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【2026年1月更新】傷病手当金申請拒否|協力義務と対処手順(個別相談可)

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年1月更新】傷病手当金申請拒否|協力義務と対処手順(個別相談可)
傷病手当金
申請拒否
事業主の協力義務
併給調整
不服申立て
審査請求
通算1年6か月

申請が止まる“現実”をまず整理

体調がつらいのに、会社が事業主記入欄を書いてくれない——。そんな相談が増えています。この記事は、傷病手当金の申請が会社対応で止まった時に、法的根拠に沿って“止めずに前に進める”ための実務ガイドです。結論から言えば、健康保険法には保険者(協会けんぽ・健保組合)が事業主に報告・文書提示を求める仕組みがあり、さらに申請者側が代替資料で進められる場面もあります。7日で動く段取り、事業主の協力義務の考え方、併給の注意、そして不服申立てまでを、一次資料へのリンクつきで具体化します。

課題の具体化:申請拒否・遅延が起こる場面

  • 1
    会社が事業主記入欄(勤務状況・報酬欄)の記入を拒む、または遅延し続ける。
  • 2
    医師の労務不能意見と会社側の就労可否判断が食い違い、書類が進まない。
  • 3
    労災か私傷病かの認定争いで、社内判断が出ず申請が保留される。
  • 4
    退職後の申請で担当者が不在・引継ぎ不足、連絡が取れない。

法的に何ができる?“保険者とあなた”の権限

健康保険法には、保険者(協会けんぽ・健保組合等)が必要時に事業主へ報告や文書提示を求められる規定があり(健康保険法第197条の運用通知の例として(個人番号通知後の事務手続について)に明記)、また保険給付の確認のために被保険者へ文書提出や質問を行える規定(第59条)、厚生労働大臣が診療録等の報告・提示を命じられる規定(第60条)があります(法条のまとまりは(健康保険法(MHLW掲載・条文集))参照)。 ポイントは2つ。第一に、書類提出が遅延しても“保険者を介して会社に照会できる”。第二に、会社の証明だけが絶対条件ではなく、代替資料(賃金台帳や給与明細、出勤簿、就業規則の休職規程、医師の意見書など)で実体を確認し申請を進められる場合がある、ということです。

会社が書いてくれません。まず何を?

事業主記入欄を書いてもらえず、2週間止まっています。私からできることは?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
まず保険者(協会けんぽ・健保組合)に連絡し、「事業主協力依頼(照会)」の発出をお願いしましょう。同時に、ご自身で賃金台帳や給与明細、出勤簿、休職辞令などを集め、医師の意見書と束ねて提出。保険者が会社に照会しても動かないときは、代替資料で審査を進めてもらえるか事前に相談します。

会社の“協力義務”の実務:何をどう頼むか

保険者に電話や窓口で「事業主協力の依頼文(照会)」を会社宛に出してもらうよう依頼します。根拠は健康保険法第197条(報告・文書提示等)で、事業主に対する報告徴求の運用例は厚労省通知にも明記があります(前掲リンク)。保険者側の実務では、会社へ照会文を送り、一定期限までの回答を求めるのが一般的です。並行して、申請者側は賃金台帳・給与明細・出勤簿・休職辞令・就業規則(休職規程)・医師の意見書等を提出して“事実関係の裏づけ”を整えます。

代替資料で進める条件:書式と中身のコツ

協会けんぽの様式は事業主欄を前提としていますが、保険者の審査で必要事実が確認できれば、補足資料で進む余地があります。具体例として、
  • 賃金台帳・給与明細:申請期間の“支給有無と金額”。
  • 出勤簿:労務に服していない日(有給取得や短時間出勤の有無も)。
  • 休職辞令・就業規則:休職の法的根拠と取扱い。
  • 医師の意見書:就労可否と“従前の労務”に就けない期間の医学的根拠。 実際の申請書面の構造は、協会けんぽの(傷病手当金 支給申請書 記入の手引き)を参照し、事業主欄の記載事項(出勤日・報酬支給)の代替となる資料を整えて、審査担当と事前にすり合わせてください。

7日で動く対処手順(締切逆算の段取り)

  • 1
    Day0:保険者に連絡し、会社宛の「事業主協力依頼(照会)」発出を依頼。連絡履歴を日時・担当者名つきでメモ。
  • 2
    Day0-2:賃金台帳・給与明細・出勤簿・休職辞令・就業規則(該当条)・医師の意見書をスキャンし、保険者指定の提出先にアップ/郵送。
  • 3
    Day3-5:保険者担当と“代替資料で審査を進められる条件”を確認。追加で求められる証拠(メール往復、社内連絡票等)も提出。
  • 4
    Day5:会社の回答期限が来る前に、保険者に進捗確認。回答なし・不備の場合の次の手順(担当部署変更、再照会)を協議。
  • 5
    Day6-7:医師と次回の就労可否の判定日を確定。診断内容の更新が必要なら追補を依頼(症状・治療・労務内容の具体性を高める)。

期限管理と“当座の資金”の考え方

支給決定までは数週間かかることがあります。家賃・ローン・公共料金など当座の支払いは、早めに支払い猶予・リスケの相談を。健保側の“仮払い”制度は一般的ではないため、会社の福利厚生貸付、自治体や金融機関の一時的な返済猶予等を並行検討しましょう(保険者担当に標準的な審査期間も確認)。

併給調整と対象外の線引き(よくある誤解を整理)

併給可否は法律上の明確な線引きがあります。要点は以下のとおり(条文はいずれも(健康保険法(MHLW掲載・条文集)))。
  • 労災関係:同一の事故・疾病については、労災給付があると健康保険の給付(療養・傷病手当金等)は行われません(第55条)。
  • 出産手当金:出産手当金の支給期間は傷病手当金は原則支給されず、額の少ない方との差額支給に調整されます(第103条)。
  • 報酬(賃金)との関係:休業期間に賃金が支払われる場合は、傷病手当金は支給停止または差額支給です(第108条)。
  • 障害年金・老齢退職年金:障害厚生年金や老齢退職年金と重なる場合の差額調整・停止の規定もあります(第108条)。 これらは“受給できないのか、差額で受けられるのか”の分岐点となるため、申請前に状況を整理しておきましょう。

支給期間“通算1年6か月”の正しい理解と再申請の可否

2022年1月から、支給期間は“支給開始日から通算1年6か月”に改正されました。中断・復職があっても、同一傷病であれば通算でカウントされます(厚労省の案内:(令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます)、協会けんぽの周知ページ:(健康保険法等の一部改正に伴う各種制度の見直し))。 したがって、“いったん取り下げて再申請でリセット”はできません。同一傷病に該当するか微妙なケースは、病名だけでなく医学的な連続性(症状・原因・治療継続性)を主治医・保険者に確認しましょう。

不服申立ての基本(審査請求→再審査請求)

不支給や一部支給に納得できない場合は、まず社会保険審査官への審査請求が可能です(原則、“処分(決定)を知った日の翌日から3か月以内”)。その決定に不服がある時は、社会保険審査会への再審査請求ができます(各窓口・様式と期限は地方厚生局の案内を参照:(審査請求に関するよくあるご質問(制度編)))。 審査では、法令・約款・医学的根拠・勤務実態(賃金台帳・出勤簿等)を“決定理由に即して”補強することが重要。まず保険者から不支給理由の説明を受け、必要資料を整えて提出しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
手続きは“止めない”ことが最優先。会社が動かない時は、保険者の照会と代替資料で事実を積み上げ、ロスなく次の一手へ進めましょう。

第三者の力と“記録化”のコツ

専門的な主張整理や証拠の束ね方に不安があれば、社会保険労務士への相談が近道です。保険者の審査フローや不服申立ての論点整理を支援してくれます。併せて、電話・メール・郵送物の“日付・相手・要旨・添付”を時系列でログ化。審査・不服申立てでは、誰がいつ何を伝え、どの資料で裏づけたかが重要な評価材料になります。

ミニケース:医師“労務不能”なのに会社は“就労可”と言う

医師は従前の労務に就けないと判断。しかし会社は軽作業なら可と判断し、事業主欄が止まりました。このケースでは、
  • 医師意見で“従前の労務(職務内容・拘束時間・負荷)に就けない”ことを具体化。
  • 会社の提示する“軽作業”が実在するか、労務実態(就業規則・職務記述書・配置辞令)で検証。
  • 出勤簿や勤怠システムで実出勤の有無を可視化。
  • 保険者に会社照会を依頼し、併せて代替資料で審査可能か協議。 結果、休職実態と賃金不支給が裏づけられ、傷病手当金が認定。差し戻しを待たず“止めない”進め方が奏功しました。

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個別事情で解決策は変わります。会社の規模、就業規則、賃金体系、医師の意見、併給の可否、退職の有無など、一つひとつ整理が必要です。弊社「ほけんのAI」では、AIチャットで現状整理→有資格FPがオンラインで実務的に並走。申請段取り、証拠集め、不服申立ての初動まで、具体的に一緒に進めます。キャンペーンの詳細や予約はLINEで。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    会社が動かない時は、保険者の“事業主協力依頼(照会)”と代替資料で手続きを止めない。
  • 2
    健康保険法の併給ルール(労災・出産手当金・報酬・年金)は条文ベースで確認し、差額支給の可否を見極める。
  • 3
    支給期間は“通算1年6か月”。中断・復職があってもリセットされないため、再申請の戦略は要注意。
  • 4
    不服は3か月以内に審査請求。決定理由を踏まえ、法令・医学・勤務実態の証拠を補強して主張を組み立てる。
  • 5
    ログ化(連絡履歴・提出物の一覧)と専門家併走で、スピードと確度を同時に高める。

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