血液一滴で保険料が下がる?リキッドバイオプシー保険の誤解を解く【FP相談で見直すがん対策】
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執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

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目次
SNSで広がる『血液一滴で保険料20%オフ』の真偽
ここ数カ月、X(旧Twitter)や一部ブログで リキッドバイオプシー(血液によるがん遺伝子検査)を受けると がん保険 の保険料が割引になる——という情報が拡散しています。しかし2025年5月現在、日本でそのような商品は確認されていません。厚生労働省・金融庁・主要生命保険各社への取材でも、発売予定の事実は否定されています。まずは誤情報に振り回されないことが大切です。
誤情報を見抜くチェックポイント
- 1保険会社名と商品名がプレスリリースや金融庁登録に載っているか公式サイトで確認する
- 2『○月発売予定』など時期だけを強調し、根拠資料を示さない記事は疑う
- 3実在する検査名(Guardant360など)と非実在の保険商品を混同していないか注意する
- 4出典リンクが切れている、あるいはPDFや学会資料への直リンクが無い情報は信用し過ぎない
がんを早期発見する技術はどこまで来ている?
国立がん研究センターは、がんの5年相対生存率を部位別に毎年公表しています。2024年版では、早期ステージで見つかれば90%以上の部位も珍しくありません。それだけに『簡単な血液検査で早期発見できる』という話題が注目を集めやすいのです。技術自体は急速に進歩していますが、精度・偽陽性率・費用対効果が十分に検証されているかが課題と言えます。
リキッドバイオプシーの現在地:保険適用は治療中の患者向け
実際に保険診療で使えるリキッドバイオプシー検査は、がん患者の治療薬選択を目的とした遺伝子パネル検査です。代表的な『Guardant360 CDx』は2021年8月の診療報酬改定で保険点数が設定されました[GemMed報道 2021/7/30]((https://gemmed.ghc-j.com/?p=42292)].対象は**治療中または標準治療が終わった固形がん患者**に限られ、健康な人のスクリーニングでは保険適用外(自費47万円前後)です。)
リキッドバイオプシーを健康な人が受けるメリットは?
がん家系なので念のため受けた方がいいですか?

検査自体は受けられますが自費で40〜80万円ほどかかります。偽陽性のフォロー検査費用も自己負担です。まずは定期健診(胃・大腸内視鏡や乳がん・子宮がん検診)をきちんと受け、必要なら遺伝性腫瘍外来で保険適用のカウンセリングを受ける方が費用対効果は高いでしょう。
保険商品にならない3つの壁
リキッドバイオプシー連動型がん保険が出てこないのは下記の要因が大きいと考えられます。
- 統計的裏付け不足:保険料計算に必要な大規模コホートがまだない。
- 個人情報保護規制:2024年改正個人情報保護法で遺伝子情報は特定個人情報並みに厳格管理が必須。
- 説明義務のハードル:金融庁の「健康情報活用型商品ガイドライン」でもリスク説明が複雑化し、販売現場の負担が大きい。

検査技術の進歩は歓迎ですが、保障はあくまで既存の保険で確保するのが現実的です
検査と保険の“いいとこ取り”を考える
健康な方がリキッドバイオプシーに興味を持つ背景には『早期に見つけて医療費を抑えたい』という切実な思いがあります。その気持ちは理解しつつ、①定期がん検診を逃さない、②最新治療に備えた**がん保険の上乗せ特約(先進医療、重粒子線治療など)**を検討する——という二本立てが今の最適解です。
今日からできる保障チェック
- 1現在のがん保険が診断一時金型だけなら、入院・通院給付や先進医療特約の追加を検討する
- 2通算500万円まで使える治療給付タイプなら、差額ベッド代や医療費控除を含めた自己負担を試算しておく
- 3生命保険文化センター公表の『がん治療自己負担平均:月約8.9万円』を参考に家計のキャッシュフロー表に反映する
- 4保険期間が終身型か定期型かを確認し、60代以降の保険料負担増リスクを見直す
オンラインFP相談でわかる“掛けすぎ”と“足りない”の境界線
FP相談 なら、家族構成・収入推移・医療費控除余地を一括でシミュレーションできます。特にがん保険は『一時金+収入保障+先進医療』の組み合わせがポイントですが、同じ保障内容でも保険料差が月3,000円以上になる例も珍しくありません。オンラインなら夜22時開始の枠もあり、育児や仕事で忙しい方でも家計相談がしやすいのがメリットです。
FP相談前に揃えておくべき資料は?
初回面談までに準備した方がいいものは?

保険証券(写メでOK)、昨年の医療費控除明細、直近の健康診断結果です。可能なら公共料金と住宅ローン明細も用意すると、固定費全体の見直しが一度で済みます。
医療費控除・先進医療特約を活用した節税策
がん治療費が年間10万円を超えた場合、医療費控除で戻る税金は所得税率20%の世帯なら最大で実費の20%強。さらに先進医療特約(保険料月500円前後)で3000万円まで保障があれば、自己負担の大幅カットが可能です。FPと税制・保障をセットで設計するとキャッシュアウトを最小化できます。
最後に:生活習慣への自己投資も忘れずに
がんの40%は生活習慣の改善で予防可能とも言われます。運動習慣や禁煙サポート付きの医療保険も登場しており、保険と健康管理アプリを連動させる方が保険料を確実に下げられる現実的な手段です。リキッドバイオプシー保険の“夢”に資金を取られる前に、できる対策を一つずつ実行しましょう。
まとめ:重要ポイント
- 1リキッドバイオプシー連動型で保険料が割引される商品は2025年5月時点で存在しない
- 2リキッドバイオプシーの保険適用は治療中のがん患者が対象で、健常者のスクリーニングは高額自費
- 3保障不足は既存のがん保険の特約追加と医療費控除の活用で補える
- 4SNSの真偽は公式プレスリリースと行政資料で必ず二重チェックする
- 5無料オンラインFP相談を使えば家計全体を踏まえたがん対策を中立的に設計できる
ぜひ無料オンライン相談を
リキッドバイオプシーに頼らずとも、がん治療費は既存の保険と税制優遇でしっかり備えられます。無料のオンラインFP相談なら、最新商品を横断比較しながら、医療費控除・先進医療特約・生活習慣改善サービスを組み合わせたオーダーメイド設計が可能。夜間や土日も予約でき、じっくり家計相談できるため、誤情報に惑わされず合理的にリスクを下げたい方に最適です。
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