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【2026年8月更新】終身保険の保険料|60代が見る2.25%改定後3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年8月更新】終身保険の保険料|60代が見る2.25%改定後3基準
終身保険の保険料
予定利率2.25%
一時払終身保険
60代保険見直し
相続対策
NISAと保険
老後資金

2.25%改定で終身保険の保険料はどう変わるのか

2026年夏、60代の終身保険選びで注目されているのが、円建て 一時払終身保険 の予定利率引き上げです。住友生命は2026年6月25日、2026年7月1日契約分から一時払終身保険の予定利率を1.75%から2.25%へ引き上げると公表しました。公表資料では、2.25%は1998年7月以来28年ぶりの水準とされています。(一時払終身保険の保険料率の改定について)
同資料の契約例では、契約年齢60歳・保険金額1,000万円の場合、男性の一時払保険料は7,313,100円から6,631,900円へ、女性は6,816,200円から6,051,500円へ下がる例が示されています。かなり大きな差に見えますが、これは特定の商品・条件での例です。
ここで注意したいのは、終身保険の保険料がすべて一律に安くなるわけではないことです。今回話題になっている2.25%改定は、主に円建ての一時払終身保険が中心です。月払や年払の終身保険、外貨建て保険、変額保険とは仕組みもリスクも異なります。

この記事で整理する判断基準

  • 1
    予定利率2.25%が、実際の利回りや保険料とどう違うのかを確認します。
  • 2
    60代が一時払終身保険を検討するとき、生活資金を十分に残せるかを見ます。
  • 3
    死亡保障として本当に必要な金額か、葬儀費用や配偶者の生活費から考えます。
  • 4
    相続で使う場合は、死亡保険金の非課税枠と受取人設定を整理します。
  • 5
    NISAや預金、個人向け国債と比べて、終身保険に任せるお金の範囲を決めます。

予定利率2.25%は預金金利や運用利回りとは違う

予定利率とは、保険会社が将来の保険金支払いに備えて保険料を計算するときに使う前提の利率です。一般に予定利率が上がると、同じ死亡保険金額に対して必要な保険料は下がりやすくなります。
ただし、 予定利率2.25% は「契約者のお金が毎年2.25%で増える」という意味ではありません。保険料には死亡保障のコストや事業費なども含まれるため、解約返戻金の増え方や実質利回りは商品、年齢、性別、契約期間によって変わります。
特に60代では、加入後すぐに解約すると解約返戻金が一時払保険料を下回る可能性があります。見積書では「死亡保険金はいくらか」だけでなく、「1年後、5年後、10年後に解約したらいくら戻るか」まで確認しましょう。

2.25%ならすぐ入ったほうがいいですか?

予定利率が28年ぶりの水準なら、60代の親にも終身保険を勧めたほうがよいのでしょうか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
急いで決めるより、まずは使う予定のあるお金と、当面使わないお金を分けることが大切です。終身保険は保障と相続準備には向きますが、生活費や介護費まで入れてしまうと、解約時の元本割れが負担になることがあります。

基準1:一時払保険料を払っても生活資金が残るか

60代の終身保険で最初に見るべき基準は、保険料を払った後の手元資金です。一時払終身保険は、契約時にまとまった保険料を払い込みます。たとえば退職金や預貯金から数百万円を入れる場合、そのお金は預金ほど自由には使えません。
老後は医療費、介護費、住宅修繕費、子どもへの援助など、予定外の支出が起きやすい時期です。保険料が割安に見えても、 生活資金まで保険料に回さない ことが基本です。
目安としては、数年分の生活費、近い将来の住宅修繕費、医療・介護の予備費を預金など流動性の高い形で残したうえで、10年以内に使う可能性が低い資金だけを検討対象にするのが現実的です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
予定利率が上がったときほど、保険料の安さではなく、そのお金を何のために固定するのかを先に決めることが大切です。

基準2:死亡保障として必要な金額か

終身保険は、一生涯の死亡保障を持てる保険です。60代で加入する場合、子どもの教育費や住宅ローンへの備えというより、葬儀費用、配偶者の生活費、相続時の現金準備として使われることが多くなります。
ここで大切なのは、死亡保険金額を大きくしすぎないことです。すでに子どもが独立し、住宅ローンも完済しているなら、高額な死亡保障は不要なケースがあります。
一方で、配偶者の年金が少ない、相続財産が自宅や賃貸不動産に偏っている、葬儀費用を子どもに負担させたくないといった事情があるなら、終身保険が役立つ場面もあります。たとえば「葬儀・納骨・当面の手続き費用として300万〜500万円を現金で残したい」といった目的が明確なら、保険金額を決めやすくなります。

基準3:相続で使うなら受取人と非課税枠を確認する

終身保険を60代で検討する理由の一つが相続対策です。死亡保険金には、相続税の計算上、 500万円×法定相続人の数 まで非課税枠があります。たとえば法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人なら、非課税枠は1,500万円です。国税庁も、死亡保険金の受取人が相続人である場合にこの非課税限度額を使えると説明しています。(相続税の課税対象になる死亡保険金)
ただし、非課税枠を活用できるかは、契約者、被保険者、保険料負担者、受取人の関係で変わります。受取人を誰にするかによって、相続税、所得税、贈与税の扱いが変わることがあります。
特に、孫を受取人にする、相続人以外を受取人にする、再婚や養子縁組がある、相続放棄を検討している家族がいるといったケースでは、加入前に税務面の確認が欠かせません。保険は契約後に受取人変更ができる場合もありますが、家族関係が複雑なほど、最初の設計が重要になります。

60代が見積もりで確認したい項目

  • 1
    同じ保険金額で、改定前後の一時払保険料にどの程度差があるかを確認します。
  • 2
    契約から1年後、5年後、10年後の解約返戻金が保険料を下回るかを確認します。
  • 3
    死亡保険金受取人を誰にするかを、法定相続人の関係とあわせて整理します。
  • 4
    介護費や住み替え費用として使う可能性がある資金は、保険料に回さないようにします。
  • 5
    NISA、定期預金、個人向け国債などと役割を分けて比較します。

月払の終身保険と一時払終身保険は同じではない

「終身保険の保険料」と検索すると、月払タイプと一時払タイプが混在して表示されることがあります。しかし、60代では両者の使い方がかなり違います。
月払の終身保険は、毎月の保険料を長く払い続ける形です。60代から始めると払込期間が短くなりやすく、月々の負担が大きくなる傾向があります。保険料を払い続けられず途中で解約すると、想定より戻りが少ないこともあります。
一方、一時払終身保険はまとまった資金を一度に入れるため、月々の負担はありませんが、資金の自由度が下がります。今回の2.25%改定を検討するなら、まず自分が見ている商品が一時払なのか、平準払なのかを確認しましょう。

退職金の一部を入れるならいくらまでが安全ですか?

退職金のうち、どのくらいまでなら一時払終身保険に回してもよいのでしょうか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
一律の正解はありません。まず生活費、住宅修繕、医療・介護、旅行や趣味などの予定支出を差し引き、10年以内に使う可能性が低いお金だけを候補にしましょう。そのうえで相続の目的があるかを確認すると、過大加入を避けやすくなります。

NISAと比べると終身保険は“増やす”より“渡す”に強い

2024年から新しいNISAが始まり、60代でも資産運用を続ける人が増えています。金融庁は、2024年からのNISAについて、非課税保有期間が無期限、制度が恒久化、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能、年間投資枠は最大360万円、非課税保有限度額は最大1,800万円と説明しています。(NISAを知る)
NISAは運用益が非課税になる制度で、長期の資産形成や取り崩しに向いています。ただし、投資信託や株式には値動きがあり、必要な時期に元本割れしている可能性もあります。一方、終身保険は死亡保険金として家族に現金を渡す機能が中心です。
つまり、NISAと終身保険は競合というより役割が違います。使う可能性がある老後資金は預金や個人向け国債、長期で増やしたいお金はNISA、相続時に確実に渡したいお金は終身保険、というように分けると考えやすくなります。 NISAと終身保険の使い分け は、利回りだけでなく、使う時期と渡したい相手で決めるのが基本です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
60代の終身保険は、入るかどうかより先に、残すお金、使うお金、増やすお金を分けるところから始めると失敗しにくくなります。

外貨建て終身保険は2.25%改定とは別物として見る

金利上昇局面では、外貨建て終身保険の利率も魅力的に見えることがあります。ただし、外貨建ては為替の影響を受けます。円高になると、円換算の解約返戻金や死亡保険金が想定より少なくなる可能性があります。
今回話題の2.25%改定は、円建て一時払終身保険の予定利率引き上げが中心です。外貨建て保険を比較する場合は、予定利率だけでなく、為替手数料、解約控除、円換算時の受取額、家族が手続きしやすいかまで確認しましょう。
60代では、仕組みを家族が理解できるかも大切な判断材料です。本人は納得していても、受け取る家族が為替や手続きの意味を理解できなければ、相続時に困ることがあります。

買い時に見えても慎重にしたいケースと契約後の管理

予定利率の上昇で保険料が下がりやすくなったとしても、すべての60代に終身保険が必要とは限りません。十分な預貯金があり相続税の心配が少ない、子どもに渡す資金を急いで準備する必要がない、今後の介護費が読みにくいといった場合は、保険に固定しすぎないほうがよいこともあります。
また、既契約の終身保険を解約して新しい契約に乗り換える場合は慎重です。昔の契約には高い予定利率が適用されていることがあり、解約すると戻れません。新契約の保険料だけでなく、今の契約の予定利率、解約返戻金、死亡保険金、税金を比較して判断しましょう。
契約後の管理も大切です。保険証券の保管場所、保険会社名、担当窓口、受取人、指定代理請求人の有無は、家族に共有しておきましょう。生命保険協会の生命保険契約照会制度では、死亡時や認知判断能力が低下した場合に契約の有無を照会できますが、2026年8月8日時点ではWEB申請システム停止のお知らせがあり、書面申請は引き続き利用可能とされています。利用料は調査対象者1名につきWEB申請6,000円、書面申請7,000円です。(生命保険契約照会制度のご案内)
判断に迷う場合は、保険の見積もりだけを比べるのではなく、年金収入、生活費、医療・介護費、NISA残高、相続予定財産を一枚の表にしてみるのがおすすめです。終身保険は、家計全体の中で役割がはっきりしたときに検討しやすくなります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2026年夏の2.25%改定は、主に円建て一時払終身保険の予定利率引き上げとして注目されています。
  • 2
    予定利率2.25%は契約者の実質利回りそのものではなく、保険料計算の前提として理解する必要があります。
  • 3
    60代は、生活資金を残せるか、死亡保障が必要か、相続の受取人設計が適切かの3基準で判断します。
  • 4
    NISAや預金とは役割が異なるため、増やすお金、使うお金、家族に渡すお金を分けて考えることが大切です。
  • 5
    既契約の解約や乗り換えは、昔の予定利率や解約返戻金を確認してから慎重に判断しましょう。

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終身保険の保険料が下がりやすい局面でも、60代の家計では生活資金、相続、NISAとの配分を一緒に見る必要があります。ほけんのAIなら、まずLINEでAI相談から始められ、必要に応じて無料オンラインFP相談へ進めます。オンラインなので時間や場所を選びにくく、保険や資産形成を中立的な立場で比較しやすいのがメリットです。気になる方はLINE登録から、今の保険証券や退職金の使い道を気軽に棚卸ししてみてください。

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