熟年離婚×年金分割に備える！50代女性の生命保険見直し術

2025年6月30日

更新:2025年6月30日

執筆者河又翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)

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50代女性の“熟年離婚リスク”を数字で実感

50代で離婚すると厚生年金は 年金分割 で最大半減し、家計は一気に赤字化します。厚生労働省の人口動態統計によると2023年の離婚件数は18万5,404組、そのうち妻が50歳以上のいわゆる熟年離婚は約23.5％に上りました(人口動態統計2023年確定数)。この記事では、離婚後の生活費・介護費・医療費不足を 生命保険見直し×FP相談 でまとめて解決する方法を解説します。

最初にチェック！熟年離婚で直面する三大ギャップ

1
公的年金：年金分割で支給額が月6万円以上減るケースも
2
住まい：住宅ローン完済前なら賃料負担が月8〜12万円に跳ね上がる
3
介護・医療費：要介護期間平均55.0か月×月9万円＝約495万円が自己負担

年金分割の仕組みと平均受取額をアップデート

配偶者の厚生年金保険料納付記録を最大50％まで請求できる 年金分割 制度。実際には「婚姻期間中の厚生年金部分だけ」が対象なので、20年専業主婦でも自分の年金は国民年金のみというケースが多いのが現実です。平均モデル（夫：平均標準報酬月額40万円・22年就労）の試算では、分割後の妻の年金は月8.6万円とされ、総務省家計調査の単身高齢女性平均支出（11.3万円）には約2.7万円不足します。

年金分割だけで生活できますか？

分割後の年金が8万円台だと家賃を払うと赤字ですよね？

はい。住居費を含む固定費を圧縮する手段として、貯蓄型終身保険の解約返戻金を住宅取得費に充当する、または家賃補填に月額給付型の収入保障保険を組み合わせるなど、保険設計でキャッシュフローを平準化する方法があります。

介護費・医療費を最新データで再計算

生命保険文化センターの2024年度調査では、要介護期間は平均 55.0か月（約4年7カ月）、月々の自己負担は平均 9.0万円、住宅改修など一時費用は 47.2万円 とされています(介護費用の実態)。累計費用は約542万円。過去の“5.9年×月9万円”より負担額が少なく見えますが、物価上昇率2％で5年後には実質6万円目減りする試算もあり、インフレ耐性のある資金づくりが必須です。

介護費は平均より1年長く続くだけで約110万円跳ね上がります—期間＋インフレのダブル想定が鉄則です。

夫ありき→自分軸へ！見直す3つの生命保険ポイント

① 死亡保障 は「遺族向け」から「自分の終活・相続費用確保」へ目的を変更。 ② 就業不能・介護特約 を追加し、働けない期間と要介護状態を現金給付でカバー。 ③ 予定利率1.5％時代は、解約返戻金をスリムにした低解約返戻金型終身＋掛け捨て特約で保険料を最適化します。乗り換え時は健康告知と予定利率改定月を必ず確認しましょう。

乗り換え前にやるべきステップ

1
既契約の解約返戻金・払済保険料を試算し紙に残す
2
健康診断書を3か月以内に取得し告知書の数値エビデンスに活用
3
予定利率改定月（多くは4月・10月）前後で保険料の差を比較
4
新旧契約の重複期間を最短1か月に抑え二重払いを防止

保障と資産形成を両立する“ハイブリッド設計”

インフレに強い 変額終身保険 をコアに、解約返戻金を教育・住居資金として流用できる設計にすると流動性が高まります。また、2024年から非課税枠が倍増した 新NISA をサテライト運用として組み合わせれば、保険の長期安定と投資の高リターンを同時に狙えます。

50代女性モデルの資産形成シミュレーション

・変額終身（保険料月2万円、年平均リターン3.5％）を65歳まで拠出→65歳解約返戻金約650万円。・新NISA成長投資枠（月5万円、リターン4.5％）を65歳まで積立→評価額約1,600万円。保険＋NISA合計で2,250万円。年金不足（月3万円×20年＝720万円）と介護費（542万円）を差し引いても約1,000万円の余裕資金が残る計算です。

変額終身は元本割れが怖い…

市場暴落時に解約返戻金が大きく減るのが不安です。

65歳時点で市場が低迷していれば、返戻金の一部を定額年金移行できる商品もあります。過去10年の平均下落率は▲12％程度なので、想定リスクを踏まえ新NISAの積立比率を調整すると安心です。

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1カ月行動を遅らせると、保険料は年齢アップで平均3％上がります。先延ばしこそ最大の固定費です。

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まとめ：重要ポイント

1
年金分割後の不足額は月2.7万円—生命保険見直しで補填資金を確保
2
介護費用は平均542万円、インフレを前提に600万円を目標に準備
3
変額終身×新NISAのハイブリッド設計でインフレ耐性と流動性を両立
4
保険乗り換えは告知書・予定利率改定月・二重払い期間をチェック
5
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