【2025年9月更新】専業主婦の生命保険|遺族年金込み必要保障額早見表
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

専業主婦 生命保険
必要保障額
遺族年金
収入保障保険
団信
学習費
新NISA
目次
はじめに:いくら必要かを“今の制度”で可視化
子育て期の専業主婦(夫が会社員)のご家庭では、「万一のとき、いくらの死亡保障が要るか」が最大の悩みです。初めに押さえたい基礎は、必要保障額=これからの支出見込−見込める収入、という算式です。公益財団法人・生命保険文化センターも同じ考え方を示しています((万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例))。
本稿は2025年9月時点の制度・金額で再計算し、遺族年金を正しく差し引いたうえで、子どもの年齢別に“今いくら備えるか”を早見表に落とし込みます。賃貸か持ち家(団信あり)かで必要額は数千万円単位で変わります。最後に、定期保険×収入保障保険の実践的な設計と、今日からの3ステップまで具体化します。
まず把握する3つの数字
- 1家計の現在の実支出(月○万円)と住居費(家賃/ローン・固定資産税・管理修繕)
- 2子どもの人数と年齢(末子の年齢が期間設定の基準)
- 3遺族年金の見込額(基礎+厚生、2025年額と支給期間)
最新制度の要点:遺族年金と2028年見直し
専業主婦家庭の“収入見込”の柱は遺族年金です。2025年度(令和7年度)の遺族基礎年金は、子のある配偶者で年額831,700円(昭和31年4月1日以前生まれは829,300円)+子の加算(第1・2子 各239,300円、第3子以降 各79,800円)です。自治体の案内でも確認できます((遺族基礎年金(令和7年度額)))。
一方、2028年4月施行予定の見直しで、子のいない配偶者の遺族厚生年金は「原則5年間の有期給付」に変わり、有期期間中は約1.3倍の加算、終了後も低所得などは継続給付の対象になります(単身で就労収入月約10万円目安等)。詳細は厚生労働省の特設ページが最新です((遺族厚生年金の見直しについて))。
また同見直しでは、子のいる家庭の支えを厚くする観点から、遺族基礎年金の「子の加算」が年約23.5万円→約28万円に増額予定であることも公表されています(同ページ内の説明に明記)。制度の先行きも踏まえ、早見表は“いま時点の金額”と“見直し後の方向性”の両方を意識して読み解きます。
持ち家なら『保険ゼロ』でいい?
団信で住宅ローンが消えるなら、生命保険は要らないのでは?

住居費のコア(元利返済)は消えますが、固定資産税や管理修繕、引っ越し費用などは残ります。教育費も年齢次第で重く、予期せぬ医療・介護の出費もあり得ます。したがって“完全ゼロ”より、数百万円〜1,000万円前後の最低限バッファを持つ設計が現実的です。
教育費の現実:公立・私立で生涯差は1,400万円超
教育費は必要保障額を大きく左右します。文部科学省の最新調査(令和5年度)では、幼稚園〜高校(全日制)までの学習費総額は「すべて公立」で約596万円、「すべて私立」で約1,976万円と試算されています((調査結果の概要(令和5年度子供の学習費調査)) 参照)。大学費用は別建てで必要なため、私立志向が強いご家庭ほど“早め厚め”の保障と積立が必要です。

保険は“いまの生活費”を未来に時間移動させる仕組みです。数字に落とすと、必要な厚みと期間が自然に見えてきます。
子の年齢別・必要保障額の早見レンジ(1人・賃貸/持ち家)
前提(モデル):夫35歳・会社員(厚生年金)、妻35歳・専業主婦、子1人。世帯の実支出は夫生前時の7割で算入、葬送費は簡便に200万円見込み。教育は“幼保〜高まで公立+国公立大”をベースに、公的遺族年金(2025年度額)を控除。持ち家は団信完済前提で、固定資産税・管理修繕は生活費に内包して試算しています。
- 子0歳:賃貸 約5,000〜6,500万円/持ち家 約500〜1,500万円
- 子3歳:賃貸 約4,500〜6,000万円/持ち家 約400〜1,200万円
- 子6歳:賃貸 約4,000〜5,200万円/持ち家 約300〜1,000万円
- 子12歳:賃貸 約3,000〜4,200万円/持ち家 約200〜800万円
- 子15歳:賃貸 約2,400〜3,400万円/持ち家 約100〜600万円
- 子18歳:賃貸 約1,200〜2,000万円/持ち家 約100〜400万円 レンジは家賃水準・貯蓄・妻の就労見込みで上下します。目安として“賃貸は家賃×必要月数”が重く、持ち家は“教育費と生活費の不足”が中心になります。算式の基本は文化センターの整理((必要保障額の算出方法))に沿っています。
2人きょうだいの読み方(“末子基準”)
子が2人のときは、原則“末子の年齢”で期間を見ます。例えば上の子12歳・下の子6歳なら、保障期間は“下の子が18歳年度末まで”。必要保障額の特徴は、賃貸だと「家賃の年数×月額」が効くため子が幼いほど高額、持ち家だと「教育費ピークが近づく時期ほど一時金ニーズが相対的に大きい」点です。2028年の見直し後は、子のいる期間は遺族基礎年金の子の加算が厚くなる方向(約28万円/年)で、必要額はわずかに圧縮される想定です((厚労省ページ))。
早見表の“自宅版”に補正する手順
- 1家賃(または固定資産税・管理修繕)を実額に置き換える
- 2貯蓄・学資・死亡退職金など“一時金”を収入に足す
- 3児童手当や学費の貯蓄ペース、新NISAの想定利回りを保守的に組み込む
- 4妻の就労見込み(月◯万円×何年)を過不足なく加える
- 5私立志向や浪人・留学など“追加イベント費”を上乗せする
ケース別シミュレーション:年収450万/600万と進路差
例1(年収450万円・賃貸・子0歳):生活費20万円/月→遺族期14万円/月を基本。遺族基礎年金は年1,071,000円(妻+子1の例、令和7年度額)を18年間、遺族厚生年金は夫の標準報酬と加入年数次第(目安:年60万円前後)で控除。家賃15万円とすると独立までの住居費累計は約3,200万円。教育費は“すべて公立+国公立大”で総額600〜800万円程度((学習費調査の合計推計))。不足は概ね5,000〜6,000万円帯。
例2(年収600万円・持ち家・子6歳):住居費のコアは団信で圧縮。遺族年金のカバー比率が高まり、必要額は概ね300〜1,000万円帯に縮小。教育費の山(中学〜大学)を一時金で厚めにし、月々は収入保障を薄める設計が合理的です。
児童手当・学資・新NISAの併用で“保険だけ”にしない
公的給付(児童手当)は教育費のベース資金になります。これに学資保険(貯蓄を強制力付きで)や新NISA(目標時期に合わせたインデックス積立)を組み合わせ、死亡保障は“本当に不足する分だけ”に絞るのが合理的です。保険(守り)と運用(攻め)の役割を分けると、月の保険料を抑えながら必要時に崩せる資産も育ちます。
商品選び:定期(塊)×収入保障(月額)の役割分担
設計のコツはシンプルです。入学金・引っ越し・葬送費など“一時に減るお金”は定期保険(保険金一括)で、毎月の生活費不足は収入保障保険(月額)で。必要保障額は時間と共に減るため、逓減型の収入保障はカーブが合いやすく、保険料効率も高いのが利点です。優良体(非喫煙・BMI等)割引の活用、払込免除やリビング・ニーズなど“基本特約だけ”に絞る、見直ししやすい形にしておく——この3点で過不足のない土台になります。
見落としがちな落とし穴と対策
・2028年の有期化は“子のいない配偶者”が対象で、既受給者は影響なし。低所得の継続給付も制度化されます((厚労省の整理))。
・団信=住居費ゼロではありません。固定資産税・管理修繕や住み替え費は想定を。
・勤務先の団体保険や銀行ローン付保など“重複保障”と“空白期間”を棚卸し。退職・転職や育休前後はギャップが出やすいので、証券・約款の見直しを習慣化しましょう。
今日からの3ステップと無料AI相談の使い方
ステップ1:家計表(口座明細や家計アプリでOK)と年金見込額を手元に、早見表に当てて概算する。
ステップ2:定期×収入保障で“塊いくら・月いくら・何年”の叩き台を作る。見直し前提で少し厚めに。
ステップ3:LINEで“ほけんのAI”に相談。証券の写真送付・家計表の共有で、無料のオンラインFP面談へ自然に接続できます。全国対応・24時間の一次回答で、忙しい子育て世帯でも短時間で意思決定が進みます。
まとめ:重要ポイント
- 1必要保障額=支出見込−収入見込。まずは遺族年金の実額(令和7年度)を差し引く
- 2賃貸は家賃累計が重く、持ち家は教育費と生活費の不足が中心。末子年齢で期間を決める
- 3教育費は“すべて公立で約596万円、すべて私立で約1,976万円+大学”が最新の実感値
- 4設計は定期(一時金)×収入保障(月額)でムダなく。優良体割引・基本特約だけで軽く強く
- 52028年の遺族厚生年金“5年有期化”と子の加算増額の方向を理解し、数年ごとに微修正
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