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【2025年12月更新】生命保険 事実婚の受取人|指定の正解と税の線引き

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2025年12月更新】生命保険 事実婚の受取人|指定の正解と税の線引き
生命保険 事実婚 受取人
内縁 受取人 指定
相続税 2割加算
非課税枠 500万円 法定相続人
保険法44条 遺言 受取人変更
パートナーシップ証明
生命保険料控除

はじめに|事実婚の受取人指定、いまの正解

法律婚ではない関係でも、生命保険は大切な人を守る実用的な手段です。結論から言えば、事実婚の受取人指定は多くの生命保険会社で可能になってきました。ただし“誰でも無条件にOK”ではなく、独身要件や同居・生計同一の実態確認など、会社ごとの審査を通す段取りが必要です。本記事は2025年12月時点の一次情報を根拠に、指定の可否基準、必要書類、審査の進み方、そして相続税・一時所得・贈与税の線引きを実務手順で整理します。あわせて非課税枠や2割加算の注意点、遺言(保険法44条)を使う設計も、失敗しない順番で解説します。

こんな悩みに答えます

  • 1
    事実婚や同性パートナーを受取人にできる会社・条件を知りたい
  • 2
    住民票や戸籍など、審査で実際に求められる書類を一覧で確認したい
  • 3
    相続税の非課税枠が使えないと聞いたが、具体的にどう備えるべきか
  • 4
    2割加算の対象になる場面と回避・軽減の現実的な選択肢を知りたい
  • 5
    遺言での受取人変更(保険法44条)の使い方と注意点を把握したい

受取人指定は可能?最新の可否と会社対応

原則として、死亡保険金の受取人は配偶者や1〜2親等の親族に限定する会社が多い一方、近年は家族のかたちの多様化を踏まえ、事実婚や同性パートナー等も審査のうえ受取人に指定できる取り扱いが広がっています。自治体のパートナーシップ制度も後押しとなり、2025年5月末時点で導入自治体は530、人口カバー率92.5%、登録9,836組と公表されています((【6月27日】全国に広がるパートナーシップ制度を渋谷区とNPOが共同調査))。 実務では、会社の約款・審査方針により可否や必要書類が異なります。例えば「契約者=被保険者の契約に限り、内縁や同性パートナーを受取人に指定できる場合あり」と案内する大手の事例((公式FAQ))、あるいは「事実婚・同性パートナーを受取人に直接指定できる取扱い拡充」を公表したネット生保の事例((ニュースリリース))があります。会社名の違いにかかわらず、“自社の審査で認定できる資料・実態”が鍵です。加入前に必ず可否・要件・書類を照会し、難しい場合は他社比較に切り替えましょう。

本当に私たちでも受取人にできますか?

婚姻届は出していません。同居3年で家計はほぼ共通です。受取人にできますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
可能性は十分あります。独身(配偶者なし)が前提で、住民票の同一世帯・続柄、同居期間や生計同一を示す資料がポイントです。会社により要件が違うため、事前に可否と必要書類を確認し、通りやすい順で申込みましょう。

指定までの手順と必要書類(実務のコツ)

審査を通す近道は“会社の要件を先に確定し、足りない資料を補ってから申込む”ことです。典型的な手順は次のとおりです。
  1. 事前照会:対象商品で事実婚・同性パートナーの受取人指定が可能か、同居年数や上限保険金の目安を確認。
  2. 書類準備:同一世帯の住民票(続柄に「未届の妻/夫」等の記載が望ましい)、双方の戸籍(独身確認)、生計同一の補助資料(家賃・光熱費の支払口座、健康保険の被扶養者関係など)、自治体のパートナーシップ証明(ある場合)。
  3. 申込・審査:受取人の続柄は「その他」記載とし、内縁関係・同居期間等を補記。内容確認や面談、追加資料依頼が入ることがあります。
  4. 承認・証券確認:承認後に住民票など“発行から〇か月以内”の提出期限が定められることも。証券に受取人氏名が正しく反映されているか必ず確認しましょう。 住民票・届出の整備は影響が大きいので、**住民票の続柄「未届の妻・夫」**への切替えや世帯合流の手続を先に済ませると審査がスムーズです。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
同居と家計の一体性を客観資料で示せるほど、会社の審査は通りやすくなります。住民票・戸籍・支払口座の整備を先に。

税の線引き手順|相続税・一時所得・贈与税は“誰が契約・負担・受取か”で決まる

死亡保険金の課税区分は「契約者=保険料負担者」「被保険者」「受取人」の組合せで判定します。基本は3パターンです。
  • 契約者=被保険者(亡くなった本人)、受取人=パートナー:相続税の対象。法定相続人が受け取る場合だけ「500万円×法定相続人の数」の非課税限度が適用されます((No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金))。
  • 契約者=受取人(パートナー)、被保険者=本人:所得税(死亡保険金の一時金は一時所得、年金形式は雑所得)の対象((No.1750 死亡保険金を受け取ったとき))。
  • 契約者・被保険者・受取人すべて別:贈与税の対象(同族間等で起きがち。保険料控除はありません)。 まずは自分の契約がどの型に該当するかを線引きし、次に“税額や控除が効くか”を確認しましょう。

納税資金の段取り(相続税の支払期日を逆算)

  • 1
    相続税は原則、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付するため、受取保険金の入金時期と申告期限のズレに注意する
  • 2
    まとまった現金納付が難しい場合は、延納(分割)や物納の制度要件・期限を早めに確認する((延納・物納申請等)
  • 3
    葬儀費・当面の生活費と相続税の原資を分け、別口座で管理すると使途が混ざらず安全
  • 4
    保険金を年金形式で受け取る場合は雑所得課税や公的医療・介護保険料への影響も確認する

事実婚受取人は非課税枠なし・2割加算に注意

最も多い契約は「契約者=被保険者(本人)、受取人=事実婚パートナー」です。この場合は相続税の対象ですが、受取人が法定相続人ではないため「500万円×法定相続人」の非課税枠は使えません。さらに配偶者・一親等の血族(子・父母等)以外が財産を取得すると、相続税の2割加算(20%上乗せ)が適用されます((No.4157 相続税額の2割加算))。保険金額を決める際は、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や他の遺産の見込みを踏まえて、税額・納付原資までシミュレーションしておくと安全です。

ケース別ミニ試算の考え方(500万/1,000万/2,000万)

税額は“遺産全体”と“法定相続人の数”で変わるため、単独の保険金額だけでは断定できません。考え方の例です。
  • 500万円:他の遺産が少なく、法定相続人が一定数いると基礎控除内に収まることも。ただし2割加算の可能性は残り、申告要否は税理士に確認を。
  • 1,000万円:基礎控除内に収めるには、他の遺産を圧縮する工夫が必要な場面が増える。納税資金の確保を早めに段取り。
  • 2,000万円:単独でも税負担が生じやすいレンジ。受取方法や契約者・受取人設計の見直し、延納の検討を含めて総合的に設計を。 いずれも最終判断は“相続人の数・遺産全体・債務控除・各種特例”で変わります。概算だけで進めず、必ず個別に試算してください。

代替策と補強策|遺言・契約形態・信託で“取りこぼし”を防ぐ

選択肢は複数あります。まず、遺言で受取人を変更する方法。保険法44条は「保険金受取人の変更は遺言でもできる」と規定し、遺言の効力発生後に相続人が保険者へ通知しなければ対抗できないとしています((保険法(e-Gov)第44条))。契約時に希望の指定が難しいときの“第二ルート”として有効です。 次に、契約者=受取人方式で“死亡保険金を一時所得化”する設計。契約者(=保険料負担者)と受取人が同一だと死亡保険金は一時所得(年金形式は雑所得)になり、支払保険料や特別控除の差引計算が可能です((No.1750 死亡保険金を受け取ったとき))。実行には保険料負担の能力や家計バランスの検討が欠かせません。 さらに、“使い道と受け取り方を細かく設計したい”場合は生命保険信託・家族信託も候補です。重ねておきたい注意点として、生命保険金は一般に受取人固有財産で遺産分割の対象外ですが、事案によっては遺留分との関係で評価調整が争点となる例外的な議論があり得ます。相続関係が複雑な場合ほど、専門家とセットで設計してください。

どの契約形態が一番“得”ですか?

相続税が重いなら、すべて“契約者=受取人”に変えるのが正解でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
税だけで最適は決まりません。保険料負担の余力、家計のキャッシュフロー、他の遺産や住宅・金融資産、将来の名義変更や請求のしやすさも含めて総合判断です。複数案を並べて、税・資金計画・手続きの難易度を同時に比較しましょう。

よくある落とし穴と回避策(実例ベース)

受取人変更の失念は典型的なトラブルです。関係解消後も受取人が元パートナーのままだと、保険金が意図せぬ相手に支払われます。解消時・転居時・氏名変更時は“受取人も確認”を習慣化しましょう。審査に通すための虚偽申告(未離婚なのに独身と申告、同居期間の偽装など)は保険金不払いの重大リスクです。また、事実婚パートナーを受取人にした契約は生命保険料控除の対象外である点も見落としがちです((No.1140 生命保険料控除))。“控除前提の保険料設計”は通用しないので、家計の固定費配分をあらためて見直してください。

5分でできるクイックチェック(可否・書類・税区分)

可否条件は、独身要件(法律上の配偶者なし)、一定の同居・生計同一、会社が求める実態資料の3点が基本軸です。書類は住民票(続柄の記載確認)、戸籍(独身確認)、支払口座や保険の被扶養者情報、自治体のパートナーシップ証明(あれば)を優先的に揃えましょう。税区分は「契約者・被保険者・受取人」の三者関係で判定し、相続税の非課税枠(法定相続人に限定)や2割加算の該当有無、延納・物納の利用可能性まで一気に確認するとミスが減ります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
順番を決めて動くほど、不備や差し戻しが減って早く守りが固まります。先に税区分、その次に書類、最後に受取人の最終確認です。

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まとめ:重要ポイント

  • 1
    事実婚・同性パートナーの受取人指定は会社ごとに審査要件が異なるため、可否・書類・金額上限を事前照会する
  • 2
    税区分は三者関係で判定し、非課税枠は法定相続人限定・事実婚は2割加算に注意(NTAの最新ページで再確認)
  • 3
    住民票の続柄・同居の実態・生計同一の裏づけ資料を先に整えると審査が通りやすい
  • 4
    遺言(保険法44条)や契約者=受取人方式、生命保険信託など代替策を“税・資金計画・手続き”で総合比較する
  • 5
    受取人の更新・控除の扱い・請求の段取りを定期点検し、相続税の納税資金は延納も視野に前倒しで準備する

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