【2025年8月更新】生命保険 指定代理請求|条件・手続き・家族の決め方(個別相談可)
更新:
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

生命保険 指定代理請求
指定代理請求人 範囲
請求条件
手続き 必要書類
受取人 違い
成年後見制度
本人非通知
まず押さえる:指定代理請求の全体像
生命保険の指定代理請求は、被保険者本人に「特別な事情」があって自ら請求できないときに、事前に登録した代理人が代わって給付金等を請求できる仕組みです。多くは「指定代理請求特約」を付けて使い、追加保険料はかかりません。制度の基本は、公的な中立機関の解説が分かりやすいので一度読んでおきましょう((指定代理請求制度って、どんな制度なの?))。
一方、保険金受取人は死亡保険金などを受け取る権利者のこと。両者は役割がまったく別で、指定代理請求人は「手続きの代理人」、受取人は「金銭の権利者」と覚えると混同を防げます(比較の要点は後述リンク参照)。
2025年は、指定できる範囲(事実婚・同性パートナー等)の実務対応が広がる見直しや、オンライン手続の整備が進展。詳しくは本文と参考リンクで最新の一次情報を確認できます。
2025年の最新アップデート要点(要約)
- 1一部の大手では、事実婚・同性パートナーや同居・生計同一など、代理請求人の範囲を広げる約款改定が進みました(2017年以降の流れが継続し、2025年も見直しあり)。
- 2請求時の「本人非通知」の扱いが明確化され、家族側の連絡・資金管理の注意がより重視されています。
- 3未指定で本人が請求不能になった場合は、成年後見の選任に平均で数か月要する現実(目安約4か月)を踏まえ、事前登録の重要度が上がっています。
- 4ネット・郵送の組み合わせで、特約の付加・変更・書類請求を非対面で進められる会社が増えています。
- 5実務では「1契約につき1名」運用が一般的で、適任者の定期見直し(離婚・転居・海外在住など)を促す案内が強化されています。
代理請求が認められる“請求条件”の具体例
約款上の請求条件(「被保険者が自ら請求できない特別な事情」)に該当するとき、登録済みの指定代理請求人が代わりに請求できます。典型例は次のとおりです。
- 意思表示が困難:昏睡や脳血管疾患の後遺、重度認知症などで意思疎通や意思表示ができない状態。
- 本人への未告知:治療上の配慮で、がん等の重大な病名や「余命6か月以内」を本人に告げていないケース(家族だけが知らされている場合など)。
- 上記に準じる状態:一時的な判断能力の喪失・低下など、各社が「準ずる」と認める事情。 制度の定義と具体例は、公的解説のQ&Aが参考になります((指定代理請求制度って、どんな制度なの?))。また、会社の案内でも「意思表示困難」「未告知」「準ずる場合」の整理が見られます((指定代理請求制度について))。
本人に知らせず家族が請求してもよい?
がんの本当の病名を本人に告げていない場合でも、家族が代理請求できますか?通知は本人に行きますか?
未告知が治療上の配慮として認められるケースでは、代理請求が可能です。多くの案内で「代理請求に基づく支払いを保険会社が本人へは通知しない」と明記されています((指定代理請求制度って、どんな制度なの?))。もっとも、後日契約者や本人からの照会には回答されるため、家族内の情報共有と主治医との相談を並行して慎重に進めましょう。
対象外・グレーゾーンの線引きと実務の注意
指定代理請求は「生前給付(入院・手術・高度障害・介護・リビングニーズ等)」が主対象です。死亡保険金は受取人固有の権利であり、指定代理請求の対象外です。グレーに見えやすいのは、被保険者が回復し意思表示できるようになった場面。この時点では本人請求が原則です。また、代理請求人の権限は請求行為に限定され、解約・受取人変更・契約者貸付などの契約変更はできません(契約者代理特約など別制度の活用が必要)。整理された基礎解説は次の資料が役立ちます((指定代理請求制度って、どんな制度なの?))。
誰を指定する?範囲と家族の決め方
指定できる指定代理請求人の範囲は会社ごとに約款で定められ、一般的には「配偶者(戸籍上)・直系血族・3親等内の親族」です。実務では、同居や生計同一の親族も含めた案内が主流で、範囲例は会社ページにまとまっています((指定代理請求制度について))。
近年は、事実婚(内縁)や同性パートナー等への対応を広げる改定も進み、非親族でも一定の要件(同居・生計同一、財産管理の委任など)を満たせば指定可能とする運用が増えています((「代理請求人等の範囲の拡大」について))。
注意点は「指定時と請求時の双方で要件内であること」。たとえば離婚・別居・海外転居で要件から外れると、その人では請求できません。結婚・出産・離婚・転居のタイミングで見直しましょう。
高齢夫婦・単身者の最適解と選定基準
誰を指定するかは「信頼性」と「機動性」の両立が肝心です。高齢夫婦同士のみの指定は、双方が要介護・入院などで同時に動けないリスクがあります。おすすめは、次のような基準の組み合わせです。
- 日常の連絡が取りやすく、医療・手続きに慣れた人(子ども・きょうだい・甥姪など比較的若い親族)。
- 仕事や居住地の都合で、平日に病院・役所・郵便対応ができる人。
- 金銭管理に節度があり、領収書や明細を保管できる人(家計アプリ併用も有効)。 単身者は、信頼できる親族に加え、事実婚・パートナーや財産管理を委任した第三者の選択肢も検討対象に。複数契約でそれぞれ別の適任者を指定する手もあります(多くの実務で「1契約につき1名」運用)。
事前登録・変更のやり方(オンライン可否)
特約の付加・変更は、営業店・郵送・オンライン(マイページ)など会社により手段が分かれます。実務例では、所定フォームを取り寄せて郵送で付加し、請求時点でも関係性の確認書類(戸籍・住民票等)を提出します((指定代理請求特約の付加))。
ネット専業・大型社では、WEBで書類請求→郵送提出の流れや、マイページからの変更受付を案内する例が増えています((指定代理請求制度のご利用))。古い契約は特約未付加のこともあるため、いまの契約ごとに「代理請求人の登録有無」と「指定範囲との適合性」を点検しておきましょう。
“だれが、いつ、どこに連絡し、どの書類を出すか”。家族で台本を共有しておけば、いざという時の数日を節約できます。
実際の請求フローと必要書類
請求は「保険会社へ連絡→請求書類の取り寄せ→医師の証明・本人確認・関係証明を添付して提出→支払い審査→振込」の流れです。ポイントは次の3つです。
- 医師の証明:意識障害・判断能力・未告知の有無など、指定フォーマットで医師に記載を依頼(診断書の様式は会社ごと)。
- 関係証明と本人確認:配偶者・直系血族・3親等内・同居等の要件確認のため、戸籍・住民票(続柄記載)や代理人の本人確認書類を提出。
- 口座と資金管理:振込先は代理人名義の指定も可能ですが、給付金は被保険者の療養・生活のための資金です。使途や明細の記録を家族で共有し、トラブル防止を。
支払い後に起きる“契約への影響”と通知の扱い
高度障害保険金やリビング・ニーズ特約の支払いで契約が消滅・縮減することがあり、入院・手術給付でも限度額の消化が進みます。多くの案内で「代理請求に基づく支払いについて、保険会社は被保険者本人へ通知しない」旨が記されますが、契約者・本人からの照会には回答が返るのが通常です((指定代理請求制度って、どんな制度なの?))。
家族側は、支払い後の契約状態(消滅・縮減・限度額の残り)を把握し、保険料の引き落としや次の請求可否に誤解がないよう、適切なタイミングで本人・家族へフォローしましょう。
いまチェックすべき5項目(家庭内チェックリスト)
- 1加入中の全契約で「指定代理請求人の登録有無」を一覧化する。
- 2指定した人が今も要件内か(同居・生計同一・3親等内など)、請求時点でも満たせるかを確認する。
- 3連絡ルート(保険会社・主治医・家族)と書類保管場所(戸籍・住民票・診断書)を家族LINE等で共有する。
- 4契約者代理特約・家族向け情報開示制度など、別制度との併用有無を整理する。
- 5半年〜1年ごとに“指定者・口座・連絡先”を見直す定例日をカレンダー登録する。
誤解しがちな点とトラブル予防
指定代理請求人ができるのは請求手続きのみで、解約・受取人変更・貸付などの契約関係手続きはできません(該当するのは契約者代理特約等)。また「代理人の私用のための金銭」ではなく、被保険者本人の療養・生活費のための資金であることを家族で共有し、使途や明細の管理を徹底しましょう。制度の基礎は公的Q&Aがわかりやすく、比較FAQも参考になります((指定代理請求制度って、どんな制度なの?)/(保険金受取人と指定代理請求人の違い(FAQ)))。
未指定で本人が請求不能…どう動く?
代理請求人を登録していないまま、親が認知症で請求手続きが進みません。最短ルートは?
家庭裁判所に成年後見(法定後見)の申立てを行い、選任された後見人が請求する流れです。申立から選任までの目安は約4か月(事案により増減)と案内されています((自分で請求できないときは(資料PDF)))。すぐに資金化が必要な場面に備え、平時に代理請求人の登録を済ませておくのが現実的です。
2025年の動向と会社別の違い(読み方のコツ)
会社ごとに「指定できる範囲」「必要書類」「オンライン可否」に違いがあります。2010年代後半から続く“範囲拡大”の潮流は、2025年も継続。2017年の改定以降、同居・生計同一や事実婚・同性パートナー等へ配慮を広げる見直しが公表され、既契約にも適用されるケースが見られます((「代理請求人等の範囲の拡大」について))。
また、特定社では特約条項の一部変更が2025年に実施され、同居者・財産管理者・死亡保険金受取人などを会社が適切と認める場合に範囲へ含める改定が告知されています((特約条項の一部変更について))。月次の断定は避け、各社の最新ページで「対象範囲」「施行日」を必ず確認しましょう。
まとめ|次の一手(家族で合意→AI相談へ)
家族で“だれが・いつ・どう動くか”を合意し、連絡手段と書類の所在を共有しておけば、請求のスピードも安心感も大きく違います。まずは加入中の全契約で「代理請求人の登録有無」と「指定範囲との適合性」を棚卸しし、必要ならすぐに変更を。困ったときは一次情報リンクを参照しつつ、プロに壁打ちするのが早道です。
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まとめ:重要ポイント
- 1指定代理請求は“生前給付の手続き代理”で、受取人(死亡保険金の権利者)とは役割が別物である。
- 2請求条件の典型は「意思表示不能」「未告知」「準ずる状態」。未指定だと成年後見に数か月を要し資金化が遅れる。
- 3誰を指定するかは「信頼性×機動性」。離婚・転居・高齢化などで要件外にならないよう、半年〜1年ごとに見直す。
- 4オンライン・郵送で付加・変更できる会社が増加。会社ごとに範囲・書類・可否が異なるため一次情報で確認する。
- 5支払い後は契約状態の変化(消滅・限度消化)と“本人非通知”の運用に留意し、家族内の情報共有を徹底する。
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