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【2025年12月更新】遺族厚生年金 男性遺族5年有期の備え|継続給付と収入保障

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山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2025年12月更新】遺族厚生年金 男性遺族5年有期の備え|継続給付と収入保障
遺族厚生年金
男性遺族
5年有期
継続給付
収入保障保険
在職老齢年金
iDeCo 新NISA

まず押さえる全体像:何が変わり、誰に影響が出るか

2028年4月から、子のいない現役配偶者に支給される 遺族厚生年金 は男女共通で原則5年間の有期給付になります。従来は妻優位だった制度が見直され、 男性遺族(60歳未満・子なし)にも最長5年の給付権が新設されます。一方で、60歳以上で死別した配偶者、18歳年度末までの子を養育中の配偶者、そして2028年度に40歳以上の妻は影響を受けません。有期5年の間は「有期給付加算」により約1.3倍へ増額、5年後は所得等に応じた 継続給付 が用意されます。制度の骨子は厚生労働省の解説に詳しいです:(遺族厚生年金の見直しについて)。本記事では、新ルールで生じる“家計の谷”を見える化し、 収入保障保険 や資産形成で埋める実践策まで一気に整理します。

最初に確認したいチェックポイント

  • 1
    対象と例外の線引きを把握する(60歳以上の死別と子育て期間は無期限維持、既受給者も影響外)
  • 2
    5年間は有期給付加算で約1.3倍、終了後は所得基準付きの継続給付がある
  • 3
    収入要件(年収850万円未満)の撤廃や「死亡分割」など周辺改正も押さえる
  • 4
    不足額は“差額×期間”で試算し、谷の期間を保険と資産で埋める
  • 5
    請求の時効5年・再婚での失権など手続き上の注意点を把握する

有期給付加算:当初5年間は約1.3倍で手厚く

新ルールの5年間は、従来の遺族厚生年金に上乗せする「有期給付加算」が新設され、当初の年金額が概ね約1.3倍に増えます(加算の設計は被保険者の報酬比例部分に基づく)。死別直後の収入減を緩和する狙いで、詳細は公表資料に明記されています:(遺族厚生年金の見直しについて)。同時に、これまで生計維持の確認に使われた年収850万円の収入要件は撤廃され、所得にかかわらず請求できる方向になります。

継続給付:5年後も一定の所得までは延長支給

5年の有期が終わっても、障害状態(障害年金受給権相当)や就労収入が一定基準以下なら、最長65歳まで「継続給付」で延長可能です。単身の目安は、就労収入が月約10万円(年122万円)以下なら全額支給、収入が増えるほど段階的に年金額を調整し、概ね月20〜30万円を超えると停止域です。2025年度税制改正の反映で、地方税所得基準に基づく見込み132万円や、地方税法上の「寡婦」に該当する場合の約204万円目安にも触れられています。一次情報はこちら:(遺族厚生年金の見直しについて)

「5年で打ち切り」って本当ですか?

SNSで“5年で終わり”と聞きました。うちは子どもがいません。5年後はゼロになるんでしょうか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
一律に終わるわけではありません。5年間は増額(有期給付加算)で支給され、5年後は障害状態や所得が一定以下なら継続給付で延長できます。60歳以上で死別、子どもが18歳年度末までいるケース、2028年度に40歳以上の妻などは改正の影響外で無期限支給が維持されます。新旧の適用線引きをまず確認しましょう。

65歳以降の接続と在職老齢の基礎:働きながらの受給はどうなる?

遺族厚生年金そのものは在職老齢年金の対象ではありませんが、65歳以降は本人の老齢厚生年金の受給が始まり、就労収入との合算で在職老齢年金の仕組みがかかります。支給停止基準額は2026年4月から月62万円(2024年度価格)へ引上げ予定のため、働きながら老齢厚生年金を受け取る方の手取りは改善します。公式の時期と基準は厚労省の図解資料で確認できます:(年金制度改正の全体像)

不足額は“差額×期間”で最短試算:モデルの見方

家計の“谷”は、死別後に必要となる生活費水準から、公的給付(遺族厚生年金+有期加算/児童がいる間は遺族基礎年金+子の加算)と就労収入を差し引いた差額です。これを「有期5年+継続給付判定後の空白〜65歳」の各期間に分けて計算します。例えば共働き子なし世帯なら、当面5年は遺族厚生年金(有期加算込み)+本人給与で黒字維持を図り、5年経過時に継続給付の可否と金額を就労収入で判定。継続対象外で65歳までのブランクが出る場合は、その期間を“保険と資産”で埋める設計に切り替えます。金額の前提は「ねんきん定期便」「ねんきんネット」の老齢厚生年金見込み額(報酬比例部分)を使うと精度が上がります。なお、子がいる場合は遺族基礎年金+子の加算(2028年以降は1人あたり年額281,700円に引上げ予定)が効くため、子の年齢タイミングで谷の形が変わります。子の加算等の時期は図表が分かりやすいです:(年金制度改正の全体像)

収入保障保険の設計3基準(家計の谷を埋める)

  • 1
    金額:公的給付後の“足りない分”を毎月カバー(初期は低め、谷が深まる時期は厚めも可)
  • 2
    満了:65歳・完済・子の独立など“谷が消える時点”までを基本に設定
  • 3
    最低保証:早期の万一でも当面の固定費を賄える2年 or 5年の保証期間を選択

就業不能保険の役割:死亡以外の“収入断崖”に備える

遺族年金は死亡時の家計保障であり、病気・けがで長期就労不能になっても給付は出ません。大黒柱の長期休職は、子の学齢期や住宅ローン返済と重なりやすく、死亡時と同じくらい致命的な家計の谷を生みます。就業不能保険(所得補償型)で傷病手当金の欠ける期間や長期療養のケースをカバーし、死亡時の収入保障保険と役割分担させるのが現実解です。

新NISA・iDeCoの“攻守”設計:保険と並走で空白を小さく

5年の有期+継続給付判定後に生じる“収入の空白”は、保険だけでなく非課税の積立で小さくできます。短中期の取り崩しは新NISAの成長投資枠、長期の年金原資はiDeCoの税控除と受取設計を活用。なお、iDeCoは加入可能年齢の上限引上げが法律に盛り込まれており、政令で定める日から実施予定です(拠出上限6.2万円の拡充も予定)。制度のロードマップは図解資料が便利です:(年金制度改正の全体像)
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
“5年”は見直しの終着点ではなく、家計を立て直すための助走期間です。公的と私的の役割を正しく並べて、谷が深くなる前に手を打ちましょう。

請求・受取の実務:時効5年と再婚失権の注意

遺族年金は請求主義です。請求が遅れると、受給権が発生してから5年を過ぎた分は法律上の時効で受け取れません(老齢年金の案内ですが、時効の考え方が確認できます:(年金の請求手続きのご案内))。また、受給開始後に受給者が法律婚(事実婚含む)をした場合、遺族年金の受給権は失権します。中核的な仕組みは厚労省の制度解説に整理されています:(年金制度の仕組みと考え方_第13_遺族年金)。必要書類の準備、戸籍・口座、住民票・マイナンバーの扱いは、年金事務所・街角の年金相談センターで個別確認を。

ケーススタディ:男性遺族の5年→継続→老齢年金の接続

例)55歳・子なしで妻(会社員)が逝去。夫は会社員として継続就労。新ルールの下では、夫は直ちに遺族厚生年金(有期給付加算込み)を受給開始。その5年間は“給与+増額済み遺族年金”で生活を維持し、5年経過時(夫60歳)に継続給付の対象を就労収入で判定。十分な収入があれば継続給付は停止、足りなければ一部支給の余地があり、最長で65歳まで延長可能です。60歳以降は失業給付や雇用形態変更も選択肢に。65歳からは本人の老齢基礎・老齢厚生年金にバトンを渡し、働き続ける場合は在職老齢の62万円基準(2026年〜)が効いてきます。生前の婚姻期間の厚生年金記録を遺族側に分ける「死亡分割」が新設され、将来の本人老齢厚生年金が増える設計も加わります(制度の全体像と時期:(年金制度改正の全体像))。

個別にいくら備えればいい?

自分の家庭では、収入保障はいくら・何年にすべきか分かりません。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
“差額×期間”で棚卸しします。生活費の基準(固定費+変動費)から、公的給付(有期加算込み・子の加算)と就労収入を差し引き、5年後の継続給付判定後の空白〜65歳までを保険と積立で埋めます。年金見込み額や子の年齢、住宅ローンの残年数で数字は大きく変わるので、家計表と年金情報を前提に個別設計するのが近道です。

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