【2025年9月更新】生命保険 自殺免責の年数|請求条件と早見表(個別相談可)
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

生命保険 自殺 免責
自殺 免責期間 何年
自殺 3年 1年 団信
精神疾患 自殺 免責
生命保険 自殺 請求 手続き
責任開始日 生命保険
目次
はじめに|“自殺免責”の誤解をまず解く
生命保険の 自殺免責 は「一律で不払い」ではありません。多くの契約では一定の期間が過ぎれば請求が可能です。とはいえ、年数の数え方(責任開始日)、契約の乗り換え・復活時の扱い、精神疾患が関係する場合の例外、住宅ローンの団体信用生命(団信)との違いなど、迷いやすい論点が並びます。本記事は2025年9月時点の一次情報をもとに、請求可否の判断軸と実務の手順を整理しました。法的な位置付けは公益財団の解説がわかりやすいので、必要に応じてあわせて確認してください。(各論|保険法の概要)
この記事でわかること(3分で要点)
- 1自殺免責の基本と法的な位置付け、年数の決まり方と根拠
- 2責任開始日の正しい起算(申込・告知・初回保険料)の考え方
- 33年が主流、1年が多い団信など、保険種類ごとの違い
- 4免責期間後でも不払いになり得る例外と、免責内でも支払われ得る例外
- 5請求に必要な書類、支払いまでの期間目安、時効や窓口の整理
基礎知識|免責の意味と法的な位置づけ
生命保険では、一定の事由に当たると保険会社の支払い義務を外す条項(免責)が約款に定められています。自殺はその代表例で、保険法でも被保険者が自殺したときの免責が規定されています(上記リンク参照)。ただし多くの実務では、約款で「所定の期間を過ぎた自殺は支払い対象」と定め、遺族保護とのバランスを取っています。さらに、期間経過後の自殺であっても犯罪行為等が介在し、公序良俗に反するような特段の事情がある場合は不払いとなり得ることを最高裁が示しています。(裁判例結果詳細 | 裁判所)
責任開始日はいつから数える?
免責のカウントはいつから始まりますか?契約日でも証券到着日でもないと聞きますが…

起算は約款上の「 責任開始日 」です。一般的には「告知・診査が済んだ日」と「第1回保険料の払込日」のうち遅い日まで遡って責任が始まります(口座振替でも起算は前倒しされるのが通例)。公式の説明はこちらが参考になります。(生命保険の申込みをした後、いつから保障が始まるの?)
年数の決まり方|主流は3年、団信は1年が多い
一般の死亡保険(終身・定期・収入保障など)では、加入直後のモラルリスクを避けるため、責任開始から 3年 の自殺免責を定めるのが現在の主流です。一方で住宅ローンの団体信用生命(団信)は、責任開始から 1年(団信) の免責とするのが一般的です。団信の条件は公的機関の契約概要で確認できます。(団体信用生命保険の契約概要(詳細版))
早見表|保険の種類別・自殺免責と“別の免責”
- 1終身・定期・収入保障(死亡保険):自殺免責は原則3年が主流(約款で確認を)。
- 2団体信用生命(住宅ローン):自殺免責は原則1年が多い(借換え加入でも再カウントに注意)。
- 3医療保険:自殺そのものの免責ではなく、故意の自傷・犯罪行為による入院等は給付対象外が一般的。
- 4がん保険:加入直後は90日間の待機(免責)を設けるのが通例。契約直後の診断は対象外になり得ます。(がん保険の免責期間とは?がん保険に加入する前に知っておきたい基礎知識)
- 5就業不能・所得補償:給付の“免責期間”は待機日数(例:60〜180日)の意味。自傷行為は免責が一般的。
支払可否の判断|免責期間後の“例外”に注意
免責期間を過ぎれば原則として自殺でも支払い対象ですが、例外があります。典型は、保険金詐取など犯罪性が介在するケース、不自然な高額増額や複数契約の短期集中加入など、社会通念上の正当性が疑われる場合です。最高裁は、期間経過後でも公序良俗に反する特段の事情があれば免責の対象になり得ると示しています(リンク前掲)。調査が入ると支払いまで時間を要する点も想定しておきましょう。
免責期間内でも支払われ得る“精神疾患”の例外
「免責内だから一律不払い」ではありません。被保険者が重い 精神疾患 により自由な意思決定ができない状態で自死に至った場合、約款上の「自殺」に当たらないと評価され、免責適用外とされる裁判例が蓄積されています。判断は画一的ではなく、主に次の観点が総合評価されます(性格・人格の変容、自殺前の言動や精神状態、自殺態様、他の動機の可能性)。詳しい整理はこちらが参考になります。(自殺免責と精神障害)

免責内でも、当時の診療情報や生活の変化を丁寧に集めれば道が開くことがあります。診断書・カルテの開示、関係者のメモやメールも力になります。
転換・復活・増額で“再カウント”に要注意
既契約の転換(乗り換え)や増額、いったん失効した契約の復活では、約款上の取り扱いにより自殺免責期間が新たにカウントされることがあります。特に「復活」では、復活時点を起算として免責期間が再スタートするとの判断を示した高裁判例の分析があります。手続き前に必ず約款の条項を確認しましょう。(失効後に復活した生命保険契約の自殺免責期間の起算点)
請求の実務|必要書類・流れ・期間の目安
請求の基本フローは通常の死亡と同じです。連絡→書類受け取り→提出→審査→支払い。必要書類の典型と支払期日の考え方は次の公的解説が実務的です。(死亡保険金はどのようにして受け取る?)
実務のポイントは次のとおりです。
- 死亡診断書(事件性がある場合は死体検案書)と、保険会社所定の請求書類を整える。場合により警察書類の提出依頼が来ます。
- 支払期限は約款に基づきますが、確認に相当の期間を要する場合は延び得ます(前掲リンクの期限例参照)。
- 未返済の契約者貸付があれば差し引き。税や相続の扱いもあわせて確認を。
- 時効は原則3年(保険法)。亡くなって時間が経っていても、まずは契約先に相談を。(各論|保険法の概要)
不払い通知が来た…どう動く?
不払い通知が届きました。異議を唱える余地はありますか?

まず約款条項と不払い理由を突き合わせ、事実関係の記録を整理しましょう。精神疾患が関係する場合は診療録や家族の記録を追加提出することがあります。会社の苦情・相談窓口や、指定紛争解決機関(ADR)も活用可能です。感情的にならず、事実の積み上げで再検討を依頼しましょう。
ケーススタディ|“境界”で迷いやすい場面
ケース1:免責満了直後(例:3年と1日後)の自死。—原則は支払い対象。ただし直前の増額・複数契約の集中など不自然な契約行動があると、調査が長期化し得ます。
ケース2:団信の借換え。—新しい団信への加入日から免責1年の再カウントが一般的。既存の団信を解約する前に、新団信の責任開始を確認し、空白を作らない段取りを。
ケース3:復活後まもない自死。—復活時起算で免責が再スタートとなる約款が多い。復活前にまず資金繰りや払済移行など代替策を検討する価値があります。
FAQ|よくある質問に端的回答
Q. 自殺は一律で不払い?
A. いいえ。約款所定の免責期間を過ぎれば、原則として支払い対象です(例外は本文のとおり)。
Q. 免責内でも支払われることは?
A. 重い精神障害で自由意思を欠いた状態での自死は、免責除外の裁判例が複数あります(詳細リンク参照)。
Q. 今すぐ契約書で確認すべき点は?
A. 自殺免責の年数・起算日(責任開始日)、転換・復活時の扱い、団信の免責、災害特約の対象外条項などです。
次の一歩|無料AI相談とFP面談の使い分け
迷ったら、まずはAIで要点整理を。証券の該当条項や必要書類の洗い出し、請求の段取りを素早く確認できます。踏み込んだ判断や家計全体の設計はFPが中立に伴走。オンラインで全国対応、LINEで予約から完結できます。今なら面談参加で選べるギフト(giftee Cafe Box等)特典もご用意。公式LINEから始めれば、最短で今日中に不安を小さくできます。
まとめ:重要ポイント
- 1一般の死亡保険は自殺免責3年が主流、団信は1年が多い。起算は約款上の責任開始日。
- 2免責後でも犯罪性など特段の事情で不払いがあり得る一方、免責内でも精神疾患の例外がある。
- 3転換・復活・増額で免責が“再カウント”されることがある。事前に約款確認と段取りを。
- 4請求は書類の整備と事実の積み上げが肝。支払期限や時効3年など基本ルールも把握する。
- 5迷ったらAIで整理→FPと実務を前進。オンライン・LINEでの相談体制を活用しよう。
ぜひ無料オンライン相談を
請求可否の判断、責任開始日の起算、転換・復活時の扱いなど、本文の“迷いやすい点”は個別事情で結論が変わります。まずAIで約款の該当箇所や必要書類を洗い出し、オンラインFP相談で家計・税・相続も含めた最適な進め方を一緒に設計しましょう。場所や時間の制約がなく、無料で何度でも相談可能。中立的な立場で複数の選択肢を比較し、今日から動ける次の一手を具体化します。
🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

関連記事一覧

【2025年9月更新】終身医療保険と定期の違い|30代子育ての保険料と更新基準
終身医療保険と定期の違いを“保障期間・保険料推移・更新上限”で整理。30代子育ての現実解(入院一時金+日額)と家計比の上限設定、先進医療特約の要否まで、2025年9月の最新データで実務解説。

【2025年9月更新】生命保険 破綻時の保障|補償90%の範囲と手続き早見(個別相談可)
生保破綻時も契約は原則継続。責任準備金の90%が基本、高予定利率契約は個別式で低下も。解約は一時凍結・早期解約控除に注意。請求・支払い・移転の流れと最新制度(国の特例支援〜2027年、ESR導入)を実務で整理。

【2025年9月更新】生命保険 緩和型と無選択型の違い|審査・保険料・対象を早見
持病があっても入れる保険の最新比較。引受基準緩和型と無選択型の審査・保険料・初期制限・対象領域を早見で整理し、2025年の動向と実践手順、注意点まで具体的に解説。

【2025年9月更新】生命保険 責任開始日の基礎|いつから保障か例外早見表
生命保険の責任開始日はいつから?申込・告知・初回保険料の関係、口座振替や特約の違い、がん保険90日免責、承諾前事故や契約日とのズレまで、2025年9月の一次情報で実務的に整理。

【2025年9月更新】医療保険 通院保障の落とし穴|見落とし3つ|判断基準と対策
入院短期化と外来長期化の今、通院保障は本当に必要か。最新データで落とし穴3つと判断基準、比較の要点、代替策まで実践解説。高額療養費“見直し見合わせ”も反映。

【2025年9月更新】生命保険 年払いと月払いの違い|総額差と家計別使い分け早見表
年払いと月払いの総額差、未経過保険料の返金、カード払いの拡大などを2025年9月の一次情報で整理。家計別の使い分けと3ステップ実践で迷いを解消。