ほけんのAI Logo保険相談の掟

【2026年1月更新】生命保険信託の始め方|親亡きあとに備える受取設計3ステップ

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年1月更新】生命保険信託の始め方|親亡きあとに備える受取設計3ステップ
生命保険信託
親亡きあと
受益者指定
信託銀行
受取設計
障害者支援
相続税

親亡きあと問題:家計の“継続性”をどう守るか

物価高や医療・介護費の上昇が続くなか、親亡きあとの生活費や見守り費用を「毎月・必要な分だけ」子や配偶者に届ける仕組みが求められています。二人以上世帯の支出推移は直近でも高止まりが確認され、家計の継続性への不安は小さくありません((家計調査 2025年10月分))。そこで注目されるのが、保険金の渡し方まで指定できる生命保険信託です。この記事では、仕組み・費用・税の扱いを整理し、最短で実践できる3ステップの受取設計を具体化します。

生命保険信託とは(仕組みと関係者)

生命保険の死亡保険金に、信託銀行の財産管理機能を組み合わせた仕組みです。契約者(委託者)が亡くなった際、保険金は信託口座に入り、信託銀行(受託者)が契約時の指示に沿って受益者へ定期・分割・イベント時などで支払います。第二受益者や残余帰属先の指定、見守り役となる指図権者・受益者代理人の設定も可能です。概要と基本フローは、各社の公開資料で確認できます((生命保険信託(外部サイト)))。

2026年の提供傾向と加入条件の目安

取り扱いは「大手信託銀行×一部生命保険会社の提携」形が中心で、既契約者向け専用サービスのケースもあります。最低設定額は目安で1,000万円程度から、信託期間は5〜25年の範囲設定が一般的です。サービス誕生は2010年頃で、分割・用途指定・第二受益者の仕組みが普及してきました(参考:サービス紹介の例 (生命保険信託の紹介))。詳細の可否や条件は商品によって異なるため、個別に確認しましょう。

向いているケース/向かないケースの目安

  • 1
    受益者が未成年・障がい・高齢などで長期の財産管理が必要なケースに適している
  • 2
    一括受け渡しによる使い過ぎや流用のリスクを避け、毎月の生活費として計画的に渡したい場合に有効
  • 3
    家族以外(事実婚パートナー/団体/施設など)へ用途を限定して継続的に資金を届けたい場合に機能する
  • 4
    受取側に自力の管理体制が整っている・短期で使い切る目的なら、遺言や家族信託・成年後見等の代替が現実的なこともある
  • 5
    不動産など他資産の管理は別途の設計(遺言・家族信託)と組み合わせる必要がある

費用相場と注意点(例示/最新条件は要確認)

初期と信託期間中の費用が発生します。例として、契約時の設定費用55,000円、保険金受領時の信託報酬2.2%、年間の事務・管理報酬22,000円、運用報酬は信託銀行の指定金銭信託の範囲で率設定(年0.01〜6%の枠内決定)などの公表例があります(前掲の公開資料ページ参照)。これらは商品・契約条件・公表時点により異なり、変更され得ます。数値はあくまで「例示」です。最新条件は各社公式資料で必ず確認してください。

既契約の生命保険でも使えますか?

いま加入している保険で、亡くなった後に子へ毎月の生活費として渡したいです。生命保険信託は後から付けられますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
可能なケースがあります。手順は「保険金受取人を信託銀行へ変更→信託契約(受益者・指図権者・給付条件の設定)→死亡時に保険金が信託口座へ→定期支払い開始」です。既契約の商品・チャネルによって取扱可否が分かれるため、まず取扱い有無と最低額・期間の基準を確認しましょう。条件が合わなければ、取扱いのある保険へ必要分だけ乗せる方法が現実的です。

受取設計3ステップ(全体像)

設計の順番はシンプルです。1)目的と不足額の見える化、2)当事者の選定(受益者・受託者・指図権者/受益者代理人)、3)金額と給付条件の細部設計。必要な公的給付の把握、インフレ前提、緊急時の条項、税・相続の扱いまで一気通貫で整理するとミスが減ります。

ステップ1:目的と不足額の見える化

  • 1
    用途を「生活費/医療・介護費/住まい/教育費/予備費」に区分し優先順位を付ける
  • 2
    手持ち資産と公的給付で埋まる部分を差し引き、毎月の不足額×必要期間で総額を出す
  • 3
    物価前提(年2〜3%など)と運用利回りは保守的に置き、定額給付の目減りリスクを織り込む
  • 4
    災害・入院・施設入居などの突発イベント費も別枠で見積もる
  • 5
    子や配偶者のライフイベント(修学・成人・就労)に合わせ、給付の開始/増減タイミングを設計する

公的給付と前提の更新(年金・医療・介護)

公的年金は改定が入り続けます。最新の改定状況は厚生労働省の公表で確認できます((令和7年度の年金額改定について))。医療の高額療養費や介護の負担区分も年次で見直されるため、設計時は現行の支給額と自己負担の枠組みを「最新リンク」で都度点検し、差額計算に落とし込んでください。

ステップ2:受益者・受託者・見守り役の選定

第一受益者(支払い先)と第二受益者(相続発生時の引継ぎ先)、残余帰属先(信託終了時の残りの渡し先)を決めます。家族以外の団体等を対象にする場合は、信託側の受け入れ要件の確認が必須です。信託銀行(受託者)は、最低額や期間、分割の柔軟性、緊急時条項の有無で比較しましょう。見守り役として指図権者や受益者代理人を置いておくと、入院・災害などの臨時支払い指示や条件変更の同意がスムーズです。

ステップ3:金額と給付の設計(分割・イベント・緊急時)

「月◯万円を◯年」「毎年◯月に学費一時金」「◯歳到達で一時金」など、月次・年次・イベント給付を組み合わせます。長期ほど定額の目減りに注意し、インフレ前提での増額や期間短縮の選択肢も準備を。緊急時払出しの条件(上限・事由・手続同意者)や、やむを得ない設計変更時の合意フローも契約書に明文化しておくと安心です。

税と相続の扱い(非課税枠・2割加算)

生命保険信託そのものに特別な税優遇はありません。死亡保険金の相続税非課税枠(500万円×法定相続人)や課税の基本は通常の生命保険と同じです((No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金))。法定相続人以外が取得する場合は、相続税額の2割加算に留意します((No.4157 相続税額の2割加算))。設計の目的は「節税」ではなく、「用途どおりに確実に届けること」と割り切りましょう。

他制度との使い分け:特定贈与信託の併用

親が存命のうちに障がいのある子の生活費原資を信託で確保する「特定贈与信託」は、贈与税が非課税となる上限(特別障害者6,000万円/その他の特定障害者3,000万円)が制度として用意されています((特定贈与信託))。生前の贈与信託で基礎を作り、死亡保険金の生命保険信託で不足分を重ねる「多層設計」は現実的です。相続・遺留分への配慮も専門家と確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
生命保険信託の価値は“渡す”だけでなく“届け続ける”ことです。金額よりも順番と目的を丁寧に言語化すると、家族の安心は一段と強くなります。

申し込みの流れと必要書類・所要期間

一般的な段取りは、相談→仮設計→信託契約→保険金受取人の変更→証票交付→保管です。必要書類は本人確認・戸籍関係・診断書類(要件確認)・受益者関連の同意書など。審査・事務は商品によって異なりますが、目安で数週間〜数か月の範囲。費用見積りは「初期+信託設定時+年次管理+運用報酬+振込手数料」の合算で比較し、分割パターンの違いまで含めて総額で判断しましょう。

事例:障がい児家庭の月次給付モデル(例示)

例として、知的障がいのある子の生活費を「月13万円×40年」想定。公的年金や福祉給付で月の一部が賄えるなら、差額のみを生命保険信託の分割で補います。成人到達までは扶養者口座へ、以降は本人名義へ段階移行、イベント時(入居・大規模医療)には一時金枠を別途設定。インフレ想定で5年ごとの見直し条項を入れておくと、実額のズレが抑えられます。数値はあくまでモデルで、世帯により大きく変わります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    親亡きあとの生活費は“毎月の不足額×期間”で定量化し、生命保険信託で分割受け取りに落とす
  • 2
    第二受益者・残余帰属先・指図権者をセットにし、緊急時払出しと変更フローまで契約書に明文化する
  • 3
    費用は初期・設定時・年次管理・運用に分かれるため、最新条件を複数社で比較し総額で判断する
  • 4
    税は通常の死亡保険金と同じ扱い。非課税枠と2割加算の線引きを理解し、節税目的化は避ける
  • 5
    特定贈与信託など他制度と重ねる“多層設計”で、長期の安心と資金の継続性を高める

ぜひ無料オンライン相談を

家族の状況や既契約の取扱可否は商品ごとに異なります。ほけんのAIなら、まずAIで不足額と制度の要点を整理し、その内容を踏まえて有資格FPがオンラインで個別設計を支援。場所・時間の制約なく無料で相談でき、特定商品に偏らない中立比較が可能です。今の保険を活かしつつ、分割・イベント・緊急時の条項まで“わが家仕様”に仕上げましょう。

🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

カフェで相談する様子

関連記事一覧

【2026年1月更新】法人保険 退職金10年ルールの落とし穴|受取順・出口設計

【2026年1月更新】法人保険 退職金10年ルールの落とし穴|受取順・出口設計

2019年通達と2026年適用の“10年ルール”で退職金×法人保険は再設計必須。受取順の新基準、70%ルールの評価、解約益と退職金の同年度同期化まで一次情報リンク付きで実務化。

【2026年1月更新】在職老齢年金62万円対応|共働き60代の保険見直し3手順

【2026年1月更新】在職老齢年金62万円対応|共働き60代の保険見直し3手順

在職老齢年金の基準額62万円(2026年4月予定)に対応し、共働き60代の手取り最適化と保険見直しを3手順で具体化。扶養判定、医療・介護費、投資併用まで最新制度リンク付きで解説。

【2026年1月更新】就業不能保険 40代男性 不足額の出し方|設計3ステップ

【2026年1月更新】就業不能保険 40代男性 不足額の出し方|設計3ステップ

40代男性の就業不能リスクに備え、不足額を“差額×期間”で可視化。傷病手当金・障害年金・高額療養費の最新情報に基づき、免責期間と給付期間の決め方を実務ベースで解説。

【2026年1月更新】収入保障保険30代共働き最低保証|2年と5年の使い分け

【2026年1月更新】収入保障保険30代共働き最低保証|2年と5年の使い分け

30代共働きの死亡保障は“最低支払保証”がカギ。子の年齢・ローン・遺族厚生年金の最新ルールに沿って、2年/5年の使い分けと実践3ステップを一次情報リンク付きで解説。

【2026年1月更新】住民税非課税世帯の判断:生命保険料控除の線引きと申告手順

【2026年1月更新】住民税非課税世帯の判断:生命保険料控除の線引きと申告手順

2026年は単身110万円目安に。住民税非課税世帯の判定式(35万円×人数+31/42万円)と自治体差、生命保険料控除の正しい計算(5万円→26,500円)を一次情報リンク付きで整理。申告・訂正の実務も解説。

【2026年1月更新】収入保障保険 子育て世帯|年上限53万円対応 不足額3ステップ

【2026年1月更新】収入保障保険 子育て世帯|年上限53万円対応 不足額3ステップ

2026年の制度改定に対応し、子育て世帯の収入保障保険を再設計。高額療養費の年上限(年収帯44万〜53万円など)の正確な読み方と導入時期、児童手当拡充・遺族年金見直しを踏まえ、不足額3ステップと設計の勘所を解説。