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【2025年9月更新】医療法人理事長 退職金の新ルール:手取り最大化の段取り(個別相談可)

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
この記事の最新の更新
最終改良: 2025年9月28日
  • 功績倍率と通達の根拠を公的リンクで補強
  • 2019通達の損金・資産計上ルールの数値整理
  • 診療報酬−0.12%と医療経済の実態を資料で補強
【2025年9月更新】医療法人理事長 退職金の新ルール:手取り最大化の段取り(個別相談可)
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医療法人理事長の退職金、今年“変わるポイント”を一望

医療法人理事長の退職金は、2025年度の税制・制度の更新により、実務で押さえるべき論点が増えています。特に「退職金の妥当額の根拠づけ」「源泉徴収票の提出範囲拡大」「保険の損金計上ルールの現行適用」を見落とすと、想定外の課税やキャッシュ不足につながります。本稿では、公的資料に沿って最新の要点と失敗しない設計手順を整理し、手取り最大化に近づく現実的な段取りをまとめます。リンクはすべて一次資料を確認済みです。

退職金設計で“今”見直したい5論点

  • 1
    功績倍率法の扱いと「不相当に高額」判定への備え
  • 2
    退職所得の源泉徴収票提出対象の拡大(2026年以降)
  • 3
    老齢一時金との重複排除特例と10年保存への対応
  • 4
    診療報酬改定のネット▲0.12%と収益前提の見直し
  • 5
    法人保険の2019通達ルールに沿った損金・資産計上

功績倍率は“上限3.0”が法定なの?通達が示す実務の芯

退職金の算定に広く用いられる功績倍率は、法律が倍率を定めるものではありません。国税庁の法令解釈通達は「いわゆる功績倍率法」で支給した退職給与は業績連動給与に該当しないため、過大支給なら損金不算入の対象になり得ると示しています(9−2−27の3)。一般に代表者で3.0程度が目安とされる裁判例・実務がある一方、最終月額報酬・在任年数・同業類似の水準等の総合証拠が重要です。根拠資料(退職金規程、議事録、給与台帳)をセットで整え、否認リスクを下げましょう。(第7款 退職給与)

2025年度税制改正:源泉票の提出拡大など“地味に効く”変更

2025年度税制改正の大綱では、退職関連で実務影響のある更新が複数あります。具体的には、老齢一時金との勤続期間重複の排除(退職所得控除の重複防止)と申告書の10年保存への見直し、そして退職手当の支払に伴う退職所得の源泉徴収票の提出対象の拡大(役員に限らず全受給者へ)が明記されています。適用は2026年1月1日以後提出分です。提出・保存体制を前倒しで整えておくと安心です。(令和7年度税制改正の大綱)

“うちは3.8倍で準備済み、修正は不要?”

他院にならって3.8倍で退職金を設計しています。変更しなくても問題ないですよね?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
倍率そのものは法定ではなく、過大なら損金不算入リスクがあります。最終報酬・在任年数・同業水準で妥当額を再算定し、超過分は分割や在任調整を検討しましょう。通達の趣旨と証憑整備が鍵です((第7款 退職給与))。

診療報酬“ネット▲0.12%”の現実:収入前提を保守的に

診療報酬は2024年度改定で本体+0.88%、薬価等▲約1.00%の結果、ネットで▲0.12%のマイナスという評価が共有されています。収益力の前提は保守的に置き、退職金原資を保険だけに頼らず、内部留保・分割受取・在任調整を組み合わせて耐性を上げましょう。改定資料と通年運用の変更点は厚労省のページで確認できます。(令和6年度診療報酬改定について) (ネット改定率の解説例:(2024年度診療報酬改定、本体0.88%)
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
節税は結果論になりやすいです。先に現金の確保と受け取りの平準化を決めて、税はその設計に乗せていくのがおすすめです。

法人保険は“2019通達ルール”が現行:数値で確認

退職金原資に使われる逓増定期保険などの損金・資産計上は、2019年の法人税基本通達改正後のルールが現行です。最高解約返戻率に応じて資産計上割合と期間が変わり、50%超70%以下では保険期間の40%相当期間まで保険料の40%を資産計上(残り60%損金)、70%超85%以下では同60%を資産計上、85%超ではピーク返戻率に応じた比率で資産計上します。設計段階で損金前提を誤ると、出口の課税・キャッシュが崩れます。(定期保険・第三分野保険の取扱い(2019改正))

“失敗しない”退職金プラン 3ステップ

  • 1
    適正額の再算定:最終報酬×在任年数×倍率の妥当性を通達に沿って検証し、同業類似の水準と突き合わせる
  • 2
    キャッシュの土台作り:収益見通しを保守的に置き、3年分の保険料・退職金原資の支払い余裕を確保してから商品選定
  • 3
    出口の平準化:退職金(退職所得)と返戻金(一時所得)を分散・分割し、累進税率の谷間を狙って手取りを平均化

“あるある”誤算と立て直しのリアル

よくある誤算は、返戻ピーク前の退任で返戻率が想定より落ちる、最終役員報酬を直前に引き下げて退職金の妥当額が下がる、名義変更の遅れで贈与課税が発生する、などです。立て直しは、保険の減額・分割や退任時期の調整、規程と議事録の整備、分掌変更の妥当性の確認を同時に進めます。特に「低額役員報酬化」は退職金限度にも響くため注意が必要です。裁判例・通達の筋を外さないことが最優先です。

“返戻率は高いほど得?”損金と出口で答えが変わる

返戻率90%台なら、結局いちばん得ですよね?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
高返戻率は資産計上割合が大きく、損金枠が狭くなりがちです。現行ルール下では、返戻率70〜80%台でも出口設計次第で手取り最大化の事例は多いです((2019通達の枠組み))。

“経営の地合い”も数字で把握:医療経済の実態

医療機関の収益環境は、コロナ前より厳しいという認識が広がっています。公的調査でも、一般病院の赤字比率が高止まりする傾向が指摘されており、退職金原資を保険一本で賄う前提は危うくなりがちです。自院の損益・キャッシュフローの変動幅を、退職時期の選択肢と合わせて表で可視化しておきましょう。(第24回 医療経済実態調査の報告)(参考:「医療機関を取り巻く状況について」資料も有用)
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
退職金規程、議事録、給与台帳、同業類似の算定資料の4点セットが、税務と実務の両方であなたを守ります。

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まとめ:重要ポイント

  • 1
    倍率は目安、根拠が命。通達の枠と同業水準で妥当額を固める
  • 2
    税制改正の提出・保存要件に前倒し対応し、実務事故を防ぐ
  • 3
    診療報酬と医療経済の地合いを保守的に見てキャッシュを確保
  • 4
    法人保険は2019通達の数値前提で設計し、出口で手取りを平準化
  • 5
    無料オンラインFP相談で複数案を比較し、意思決定の質を上げる

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