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【2026年6月更新】160万円の壁|扶養と住民税と社保の早見表

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年6月4日
  • 2026年5月公表の年金機構手続き情報の反映
  • 特定親族特別控除と住民税110万円目安の補強
  • 複数勤務と労働条件通知書の確認ポイント追加
【2026年6月更新】160万円の壁|扶養と住民税と社保の早見表
160万円の壁
年収の壁
住民税110万円
配偶者控除
130万円の壁
106万円の壁
特定親族特別控除

はじめに:2026年6月時点で何が変わったのか

2026年6月時点で、 160万円の壁 は「所得税がかかり始める目安」として実務に入りつつあります。2025年分以後の所得税では、基礎控除と給与所得控除が見直され、給与収入のみなら年収160万円までは所得税がかからないケースが多くなりました。
一方で、住民税は2026年度から反映、健康保険の被扶養者認定は2026年4月以降の認定分から労働契約ベースの確認へ移っています。つまり、同じ「年収の壁」でも、税金・住民税・社会保険で見ている時期と書類が違います。この記事では、読者が迷いやすい年収ラインを横並びにし、働き方を決める前に確認したいポイントを整理します。

2026年版:家計インパクトが大きい年収ライン

  • 1
    106万円前後は短時間労働者の社会保険加入で意識されてきた目安ですが、賃金要件は今後撤廃される予定です。
  • 2
    110万円は給与収入のみの場合に住民税が非課税となる代表的な目安で、自治体の基準確認が必要です。
  • 3
    123万円は給与収入のみの配偶者について、配偶者控除を受けられる上限の目安です。
  • 4
    130万円は健康保険の被扶養者認定で使われる基本ラインで、2026年4月以降は労働契約の内容が重要です。
  • 5
    150万円は19歳以上23歳未満の子などで、特定親族特別控除や被扶養者認定の例外基準に関わる重要ラインです。
  • 6
    160万円は所得税非課税の新しい目安で、配偶者特別控除は201.6万円未満まで段階的に続きます。

160万円の壁は「給与所得控除」と「基礎控除」で決まる

所得税の160万円ラインは、給与収入から差し引く給与所得控除と、誰でも一定条件で使える 基礎控除 の組み合わせで考えます。国税庁の特設ページでは、合計所得金額132万円以下の基礎控除が95万円、給与所得控除の最低保障額が65万円へ引き上げられたことが示されています。給与収入160万円なら、給与所得はおおむね95万円となり、基礎控除95万円で課税所得が0円になるイメージです。
詳しい改正内容は、国税庁の(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について)で確認できます。なお、132万円超から655万円以下の基礎控除には2027年分以後の注記がありますが、合計所得132万円以下の95万円の行とは扱いが異なります。「2027年から全員が58万円に戻る」と単純化しないよう注意しましょう。

160万円を少し超えると手取りは逆に減りますか?

年収160万円を少し超えると、働いた分より税金が増えて損になるのでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
所得税だけを見ると、160万円を少し超えた分に対して税金がかかるため、急に大きく損をするわけではありません。たとえば年収165万円前後なら、課税所得は数万円規模にとどまり、所得税も数千円程度のイメージです。ただし、同時に社会保険へ加入したり、配偶者特別控除が段階的に減ったりすると、短期の手取りは下がることがあります。判断は所得税だけでなく、住民税と社会保険料も一緒に見るのが安全です。

住民税は2026年度から反映される

所得税と違い、 住民税 は前年の所得をもとに翌年度に課税されます。2025年中の収入に対する住民税は、2026年度の住民税に反映されます。
自治体によって案内の表現は異なりますが、給与収入のみの場合、年収110万円以下なら個人住民税が非課税となる目安が示されています。たとえば福岡市は、2026年5月28日更新の(令和8年度個人市県民税の税制改正)で、給与収入110万円以下なら非課税、110万円超123万円以下は所得税は非課税でも個人市県民税は課税される整理を掲載しています。
住民税には均等割・所得割、自治体ごとの非課税基準があるため、最終判断はお住まいの市区町村ページで確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
大切なのは、今年の手取りだけでなく、来年の住民税と将来の年金まで含めて比べることです。

配偶者控除と配偶者特別控除は「123万円」と「160万円」を確認

配偶者控除は、給与収入のみの配偶者なら年収123万円以下が目安です。123万円を超えると配偶者特別控除へ移り、年収160万円以下までは満額の38万円、160万円超から段階的に減り、201.6万円以上で対象外となる整理です。
ただし、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除も配偶者特別控除も使えません。年末調整や確定申告では、配偶者の給与収入だけでなく、本人側の所得要件も確認してください。

手取りダウンを防ぐアクションプラン

  • 1
    毎月の給与見込みを更新し、110万円・123万円・130万円・160万円のどこに近いかを見える化しましょう。
  • 2
    労働条件通知書や雇用契約書を保管し、時給・所定労働時間・手当・賞与の記載を確認しましょう。
  • 3
    住民税は翌年度課税のため、今年の手取りだけでなく来年6月以降の負担も見込んでおきましょう。
  • 4
    社会保険に入る可能性がある場合は、保険料負担だけでなく厚生年金や傷病手当金のメリットも比較しましょう。
  • 5
    ダブルワークや副収入がある人は、勤務先ごとの契約内容と収入の種類を年初から整理しておきましょう。

106万円の壁は「週20時間」がより重要になる

短時間労働者の社会保険加入では、これまで月額8.8万円以上、いわゆる106万円の壁が意識されてきました。厚生労働省の(社会保険の加入対象の拡大について)では、短時間労働者の賃金要件を法律の公布から3年以内に撤廃し、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断すると説明されています。
企業規模要件も10年かけて縮小・撤廃される予定です。今後は年収だけでなく、雇用契約上の週所定労働時間が20時間以上かどうかが、より重要な判断軸になります。なお、一時的な残業で週20時間以上になっても直ちに加入とは限りませんが、週20時間以上の状態が2か月を超えて続く場合は加入対象となることがあります。

ダブルワークやシフト制はどう見られますか?

パートを2つ掛け持ちしています。月によって収入が変わる場合、扶養はどう判定されますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
2026年4月以降の健康保険の被扶養者認定では、複数勤務なら各勤務先の労働条件通知書などを提出し、それぞれの年間収入見込みを合算します。ただし、シフト制で労働時間が不明確、契約期間が1年未満、手当の金額が不明確といった場合は、労働契約ベースで判定できず、従来どおり給与明細や課税証明書などで確認されます。

130万円の壁は2026年4月から労働契約ベースへ

健康保険の 130万円の壁 は、2026年4月1日以降の認定分から扱いが大きく変わりました。厚生労働省のQ&Aでは、労働条件通知書などに書かれた時給・労働時間・日数から見込まれる年間収入が130万円未満であり、給与収入のみである場合、臨時収入は原則として年間収入の見込みに含めないと整理されています。
日本年金機構も2026年5月1日に(労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて)を公表し、必要書類として、労働契約内容がわかる書類と「給与収入のみである」旨の申立てを挙げています。被扶養者になる人が同一世帯なら、原則として被保険者の年間収入の2分の1未満であることも確認されます。
60歳以上や一定の障害者は180万円未満、被保険者の配偶者を除く19歳以上23歳未満は150万円未満という例外基準もあります。残業代が一時的に増えたから即アウト、とは限りませんが、契約内容を実態より不当に低く書くような扱いは認定取り消しにつながる可能性があります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
扶養の判断で迷ったら、まず労働条件通知書、給与明細、住民税の通知を同じ場所にまとめておきましょう。

19歳から23歳の子がいる家庭は特定親族特別控除も確認

2025年分以後の所得税では、19歳以上23歳未満の親族を対象に 特定親族特別控除 が創設されました。大学生などがアルバイトを増やす家庭では、親の税負担に関わるため見落としやすいポイントです。
給与収入のみの場合、年収123万円を超えても、一定範囲なら親が控除を受けられる可能性があります。たとえば福岡市の整理では、19歳以上23歳未満の子の給与収入が123万円超150万円以下なら、住民税45万円、所得税63万円の控除が示されています。150万円を超えると控除額は段階的に減ります。子どものアルバイト収入が増える家庭は、本人の住民税・勤労学生控除・親の控除をセットで確認しましょう。

子育て世帯は児童手当の拡充も一緒に見る

子育て世帯は、働き方の調整を考えるときに児童手当も忘れずに確認したいところです。2024年10月分から児童手当は所得制限が撤廃され、対象が高校生年代まで広がり、第3子以降は月3万円となりました。支給は偶数月に2か月分ずつ行われます。
高校生年代の子だけを養育している世帯など、新たに申請が必要なケースもあります。制度の概要はこども家庭庁の(もっと子育て応援!児童手当)で確認できます。就業調整を考えるときは、配偶者控除、住民税、社会保険料、児童手当を別々に見るのではなく、世帯全体の年間収支で見ましょう。

保険と年金まで含めて同じ条件で比較する

「扶養内に収めるべきか、社会保険に入って働くべきか」は、単年の手取りだけでは決めきれません。社会保険に入ると毎月の保険料は増えますが、厚生年金が上乗せされ、病気やけが、出産で仕事を休むときの給付も広がります。
家計への影響を見るなら、年収120万円、150万円、170万円など複数パターンで、所得税、住民税、社会保険料、配偶者控除、児童手当、将来の年金見込みを同じ前提で比べるのがおすすめです。あわせて、医療保険や死亡保障の必要額も変わる場合があります。収入が増えるほど、家計の守り方と資産形成のバランスも見直しやすくなります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    160万円の壁は、2025年分以後の所得税で給与収入のみなら非課税となる目安です。
  • 2
    住民税は2026年度から反映され、給与収入110万円以下が非課税の代表的な目安です。
  • 3
    130万円の壁は2026年4月以降、労働条件通知書などの契約内容を使った判定が重要です。
  • 4
    106万円の壁は賃金要件撤廃が予定され、今後は週20時間以上かどうかの確認がより大切です。
  • 5
    迷ったら税金、社会保険、児童手当、将来年金を同じ条件で横並びにして判断しましょう。

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