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【2026年10月更新】遺族厚生年金の継続給付|不足額3基準

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山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年10月更新】遺族厚生年金の継続給付|不足額3基準
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遺族厚生年金の見直しで、生命保険の必要額は変わる?

2028年4月に予定されている遺族厚生年金の見直しで、「配偶者が亡くなった後の年金はいつまで続くのか」が気になっている方は多いはずです。特に、子どものいない60歳未満の配偶者や、子どもが18歳年度末を過ぎた後の生活を考える家庭では、これまでの感覚だけで死亡保障を決めると不足が出る可能性があります。
ただし、制度改正を「遺族年金が一律5年で終わる」と受け止めるのは正確ではありません。この記事では、 遺族厚生年金の継続給付 の基本と、生命保険で埋めるべき不足額を「生活費」「教育費・住居費」「働けないリスク」の3基準で整理します。保険を増やすべきか、今のままでよいかを判断するための土台として読んでください。

この記事で確認できること

  • 1
    遺族厚生年金が原則5年の有期給付になる世帯と、影響を受けにくい世帯を分けて確認できます。
  • 2
    5年後も続く可能性がある継続給付を、家計設計で過大評価しすぎない見方がわかります。
  • 3
    生命保険の不足額を生活費、教育費・住居費、働けないリスクの3基準で確認できます。
  • 4
    死亡保険を増やす前に、預貯金、団信、NISA、勤務先制度、既契約の保障を並べて考えられます。

2028年4月予定の改正ポイントを先に押さえる

厚生労働省の(遺族厚生年金の見直しについて)では、2025年6月に成立した年金制度改正法に基づき、遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定とされています。大きな方向性は、男女差を見直し、遺族基礎年金の対象となる子どもがいない60歳未満の配偶者について、遺族厚生年金を原則5年間の有期給付にそろえることです。
ただし、すべての人が一気に5年で終わるわけではありません。厚生労働省は、既に遺族厚生年金を受給している人、60歳以降に受給権が発生する人、18歳年度末までの子どもを養育している間の給付内容、2028年度に40歳以上になる女性は、今回の見直しの影響を受けないと整理しています。施行直後に新たに原則5年の有期給付の対象となる女性は、18歳年度末までの子どもがいない2028年度末時点で40歳未満の方で、推計では年間約250人とされています。一方、男性は18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の方が対象で、推計では年間約1万6,000人です。

子どもがいる家庭も5年で終わるのでしょうか?

うちは小学生の子どもがいます。配偶者に万一があったら、遺族厚生年金は5年で終わる前提で生命保険を増やすべきですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
子どもが18歳年度末になるまでは現行制度と同じ扱いで、見直しの影響はありません。まずは「いま亡くなった場合」と「子どもが18歳年度末を過ぎた後」の2つに分けて不足額を計算するのがおすすめです。

継続給付は助かる制度だが、家計設計では控えめに見る

改正後は、原則5年の有期給付が終わった後でも、一定の事情がある場合に給付が続く 継続給付 の仕組みが設けられる予定です。厚生労働省は、障害状態にある方や収入が十分でない方は、5年間の有期給付終了後も引き続き増額された遺族厚生年金を受給できると説明しています。
重要なのは、継続給付を「必ず受け取れる収入」として満額で見込まないことです。単身の場合、就労収入が月額約10万円、年額122万円以下なら継続給付が全額支給される一方、収入が増えるにつれて年金額は調整され、遺族厚生年金の年金額にもよりますが、おおむね月額20万〜30万円を超えると全額支給停止になるとされています。生命保険の不足額を出すときは、まず5年後に公的収入が減るケースを想定し、継続給付が受けられれば安全余力と考えるほうが現実的です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
遺族年金の改正は、怖がるためではなく、家族の現金収支を見直すきっかけとして使うのがいちばん実用的です。

子どもがいる家庭は「18歳年度末の後」を見落としやすい

今回の改正で特に意識したいのは、子どものいない若い夫婦だけではありません。子育て中の家庭でも、子どもが遺族基礎年金の対象年齢を過ぎた後に、配偶者の生活費がどれだけ残るかは別問題です。
生命保険文化センターの(遺族年金の見直しについて知りたい)でも、2028年4月から遺族年金制度が大幅に見直され、子どもが18歳年度末を迎えた後は、原則5年間の有期給付と、配慮が必要な場合の継続給付の対象になると整理されています。また、遺族基礎年金の子どもの加算額は、見直し後に第3子以降も第1子・第2子と同額の一律281,700円、2024年度価格に引き上げられる予定です。つまり、子育て中の家庭ほど「教育費が終わるまで」と「配偶者が自立収入を得るまで」を分けて確認する必要があります。

生命保険の不足額を出す3基準

  • 1
    生活費の不足額は、遺族年金、配偶者の収入、児童手当、預貯金を差し引いて月額で確認します。
  • 2
    教育費と住居費は、大学進学時期、住宅ローン団信、賃貸更新費を分けて一時金で確認します。
  • 3
    働けないリスクは、配偶者の健康状態、就業ブランク、親の介護負担を含めて期間で確認します。
  • 4
    既契約の死亡保険は、保険金額だけでなく満期、更新後保険料、収入保障型か一時金型かを確認します。
  • 5
    NISAや預貯金は、暴落時に売らずに済む生活防衛資金を残したうえで死亡保障と役割分担します。

基準1:生活費は「5年後の月間赤字」で見る

最初の基準は、配偶者が亡くなった後の生活費です。ここで見るべきなのは、死亡直後の数か月だけではなく、遺族厚生年金の有期給付が終わった後の 月間赤字 です。
たとえば、生活費が月28万円、残された配偶者の手取り収入が月16万円、遺族年金などの公的収入が見直し後に月6万円相当まで下がると仮定すると、月6万円の不足が残ります。この不足が10年続くなら720万円、15年続くなら1,080万円です。死亡保険金を決めるときは、「年収の何倍」よりも「不足額×期間」で考えるほうが家計に合います。
生命保険文化センターの2025年度(生活保障に関する調査)では、死亡時の遺族の生活について不安を感じる人は62.5%、公的死亡保障でまかなえるとは思わない人は66.3%でした。さらに、死亡保険金の必要額の平均は1,569万円に対し、生命保険加入金額の平均は887万円で、必要額に対する加入金額の割合は56.5%です。平均だけで判断はできませんが、「うちは本当に足りているか」を数字で確認する意味は大きいといえます。

収入保障保険と定期保険はどちらが合いますか?

不足額が月単位で出るなら、収入保障保険のほうがよいのでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
生活費のように毎月続く不足には収入保障保険が合いやすいです。一方で、大学入学金や住宅関連費のような一時金には定期保険や既存貯蓄を組み合わせると整理しやすくなります。

基準2:教育費と住居費は「一時金不足」で分ける

2つ目の基準は、教育費と住居費です。生活費の不足は月額で考えますが、大学の初年度納付金、受験費用、引っ越し費用、賃貸の更新費などは一時金で出ていきます。これを月間赤字に混ぜると、必要保障額がぼやけます。
教育費では、文部科学省の(私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)で、私立大学学部の初年度学生納付金等の平均が1,507,647円と公表されています。これは授業料、入学料、施設設備費、実験実習料等の総計で、学部や自宅外通学の有無によってさらに差が出ます。高校3年の秋から大学1年の春にかけてまとまった支出が重なるため、死亡保険金で用意するのか、学資保険や預貯金で用意するのかを時期で分けておきましょう。
住宅ローンがある家庭は、団体信用生命保険でローン残高がなくなるかを確認します。団信が効くなら住居費の不足は小さくなる一方、固定資産税、管理費、修繕積立金は残ります。賃貸家庭では家賃が長く残るため、住居費を生活費に含めた月間赤字として見るか、引っ越し費用を一時金として別に置くかを決めておくと整理しやすくなります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費は「いくら必要か」だけでなく「いつ必要か」が重要です。満期日や入学時期がずれると、足りているはずの資金でも使えないことがあります。

基準3:働けないリスクは継続給付だけに頼らない

3つ目の基準は、残された配偶者がすぐに働けるかどうかです。継続給付は、5年後の収入不足を補う可能性がある制度ですが、家計の前提として「きっと続く」と置くのは危険です。
特に、未就学児がいる、親の介護がある、配偶者に持病がある、長い就業ブランクがある家庭では、再就職までの期間が長くなることがあります。生命保険文化センターの2025年度調査でも、自分自身の失業・休業・廃業経験の理由として「深刻な病気・けが」が9.9%、「親族の介護」が4.7%挙がっています。家族・友人・知人の経験では「親族の介護」が7.4%で、前回調査より増えています。
この場合は、死亡保障だけでなく、生活防衛資金、医療保険、就業不能時の備えも一緒に棚卸しする必要があります。目安としては、生活費の3〜6か月分をすぐ使える預貯金で残し、それでも足りない長期の生活費を死亡保険で補う、という順番が考えやすいです。

保険を増やす前に、既契約と資産形成を同じ表に並べる

遺族厚生年金の改正を聞くと、すぐに死亡保険を増やしたくなるかもしれません。ただ、保険料を上げすぎると、毎月のNISA積立や教育費の現金準備が苦しくなることもあります。
まずは、現在の死亡保険金、収入保障保険の月額、勤務先の死亡弔慰金、住宅ローン団信、預貯金、NISA、iDeCoを1枚の表に並べましょう。そのうえで、5年後に不足する生活費、教育費の一時金、働けない期間の予備費を差し引けば、生命保険で埋めるべき金額が見えます。大切なのは、 公的保障・保険・資産形成 を別々に判断しないことです。

見直しの順番は「制度確認、必要額、商品」の順で進める

生命保険文化センターの(万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例)では、支出見込額から収入見込額を差し引き、その不足分を必要保障額の目安とする考え方が示されています。これは、遺族厚生年金の改正を踏まえる場合にも使える基本です。
先に商品を選ぶと、必要以上に高い保険料を払ったり、逆に教育費のピークだけ保障が足りなかったりしがちです。最初に遺族年金の対象期間を確認し、次に生活費・教育費・住居費の不足額を出し、最後に収入保障保険、定期保険、既存資産のどれで埋めるかを決める。この順番を守るだけで、保険の見直しはかなり現実的になります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定で、子どものいない60歳未満の配偶者は原則5年の有期給付が軸になります。
  • 2
    既に受給中の人、60歳以降に受給権が発生する人、18歳年度末までの子どもを養育している間など、見直しの影響を受けないケースもあります。
  • 3
    継続給付は5年後の助けになる可能性がありますが、生命保険の試算では控えめに見るのが安全です。
  • 4
    不足額は、生活費の月間赤字、教育費・住居費の一時金、配偶者が働けない期間の3基準で確認します。
  • 5
    保険を増やす前に、団信、勤務先制度、預貯金、NISA、iDeCo、既契約の死亡保障を同じ表で整理しましょう。

まずはAI相談から、必要なら無料オンラインFP相談へ

遺族厚生年金の継続給付は、家族構成、子どもの年齢、住宅ローン、配偶者の働き方で必要な生命保険額が大きく変わります。ほけんのAIなら、まずLINEで24時間AI相談を始められ、必要に応じてオンラインでFPに無料相談できます。保険、NISA、教育費をまとめて整理し、中立的な立場で比較したい方は、家計の棚卸しから始めてみてください。

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