【2025年8月更新】同性パートナー相続税の要点|証明と保険で負担最小化
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
この記事の最新の更新
最終改良: 2025年8月15日
- 国税庁・Humapへのリンク追加による根拠強化
- 2割加算と7年持ち戻しの最新運用の明記
- ギフト施策の条件明示と注意喚起の追記

同性パートナー相続税
パートナーシップ証明
生命保険
一時所得
贈与税
FP相談
相続税対策
目次
はじめに:制度は進むが“税の壁”は残る
日本では 同性パートナー の婚姻が法的に認められていないため、相手の死亡時に受け取る財産は法律上“他人”として扱われ、基本は 相続税 の対象になります。2025年3月時点でパートナーシップ制度の導入自治体は488、人口カバー率は90%超と急拡大していますが((パートナーシップ制度とは?LGBTQ+フレンドリーな環境を整えるための取り組みを紹介))、税制上の優遇はまだ限定的です。本記事では パートナーシップ制度 を土台に、生命保険の設計で課税方式を選び分け、負担を現実的に抑える考え方と具体ステップを解説します。なお、結論は資産状況や家族関係で変わります。最新法令や運用は変動し得るため、個別の税務判断は税理士等へご確認ください。
パートナーシップ証明書で広がる主な現実メリット
- 1医療機関での面会・手術同意など“家族扱い”の手続きがスムーズになるケースが増えている
- 2公営住宅の入居や災害時の被災者支援金の対象に含まれる自治体が増えている
- 3一部の金融機関で住宅ローンのペアローンや収入合算の利用が可能になる
- 4企業の福利厚生(家族手当・慶弔金等)で同性パートナーを配偶者に準じて扱う事例が拡大している
証明書の取得はシンプル:必要書類・費用の目安
多くの自治体では、本人確認書類・住民票・独身証明書の提出で申請でき、手数料は無料〜数百円程度です(当日受付・後日交付が一般的)。証明自体に全国共通の法的効力はありませんが、行政・民間サービスの“入口”として有効です。自治体ごとの要件は事前に公式サイトで確認しましょう。
パートナーシップ証明だけで相続税は減る?
証明書を取れば、相続税も安くなりますか?

税制優遇はまだありません。ただし、証明があると関係性の説明が容易になり、生命保険の受取人設定や公正証書遺言の作成がスムーズになります。
まず押さえる税の基礎:基礎控除・非課税枠・2割加算
相続税の計算では、遺産総額から「3,000万円+600万円×法定相続人」の基礎控除を差し引きます((No.4152 相続税の計算))。死亡保険金は“みなし相続財産”として課税対象になり、相続人には「500万円×法定相続人」の非課税枠がありますが、相続人以外(同性パートナー等)には適用されません((No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金))。税率は累進で最高55%です((No.4155 相続税の税率))。さらに、被相続人の配偶者・父母・子以外が取得する場合には、算出された各人の相続税に20%加算する規定があり(2割加算)、同性パートナーが相続税ルートで受け取る際の留意点になります((No.4152 相続税の計算))。

同じ保険金でも、誰が契約・負担し、誰が受け取るかで相続税・所得税・贈与税のいずれかに分かれます。設計前提の確認が肝心です。
生命保険の課税区分:契約者・負担者・受取人の組合せ
死亡保険金の課税は、被保険者・保険料負担者・受取人の関係で決まります。負担者=受取人なら所得税(受取方法で一時所得か雑所得)、被保険者=負担者なら相続税(相続人以外は遺贈扱い)、三者がすべて異なれば贈与税です((No.1750 死亡保険金を受け取ったとき))。まずは現契約の「契約者・負担者・受取人」の一致・不一致を点検しましょう。
“所得課税ルート”への切替:一時所得の基本
相手を契約者(=保険料負担者)・自分を被保険者・受取人を契約者(相手)にすると、死亡保険金は相手の 一時所得 になり相続税ではなく所得税の対象になります。一時所得は「(保険金−払込保険料−特別控除50万円)×1/2」を他の所得と合算して課税します((No.1490 一時所得))。受け取りを年金方式にすれば、公的年金等以外の雑所得として毎年課税されるため、家計や社会保険料の平準化に役立つ場合があります((No.1750 死亡保険金を受け取ったとき))。実効税率は世帯の総所得により大きく変わります。
FP相談前に手元にあると便利な書類
- 1生命保険証券の写し(契約者・負担者・受取人の欄を確認できるもの)
- 2預金・投資・不動産など主要資産の一覧メモ(概算で構いません)
- 3パートナーシップ証明書(または取得予定が分かる書類)
- 4直近の源泉徴収票・確定申告控え(税率・控除確認のため)
2025年版ミニ試算:相続税ルートと一時所得ルート
前提:保険金1,000万円/払込保険料200万円/他の遺産は少額と仮定
相続税ルート(契約者=被保険者・受取人=パートナー):
・保険金は“みなし相続財産”。相続人以外の取得につき生命保険の非課税枠は使えず、状況により2割加算の対象になり得ます((No.4114)、(No.4152))。
・一方、遺産総額が基礎控除内に収まる場合は相続税が0円となるケースもあり、その場合は2割加算も生じません。
所得税ルート(契約者=パートナー・受取人=パートナー):
・利益=1,000万円−200万円=800万円。
・一時所得=(800万円−50万円)×1/2=375万円。
・課税額は他の所得と合算した税率次第。例えば所得税率20%・住民税10%なら概算112.5万円相当の負担感となります(実際は所得控除や医療費控除等で変動)。
どちらが有利かは、遺産規模・相続人の有無・世帯の当年所得・翌年の社会保険料影響などで逆転します。複数契約に分けて金額をコントロールする、年金受取を活用して年度をまたぐ等、組み合わせの検討が有効です。
落とし穴:保険料負担と“持ち戻し”・社会保険料への波及
所得課税ルートを狙う場合でも、保険料の実質負担者は受取人本人である必要があります。負担が不十分だと贈与とみなされ、暦年課税の基礎控除(110万円)超で贈与税の可能性があります。加えて、暦年贈与は被相続人死亡時に“持ち戻し”対象となる期間が段階的に延長され、最終的に相続開始前7年以内が相続税計算に加算されます(経過措置あり、(No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)))。また、一時金で多額受取すると翌年度の国民健康保険料や保育料が上がることがあります。年金受取での平準化や受取時期の調整も含め、家計全体で最適化を考えましょう。
オンラインFP相談では何を聞けばいい?
保険証券と資産メモくらいしか無いのですが、相談できますか?

大丈夫です。現契約の課税ルート診断、必要保障額の算定、契約形態の変更可否、贈与や2割加算のリスク、受取方法(年金・一時)の比較まで整理します。必要に応じて税理士連携もご案内します。
相談フローとギフト案内(条件の明示)
STEP1:LINEで「ほけんのAI」にアクセスし、チャットで簡単なヒアリング
STEP2:AIの整理結果をもとにプロFPがオンライン面談(約30〜45分)
STEP3:提案資料を受け取り、自宅で比較検討
キャンペーンについて:面談後のアンケート回答で「giftee Cafe Box」などギフトを進呈する企画を実施しています。提供主体は株式会社ビヘイビア、進呈条件・対象・期間・数量上限・内容は予告なく変更・終了となる場合があります。詳細・最新条件はLINE上の案内で必ずご確認ください。利益提供に関する社内規程および関係法令・監督指針に基づき運用します。料金は相談自体については無料ですが、一部地域・通信環境等により例外が生じる場合があります。

告知で入れない、というご相談は毎年あります。加入の選択肢が広い元気なうちに、設計と書類づくりを進めておくのがおすすめです。
さいごに:迷ったら“試算→設計→確認”の順で
税制優遇が限られる中でも、 生命保険 の契約者・受取人設計と受取方法の選択で、税負担と家計への波及を現実的に抑えやすくなります。まずは現状契約の課税ルートを可視化し、複数パターンで試算。次に遺言やパートナーシップ証明の整備、保険料の負担ルールの明確化までを一体で進めると、手戻りが減らせます。専門家と一緒に、あなたの事情に合う“無理のない最適解”を探しましょう。
まとめ:重要ポイント
- 1同性パートナーは原則“相続人以外”で生命保険の非課税枠が使えない点に注意
- 2契約者・負担者・受取人の組合せで相続税・所得税・贈与税に分岐
- 3一時所得は(差益−50万円)×1/2を他の所得と合算して課税
- 42割加算・7年持ち戻し・社会保険料の波及など周辺影響も要確認
- 5現契約の点検と複数シナリオ試算はFP相談の得意分野
ぜひ無料オンライン相談を
本記事の論点(課税ルート、2割加算、持ち戻し、受取方法、家計影響)は個別事情で結論が変わります。オンラインなら平日夜や自宅からも相談可能。無料で第三者目線の比較と数パターンの試算を短時間で確認でき、必要に応じて税理士連携や遺言書作成の段取りも整理できます。まずはLINEで日程調整し、あなたの前提で最適解を一緒に作りましょう。
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