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【2026年7月更新】役職定年の手取り減|55歳からの3ステップ

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年7月28日
  • 2026年7月公表のNISA利用状況の反映
  • iDeCo改正と企業型DC見直しの整理
  • 役職定年前の家計表づくりの具体化
【2026年7月更新】役職定年の手取り減|55歳からの3ステップ
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手取り減
収入保障保険
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iDeCo
標準報酬月額

55歳から怖いのは肩書きより手取りの段差

50代後半になると、昇進や肩書きよりも気になってくるのが 役職定年 による手取りの変化です。管理職手当が外れるだけでなく、基本給、賞与、評価基準、退職金、60歳以降の再雇用賃金まで連動して見直されることがあります。
パーソル総合研究所が2025年7月に公表した調査では、60歳または65歳で処遇を見直す企業のうち、年収が下がる企業が8〜9割を占め、60歳で処遇を見直す場合の年収低下は平均28%でした。さらに、50代社員に人材過剰感を持つ企業では、60歳時の年収低下幅が平均40.3%まで大きくなる傾向も示されています。一方で、60代以上社員の年収引き上げを予定・検討している企業も5割超あり、会社ごとの差は広がっています。(企業の60代社員の活用施策に関する調査)
この記事では、役職定年前後の減収を「家計」「保険」「年金制度」「NISA・iDeCo」の4つに分け、55歳前後からできる3ステップに落とし込みます。読後にやることはシンプルです。まず、わが家の手取りが何歳でいくら変わるのかを1枚の表にすることから始めましょう。

役職定年が家計に与える主なインパクト

  • 1
    管理職手当や役職給が外れると、毎月の手取りだけでなく賞与の算定基準も下がる可能性があります。
  • 2
    60歳以降の雇用形態が再雇用や嘱託になると、同じ職場でも給与テーブルや評価基準が変わることがあります。
  • 3
    標準報酬月額が下がると社会保険料は軽くなる一方、将来の厚生年金額に影響する場合があります。
  • 4
    税金や社会保険料も減るため、額面ほど手取りが落ちていないように見え、対策が遅れやすくなります。
  • 5
    住宅ローン、親の介護費、子どもの独立支援が重なる家庭では、毎月数万円の差が家計の余力を大きく左右します。

なぜ想定以上に下がるのか

役職定年の減収は、単に「役職手当がなくなる」だけではありません。多くの企業では、等級、評価、賞与、退職金、再雇用後の賃金がつながっています。役職が外れると、給与の土台そのものが一段下がることがあります。
パーソル総合研究所の同調査では、60歳で処遇を見直す企業において、役職・等級などのグループごとに異なる基準で年収を見直す企業が58.0%、全員一律の基準で見直す企業が約3割とされています。つまり、自分の仕事量が大きく変わらなくても、制度上の区分が変わるだけで収入が下がることがあります。
最初に確認したいのは、勤務先の制度です。就業規則、人事制度資料、退職金規程、再雇用規程を読み、何歳で、何が、どの基準で変わるのかを見える化しましょう。人事面談の前に「60歳以降の職務」「勤務日数」「賞与の有無」「退職金の支給時期」をメモしておくと、家計の試算が一気に具体的になります。

定期保険があれば収入保障保険はいらない?

定期保険に入っています。役職定年対策として収入保障保険まで考える必要はありますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
定期保険は、万一のときにまとまった一時金を受け取る保険です。一方、収入保障保険は、死亡や高度障害など所定の状態になったとき、毎月の年金形式で受け取る設計が中心です。生活費の不足を月単位で補う目的なら、収入保障保険のほうが家計に合わせやすい場合があります。ただし、病気やケガで働けないリスクには就業不能保険が対応するため、目的を分けて考えることが大切です。

50代で保険を見直すときの現実的な考え方

50代からでも加入できる収入保障保険や就業不能保険はあります。ただし、保険料は年齢、健康状態、喫煙歴、保険期間、年金月額、特約の有無で大きく変わります。若い頃と同じ感覚で「とりあえず大きく備える」と、保険料が家計を圧迫することもあります。
役職定年前後の保険見直しで大切なのは、 必要保障額 を先に決めることです。たとえば「死亡時に配偶者の生活費として月12万円を10年分補いたい」「住宅ローンは団体信用生命保険で消えるので、生活費中心にしたい」といった形で、目的を具体化します。
生命保険料控除も確認しておきましょう。2012年以後の新契約では、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の各枠で、所得税の控除上限は原則4万円です。(No.1140 生命保険料控除) また、令和7年度税制改正資料では、2026年分に限り、23歳未満の扶養親族がいる場合は一般生命保険料控除の所得税上限を6万円とする時限措置が示されています。該当する家庭は、年末調整前に勤務先の案内や控除証明書を確認しましょう。(令和7(2025)年度税制改正について)
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保険は万一のエアバッグです。毎月の減収そのものには、支出の整理と資産形成の設計を合わせて考えることが欠かせません。

モデルケースで見る必要保障額の考え方

たとえば、55歳男性、配偶者53歳、子ども独立済み、住宅ローンは団信付きという家庭を考えます。役職定年前の可処分所得から、60歳以降に月18万円のギャップが10年続くと見込む場合、単純計算では18万円×12か月×10年で2,160万円の不足です。
ただし、この全額を保険で用意するとは限りません。死亡時には遺族年金、勤務先の弔慰金、退職金、預貯金、団信の有無を差し引きます。反対に、配偶者が働いていない、介護費の見込みがある、賃貸住まいで住居費が続く場合は、上乗せが必要になることもあります。
保険の見積もりを取る前に、給与明細、源泉徴収票、保険証券、住宅ローン返済予定表、ねんきん定期便を並べて、減収後の家計表を1枚作るのがおすすめです。手書きでも表計算ソフトでも構いません。「何歳から、毎月いくら足りないか」が見えれば、保険で備える部分と預貯金で持つ部分を切り分けやすくなります。

無料オンラインFP相談で確認したい持ち物

  • 1
    直近2年分の給与明細、賞与明細、源泉徴収票を用意し、額面と手取りの差を確認できるようにします。
  • 2
    勤務先の役職定年、再雇用、退職金に関する資料を準備し、何歳で何が変わるかを整理します。
  • 3
    加入中の保険証券や契約内容の画面を用意し、死亡保障、医療保障、就業不能保障の重複を確認します。
  • 4
    住宅ローン返済予定表と団信の内容を確認し、万一のときに残る支出を切り分けます。
  • 5
    NISA、iDeCo、預貯金、退職金見込み、ねんきん定期便をまとめ、60代前半の資金繰りを試算します。

在職老齢年金は65万円基準に変更済み

2026年4月から、働きながら老齢厚生年金を受け取る人の 在職老齢年金 の基準額は、月51万円から月65万円へ引き上げられています。日本年金機構は、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら、老齢厚生年金は全額支給されると説明しています。(在職老齢年金制度が改正されました)
たとえば、老齢厚生年金が月10万円、総報酬月額相当額が月46万円なら、合計56万円です。改正前の51万円基準では一部停止がありましたが、2026年度の65万円基準では全額支給の範囲に入ります。
ここで注意したいのは、判定に賞与も含まれることです。総報酬月額相当額は、毎月の賃金に加えて、直近1年間の標準賞与額を12で割った額も含めて考えます。「月給だけなら65万円以下」と思っていても、賞与が大きい人は合計額を確認しましょう。老齢基礎年金は、この在職老齢年金の調整対象ではありません。

iDeCoは70歳未満まで加入できる?

iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで広がると聞きました。今すぐ使えますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
2026年7月時点では、加入可能年齢の引き上げは2026年12月施行予定です。厚生労働省資料では、働き方にかかわらず70歳になるまでiDeCoに加入できる方向で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないことなどが要件とされています。会社に企業年金がない会社員の拠出限度額は、月2.3万円から月6.2万円へ引き上げられる予定です。

iDeCo改正は50代の老後資金づくりに追い風

2026年12月からは、iDeCoの加入可能年齢と拠出限度額の見直しが予定されています。厚生労働省の資料では、会社に企業年金がない会社員の拠出限度額は月6.2万円、企業年金がある会社員は企業年金等と合わせて月6.2万円、自営業者などは国民年金基金等と合わせて月7.5万円となる見込みです。(私的年金制度、iDeCoの改正のポイント)
同資料では、iDeCo加入者数は2024年度末に363万人を超え、直近では2026年1月末に387万人とされています。50代にとっては、積立できる期間を延ばせる可能性が出る一方、iDeCoは原則として途中引き出しができません。役職定年で手取りが減る家庭では、老後資金として固定するお金と、60代前半に使えるお金を分けて考える必要があります。
また、企業型DCに加入している人は、2026年4月からマッチング拠出に関する制限が見直されています。勤務先の制度によっては、iDeCoだけでなく企業型DC側で積み増す選択肢もあります。拠出額を増やす前に、まずは「生活防衛資金が6か月〜1年分あるか」「60歳前後に住宅ローンや教育費の山が残らないか」を確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
年金やNISAの制度は変わりますが、最後に判断を左右するのは、あなたの家計で毎月いくら足りるかです。

新NISAは増やす場所、生活費の置き場とは分ける

NISAの利用は拡大が続いています。日本証券業協会が金融庁調査をもとに公表した2026年2月の速報版では、2025年12月末時点のNISA口座数は約2,826万口座、2025年1〜12月の買付額は約18.8兆円、制度開始からの累計買付額は約71.4兆円にのぼります。(NISA口座の開設・利用状況(2025年12月末時点)【速報版】)
2026年7月3日には、金融庁も令和7年12月末時点のNISA利用状況調査を公表しています。(NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)の公表について) 口座数や買付額を見ると、NISAは資産形成の主要な選択肢になりつつありますが、役職定年前後の家庭では、生活費の一時置き場にしないことが大切です。
目安として、3年以内に使う予定のお金は預貯金中心、5年以上使わないお金はNISAで分散投資、さらに老後資金として固定できるお金はiDeCoというように、使う時期で置き場所を分けましょう。株式や投資信託は値下がりする年もあります。60歳直前に取り崩すお金までNISAに寄せすぎると、相場が悪い時期に売らざるを得なくなるかもしれません。

標準報酬月額と70歳まで働く前提も確認を

高収入の会社員は、厚生年金保険料にも注意が必要です。厚生年金の標準報酬月額の上限は、現在の65万円から、2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へ段階的に引き上げられる予定です。厚生労働省は、月75万円以上の賃金がある人の場合、本人負担分の保険料が月9,100円上昇し、その状態が10年続くと年金額が月約5,100円増えるという試算を示しています。(厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて)
月65万円を超える報酬がある人は、将来の年金額が増えやすくなる一方、現役時代の手取りは減る可能性があります。役職定年前の数年間は、給与が高い時期と保険料負担が上がる時期が重なることもあるため、必ず手取りベースで試算しましょう。
また、厚生労働省の令和7年「高年齢者雇用状況等報告」では、65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%です。(令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します) 働き続ける選択肢は広がっていますが、70歳まで希望どおり働けるとは限りません。賃金、勤務時間、役割、健康面を早めに会社とすり合わせることが現実的です。
役職定年対策は、保険だけ、投資だけ、節約だけでは不十分です。まず現在の手取り、60歳以降の見込み給与、公的年金、退職金、住宅ローン、保険料を1枚の表にまとめます。次に、死亡、病気、長期就業不能、長生きの4つのリスクに分けて、保険で備える部分と預貯金・投資で備える部分を決めます。最後に、3か月ごとに家計を見直し、想定より減収が大きければ支出、保障、積立額を調整しましょう。
ほけんのAIでは、チャットで家計や保険の悩みを整理し、その内容をもとに有資格FPへオンライン相談できます。相談は無料、全国対応で、LINEから日時を選べます。家計簿や保険証券がなくても始められますが、写真で送れる資料があると、より具体的に整理しやすくなります。しつこい勧誘が不安な場合は、LINEで「イエローカード」と伝える仕組みも用意されています。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    役職定年では60歳前後に年収が平均28%下がる傾向があり、55歳前後から準備が必要です。
  • 2
    2026年4月から在職老齢年金の基準額は月65万円となり、働き方と年金の試算が変わっています。
  • 3
    保険は死亡や就業不能の備え、NISAは中長期資産、iDeCoは老後資金として役割を分けることが大切です。
  • 4
    iDeCoは2026年12月に加入可能年齢と拠出限度額の拡大が予定され、50代の選択肢が広がります。
  • 5
    無料オンラインFP相談では、給与、年金、保険、住宅ローン、NISAをまとめて家計表に落とし込めます。

ぜひ無料オンライン相談を

役職定年前後の手取り減は、給与制度、社会保険、年金、保険、資産運用が同時に動くため、自分だけで正確に整理するのは大変です。無料オンラインFP相談なら、自宅から給与明細や保険証券を見ながら、必要保障額やNISA・iDeCoの配分を中立的に比較できます。時間や場所の制約が少なく、相談は無料です。まずはLINEで日程を選び、わが家の数字を一緒に棚卸ししてみましょう。

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