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【2026年5月更新】遺族年金の5年有期化|対象と不足額と事実婚確認

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年5月31日
  • 令和6年度統計に基づく受給月額の更新
  • 対象者と影響を受けない人の整理
  • 事実婚書類と控除特例の確認ポイント追加
【2026年5月更新】遺族年金の5年有期化|対象と不足額と事実婚確認
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2028年4月から何が変わるのか

2028年4月施行予定の 遺族厚生年金 の見直しは、子どものいない配偶者が60歳未満で死別した場合の給付を、男女差の少ない仕組みに改めるものです。大きな方向性は「生活再建の初期5年を手厚くし、5年後は収入や障害の状態を見て継続を判断する」ことです。
厚生労働省の説明では、有期期間中は有期給付加算により現在の遺族厚生年金額の約1.3倍となり、子のある世帯や既に受給している人などは原則として今回の見直しの影響を受けません。制度の全体像は、厚生労働省の(遺族厚生年金の見直しについて)で確認できます。
この記事では、対象になる人、5年後の継続給付、事実婚の証明、家計の不足額の考え方まで、読者が今日から確認できる順番で整理します。

改正ポイントの早見リスト

  • 1
    2028年4月以降、子どものいない60歳未満の配偶者は原則5年間の有期給付が軸になります。
  • 2
    有期期間中は有期給付加算が上乗せされ、現行の遺族厚生年金額の約1.3倍になる予定です。
  • 3
    5年後も障害年金の受給権がある人や収入が十分でない人は、継続給付の対象になります。
  • 4
    既に遺族厚生年金を受けている人、60歳以降に受給権が発生する人、2028年度に40歳以上になる女性は影響を受けません。
  • 5
    18歳年度末までの子を養育している間は現行制度と同じ扱いで、子の加算額は年約28万円へ引き上げられる予定です。

対象になる人とならない人を先に分ける

今回の見直しで不安が大きいのは、子どものいない30代から50代の夫婦です。ただし、施行直後から全員が一斉に変わるわけではありません。女性は段階的な見直しで、2028年度末時点で40歳未満の方から対象になります。厚生労働省は、新たに対象となる30代女性を年間約250人と推計しています。
一方、男性はこれまで55歳未満では原則として遺族厚生年金の対象外でしたが、見直し後は子どものいない60歳未満の男性も5年間の有期給付を受けられるようになります。対象者は年間約1万6千人とされています。
また、中高齢寡婦加算は2028年4月以降に新たに発生する分について25年かけて段階的に縮小される予定です。すでに加算を受けている妻は影響を受けないとされています。自分の世帯が「影響あり」なのか「現行どおり」なのかを、年齢、子の有無、受給権が発生する時期で確認することが第一歩です。

子なし夫婦は何から備えればいい?

子どもがいないので、遺族年金が5年で終わるかもしれないと聞いて不安です。まず何をすればいいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
最初に、5年間の生活費と5年後から老後までの生活費を分けて見ましょう。生活費、住宅費、配偶者の収入、貯蓄、保険金を並べるだけでも、不足しやすい時期が見えてきます。

5年後の継続給付は収入と障害状態がカギ

5年間の 有期給付 が終わった後も、すぐに全員がゼロになるわけではありません。厚生労働省の資料では、障害年金の受給権者や収入が十分でない人は、引き続き増額された遺族厚生年金を受けられる 継続給付 の対象とされています。
単身の場合、就労収入が月額約10万円、年間122万円以下なら継続給付は全額支給されると説明されています。2025年度税制改正を反映した地方税所得ベースでは132万円の見込み、夫と死別した妻が地方税法上の寡婦に該当する場合は年間204万円程度という目安も示されています。収入が増えると年金額は段階的に調整され、遺族厚生年金額にもよりますが、月収20万〜30万円を超えると全額支給停止に近づきます。詳しい考え方は(遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方)が参考になります。
注意したいのは、これは「働くと損」という話ではないことです。収入と年金の合計が急に減りにくいように調整する仕組みなので、再就職、時短勤務、資格取得、家計の固定費削減を合わせて考えることが現実的です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
制度の細部を暗記するよりも、自分の家計でいつ、いくら足りないのかを見える化するほうが、備えは早く進みます。

令和6年度統計で見る受給額の目安

厚生労働省の最新統計である令和6年度の概況では、厚生年金保険第1号の遺族年金の平均年金月額は84,228円です。令和5年度の82,569円から増えており、単純に5年間受け取ると約505万円になります。統計は(令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)で確認できます。
改正後の有期期間中は約1.3倍の加算が予定されています。仮に平均額84,228円を単純に1.3倍すると月約10.9万円、5年間で約657万円です。ただし、実際の遺族厚生年金は亡くなった方の厚生年金加入期間や報酬に左右されるため、平均額だけで判断しないことが大切です。
たとえば、毎月の生活費が25万円、残された配偶者の手取り収入が10万円、遺族年金が加算後で月11万円なら、5年間の不足は月4万円、合計240万円です。5年後に継続給付が受けられない場合は、同じ生活水準なら不足額が大きく増えるため、5年後以降の試算も別に作る必要があります。

今日からできる確認アクション

  • 1
    ねんきん定期便やねんきんネットで、夫婦それぞれの加入履歴と老齢年金見込み額を確認します。
  • 2
    毎月の生活費を住居費、食費、通信費、保険料、教育費、車関連費に分けて書き出します。
  • 3
    現在の死亡保障、団体信用生命保険、勤務先の弔慰金、預貯金を一覧にまとめます。
  • 4
    5年間の不足額と5年後以降の不足額を分けて計算し、必要な保障期間を考えます。
  • 5
    事実婚の方は、住民票、扶養、送金、公共料金などの証明書類を平時から保管します。

民間保障は5年と老後を分けて設計する

遺族年金の見直しに備える保険は、やみくもに大きな死亡保険へ入るより、期間を分けるほうが考えやすくなります。5年間の生活再建期は、毎月一定額を受け取れる収入保障保険が選択肢になります。住宅ローンがある場合は団体信用生命保険、賃貸の場合は住居費の継続負担も忘れずに見ます。
一方、5年後から老後までの不足は、死亡保障だけでなく、働き方、貯蓄、新NISA、iDeCo、医療・介護リスクを合わせて考える領域です。保険で全てを埋めると保険料が重くなりやすいため、短期の保障、長期の資産形成、現金予備費を組み合わせるのが現実的です。
簡易式は次の通りです。 有期5年の不足額=毎月の生活費−遺族年金−就労収入−その他収入、これに60か月を掛けます。 長期不足額=5年後の毎月不足額×必要年数−使える貯蓄や運用資産です。 この計算はざっくりで構いません。数字が出ると、保障を増やすべきか、固定費を下げるべきか、働き方を調整すべきかが見えます。

FP相談には何を用意すればいい?

相談したいのですが、細かい資料がそろっていません。それでも大丈夫でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
大丈夫です。保険証券の写真、家計簿アプリの画面、ねんきん定期便、源泉徴収票、住宅ローン残高が分かるものがあれば十分です。資料が少ない場合も、まず優先順位を一緒に整理できます。

事実婚は日常の証拠を残すことが重要

法律婚ではない 事実婚 でも、事実婚関係と生計同一関係が認められれば遺族年金を請求できる可能性があります。ただし、認定は「一緒に暮らしていたつもり」だけでは足りず、客観的な書類が重要です。
日本年金機構の(生計同一関係・事実婚関係に関する申立をするとき)では、遺族年金用の申立書や記入例が案内されています。事実婚の場合、健康保険の被扶養者、給与計算上の扶養手当、他制度の遺族給付、1年以内の挙式・披露宴、葬儀の喪主、連名の郵便物、公共料金の領収書、生命保険の保険証、賃貸借契約書などが証明材料になり得ます。具体例は(生計同一関係証明書類等について)にまとまっています。
ポイントは、1つの書類に頼らないことです。住民票の住所、送金記録、公共料金、保険の受取人、葬儀関係の書類など、複数の証拠を時系列で保管しておくと、万一の請求時に説明しやすくなります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
ふたりの生活の実態を、第三者が見ても分かる形で残しておくことが、将来の手続きを助けます。

2026年分以降の生命保険料控除も確認

2026年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に引き上げられます。ただし、介護医療保険料控除や個人年金保険料控除を含めた全体の所得控除限度額は12万円のままです。
さらに、令和8年度税制改正大綱では、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の 生命保険料控除 の特例について、適用期限を1年延長することが示されています。内容は財務省の(令和8年度税制改正の大綱)で確認できます。
子育て世帯が死亡保障を見直す場合は、控除だけで保険を選ぶのではなく、必要保障額、保険料の継続性、貯蓄とのバランスを見て判断しましょう。控除メリットはあくまで補助的な要素です。

子どもがいる世帯は加算と終了時期を確認

18歳年度末までの子どもを養育している場合、その期間の遺族年金は現行制度と同じ扱いです。見直しによってすぐに5年で終わるわけではありません。加えて、遺族基礎年金などの子の加算額は、2024年度価格で1人あたり年234,800円から年281,700円へ引き上げられる予定です。
ただし、子どもが18歳年度末を迎えた後は、さらに5年間の増額された有期給付と、収入や障害状態に応じた継続給付の対象になります。つまり、子育て中の給付は守られつつも、子どもの独立後の家計は別途考える必要があります。
教育費、住宅費、残された親の老後資金が同時に重なる家庭では、死亡保障だけでなく、学資準備、就業不能時の備え、医療費の自己負担も一緒に見直すと抜け漏れが減ります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2028年4月から、子どものいない60歳未満の配偶者は原則5年の有期給付が軸になります。
  • 2
    5年後も障害状態や収入が十分でない場合は継続給付の対象になり、月約10万円の就労収入が一つの目安です。
  • 3
    令和6年度統計では厚生年金の遺族年金平均月額は84,228円で、5年総額は約505万円です。
  • 4
    事実婚は申立書だけでなく、扶養、送金、公共料金、賃貸契約、葬儀関係など複数の証拠が重要です。
  • 5
    2026年分以降の生命保険料控除特例も確認しつつ、保障額は控除ではなく家計の不足額から決めましょう。

ぜひ無料オンライン相談を

遺族年金の見直しは、対象かどうかの判定と不足額の試算を同時に進めることが大切です。無料オンラインFP相談なら、保険証券や家計簿、ねんきん定期便をスマホで共有しながら、5年間と老後の不足額を整理できます。時間や場所の制約が少なく、中立的な立場で保険、貯蓄、NISA・iDeCoの使い分けまで比較できるため、まずは不安の棚卸しから始めてみてください。

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