【2025年8月更新】160万円の壁の最新対応|手取り維持の判断基準と実践例
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
この記事の最新の更新
最終改良: 2025年8月22日
- 最新の税制・家計統計への一次情報リンク追加
- 社会保険適用拡大の段階的撤廃スケジュール反映
- 生命保険表示ガイドラインに沿う表現と注意喚起追加

160万円の壁
配偶者控除
社会保険
住民税非課税
児童手当
住宅ローン控除
オンラインFP相談
目次
160万円の壁が登場。働き方と家計の再設計が急務
2025年の税制見直しで、いわゆる 160万円の壁 が意識されるようになりました。給与収入160万円までは、給与所得控除65万円と基礎控除95万円で課税所得がゼロとなるケースが多く、手取りを守りやすい一方、住民税や社会保険の扱いは別判定です。壁を“越える・抑える”の最適点は世帯条件で変わるため、最新ルールに沿った年収シミュレーションと固定費の見直しを同時に行うことが肝心です。制度変更の骨子は国税庁の案内がわかりやすいです((令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について))。
まず押さえる“主要ライン”と判断の勘どころ
- 1年収106万円相当は厚生年金・健康保険の加入判定に使われる目安ですが、今後は賃金要件の撤廃が予定されており段階的にルールが簡素化されます(詳細は後述)。
- 2年収110万円は住民税の非課税ラインの代表的な目安で、最新の自治体例では引き上げ後の基準が公表されています(例:(令和8年度以降適用される市民税・県民税の主な税制改正))。
- 3年収123万円は配偶者控除の満額に対応する給与収入の目安で、世帯主の所得制限にも留意が必要です。
- 4年収130万円は勤務先や加入先により扶養判定が分かれるため、就業先の条件と健康保険組合の基準を必ず確認します。
- 5年収150万円は配偶者特別控除の圧縮が始まる起点で、所得の上がり方に応じて控除額が変化します。
- 6年収160万円は所得税が発生し始める新基準で、住民税・社会保険・各種手当と併せた総合判断が必要です。
数字の仕組み:160万円=65万円+95万円
壁の根拠はシンプルです。給与収入から控除される 給与所得控除 は最低65万円、基礎控除は合計所得金額132万円以下で95万円です。したがって年収160万円では「160万円-65万円-95万円=0円」となり、所得税がかかりません。控除の段階的な取り扱いは国税庁の特設ページに明記されています((令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について))。なお、132万円超の所得帯では加算分が縮小され、令和9年分以後に基本額(58万円)のみとなる帯もあるため、該当帯の方は留意してください。
社会保険の適用拡大は“進行中”。106万円の意味合いが変わる
短時間労働者の適用要件は、賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階的撤廃でシンプルになります。厚労省の審議会資料では、賃金要件は公布から3年以内に撤廃、企業規模要件は2027年10月以降、20人超→10人超→10人以下→全面適用へと段階的に縮小・撤廃される見通しです((被用者保険の適用拡大について))。就業調整の損得勘定は変わりうるため、最新の勤務先条件とスケジュールで試算し直すことをおすすめします。
160万円を少し超えたら、すぐ“損”ですか?
週25時間×時給1,400円で年収165万円になりそうです。扶養から外れて損になりますか?

損得は一概に言えません。 社会保険 は加入先の条件(所定労働時間や企業規模等)で判定され、加入になれば将来年金が増えるメリットもあります。加入する場合は賞与やシフト調整を含め、年収200万円超まで含めた2〜3パターンを比較し、手取りと将来年金のトータルで判断しましょう。適用拡大の段階も踏まえ、いつから加入対象になるかも要チェックです。
“働き控え”は得か?家計調査2024の事実と試算の考え方
総務省の家計調査によれば、二人以上・勤労者世帯の可処分所得は月522,569円、消費支出は月325,137円でした((家計調査報告 2024年平均結果の概要))。配偶者のパート収入を150万円→180〜200万円へ増やす際、増える税・社会保険料と、児童手当の拡充(高校生年代まで、第3子以降3万円/月)などの増収・減負担を合わせて評価する必要があります((児童手当制度のご案内))。実務上は“180〜200万円帯”で手取りがプラスに転じる例が多いですが、扶養条件や自治体の住民税非課税基準、保育料などで差が出るため、世帯別シミュレーションが欠かせません。

ラインを知れば、働き方と家計設計の自由度はぐっと高まります。数字で確認すれば不安は作戦に変わります。
年収だけで判断しないための確認ポイント
社会保険の加入や手取りは、年収以外の条件で大きく変わります。就業前の段取りとして、勤務先の常時従業員数と週所定労働時間、健康保険組合の扶養条件、企業年金や賞与の有無を確認しましょう。併せて、住民税非課税ラインの最新基準(例:給与収入110万円)も自治体サイトで事前確認を。代表例は名古屋市の案内が参考になります((令和8年度以降適用される市民税・県民税の主な税制改正))。
家計負担を抑えた“必要最低限の保障”を作る手順
- 1死亡保障は就労年数・住宅ローン・子の年齢から必要額を逆算し、定期保険などシンプルな保障で土台を作ります。
- 2収入減リスクには就労不能期間の生活費を目安に収入保障型などを検討し、給付条件(支払事由)を必ず確認します。
- 3医療は高額療養費制度や勤務先の付加給付を確認し、自己負担の上限を把握した上で過不足のない範囲に絞ります。
- 4健康増進連動型などは割引や還付の条件・適用範囲が商品で異なるため、仕組みとリスクを理解してから選びます。
- 5保険料は年齢・性別・保険期間・払込期間・払込方法・保障内容・保険金額で大きく変わります。見積もりの前提条件を必ず明示し、加入・支払いには所定の制限がある点にも留意してください。
生命保険料控除で“壁”をやわらげる
年間の一般生命保険料は、原則として所得税4万円・住民税2.8万円まで控除対象です。2026年分に限り、年齢23歳未満の扶養親族がいる世帯では新生命保険料の一般枠が一時的に6万円へ拡大されます(同年に旧契約と併用した場合の総枠は6万円)((令和7年度税制改正の大綱(1/9)))。控除の効果は各人の税率に左右されるため、証明書が届く11月頃にFPへアップロードして、最新の税率・住民税と合わせて再計算すると精度が上がります。
保育料や住宅ローン控除はどう変わる?
年収が160万円を超えると、保育料や住宅ローン控除に影響はありますか?

保育料は世帯合算の住民税所得割で決まるため、自治体の基準で確認が必要です。住宅ローン控除は2025年入居分まで、子育て世帯等の借入限度額上乗せが継続中です。控除率や上限は物件の省エネ性能等で異なるため、国交省のQ&Aを確認しつつ家計全体で試算しましょう((住宅ローン減税 Q&A(2025年4月更新)))。
ケーススタディ:150万円→200万円で何が変わる?
30歳・子ども2人(3歳・0歳)・住宅ローン残高3,000万円の世帯を想定。パート収入を200万円に増やすと、税・社会保険料は合計で年数十万円増える一方、児童手当の拡充や将来の年金増加(社保加入時)を加味すると、総合的にプラスとなる例が少なくありません。保険は定期型中心のミニマム設計に切り替え、通信・サブスクと合わせて固定費を年3〜6万円圧縮、新NISAに年12〜24万円を充てる、といった同時並行の見直しで“手取りの落ち込み期間”を短縮できます。数値は世帯条件とタイミングで変わるため、必ずご家庭の実データで試算してください。

税・社保・手当・保険・投資を同じ表で並べると、判断の根拠がクリアになります。迷ったら一度整理しましょう。
オンラインFP相談を活用して“わが家の最適解”を短時間で
相談準備は、源泉徴収票・就業条件がわかる書類・現在の保険証券・直近3カ月の家計簿の4点が基本です。LINEで写真を送るだけで初期整理が進むので、忙しい方でも進めやすいはずです。弊社の オンラインFP相談 は、AIによる事前整理と有資格FPの比較提示で、中立の視点から税・社保・保険・投資を一括でシミュレーションできます。しつこい勧誘を防ぐイエローカード制度も備えており、夜間も対応しています。児童手当や住民税非課税、住宅ローン控除などの最新制度は、出典リンクとともに当日共有します。
まとめ:重要ポイント
- 1給与収入160万円までは控除で課税所得がゼロになるケースが多く、年収以外の条件も含めた総合判断が重要です。
- 2社会保険の適用拡大が進行中で、賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階的撤廃により就業調整の損得が変わり得ます。
- 3住民税非課税や児童手当、住宅ローン控除の最新ルールを反映し、手当・控除も含めて家計を立体的に試算しましょう。
- 4保険は前提条件と制限を確認しつつミニマム設計で固定費を圧縮し、余力を新NISAなどの積立に回すと効果的です。
- 5迷ったらオンラインFP相談で世帯別の数値を“見える化”し、壁を越える/抑えるプランを比較して決めましょう。
ぜひ無料オンライン相談を
年収の壁は、税金・社会保険・手当・保険・住宅・投資が絡み合うため、単独の判断では最適解に届きにくいテーマです。オンライン相談なら、自宅からLINEで資料を送るだけで、AIの初期整理とFPの中立助言をセットで活用できます。無料で何度でも相談でき、商品は比較提示で押し売りなし。次の一歩として、就業条件や控除証明、家計簿を共有し、壁を“越える・抑える”両シナリオを同一条件で試算しましょう。
🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

関連記事一覧

【2025年9月更新】がん保険 診断給付金2回目|待機・条件早見表(個別相談可)
がん保険の診断給付金は2回目条件で可否が分かれます。待機1年/2年、入院要件の有無、上皮内の扱い、回数・金額の変化をタイプ別に整理し、実務の注意点と税の扱いを一次情報リンク付きで解説。

【2025年9月更新】生命保険金の受取手順|口座凍結と葬儀費用の備え|3ステップ
口座凍結でも慌てない3ステップ。契約照会制度の最新料改定、相続預貯金の仮払い150万円、法定相続情報番号、非課税枠と申告10か月を一次情報リンクで整理。葬儀費用の当座資金も確保。

【2025年9月更新】生命保険受取人は未成年可|手続き|管理|税の基準(個別相談可)
未成年を受取人に指定可能。親権者・未成年後見人の請求手順、口座の選び方、受取人固有財産と非課税枠、18歳基準の未成年者控除、年金形式の課税、保険信託や法定相続情報一覧図まで実務を最新リンクで解説。

【2025年9月更新】ワイド団信の判断基準|上乗せ相場|通過ライン|準備書類
ワイド団信の最新相場は上乗せ+0.3%が中心。通過ライン(高血圧・糖尿病・SAS・メンタルの目安)と準備書類、申込みの順番、フラット35や団信なし+生命保険の代替策、法的注意点まで一次情報リンク付きで実務解説。

【2025年9月更新】終身保険70代の加入判断|非課税枠と1.75%時代の基準
予定利率1.75%時代の70代の終身保険を実務で判断。相続の非課税枠、一時所得の計算、乗換え手順、契約者貸付や公的医療費の上限、クーリング・オフまで一次情報で総点検。

【2025年9月更新】医療保険の要否|付加給付縮小時代の判断チェック(個別相談可)
付加給付の縮小・廃止が広がる2025年。高額療養費の“上限”の正しい読み方と自費の実額、最小限の医療保険の組み方を一次情報リンク付きで整理。今日からの3手順も提示。