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【2026年6月更新】個人年金保険と住民税非課税|65歳受取の3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年6月更新】個人年金保険と住民税非課税|65歳受取の3基準
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65歳からの個人年金、住民税非課税に影響する?

65歳で退職し、公的年金に加えて個人年金保険を受け取るとき、「住民税非課税世帯のままでいられるのか」は家計に大きく関わります。住民税が非課税かどうかは、税金だけでなく、65歳以上の介護保険料、国民健康保険料、70歳以降の医療費の自己負担区分、自治体の給付制度にも影響することがあるためです。
この記事では、 個人年金保険 を65歳から受け取る人に向けて、住民税非課税との関係を3つの基準で整理します。ポイントは「銀行に入る受取額そのもの」ではなく、「税金上の所得がいくら増えるか」を見ることです。公的年金だけなら非課税に近い人ほど、受け取り開始前に一度試算しておく価値があります。

この記事で確認する3基準

  • 1
    公的年金だけなら住民税非課税に収まるかを先に確認します。
  • 2
    個人年金保険のうち課税対象になる利益部分を計算します。
  • 3
    年金受取、一括受取、受取開始年齢の違いで翌年度の住民税を比較します。
  • 4
    介護保険料や医療費負担など、非課税判定の周辺影響も確認します。

基準1:まず公的年金だけの非課税ラインを見る

住民税非課税になるかどうかは、原則として前年の所得をもとに自治体が判定します。日本年金機構は、令和8年度税制改正に関連して、65歳以上の単身者で公的年金収入のみの場合の非課税限度額を、級地区分ごとに1級地155万円、2級地151.5万円、3級地148万円と示しています。詳しくは(令和8年度税制改正による公的年金等に係る主な改正事項)で確認できます。
ここで注意したいのは、この金額が全国一律の「絶対ライン」ではないことです。住民税の非課税限度額は、自治体の級地区分、扶養人数、障害者・寡婦・ひとり親などの該当有無で変わります。夫婦世帯では配偶者の所得や扶養判定も絡むため、まずは自分の市区町村の「個人住民税が課税されない人」のページを確認しましょう。

個人年金の受取額が少しでもあると非課税から外れますか?

公的年金だけなら住民税非課税になりそうです。個人年金を月3万円受け取ると、すぐ課税世帯になりますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
受取額全額で判断するわけではありません。個人年金保険は、受け取った年金から対応する払込保険料を差し引いた利益部分が主な課税対象です。まずは保険会社の年金支払通知書や試算表で、雑所得の見込額を確認しましょう。

基準2:個人年金保険は「全額所得」ではない

個人年金保険を年金形式で受け取る場合、契約者と年金受取人が同じであれば、毎年の受取額は原則として公的年金等以外の雑所得として扱われます。ただし、課税対象は受け取った金額すべてではなく、受取額から必要経費にあたる払込保険料相当額を差し引いた部分です。
国税庁の(保険契約者である本人が支払を受ける個人年金)でも、雑所得の金額は「その年中に支払を受けた年金の額」から「その金額に対応する払込保険料または掛金の額」を差し引くと説明されています。さらに、年金額から対応する保険料を控除した残額が25万円以上の場合は、原則として10.21%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます。
住民税非課税を考えるなら、 住民税非課税 の判定に加わるのは「年金の入金額」ではなく「利益部分」です。たとえば年間36万円を受け取っても、対応する必要経費が30万円なら、税金上の所得増加は6万円という見方になります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
老後資金は多いほど安心に見えますが、非課税判定では入金額ではなく所得の増え方を確認することが大切です。

基準3:65歳受取は「翌年度の住民税」で考える

住民税は、今年の所得に対して翌年度に課税される仕組みです。たとえば2026年に65歳で個人年金保険の受け取りが始まると、その所得は原則として2027年度の住民税判定に影響します。退職直後の年は給与、退職金、公的年金、個人年金が混在しやすいため、1年だけ課税世帯になったり、翌年に非課税へ戻ったりするケースもあります。
公的年金の所得計算では、65歳以上と65歳未満で公的年金等控除の扱いが異なります。国税庁の(公的年金等の課税関係)では、公的年金等は年金収入から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算するとされています。65歳到達年に退職給与や企業年金もある人は、個人年金保険の初回受取を65歳にするか、66歳以降にずらすかで、翌年度の税・社会保険料の見え方が変わる可能性があります。

住民税非課税を確認するための準備資料

  • 1
    ねんきん定期便や年金見込額通知で、公的年金の年額を確認します。
  • 2
    個人年金保険の保険証券で、受取開始年齢、年金額、受取期間を確認します。
  • 3
    保険会社の試算表で、毎年の必要経費相当額と雑所得見込額を確認します。
  • 4
    退職予定年の給与、退職金、企業年金の有無を整理します。
  • 5
    自治体の住民税非課税基準と介護保険料段階を確認します。

年金受取と一括受取、どちらが住民税にやさしい?

個人年金保険は、年金形式で受け取るほか、一括受取を選べる契約もあります。年金受取は毎年の雑所得として分散される一方、一括受取は一時所得として扱われるのが一般的です。一時所得には特別控除50万円と2分の1課税の仕組みがありますが、受け取った年の所得が大きくなり、翌年度の住民税や各種負担区分に影響することがあります。
つまり、「税金だけ」なら一括が有利に見える場合でも、「住民税非課税世帯でいられるか」「介護保険料の段階が上がらないか」まで含めると、年金形式のほうが家計に合うこともあります。 65歳受取 は、老後資金の使い道と税制の両方から判断する必要があります。

確定申告不要でも住民税申告が必要なことがある

公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等以外の所得金額が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる制度があります。ただし、これは「所得税の確定申告」の話であり、住民税の申告まで必ず不要になるとは限りません。国税庁も、公的年金等以外の所得が20万円以下で確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要な場合があると案内しています。
個人年金保険の雑所得が少額でも、自治体が所得情報を把握できないと、非課税判定や国民健康保険料・介護保険料の計算に影響することがあります。迷う場合は、年金支払通知書を手元に置いて、市区町村の住民税担当窓口に「住民税申告が必要か」を確認すると安心です。

住民税非課税を守るために個人年金は解約すべきですか?

住民税非課税から外れるのが怖いので、個人年金保険を解約したほうがいいでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
すぐ解約はおすすめしません。解約返戻金、払込済保険への変更、受取開始年齢の変更、年金額の受け取り方など、契約ごとに選択肢が違います。非課税判定だけでなく、長生きリスクや手元資金も一緒に見ましょう。

個人年金保険料控除は2026年も確認したい

現役時代に個人年金保険料を払っている人は、個人年金保険料控除も確認しておきたいところです。新制度では、個人年金保険料控除の所得税の上限は4万円、住民税の上限は2.8万円が基本です。2026年分・2027年分の生命保険料控除では、23歳未満の扶養親族がいる場合の新制度の一般生命保険料控除について所得税の上限が6万円になる時限措置がありますが、個人年金保険料控除そのものの上限が同じように6万円へ広がるわけではありません。
控除制度の基本や、個人年金保険料控除の条件は(税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」)で確認できます。老後に受け取るときの課税だけでなく、現役時代にどれだけ所得控除を使えたかも、個人年金保険の実質的な損得に関わります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
住民税非課税は大切な判断材料ですが、老後の安心を削ってまで非課税に合わせると、本来の資金計画が崩れることがあります。

ケース別:個人年金保険が影響しやすい人

個人年金保険と住民税非課税の関係で特に注意したいのは、公的年金だけなら非課税ラインぎりぎりの人です。たとえば、65歳以上の単身で公的年金が年150万円台の場合、住んでいる自治体の級地区分によっては、個人年金保険の雑所得が数万円乗るだけで住民税の均等割が課税される可能性があります。
一方で、公的年金だけですでに課税ラインを超えている人は、個人年金保険の受け取りで税額は増えても、「非課税から課税へ変わる」という影響はありません。この場合は、住民税非課税にこだわるよりも、所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料を含めた手取りで比較するほうが現実的です。

迷ったら、受取開始前に家計全体で試算する

個人年金保険は、受け取りが始まってから慌てて見直すより、受取開始の1〜2年前に試算するほうが選択肢を取りやすくなります。確認したいのは、公的年金見込額、個人年金保険の雑所得見込額、退職金、企業年金、NISAや預金の取り崩し額、医療・介護費の備えです。
住民税非課税に収めることだけを優先すると、使える老後資金が不足するかもしれません。反対に、受け取り方を少し調整するだけで、税金や社会保険料の負担感を抑えられることもあります。保険、年金、資産運用を別々に考えず、家計表にまとめて判断しましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    65歳以上の住民税非課税ラインは自治体の級地区分や扶養状況で変わるため、市区町村の基準確認が必要です。
  • 2
    個人年金保険は受取額全額ではなく、対応する払込保険料を差し引いた雑所得が住民税判定に影響します。
  • 3
    2026年に受け取った個人年金の所得は、原則として2027年度の住民税や社会保険料の判定に影響します。
  • 4
    一括受取は一時所得の特別控除が使える一方、受け取った年の所得が増え、翌年度の負担区分に響くことがあります。
  • 5
    所得税の確定申告が不要でも、住民税申告が必要な場合があるため、少額の個人年金でも自治体に確認すると安心です。

無料オンライン相談で受取前に家計を棚卸し

個人年金保険の受け取り方は、税金だけでなく介護保険料、国民健康保険料、老後資金の取り崩し方までつながります。ほけんのAIでは、AI診断をきっかけに有資格FPへオンラインで無料相談できます。自宅から保険証券や年金見込額を見ながら、中立的な立場で複数の選択肢を比べられるので、受取開始前の整理に役立ちます。

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