45%とか聞きますが、結局うち(資本金5,000万円・従業員80人)はどれで、20%上限に引っかかりますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
規模感なら「中小」判定が本線です。基準1.5%増で15%、賃上げ2.5%以上で加算15%の合計30%、さらに要件を満たすと最大45%まで伸ばせます。控除は調整前法人税額の20%が上限です。ただし中小は“上限超過分”を5年繰越できますので、翌期以降の法人税で計画的に消化する設計が現実的です。

賃上げの市況感も押さえる

2026年の春闘は、初回集計段階から高い賃上げ率が示されています。連合の第1回回答集計では平均賃上げ率5.26%と公表されています(2026年3月)。最新の集計・資料は (2026年春闘 要求・回答集計) をご確認ください。社内計画の前提置きとして、業界平均や同規模企業の動向を参照することが有効です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
税額控除の“幅”と保険の“損金”を同じ表で見える化し、賃上げ・教育訓練・福利の3本柱を一本の計画に束ねるのが近道です。

法人保険の損金判定と帯区分の線引き

2019年以降、保険期間3年以上で「最高解約返戻率が50%超の定期・第三分野保険」は帯別(50〜70%/70〜85%/85%超)で資産計上と損金算入を按分します。ルールは (No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い) が実務の拠り所です。 誤解しやすいのが、 総合福祉団体定期 やGLTD(団体長期障害所得補償)の取扱いです。これらは解約返戻金のない定期形態が一般的で、受取人が法人であっても、 法基通9-3-5 に沿い原則は期間の経過に応じて損金算入です。資産計上の議論になるのは、養老保険や「最高解約返戻率が50%超の定期・第三分野保険」に該当する契約など別形態の場合です。福利で使う第三分野(就業不能・GLTD等)も、対象者・受取人の設計に注意しつつ期間損金が基本です。

賃上げ計画とKPIの可視化

税制の計算は、継続雇用者の賃金台帳と教育訓練費の増加率が基礎になります。継続雇用者の定義や教育訓練費の範囲は税務要件に沿って資料化しましょう。適用要件・定義はタックスアンサーの中小企業者等向けページ(No.5927-2)で確認できます。福利側は、全従業員を対象にする規程整備(受取人・弔慰金・死亡退職金の扱い)を事前に準備し、毎月の保険料と税区分を台帳化します。重要な会社方針(賃上げ方針、教育方針)を社内に公表することも、申告書類と整合が取れて実務が安定します。

福利厚生×賃上げ税制の3手順

  • 1
    決める:賃上げ率(目標・実績)と教育訓練費の増額計画を年度KPIに落とし、控除率の達成段階を見取り図にします
  • 2
    整える:総合福祉団体定期やGLTDを“全従業員対象の規程”で設計し、受取人・支払事由・税の取扱いを明文化します
  • 3
    測る:福利の加入率・休職時の手取りシミュレーションを示し、従業員の納得度を定点で測ります
  • 4
    申告する:確定申告書に雇用者給与等支給増加額の明細を添付し、控除額は法人税の20%上限で判定。中小は繰越管理台帳で翌期以降の消化計画を作成します

申告と上限・繰越の扱い

控除額は「控除対象雇用者給与等支給増加額×控除率」。いずれも、 税額控除20%上限 がかかります。中小企業者等は“控除しきれない額”を5年間繰り越しできますが、繰越年度も賃上げ要件の充足が必要です。添付書類(教育訓練費の保存事項・認定の写し等)も明確に整えてください。詳細はタックスアンサーNo.5927-2の「税額控除限度額」「繰越し」の項で確認できます。

IT企業の教育訓練上乗せは今後どうなる?

IT会社で教育訓練を増やす計画です。税額控除を伸ばすには何を足せばいい?制度変更の影響はありますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
現行(適用年度が改正前)の枠組みでは、全企業/中堅は「前年対比10%以上」かつ「給与に対する0.05%以上」、中小は「5%以上」かつ「0.05%以上」で上乗せが可能です。ただし、令和8年度税制改正の大綱で“教育訓練費の上乗せ廃止”の方針が示されています。適用開始時期や経過措置は今後の法令で確定しますので、当面は現行要件の達成と、次年度以降の計画見直しの両にらみで進めてください。

事例・試算:製造20人|3%賃上げ×GLTD

年額人件費1億円の製造業で賃上げ3%(300万円増)。中小枠で基準1.5%を満たし、上乗せ“2.5%以上”加算15%も適用とすると、控除率は合計30%。控除額は300万円×30%=90万円(法人税額の20%が上限)。同時に、全従業員対象でGLTD(月額保険料合計8万円)を導入。第三分野のため原則“期間の経過に応じ損金算入”で経費化できます(No.5364の趣旨に整合)。福利の周知は“休職時の手取り”を具体に伝えると浸透が速いです。

医療法人|退職金規程整備と受取人設計

医療法人は、死亡退職金・弔慰金の税務と規程の整合が必須です。非課税枠の「500万円×法定相続人」は、死亡保険金および死亡退職金に適用されます。詳細は (No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金)(No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金) を確認してください。一方、弔慰金は原則として相続税の課税対象外ですが、実質が退職手当金等に当たる部分や基準超過部分は課税対象になります( (No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い) )。法人保険の契約者・受取人の変更や転換・払済では、資産計上累積額と責任準備金の過不足を、関与税理士と事前に確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
控除は“税額を減らす手段”、福利は“人を守る仕組み”。両輪を回す設計で、賃上げを持続可能にしましょう。

進め方と無料オンライン相談の活用

段取りはシンプルです。賃上げ率・教育訓練費・人件費KPIの過去2年分を整え、総合福祉団体定期やGLTDの規程案と見積を用意しましょう。賃上げ促進税制の適用要件は一次情報ページで都度確認し、改正や経過措置に備えます。迷ったらLINEで「ほけんのAI」に相談。AIが初期整理を行い、FPがオンライン(全国対応)で福利・税務の並び替えを支援します。しつこい勧誘を遮断できる“イエローカード”も用意しています。ギフトがもらえるキャンペーンの有無もLINEでご確認ください。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    自社が全企業/中堅/中小のどれかを判定し、控除率・要件・上限20%を整理する
  • 2
    中小は“5年繰越”を台帳で管理し、翌期以降の利益計画と合わせて消化を設計する
  • 3
    保険の損金判定は帯区分に拠る。総福団・GLTDは原則“期間損金”を徹底する
  • 4
    令和8年度大綱の見直し方針(大企業終了・中堅終了・教育訓練上乗せ廃止)に備える
  • 5
    福利は“全従業員対象の規程”が基本。受取人設計と退職金・弔慰金の規程を一体で整える

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賃上げ促進税制の達成設計と福利の損金判定は、数字と規程の両面調整が肝心です。オンラインなら場所を選ばず、必要書類も画面共有で一緒に確認できます。無料で複数案を横並び比較でき、中立的なFPが商品類型を整理。制度改正の影響や経過措置も踏まえて、次に取るべきアクションを具体化します(オンライン相談対応)。

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