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【2026年9月更新】学資保険と奨学金|母子家庭の資産基準3チェック

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年9月更新】学資保険と奨学金|母子家庭の資産基準3チェック
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母子家庭の教育費は「貯め方」と「制度の使い方」を分けて考える

大学・短期大学・専門学校への進学費用を考えるとき、母子家庭では「学資保険を続けてよいのか」「給付奨学金の対象になるのか」「貯蓄やNISAがあると不利になるのか」が一度に不安になりやすいものです。
この記事では 学資保険と奨学金 を同じ土俵で比べるのではなく、教育費を「家庭で確実に用意するお金」「制度で補える可能性があるお金」「足りないときに借りるお金」に分けて整理します。
日本政策金融公庫の(教育資金はいくら必要?かかる目安額をご紹介)では、大学の初年度の教育費は国公立大学で平均87.2万円、私立大学で平均227.6万円、医歯系を除く私立大学で平均140.5万円と紹介されています。進学先によって必要額が大きく変わるため、制度を調べる前に「いつ、いくら必要か」を見える化することが大切です。

先に見るべき資産基準3チェック

  • 1
    申込日時点で、本人と生計維持者の現金、預貯金、有価証券、投資信託、NISA資産などの合計が基準内に収まるか確認します。
  • 2
    学資保険や貯蓄型保険は、満期・解約前と現金化後で扱いが変わるため、満期日、受取人、受取予定額を整理します。
  • 3
    児童手当、養育費、預貯金、保険満期金、NISAの売却予定を、入学金、前期授業料、生活費など支払時期別に分けます。

2026年9月の確認ポイントは「年収」だけでなく「資産」も見ること

奨学金は「母子家庭なら必ず対象」という制度ではありません。JASSOの給付奨学金や授業料等減免では、世帯収入、家族構成、学校種別、学業要件に加えて 資産基準 も確認されます。
2027年度進学予定者向けの予約採用では、提出されたマイナンバーにより、2025年の収入に基づく2026年度住民税情報で収入基準が判定されます。JASSOの(進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準)では、予約採用において2026年中の失業などによる減収は考慮できないことも示されています。
つまり、いま家計が厳しい場合でも、判定に使われる年の所得と現在の家計状況がずれることがあります。高校の奨学金担当窓口に早めに相談し、予約採用だけでなく、進学後の在学採用や家計急変時の手続きも確認しておきましょう。

学資保険があると給付奨学金で不利になりますか?

子どものために学資保険を続けています。貯めているほど奨学金で不利になるのでしょうか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
学資保険を持っていること自体が直ちに問題になるわけではありません。JASSOの資産基準では、満期や解約で現金化した保険は資産に含まれますが、満期・解約前の学資保険や貯蓄型生命保険は対象外とされています。大切なのは、申込時点で現金化しているか、進学費用としていつ受け取るかを確認することです。

給付奨学金の資産基準は5,000万円未満が基本

JASSOの給付奨学金では、申込日時点の本人と生計維持者の資産額の合計が 5,000万円未満 であることが基本の基準です。対象となる資産には、現金、普通預金、定期預金、株式、国債、社債、投資信託などが含まれます。NISA口座で保有する投資信託や株式も、非課税制度の中にあるから除外されるわけではなく、時価で確認する必要があります。
一方、土地・建物などの不動産は対象外です。また、住宅ローンや自動車ローンなどの負債を資産額から差し引くことはできません。たとえば、預貯金300万円、NISA評価額120万円、満期で受け取った学資保険200万円がある場合、資産確認では合計620万円として考えるのが基本です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費は、貯めていること自体が悪いわけではありません。判定される時期とお金の置き場所を知らないまま動くことが、いちばんもったいないです。

学資保険は「保障つきの教育資金」、奨学金は「進学時の支援」

学資保険は、契約者に万一のことがあった場合に保険料の払込みが免除されるタイプもあり、教育資金を計画的に準備しやすいのが特徴です。母子家庭では、親に万一があったときの教育費の備えとして意味を持つことがあります。
一方、JASSOの 給付奨学金 は返済不要の支援ですが、収入、資産、学業などの条件があります。確実にもらえる前提で教育費計画を組むより、「対象になれば負担を下げられる制度」として見ておくほうが安全です。
家計が苦しいと、保険料を減らしたくなる場面もあります。その場合も、解約ありきではなく、払済保険、保険金額の減額、満期時期の確認など、契約を残す選択肢がないか保険会社に確認してから判断しましょう。

母子家庭が進学前に進めたい準備

  • 1
    中学・高校時点で、学資保険の満期時期、満期金、契約者、受取人、解約した場合の返戻金を一覧にします。
  • 2
    高校2年から高校3年の早い時期に、学校経由でJASSOの予約採用スケジュールと必要書類を確認します。
  • 3
    児童手当や養育費は教育費口座に分けつつ、申込時点では預貯金として資産額に含まれることを意識します。
  • 4
    給付型奨学金だけでなく、貸与型奨学金、自治体のひとり親向け貸付、国の教育ローンも同時に比較します。
  • 5
    保険料が重い場合は、解約、減額、払済、保険料払込期間の見直しで将来の受取額がどう変わるか確認します。

母子家庭では「生計維持者1人」で判定されるケースが多い

母子家庭の場合、原則として母親が生計維持者になるケースが多く、所得の見方は共働き世帯と異なります。JASSOの2026年度在学採用(二次)以降の目安では、給与所得者の2人世帯「本人、母」の場合、年間収入の目安は第1区分229万円、第2区分332万円、第3区分402万円、第4区分649万円と示されています。
ただし、この金額はあくまで目安です。実際の判定は課税標準額や調整控除額などを使うため、障害者控除、社会保険料、家族構成、本人の収入などで変わります。別居親からの養育費、同居親族、再婚、事実婚、祖父母からの大きな援助がある場合も、学校の窓口やJASSOの進学資金シミュレーターで早めに確認しましょう。

多子世帯は授業料等減免と給付奨学金を分けて確認する

2026年9月時点では、高等教育の修学支援新制度の拡充により、多子世帯への支援が大きなポイントになっています。文部科学省の(高等教育の修学支援新制度)では、令和7年度から多子世帯の学生について、所得制限なく国が定める一定額まで大学等の授業料・入学金を減免すると案内されています。
JASSOの(多子世帯支援について)では、大学の場合の減免上限の目安として、国公立は入学金28万円・授業料54万円、私立は入学金26万円・授業料70万円が示されています。一方で、資産額が5,000万円以上3億円未満の多子世帯では、授業料等減免の対象になっても、給付奨学金の支給額は0円になるとされています。
兄弟姉妹がいる家庭ほど、「授業料等減免」と「給付奨学金」を同じものとして考えないことが重要です。家計に入ってくる毎月の奨学金があるのか、学校に納める授業料が減るだけなのかで、必要な手元資金は変わります。

NISAで教育費を貯めるのは避けたほうがいいですか?

学資保険よりNISAで増やしたほうがよいと聞きました。奨学金の資産基準に影響しますか。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
NISA資産も、JASSOの資産確認では有価証券や投資信託として考える必要があります。教育費として1〜3年以内に使うお金は現金や定期預金を中心にし、10年以上先に使う可能性が高いお金はNISAなどを検討する、というように時期で分けるのがおすすめです。

ひとり親向け貸付は「奨学金の不足分」を埋める選択肢になる

給付型奨学金や授業料等減免だけで足りない場合は、貸与型奨学金のほか、ひとり親世帯向けの公的貸付も候補になります。内閣府の(母子父子寡婦福祉資金貸付金制度)では、修学資金や就学支度資金などが案内されています。
たとえば修学資金は、大学や専門学校などに就学するための授業料、書籍代、交通費などに充てられる資金で、制度上は無利子の枠があります。私立大学の自宅外通学の例では、修学資金の限度額として月額146,000円が示されています。ただし、自治体の窓口での審査や申請時期があり、修学支援新制度による減免や給付を受ける場合は貸付限度額や償還の扱いが変わることがあります。
「入学前に必要な入学金」と「入学後に毎月必要な生活費」は、使える制度が異なります。合格後に慌てるより、高校2年のうちに自治体の福祉担当窓口へ相談しておくと安心です。

児童手当は教育費口座に分けると進学時の資金計画が見えやすい

児童手当は、2024年10月分から制度が拡充され、0歳から高校生年代までが支給対象となりました。こども家庭庁の(児童手当制度のご案内)では、3歳未満は月15,000円、3歳以上高校生年代までは月10,000円、第3子以降は月30,000円と案内されています。
母子家庭では、生活費の補填に使わざるを得ない時期もあります。それでも可能な範囲で、児童手当や養育費の一部を教育費口座に分けておくと、進学前に「すぐ使える現金」がどれだけあるか把握しやすくなります。ただし、口座を分けてもJASSOの資産確認では預貯金に含まれる点は忘れないようにしましょう。

学資保険を解約する前に、3つの損失を確認する

奨学金の資産基準が気になっても、学資保険を急いで解約するのは慎重に考えたいところです。途中解約すると元本割れすることがあり、契約者に万一のことがあった場合の払込免除などの保障も失われます。さらに、いったん解約して現金化すると、申込時点の資産として確認対象になる可能性があります。
確認したい損失は、返戻率の低下、保障の喪失、受取時期の前倒しによる家計計画の崩れです。保険料が家計を圧迫している場合は、解約以外にも、保険金額の減額や払済保険にできるかを保険会社に確認しましょう。保険証券、現在の解約返戻金、満期金額、払込免除の有無を手元に置いて相談すると、判断しやすくなります。

最終判断は「教育費の不足額」から逆算する

学資保険、児童手当、預貯金、NISA、奨学金を別々に考えると、判断が難しくなります。まずは志望校ごとに、入学金、授業料、施設設備費、通学費、一人暮らし費用、受験費用を見積もりましょう。そこから、すでに準備できている資金と利用できる可能性がある制度を差し引くと、不足額が見えてきます。
たとえば、私立大学の初年度費用を140万円、学資保険の満期金を100万円、教育費口座を30万円、児童手当の積立予定を20万円と見込めるなら、初年度の不足は小さくなります。一方で、自宅外通学や理系学部を想定する場合は、初年度だけでなく2年目以降の生活費まで含めて、貸与型奨学金やひとり親向け貸付を組み合わせる必要が出てきます。
大切なのは、「奨学金に通るかどうか」だけで判断しないことです。通った場合、通らなかった場合、途中で家計が変わった場合の3パターンを作っておくと、進学直前の不安を減らせます。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    JASSOの給付奨学金では、収入だけでなく本人と生計維持者の資産額も確認され、基本の資産基準は5,000万円未満です。
  • 2
    満期・解約前の学資保険や貯蓄型生命保険は資産対象外ですが、満期や解約で現金化した保険金は確認対象になります。
  • 3
    NISAや預貯金、児童手当は、入学前に使うお金と長期で備えるお金に分け、申込時点の資産額も意識して管理しましょう。
  • 4
    多子世帯では授業料等減免と給付奨学金の扱いが異なるため、支援内容を分けて確認することが大切です。
  • 5
    不足額が大きい場合は、給付型奨学金、貸与型奨学金、母子父子寡婦福祉資金貸付金、保険の見直しを同時に検討しましょう。

まずは無料オンライン相談で教育費の不足額を見える化

母子家庭の教育費準備は、学資保険を続けるか、奨学金をどう使うか、NISAや預貯金をどう配分するかで悩みやすいテーマです。ほけんのAIなら、まずAIに家計や保険の疑問を相談し、その内容をもとにオンラインでFP相談へ進めます。時間や場所を選ばず無料で相談でき、中立的な立場で保険や資産形成を比較できます。LINEから気軽に相談を始められます。

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