【2025年8月更新】生命保険契約照会制度の始め方|手順・書類・料金改定(個別相談可)
更新:

執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

生命保険契約照会制度
生命保険協会
必要書類
オンライン申請
利用料金改定
相続
戸籍
目次
まず知る:制度の目的と“使える場面”を短時間で把握
家族が亡くなったり、認知機能が低下して契約者本人が確認できないときに、加入の有無と契約先の会社名を一括で確認できるのが 生命保険契約照会制度 です。2021年の創設以降、利用件数は増加し、2024年度は7,467件(Web5,631件/書面1,836件)まで伸びています(制度の概要と申請リンクは (生命保険契約照会制度のご案内))。本記事は2025年8月の最新情報で、申請の流れ・必要書類・結果の読み方、そして2026年4月からの利用料金改定までを実務目線で整理します。
“使える場面”と“分かること/分からないこと”
- 1死亡・行方不明・認知機能低下のいずれかに該当し、本人が自ら契約を確認できない事情があるときに申請できます(災害時は救助法適用地域が対象)。
- 2結果で分かるのは「契約の有無」と「契約がある会社名」で、詳細(保険金額・受取人名など)は各社に直接確認します。
- 3死亡事由での照会では、申請者がその契約の死亡保険金受取人に該当するかどうかの判定も通知に含まれます。
- 4調査対象は照会受付日時点で有効な個人の生命保険契約で、解約・失効済み、すでに支払済みの契約、財形保険や据置中の保険などは対象外です(詳細は上記ご案内ページ)。
- 5同一対象者については家族で代表者1名を決め、最大9名までを委任者としてまとめて申請できます(代表者に結果が集約されます)。
申請の全体像:オンライン/書面の流れと期間
申請は オンライン申請(推奨)か書面(郵送)申請の2通り。どちらも協会の審査後、利用料の支払確認からおおむね「14営業日(約3週間)」で結果がまとまります(スケジュールの具体例は (生命保険契約照会制度 ご利用の手引き(書面)) 参照)。
・オンライン:マイページ登録→フォーム入力→必要書類の画像アップロード→審査→メール案内に従い決済→マイページにPDF結果が掲載(手続の入口は (生命保険契約照会制度のご案内))。
・書面:協会サイトから申請書一式を取り寄せ→記入・必要書類(写し)同封→郵送→受付後に支払案内の簡易書留が到着→コンビニ払い→郵送で結果通知。
いつ・だれが申請できる?結果はどのくらいで届く?
祖父が亡くなり、保険の有無が分かりません。子ども(相続人)の私が代表で申請できますか?結果はどれくらいで分かりますか?

はい、法定相続人の中から代表1名を決めて申請できます。他の相続人は代表者に委任する形です。審査後に利用料を支払ってから、概ね14営業日(約3週間)で結果がまとまる運用です(手引きのフローに明記)。
ケース別の必要書類:死亡/認知機能低下/代理・代表
提出は原則として「写し(コピー)」で、返却はされません。代表的なケースは以下の通りです(全パターンと記入例は (生命保険契約照会制度 ご利用の手引き(書面)) と (生命保険契約照会制度 ご利用の手引き(Web)) を確認)。
・死亡時:代表者(相続人)の本人確認書類、相続関係が分かる戸籍等または法定相続情報一覧図、死亡が分かる書類(死亡診断書の写しや除籍謄本など)。
・認知機能低下時:協会所定の医師の診断書(様式3)。診断結果により本人同意書が必要となる場合あり。本人との続柄が分かる戸籍等、(後見開始済みなら)登記事項証明書等。
・任意/法定代理人:弁護士・司法書士・行政書士なら資格の分かる書類、成年後見人等なら登記事項証明書。複数の相続人で申請する場合は代表者に対する委任(所定様式)を添付します。
注意:戸籍等の本籍欄は黒塗りで提出、健康保険証は2025年12月2日以降は本人確認書類として不可、など細かな注意点が手引きに整理されています。

はじめに通帳・郵便物・保険証券の“手がかり”を探し、制度を使う必要性を見極めてから動くと、書類点検や再提出の手間を大きく減らせます。
費用と最新トピック:2026年4月の料金改定
平時利用の利用料は1件あたり3,000円(税込)。2026年4月1日以降の新規申請からは 利用料金改定 が実施され、Web申請6,000円、書面申請7,000円になります(災害時利用は引き続き無料)。一次情報は協会の公表資料 (2025年6月4日 生命保険契約照会制度の利用料金改定)。同資料には利用件数の推移(2021年度2,690件→2024年度7,467件)や、コスト上昇を踏まえた改定の趣旨も示されています。
支払方法の要点:
・オンライン申請はクレジットカードまたはコンビニ払い(Web手引きに明記)。
・書面申請は「コンビニ払いのみ」です(銀行振込は不可)。支払案内は簡易書留で届きます(詳細は (生命保険契約照会制度 ご利用の手引き(書面)) 参照)。
スムーズに進めるWeb申請のコツ
- 1スマホで撮影する書類画像は四隅まで入れて影を避け、文字が判読できる解像度でアップロードする。
- 2氏名は戸籍どおり(旧字体・改姓・通称の履歴は備考欄に)、生年月日・住所も住民票の表記と一致させる。
- 3家族で代表者1名と委任の体制を先に決め、申請は1件に集約して重複申請・二重課金を防ぐ。
- 4審査連絡はマイページ/メールで届くため、@seiho.or.jp からの受信を許可し、日中に対応できない場合でもWebで追補対応する。
- 5結果が出たら速やかに各社コールセンターへ連絡し、協会制度を使った旨を伝えて請求書類の取り寄せに進む。
対象と対象外の線引き(共済・団体・据置・海外など)
対象は協会会員生命保険会社の「個人向け生命保険」で、照会受付日時点で有効な契約です。JA共済・県民共済などの共済や、勤務先の団体保険は仕組みが異なり多くが制度の対象外となります。また、解約・失効済みや支払開始済みの年金、据置中の保険なども 対象外 です。海外契約は基本的に検索対象外で、氏名の異体字(齊・斉・斎など)や改姓・通称は備考欄で補足して網羅的に検索されるようにしましょう(条件詳細と申請口は (生命保険契約照会制度のご案内))。
共済や団体保険は調べられる?旧字体や改姓はどう書く?
県民共済や職場の団体保険も一緒に分かりますか?旧姓や旧字体のゆれは心配です。

共済や多くの団体保険はこの制度の検索対象外なので、各団体へ個別問い合わせが必要です。氏名は戸籍どおりにし、旧姓・旧字体・通称は備考欄に併記しておくと、検索の取りこぼしを減らせます。
よくあるつまずきと回避策
入力・記載ゆれ:戸籍・住民票の表記を基準にし、旧字体・改姓・ミドルネームや通称は備考欄で補足します。申請後の修正は再申請(再度の利用料)になる可能性があるため、下書き確認を推奨します。
重複申請:家族で代表者1名に集約し、他の相続人は委任状で参加しましょう。代表者には最大9名分の結果が集約されます(手引きの「照会者の人数」参照)。
結果後の段取り:契約が見つかったら各社へ速やかに連絡。請求権の時効や受取人の確認が絡むため、先延ばしにせず動くのが鉄則です。
実務で役立つ“準備メモ”
申請前の手がかり探し:通帳の引落履歴、過去の年末控除証明、郵便物(契約内容のお知らせ)、メール受信箱(電子通知)を確認。該当会社が分かれば、制度を使わず直接問い合わせで完了する場合もあります。
画像アップロードの品質:斜め撮影や影・反射は判読不能の原因。真上から撮り、余白を残しすぎず、個人番号等の不要情報は目隠しの上で提出します。
相続関係の整理:戸籍一式を集めるか、法務局の法定相続情報一覧図(写し)にまとめると以後の手続きが効率化。原本は保険会社への請求に必要になることがあるため、提出先ごとに必要部数を見積もっておきます。

通知で会社名まで分かったら、速やかに各社へ連絡し、請求書類の取り寄せと必要書類の確定に進めましょう。時間が最ももったいない場面です。
個別最適へ:無料オンラインFP相談の使い方
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まとめ:重要ポイント
- 1制度は“死亡・認知機能低下・災害”が前提。分かるのは契約の有無と会社名で、詳細は各社で確認する。
- 2オンライン申請が最短。審査→支払確認から概ね14営業日で結果通知が届く運用を想定して動く。
- 32026年4月から料金改定(Web6,000円/書面7,000円)。書面支払いはコンビニのみ。
- 4家族は代表者1名に集約し、委任で重複申請と二重課金を防止する。氏名・生年月日は戸籍ベースで記載ゆれをなくす。
- 5結果後はすぐ各社へ連絡し、請求・相続の実務を並行して進める。戸籍か法定相続情報一覧図で書類を効率化。
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