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【2026年6月更新】収入保障保険の落とし穴|共働き30代の見直し基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年6月20日
  • 在職老齢年金65万円基準の反映
  • 高額療養費2026年8月見直しの補足
  • 遺族厚生年金改正対象者の明確化
【2026年6月更新】収入保障保険の落とし穴|共働き30代の見直し基準
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はじめに:共働き30代は「足りない」と「払いすぎ」が同時に起きやすい

共働き世帯にとって 収入保障保険 は、万一のときに毎月の生活費を補う実用的な死亡保障です。まとまった保険金を一度に受け取る定期保険と違い、月10万円、月15万円のように年金形式で受け取れるため、家計の不足額に合わせやすいのが特徴です。
一方で、共働き30代は団信、勤務先の死亡退職金・弔慰金、遺族年金、配偶者の収入、児童手当、NISAなど、使える備えが複数あります。ここを整理しないまま加入すると、保障が重なって保険料を払いすぎる一方で、大学進学期や住宅ローン終盤に保障が足りないということも起こります。
生命保険文化センターの2025年度調査では、死亡保険金の必要額は平均1,569万円、加入金額は887万円でした。平均だけで判断するのは危険ですが、「必要額と加入額に差が出やすい」ことは押さえておきたい事実です。(生活保障に関する調査)

まず確認したい3つの落とし穴

  • 1
    住宅ローンの団信や勤務先の保障を見ずに、同じ死亡保障を重ねていることがあります。
  • 2
    満了年齢を何となく65歳や70歳に決めると、教育費やローン返済の時期とずれることがあります。
  • 3
    最低支払保証を付けないと、保険期間の終盤で亡くなった場合に受取期間が短くなることがあります。
  • 4
    遺族年金や児童手当を低く見積もりすぎると、必要以上に保険料が重くなることがあります。
  • 5
    NISAやiDeCoと役割を分けないと、保険で貯蓄まで背負いすぎる設計になりがちです。

2026年6月時点で押さえる制度変更

2026年6月時点で特に確認したいのは、年金と医療費の制度変更です。まず、在職老齢年金は2026年4月から、賃金と老齢厚生年金の合計で年金が減額される基準額が月65万円に引き上げられました。65歳以降も働く予定がある家庭では、70歳満了まで伸ばす必要があるかを、手取り収入と年金見込みで再確認しやすくなっています。(在職老齢年金制度が改正されました)
遺族厚生年金は、2028年4月施行予定の見直しが重要です。子のいない60歳未満の配偶者について、男女差を縮小し、原則5年の有期給付を軸にする方向です。ただし、すでに受給している人、60歳以降に受給権が発生する人、2028年度に40歳以上になる女性、18歳年度末までの子がいる間の給付などは影響の受け方が異なります。(遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方)
医療費では、高額療養費制度の見直しが2026年8月診療分から予定されています。月額負担上限額の見直しに加え、8月から翌年7月までを単位とする年間上限が新設される見込みです。医療保険や就業不能保障を考えるときは、民間保険だけでなく公的制度の自己負担上限も合わせて見ることが大切です。(高額療養費制度を利用される皆さまへ)

満了は65歳と70歳、どちらが現実的?

夫35歳、妻33歳、子ども2人です。収入保障保険の満了を65歳と70歳で迷っています。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
まずは65歳満了を基準に考えるのが現実的です。教育費が重い期間だけ定期保険を重ねると、70歳まで大きな保障を持つより保険料を抑えやすくなります。ただし、配偶者がかなり若い、ローン完済が70歳以降、65歳以降もフルタイムで働く前提がある場合は、70歳満了も比較しましょう。

不足額は「毎月の差額」から計算する

保険金額は、何となく月10万円、月15万円と決めるより、家計の不足額から逆算するほうが納得しやすくなります。計算の基本は、 差額×期間×12カ月 です。
たとえば、手取り生活費が月35万円、配偶者収入が月15万円、遺族年金が月10万円、児童手当が月2万円と見込めるなら、不足は月8万円です。子どもの高校卒業まで12年必要なら、8万円×12年×12カ月で約1,152万円が目安になります。
この不足を、収入保障保険で月8万円にするのか、月10万円にして一部を予備費にするのか、あるいは教育費の山だけ別の定期保険で補うのかを決めます。大事なのは、先に保険商品を見るのではなく、家計の穴を数字で見ることです。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保障額で迷ったら、最初に見るべきなのはパンフレットではなく、毎月いくら足りなくなるかという家計の差額です。

65歳満了+ラダー設計が合いやすい家庭

65歳満了は、共働きで双方に収入があり、住宅ローンに団信が付いていて、勤務先の死亡退職金や弔慰金もある家庭に合いやすい設計です。子どもが小さい時期から大学卒業までを一律に厚くするのではなく、必要な時期だけ保障を上乗せします。
この上乗せを、ここではラダー設計と呼びます。たとえば、収入保障保険を65歳まで月10万円で持ち、長子の大学卒業見込みまで10年間だけ定期保険500万円を追加する、といった考え方です。教育費のピークに合わせて階段状に保障を重ねるため、長期間ずっと大きな保障を持つより無駄を抑えやすくなります。

70歳満了を検討したい家庭

70歳満了は、誰にでも必要な選択ではありません。検討したいのは、夫婦の年齢差が大きい、配偶者の収入が不安定、住宅ローンの完済年齢が70歳以降、65歳以降も生活費の不足が続く見込みがある家庭です。
2026年4月から在職老齢年金の基準額が月65万円へ引き上げられたことで、65歳以降も働く人の年金減額リスクは以前より緩和されるケースがあります。ただし、老齢基礎年金は調整対象外である一方、老齢厚生年金は賃金との合計で調整されます。将来の働き方が未定なら、70歳満了に固定する前に、65歳満了とラダー設計の保険料差を必ず比較しましょう。

最低支払保証と税金で確認すること

  • 1
    未就学児や小学生がいる家庭は、保険期間の終盤でも一定期間受け取れる5年保証を検討すると安心感が増します。
  • 2
    中高生や大学生中心の家庭は、2年保証にして保険料を抑え、教育費の山を定期保険で補う方法もあります。
  • 3
    子どもがいない共働き世帯は、最低支払保証を短めにし、生活防衛資金やNISAの流動資産で補う選択肢があります。
  • 4
    死亡保険金を一括で受け取る場合、契約者と被保険者が同じなら相続税の対象となり、相続人には500万円×法定相続人の非課税枠があります。(相続税の課税対象になる死亡保険金)
  • 5
    年金形式で受け取る場合は、年金受給権に相続税などがかかり、毎年の年金は非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。(死亡保険金を受け取ったとき)

年金受取の課税は「二重課税ではないか」も気になるところ

収入保障保険は年金形式で受け取ることが多いため、税金の見方も少し複雑です。契約者、被保険者、受取人の関係によって、相続税、所得税、贈与税のどれが関係するかが変わります。
契約者と被保険者が同じで、配偶者が年金形式で受け取るケースでは、年金を受け取る権利に相続税がかかります。その後、毎年受け取る年金については、すべてに所得税がかかるわけではなく、非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。具体的な計算は契約内容で変わるため、加入時だけでなく受取時にも確認が必要です。(相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係)

最低支払保証は2年と5年、どう選ぶ?

子どもが5歳と1歳です。最低支払保証は2年と5年のどちらがよいでしょうか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
固定費が重く、教育費もこれから増える時期なので、まずは5年保証を候補にしましょう。保険期間の終盤で万一があっても、一定期間の受取を確保しやすくなります。子どもが中高生になったら、2年保証や定期保険の上乗せに見直す余地があります。

児童手当とNISAは「教育費の入口」として使いやすい

保険は万一の生活費を守るもの、NISAや預貯金は将来使う教育費を育てるものです。役割を分けると、収入保障保険を必要以上に厚くしなくて済みます。
児童手当は、0歳から高校生年代まで支給され、3歳未満は月15,000円、3歳以上高校生年代までは月10,000円、第3子以降は月30,000円です。支給は2月、4月、6月、8月、10月、12月の偶数月に2カ月分ずつ行われます。(児童手当制度のご案内)
実践しやすいのは、児童手当の受取口座を教育費専用にし、使う時期が10年以上先の分だけ新NISAのつみたて投資枠へ回す方法です。ただし、大学入学金など5年以内に使う可能性が高いお金は、値動きのある投資ではなく預貯金で確保するほうが安心です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保険で守るお金と、投資で育てるお金を分けるだけで、家計の見通しはかなり整理しやすくなります。

7日でできる見直しの段取り

見直しは、いきなり商品比較から始めないほうがうまくいきます。まずは、いま家族が持っている保障と公的制度を並べ、足りないところだけを収入保障保険で埋める流れにしましょう。
1日目は、収入保障保険、定期保険、医療保険、団信、勤務先の福利厚生を棚卸しします。2〜3日目は、生活費、住宅ローン、教育費、配偶者の収入見込みを入れて、不足額を計算します。4日目は65歳満了を基準に、70歳満了や定期保険の上乗せが必要かを比較します。5日目は最低支払保証と税金、6日目は児童手当やNISAの積立、7日目は保険料と受取手続きまで確認すると、家計全体のズレが見えやすくなります。

最後に確認したいチェックポイント

収入保障保険の見直しでは、保障額の大きさだけでなく、いつまで、どの形で、誰が受け取るかまで確認する必要があります。特に共働き30代は、夫婦それぞれの収入、ローン、子どもの進学、親の介護、65歳以降の働き方が絡むため、ひとつの平均値では決められません。
不足額を毎月の差額で計算できているか、団信や会社制度と重複していないか、65歳満了を基準に教育費の山だけ補えているか、最低支払保証と税金を理解しているか、2026年以降の年金・医療制度の変更を反映しているか。この5つを確認できれば、保険料を抑えながら必要な安心を残しやすくなります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    収入保障保険は、毎月の不足額を「差額×期間×12カ月」で計算してから決めることが大切です。
  • 2
    2026年4月から在職老齢年金の基準額は月65万円となり、65歳以降の働き方も満了年齢の判断材料になります。
  • 3
    2028年予定の遺族厚生年金見直しは、子の有無や年齢で影響が変わるため、家庭ごとに確認が必要です。
  • 4
    最低支払保証は子どもの年齢と固定費で2年・5年を選び、年金受取の税金も契約形態ごとに確認しましょう。
  • 5
    保険は生活費を守る役割、児童手当やNISAは教育費を準備する役割として分けると家計が整理しやすくなります。

ぜひ無料オンライン相談を

収入保障保険は、団信、勤務先制度、遺族年金、教育費、NISAまで並べて初めて過不足が見えます。ほけんのAIの無料オンラインFP相談なら、自宅からLINE通話やZoomで相談でき、保険証券や家計の状況をもとに中立的に比較できます。忙しい共働き世帯でも、必要な保障と削れる保険料を一緒に整理しやすいので、まずは気軽に家計の棚卸しから始めてみてください。

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