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【2026年6月更新】生命保険 新婚20代の必要保障額|3ステップ試算

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2026年6月1日
  • 2026年3月家計調査を踏まえた生活費基準
  • 遺族厚生年金の対象者と有期給付の整理
  • 共働き・片働き別の試算例と見直し手順
【2026年6月更新】生命保険 新婚20代の必要保障額|3ステップ試算
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はじめに:新婚20代は“大きく入りすぎない”が基本

結婚を機に生命保険を考え始めると、「配偶者のために何千万円も必要なのでは」と不安になりがちです。けれども、20代の新婚夫婦、とくに子どもがいない時期の死亡保障は、家計の実額と公的保障を確認すれば、意外とコンパクトに設計できます。
この記事では、2026年6月時点で確認できる家計データ、公的年金制度、葬儀費用、税制をもとに、 必要保障額 を3ステップで試算します。結論から言えば、共働きで子どもがいない夫婦は「葬儀費用+立て直し資金」が中心、片働きなら「残された配偶者が働き始めるまでの生活費」まで見込むのが現実的です。

最新データで見る生活費:年平均と月次の両方を見る

総務省統計局の家計調査では、二人以上世帯の2025年平均の消費支出は1世帯あたり月314,001円でした。一方、2026年3月分では月334,701円と、物価や季節要因で月ごとに振れがあります。(家計調査報告 ―月・四半期・年―)
新婚20代の試算では、毎月の支出を「全国平均そのもの」に合わせる必要はありません。家賃、奨学金返済、車の有無、実家との距離で大きく変わるためです。ただし、平均値は自分たちの家計が高めか低めかを判断する物差しになります。まずは家計アプリや通帳で直近3か月の支出を確認し、 生活費の基準 を作るところから始めましょう。

最初に5分で確認すること

  • 1
    現在の月生活費を家賃込みで確認し、残された配偶者だけの生活なら何割に下がるかを考えます。
  • 2
    勤務先の死亡退職金、弔慰金、団体保険の有無を就業規則や福利厚生サイトで確認します。
  • 3
    子どもがいない場合、遺族基礎年金の対象外になる点を前提に試算します。
  • 4
    健康保険の埋葬料や家族埋葬料など、申請すれば受け取れる給付を確認します。
  • 5
    生命保険の受取人が結婚前の親のままになっていないか、契約内容を確認します。

公的保障のポイント:子なし夫婦は遺族基礎年金が薄い

公的な遺族年金は、ざっくり言うと「子どものいる世帯」に厚い仕組みです。18歳年度末までの子どもがいない新婚夫婦では、国民年金から出る遺族基礎年金は原則として受け取れません。
会社員や公務員など厚生年金に加入している人が亡くなった場合は、遺族厚生年金が関係します。ただし、若い子なし配偶者への給付は長期で続くとは限りません。厚生労働省の説明では、法律上、遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定で、5年間の有期給付や継続給付の仕組みが示されています。(遺族厚生年金の見直しについて)
特に20代夫婦では、すでに子のない30歳未満の妻は5年間の有期給付の対象です。2028年以降は、男女差を縮小する方向で、子どものいない60歳未満の男性配偶者にも新たに有期給付が広がる点が大きな変更です。民間の生命保険は、この 公的保障 で足りない部分だけを補うものと考えると、入りすぎを防げます。

共働きなら死亡保障は本当に少なくてよい?

共働きで子どもはいません。保険金が100万円や300万円だと少なすぎる気がします。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
残された配偶者の収入で生活を続けられるなら、必要なのは葬儀費用、引っ越しや休職に備える資金、手続き期間の生活費が中心です。住宅ローンや子どもの教育費がない時期は、数千万円の死亡保障が必須とは限りません。

一時費用:葬儀費用は100万円前後を目安に幅を持たせる

葬儀費用は、死亡保障を考えるうえで見落としやすい一時費用です。鎌倉新書の第6回調査では、葬儀費用の総額平均は118.5万円、種類別では一般葬161.3万円、家族葬105.7万円、一日葬87.5万円、直葬・火葬式42.8万円でした。(第6回 お葬式に関する全国調査)
新婚20代では家族葬や一日葬を想定する人も多いでしょう。ただし、遠方の親族が多い、関東圏で火葬待ちが起きやすい、宗教者への謝礼が必要といった事情で総額は変わります。最低限の死亡保障を考えるなら、葬儀費用は80万〜120万円程度を仮置きし、預貯金でまかなえる分を差し引くと現実的です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
生命保険は、万一の不安をすべてお金に置き換えるものではありません。公的保障、勤務先の制度、預貯金で足りない部分だけを埋める道具として使うと、家計に無理が出にくくなります。

ステップ1:残された配偶者の生活費を出す

最初のステップは、いまの夫婦2人の生活費から、1人になった場合の生活費を見積もることです。家賃はすぐに半分になりませんが、食費や日用品、通信費、交際費は下がります。目安としては、現在の生活費の70〜80%で置くと試算しやすいでしょう。
たとえば、夫婦2人の月生活費が30万円なら、1人になった後の生活費は月21万〜24万円ほどです。残された配偶者の手取り収入が月24万円あるなら、毎月の生活費不足はほぼありません。反対に、専業主婦・主夫、転職直後、体調面でフルタイム就労が難しい場合は、不足額が大きくなります。

ステップ2:不足する月数を決める

次に、生活費の不足が何か月続くかを決めます。共働きなら、死亡後の手続きや気持ちの整理、住まいの見直しを考えて3〜12か月分を見込む程度でも足りることがあります。片働きなら、残された配偶者が就職や収入回復をするまでの期間として、24〜36か月分を見込むと安心感が出ます。
計算式はシンプルです。 必要保障額 = 一時費用 + 月不足額 × 必要月数 - 使える資産・給付 です。ここでいう使える資産には、すぐ使える預貯金、勤務先の弔慰金、死亡退職金、健康保険の埋葬料などを入れます。NISAやiDeCoは売却や引き出しに時間・制約があるため、急な支払いに使う前提にしすぎないほうが安全です。

ステップ3:共働き・片働きで具体額を試算する

共働きで子どもがいない夫婦の例を考えます。葬儀費用を110万円、手続きや休職に備える余裕資金を100万円、健康保険の埋葬料を5万円、すぐ使える預貯金を100万円とすると、不足額は105万円です。この場合、死亡保障は100万〜300万円程度でも現実的な範囲に入ります。
片働きで、残された配偶者の当面の収入がない例では変わります。1人暮らし後の生活費を月23万円、就労準備期間を24か月、葬儀費用を110万円、埋葬料5万円、預貯金100万円とすると、必要保障額は約557万円です。36か月で見ると約833万円になります。つまり、片働きの新婚20代では500万〜1,000万円前後が検討ラインになりやすい一方、家賃や貯蓄額で大きく変わります。

保険商品を選ぶときの実践ポイント

  • 1
    子どもがいない時期は、掛け捨ての定期保険で10年程度の保障を持つと見直しやすくなります。
  • 2
    片働きで毎月の生活費不足が大きい場合は、月額で受け取れる収入保障保険も候補になります。
  • 3
    医療保険やがん保険は死亡保障とは目的が違うため、必要保障額の穴埋めに混ぜないようにします。
  • 4
    保険料が家計を圧迫する場合は、保障額を増やす前に固定費や貯蓄計画を見直します。
  • 5
    妊娠、出産、住宅購入、転職があったら、死亡保障額を必ず再計算します。

健康保険の埋葬料:5万円を忘れず差し引く

会社員などが加入する健康保険では、被保険者や被扶養者が亡くなったときに、埋葬料・埋葬費・家族埋葬料が支給される場合があります。協会けんぽでは、被保険者により生計を維持されていた人が申請する埋葬料は50,000円です。(埋葬料・埋葬費)
金額としては大きくありませんが、死亡保障の試算では「すでに公的・勤務先制度で受け取れるお金」として差し引けます。国民健康保険の葬祭費は自治体ごとに金額や申請先が異なるため、住んでいる市区町村の案内を確認してください。

生命保険金の受取人は誰にすべき?

結婚前に入った保険の受取人が親のままです。変更したほうがいいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
配偶者の生活再建のための保険なら、受取人は配偶者にしておくのが自然です。受取人が違うと、必要な人にすぐお金が届かないことがあります。結婚後は保障額だけでなく、受取人と指定代理請求人も確認しましょう。

税金:死亡保険金には非課税枠がある

死亡保険金は契約者、被保険者、受取人の関係で税金の扱いが変わります。一般的に、亡くなった人が保険料を負担し、相続人が死亡保険金を受け取る場合は相続税の対象です。このとき、相続人が受け取る死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額があります。(No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金)
たとえば、法定相続人が配偶者1人なら非課税枠は500万円です。ただし、相続人以外が受け取る死亡保険金にはこの非課税の適用がありません。税金だけで保険を決める必要はありませんが、受取人の設定は家計防衛と税務の両面で重要です。

生命保険の加入動向:平均額に合わせすぎない

生命保険文化センターの2024年度調査では、生命保険の世帯加入率は2人以上世帯で89.2%、世帯普通死亡保険金額は平均1,936万円でした。一方で、普通死亡保険金額は引き続き低下傾向とされています。(2024年度 生命保険に関する全国実態調査)
この平均1,936万円は、子どもがいる世帯、住宅ローンがある世帯、40代・50代の世帯も含む数字です。新婚20代の子なし夫婦がそのまま真似すると、保障が過大になる可能性があります。大事なのは平均に近づけることではなく、自分たちの不足額に合わせることです。

2026年6月時点の見直し方:物価高と制度変更を年1回チェック

2026年の家計では、食費や光熱費、家賃更新料などの上昇が死亡保障の試算にも影響します。生活費が月3万円上がれば、24か月分の不足額は72万円増えます。小さく見える家計変化でも、保障額に直すと無視できません。
一方で、貯蓄が増えたり、配偶者の収入が安定したりすれば、死亡保障は減らせます。新婚期はライフイベントが多いので、結婚直後に一度決めた保険を固定せず、毎年の誕生月や結婚記念月に見直すのがおすすめです。特に2028年の遺族厚生年金見直しに近づく時期は、公的保障の前提も確認しましょう。

迷ったときの目安:共働きは小さく、片働きは期間で考える

最終的な目安を整理すると、共働き・子なし・賃貸の新婚20代なら、死亡保障は100万〜300万円程度から検討し、預貯金が十分ならさらに小さくできます。片働きや収入差が大きい夫婦は、残された配偶者の生活費不足を24〜36か月分で見て、500万〜1,000万円前後を一つの検討帯にすると考えやすいです。
ただし、持病、住宅ローン、親への仕送り、奨学金返済、将来の出産予定があると必要額は変わります。保険は「若いから安い」という理由だけで大きく入るより、いまの不足額に合わせて入り、ライフステージごとに調整するほうが家計に合います。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2025年平均の二人以上世帯の消費支出は月314,001円、2026年3月分は月334,701円であり、自分の家計実額との比較が大切です。
  • 2
    子どもがいない新婚夫婦は遺族基礎年金の対象外になりやすく、遺族厚生年金も若い配偶者では有期給付を前提に考えます。
  • 3
    葬儀費用は家族葬で平均105.7万円、全体平均118.5万円が目安で、埋葬料5万円や預貯金を差し引いて試算します。
  • 4
    共働きは100万〜300万円程度、片働きは500万〜1,000万円前後が検討帯になりやすいものの、家計と貯蓄で変わります。
  • 5
    妊娠・出産、住宅購入、転職、収入変化があったら、死亡保障額と受取人を見直します。

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